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2025.04.14

”鈴木俊貴著 僕には鳥の言葉がわかる” を読んでみました

20250402  
鈴木俊貴著 僕には鳥の言葉がわかる
2025年1月28日 初版第1刷発行
2025年2月18日   第3刷発行
小学館

古代ギリシャ時代から現代まで、
言葉を持つのは人間だけだと決めつけられてきた。
しかし、シジュウカラたちは、
それが間違いであることを教えてくれた。
人間には人間の言葉があるように、鳥たちには鳥の言葉がある。
(本書見返しより)

世界を驚かせた研究者が綴る、大発見に至るまでの鳥愛あふれる研究の日々。


私の散歩道で、いちばん出会う小鳥は”シジュウカラ”だと思います。スズメかな?
自分で、鳥の写真を撮り続けた時期もあり、この本、読まねばと思いました。


もくじ
はじめに・・10
鳥たちの世界へ・・14
子どもの頃の僕にとって、野鳥は遠い存在だった。
そんな僕と野鳥との距離が縮まったのは高校生の頃。お年玉で双眼鏡を買ったのがきっかけだった。
そして僕は鳥の研究ができる大学へと進学し研究者を目指す決意を固めた。
大學三年の冬、運命の出会いがあった、それは、一人で長野県の軽井沢町を訪れた時のことである。

小鳥が餌場で鳴く理由・・26
僕が初めて研究したのは、小鳥が餌場で鳴く声だった。

救いと拷問のキャベツ・・38
卒業研究の完成に向けて軽井沢でのフィールドワークを始めてから二か月ほど経った頃、肉や野菜のみならず、レトルトや冷凍野菜までもがとうとう底をついたのだ。唯一の救いはお米。

ヒロシ先生の思い出・・50
巣箱をかけた話・・58
都会の住宅事情・・66
繁殖の観察・・74
修士課程の秋と冬・・88
秋と冬は何を研究したかというと・・・。実は修士課程の秋と冬は、大学四年の卒業研究とまったく同じテーマをやり直すことにした。

巣箱荒らしの犯人・・96
大発見!ヒナの力・・
106
パースの思い出・・118
博士課程三年目の九月末
今回バースに来た目的はただ一つ。国際行動生態学会への参加である。
学会に大満足して日本に戻ると、一通のメールが届いていた。それは、投稿していた論文が”受理”されたとの知らせであった。

動物の博士・・130
2012年3月、僕はついに”博士になった。シジュウカラの鳴き声の研究論文が学術書に掲載され、博士号を取得するのふさわしいと大学に認められたのだ。

実家の巣箱・・140
ヒナ救出大作戦・・148
井の中の蛙・・158
いつしか僕はシジュウカラ語を手掛かりにタカやヘビを見つけ出すようになっていたし、鳴き声を聞くだけで鳥たちの行動や群れの動きを予想できるようになっていた。シジュウカラにも言葉がある。これは、僕にとって当たり前の話であった。
そんなある日、大学の図書館である本を読んでいて驚いた。そこには。「言語を持つのは人間だけだ」と明記されていたのである!
なんということだ・・・・。紀元前から二千年以上ものあいだ、言葉を持つのは人間だけで、動物たちの鳴き声は感情表現だと決めつけられてきたのである。
ぼくは思った。このままでは人類は「井の中の蛙」である。他の動物たちの言葉に気づかずに、自分たちが言葉を持つ特別な存在だと思い込んでしまっている。

シジュウカラに言葉はあるのか?・・166
もし「ジャージャー」が「ヘビ」意味する言葉であれば、それを聞いたシジュウカラは、頭にヘビをイメージしているはずだ。そしてそれを示せれば、シジュウカラにも言語があると主張できるはずである。
僕は、来る日も来る日も、毎日のように考えた。「ジャージャー」という声を聞いたシジュウカラがヘビをイメージしていることを、どうやったら証明することができるだろうか?
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「ジャージャー」はヘビ!・・174
ある鳴き声が内的な感情ではなく、外的な対象物を指示し、聞き手にそのイメージを想起させることを明らかにした例は一つもなかった。ぼくの研究が初めてそれを証明したのである。
僕はさっそく論文にまとめ、米国科学アカデミー紀要(PNAS)という学術書に投稿した。

シジュウカラは文を作る・・186
ルー語による文法の証明・・200
シジュウカラには鳴き声を組み合わせて文を作る力がある。その語順にはルールがあって、ひっくり返して聞かせてみると、正しく意味が伝わらない。 となると、シジューカラにも”文法能力”があるのではないか、ということになる。
そして完成したのは、「ピーツピ・ディーディー」というシジュウカラ語とコガラ語の混合文。自然界にはありえない、シジュウカラにとってまったく新しい文である。たとえるなら、「ピーツピ・ジジジジ」が「警戒して・集まれ」だとすると、「ピ-ツピ・ディーディー」は「警戒して、トュギャザー」。まさに、鳥語版・ルー語である。
大切なのは、シジュウカラがこの新しい文を、”文法に当てはめて”理解できるかどうかである。

「ぼく・ドラえもん」実験・・212
シジュウカラは、「ピーツピ・ジジジジ」の音列を”文”として認識していいるわけではなく、”単に時間的に連続している二つの鳴き声”として認識いるのではないかというものだ。
察しのいい読者であればもうお気づきかもしれない。そうである。「ぼく・ドラえもん」と「ぼく」、「ドラえもん」をシジュウカラに聞かせてみればよいのである!
つまり、「ピーツピ・ジジジジ」の音列を一つのスピーカーから聞かせる場合と、「ピーツピ」、「ジジジジ」を、二つのスピーカーから聞かせる場合で、それらを聞いたシジュウカラの行動を比較するというアイディアだ。

翼のジェスチャー・・222
カエル人間数出作戦・・232
動物書語学の幕開け・・244
僕は東京大学に新しく研究室を立ち上げた。その名も”動物言語学分野・鈴木研究室”。動物たちの言葉を解き明かす新しい学問を、世界に向けて発信することが研究室の目標だ。
僕は信じている。動物たちの会話を理解し、彼らの世界を知ったとき、僕たちの毎日はもっと豊かで素晴らしいものに変わるはずだ。そして、その未来に向かって、僕の挑戦はまだまだ続くのである。鳥たちとともに。

おわりに・・256
シジュウカラの鳴き声を聞いてみよう・・259
参考文献・・260


特別付録の二次元コードで、シジュウカラの鳴き声を聞くことができます。
散歩の愉しみがもう一つ増えました。

数年前に散歩の途中で撮った写真です。
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2025.04.01

3月花散歩 2025

私の散歩道で、最初に春の兆をもたらしてくれるのは福寿草です。
毎年、咲くのが待ち遠しいです。

花言葉は、「幸をまねく」「永遠の幸福」「回想」「思い出」です。

まもなく紅梅が咲き、白梅が咲き今年は長い期間楽しめました。

梅の花ばかりの動画ですが・・・
スマホで撮った写真をまとめてみました。

 

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