ミロ展 第4章、第5章
ミロ展
会期 2025年3月1日(土)~7月6日(日)
第4章 夢のアトリエ 内省を重ねて新たな創造へ
1947年にミロは初めてアメリカを訪れ、アメリカの若い画家とも交流して刺激を受けます。1956年、マジョルカに長年の夢であった広いアトリエが完成すると、自身の芸術を再検討し、じっくりと作品に向き合って制作する時期に入りました。また、かねてから日本の文化に大きな関心を寄せていたミロは、1966年と1969年に訪日し、日本文化と自身の芸術の親和性を再確認していきます。(展示会場解説パネルから)
《クモを苦しめる赤い太陽》 1948 油彩/カンヴァス ナーマドコレクション
第二次世界大戦後ミロはそれまでの試作的絵画とは対照的な作品を描くようなる。本作では黒く太い記号的な線が、カンヴァスの空間を区切り、絵画にどっしりとした存在感を、与えている。一見抽象画にも見えるが、ミロは「私にとって画中のカタチや図像はけっして抽象的なものではなく常に何かを表す記号である」と述べている。(キャプションから)
《絵画(エミリ・フェルナンデス・ミロのために) 1963 油彩/カンヴァス ジョアン・ミロ財団、バルセロナ
孫のダビットとエミリに捧げた2点のうちの1点である。横長のカンヴァスに左側に人物が描かれ、そこから撮りが現れて星を追いかけている。背景にはミロらしい青が広がりその上に1940年代にかけての作品に特徴的なシンプルな線と鮮やかな色の格子柄が描かれている。(キャプションから)
太陽の前の人物 1968年 アクリル/カンヴァス ジュアン・ミロ財団、バルセロナ
ミロの造形言語の集大成のひとつである。
筆触はシンプルで力強く、素早く描かれ、カンヴァス全体に飛び散るようで、アメリカの抽象表現主義の技法を思わせる。しかし、同時に東洋的な感性とも結びついており、日本の画僧・仙厓が丸、三角、四角で宇宙を表現した作品とも関連がある。本作にもその3つの形が見て取れる。(キャプションから)
展示風景
第5章 絵画の本質へ向かって
晩年を迎えたミロは、改めて西洋の伝統的な絵画技法に挑戦するために、オブジェと新たな支持体を用いて、若き日に試みた芸術作品の脱神聖化を推し進めることを決意する。(解説パネルから)
《焼かれたカンヴァス 2》 1973年 アクリル/切られて焼かれたカンヴァス ジュアン・ミロ財団、バルセロナ(寄託)「焼かれたカンヴァス」と題された5点の連作絵画のひとつ。ミロは、白いカンヴァスに勢いよく絵具を垂らし、したたらせ、踏みつけ、ナイフで切り刻み、最後にガソリンを染みこませて火をつけた。作品を破壊するような大胆で型破りな手法をためらいなく用いた本作は、ミロが80歳を迎えてなお、新たな表現を追求していたことを示している。
展示風景
《涙の微笑》 1973年 アクリル/カンヴァス ジュアン・ミロ財団、バルセロナ(寄託)
1967年に構想を練り始め、それから6年をかけて完成させた作品。タイトルには「涙」と「微笑」という対照的な要素が並ぶが、画面内にも対照的な表現が見てとれる。上半分は手の届かない空の領域で、月や星がむき出しのカンヴァス地の上に描かれる。一方、下半分は足で踏みしめる大地が赤、黄、緑、黒で丁寧に塗られている。(キャプションから)
ポスター
ミロの文化的、社会的、政治的な取り組み
1940年代初めにリトグラフに取り組んだミロは、1960年代から1970年代に再びリトグラフを用いて数多くのポスターを制作する。
本展では、撮影可エリアがあります。
スマホで撮った写真をまとめてみました。
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