開館40周年記念 源氏物語 THE TALE OF GENJI ─「源氏文化」の拡がり 絵画、工芸から現代アートまで─
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開館40周年記念
源氏物語 THE TALE OF GENJI ─「源氏文化」の拡がり 絵画、工芸から現代アートまで─
会期 2024年2月24日(土)~2024年3月24日(日)
東京富士美術館
今年の大河ドラマ『光る君へ』今後の展開がなんとなくみえてきました・・・
タイムリーな企画の本展、楽しく観賞してきました。
本展覧会では、「源氏絵」を中心として、『源氏物語』や紫式部にまつわる美術、工芸、文学作品を紹介します。本展覧会が、それぞれの作品を通して物語を追体験し、『源氏物語』の世界を身近に感じる機会となれば幸いです。(HPから)
復元装束による打出の再現展示/二人の女房による打出の様子 令和3年(2021) 民族衣装文化普及協会蔵
展示構成は以下の通りです。
第1部 『源氏物語』とその時代
『源氏物語』が成立した平安時代の美術・工芸品とともに、模本や再現された装束を展示しています。
尾形光琳《紫式部図》 江戸時代、18世紀 MOA美術館蔵
石山寺の一室に籠った紫式部が、琵琶湖に映る月を見て『源氏物語』の着想をえたという伝承を基にした作品。
《源氏物語小色紙宿木》 平安時代、12世紀 個人蔵
本展で初公開の作品。右側には匂宮、左側には中の宮が描かれ、薫から中の宮への贈り物を前にして語り合う様子が描かれています。薫と中の宮の関係を疑う匂宮、薫からの思いに戸惑う中の宮。2人の心のすれ違いを表現していると考えられ・・・(本展解説から)
第2部 あらすじでたどる『源氏物語』の絵画
『源氏物語』五十四帖のストーリーに沿って、土佐派や住吉派による画帖、絵巻、色紙形式の作品を中心に多種多様な「源氏絵」を紹介しています。(チラシから)
土佐光吉《源氏物語手鑑》より「桐壺一」 桃山時代、慶長17年(1612)頃 和泉氏久保惣記念美術館蔵
《源氏物語絵詞》鎌倉時代、13世紀 大和文華館蔵(3/10まで展示)
匂宮が浮舟を山荘に連れ出してともに雪景色を眺めながら歌を詠み交わす場面、薫から届いた文によって匂宮との関係を悟った浮舟が返信を描きあぐねる場面である。(図録から)
第3部 『源氏物語』の名品
『源氏物語』の屏風作品を中心に、大画面「源氏絵」の名品の数々。また、「源氏絵」の図様や特徴的なモチーフは、工芸の意匠としても取り入れられるようになります。ここでは、物語を主題とした漆芸品を中心として紹介し、ジャンルを超えた『源氏物語』の拡がりを見ていきます。(チラシから)
土佐光起《源氏物語図屏風》(右隻、部分) 江戸時代、17世紀 福岡市美術館蔵(森山コレクション)
狩野晴川院養信《源氏物語図屏風》(左隻) 江戸時代、文政9年 法然寺蔵
右隻に「若菜上」の、六条院で光源氏の40歳の誕生日を祝う場面を描いた「若菜春乃賀」がらり、左隻には同じく「若菜上」の、二条院でお祝いする場面を描いた「若菜冬之賀」があります。
《紫宸殿蒔絵硯箱》 江戸時代、17世紀 個人蔵
第4部 近代における『源氏物語』
本セクションでは、尾形月耕、松岡映丘、上村松園、安田靫彦らによる「源氏絵」を紹介しています。また、物語の普及に大きな貢献を果たした、与謝野晶子と谷崎潤一郎による現代語訳本の装丁・挿画にも目を向けます。(チラシから)
上村松園《紫式部図》 大正10年(1921)頃 二階堂美術館蔵
上村松園は、小野小町や清少納言、紫式部などの平安時代の才媛を「心の友」と称しており、美人画風の紫式部図をいくつか手掛けている。(図録の解説から)
安田靫彦《源氏帯木》 昭和31年(1956) 二階堂美術館
本作は、五月雨のある夜、光源氏の宿直所と呼ばれる泊まり部屋に、頭中将、左馬頭、藤式部丞が集い女性談義に花を咲かせる「雨夜の品定め」の場面を描いています。(本展解説から)
エピローグ 現代に蘇る『源氏物語』
現代作家による工芸、文学、漫画等を紹介し、現代における「源氏文化」の様相を探ります。
吉岡幸雄《若菜上 女三宮(紅梅の袿と桜の細長)》 平成20年(2008) 染司よしおか蔵 ©紫紅社
父・吉岡常雄の研究成果を継承し『源氏物語』全巻の色彩再現に挑み、平安王朝の彩を植物染めによって現代によみがえらせました。(キャプションから)
山本茜《源氏物語シリーズ 第1帖「桐壺」》 平成26年(2013) 個人蔵(佐野市立吉澤記念美術館寄託)
ガラスの中を浮遊する截金がガラスの色彩と融合し、見る角度や光の反射によってさまざまな表情を見せる截金ガラス。光源氏誕生のイメージが「強く光り輝く黄金の玉」として浮かび上がったと言い・・・(図録から)
―HPの解説ー
紫式部によって執筆された『源氏物語』は、平安時代中期に成立して以来読み継がれ、現在でも広く愛読されています。主人公・光源氏を中心に、貴族社会における栄華や恋愛模様を叙情豊かに表したこの物語は、文学、絵画、工芸、芸能、香道など幅広い分野に影響を及ぼし、「源氏文化」と総称し得る文化現象を生み出しました。
とりわけ、物語場面を絵画化した「源氏絵」は流派や時代を越えて数多く描かれ、人びとに享受されてきました。本展覧会では、「源氏絵」を中心として、『源氏物語』や紫式部にまつわる美術、工芸、文学作品を紹介します。本展覧会が、それぞれの作品を通して物語を追体験し、『源氏物語』の世界を身近に感じる機会となれば幸いです。
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