シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
世界が注目するブラック・アーティスト、待望の日本初個展!
会期2024年4月24日(水)~9月1日(日)
森美術館
アフロ民藝とは、シアスター自身の経験や考えをもとに黒人文化と日本文化を掛け合わせた、新しい「美しさ」の提案です。
(リーフレット”アフロ民藝の歩き方”から引用してます;以下同じ)
本展の構成です。
「神聖な空間」
シアスターの作品と彼が尊敬するアーティストたちの作品が一緒に展示されています。
(会場風景)
床は、シアスターの作品《散歩道》、シアスターはふたつのことを考えていました。
レンガ職人だった多くの黒人労働者たちのこと、もう一つはこのレンガを作った愛知県常滑市の陶器職人のこと。
左の作品はシアスター・ゲーツ《アーモリー・クロス》
《ヘンブリー・コード》2022年
この作品に使われているハモンドオルガンB-3とレスリースピーカーは、黒人の人たちが集まる教会でよく使われているものです。
右上の作品は、リチャードハント《天使>
最も重要なアフリカ系アメリカ人彫刻家のひとり。ゲイツは本作品を展示することで、昨年亡くなったハントの功績を称えようとしています。
「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」
シアスターが住むシカゴのウエストサイド地区の空き家をリノベーションして、近くに住む人たちが集まったり、アートを楽しんだりできる場所に作り変えています。
地図を使った建築プロジェクトの紹介 。
ブラック・ライブラリー
シアスターが手掛けた建築プロジェクトには図書館もあります。
シカゴから20,000冊の本を運んで、展示室に図書館を再現しました。
「ブラックネス」
「ブラックネス」は、「アメリカで黒人として生きること」を意味します。
黒人としての経験を通して、シアスターが感じたことや考えたことが表現されています。
左の作品タール・ペインティングシリーズ《7つの歌》 2022年
中央《基本的なルール》 共にシアスタ・ゲイツ作品
《ドリス式様式神殿のためのブラック・ベッセル(黒い器)》2022-2023年
シアスターの陶芸作品(展示風景)
年表
ここでは複数の年表を通じて、ゲイツ自身と日本の繋がりを紐解くために、常滑の歴史、民藝の歴史、そして、アメリカ黒人文化史とゲイツの個人史をひとつの時間軸のなかで紹介しています。
「アフロ民藝」
シアスターが考える新しい美しさ「アフロ民藝」を表現している空間です。
小出芳弘コレクション(1941-2022年)
シアスターは、愛知県常滑市で活動していた小出さんの陶芸家として制作に向き合う姿勢に感動し、陶芸作品すべてを引き受けることにしました。
”みんなで踊ろう”
音楽を楽しんで踊れるダンスフロア空間設定。
お酒、貧乏徳利1000本、御猪口、バーカウンター、ミラーボールなどが・・
(踊ている人はいませんでしたが・・・・)
スマホで撮った写真をまとめてみました。
―HPの解説ー
世界が注目するブラック・アーティスト、待望の日本初個展!
陶芸、建築、音楽で日本文化と黒人文化の新しいハイブリッドを描く、壮大なインスタレーション
シアスター・ゲイツ(1973年シカゴ生まれ)は、米国シカゴのサウス・サイド地区を拠点とし、彫刻と陶芸作品を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、メディアやジャンルを横断する活動で国際的に高く評価されています。彫刻と都市計画の教育を受けたゲイツは2004年、愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初来日し、以来20年以上にわたり、陶芸をはじめとする日本文化の影響を受けてきました。日本やアジア太平洋地域での印象深い出会いや発見、そして米国ミシシッピとシカゴにルーツを持つアフリカ系アメリカ人として生きてきた経験が、彼の創作の礎となっています。アーティストとして文化的ハイブリディティ(混合性)を探求してきたゲイツは、アメリカの公民権運動(1954-1968年)の一翼を担ったスローガン「ブラック・イズ・ビューティフル」と日本の「民藝運動」の哲学とを融合した、独自の美学を表す「アフロ民藝」という言葉を生み出しました。ゲイツの日本初、そしてアジア最大規模の個展となる本展は「神聖な空間」「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」「ブラックネス」「年表」「アフロ民藝」の各セクションで構成され、これまでの代表作のみならず、本展のための新作を含む日本文化と関係の深い作品などを紹介します。
これまで多数派の声のみが取り上げられてきたことが問い直され、視点の多様化が求められる昨今、グローバルなアートシーンでは、第一線で活躍する黒人アーティストたちの表現に見られる多層的な経験が注目されています。黒人の歴史は、日本人の一般的な知識としては馴染みが薄いかもしれませんが、本展はゲイツの多角的な実践を通し、世界で注目を集め続けるブラック・アートの魅力に迫ります。同時に、手仕事への称賛、人種と政治への問い、文化の新たな融合などを謳う現代アートの意義を実感する機会となるでしょう。
ーー当日の空と雲ーー 東京シティビュー(展望台)からです。
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