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2024.07.16

企画展 歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界

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企画展 歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界

会期 2024年6月1日(土)~7月21日(日)

泉屋博古館東京


館蔵の住友コレクションから、近世の人々の気分を映し出す歌絵、物語絵の優品を展示しています。

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(画像はクリックで拡大表示になります)


展覧会の構成です。
第一章 うたうたう絵
和歌とは、人々の心に去来した感興を三十一文字のことがに託して表すものです。そこに欠かせないのが、日本の四季折々の自然や人々の営みでした。そして平安時代中頃、和歌の隆盛とともに広がったのが「歌絵」です(会場の解説から)

三十六歌仙書画帖
松花堂昭乗 江戸・元和2年(1616) 
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三十六歌仙とは藤原公任が選出した奈良・平安前期の優れた歌人を尊崇して称するもの。
松花堂昭乗(1584-1639)は男山の石清水八幡宮の真言僧。
寛永の三筆にあげられる書の名手。
寛永の三筆は、近衛信尹・本阿弥光悦・松花堂昭乗です。

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柳橋柴舟図屏風(部分) 伝土佐広周 江戸時代(17世紀) 紙本金地着色 6曲1双 泉屋博古館
宇治が読まれた古歌が3首紹介されています。
その一首
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに 
あらわれたる 瀬々の網代木
藤原定頼(千載集)
  

第2章 ものがたる絵
物語りは元来、「語り」のことばどおり、音読を聞くことが中心だといい、巻物などに描かれた絵を前にして「耳」と「目」で味わう楽しみが早い時期からありました。やがて、ことば、書、絵からなる総合芸術に昇華した絵巻物から、冊子、扇、掛物、屏風はと、「物語絵」は広がります。(会場の解説から)
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源氏物語図屏風(部分) 江戸時代(17世紀) 紙本金地着色 6曲1双 泉屋博古館
右隻に、桐壺、帚木、空蝉、若柴、紅葉賀、末摘花
左隻に、絵合、少女、朝顔、葵、胡蝶、蛍
の場面を描く。

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重要文化財 是害房絵巻(部分) 伝土佐永春 南北時代(14世紀) 紙本着色 1巻 泉屋博古館

鴨川の湯を沸かし、是害房に湯治をさせる天狗たち。少し安らいだか、是害房はついでにかゆいところを掻くように依頼する。

 

第三章 れきし画

特別展示「没後100年 黒田清輝と住友」
 

ーHPの解説ー
古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵に接した感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。
物語絵や歌絵の特徴のひとつは、精細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そして、ストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。古典文学は、後世の人々が自分自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。
本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみください。

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