森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
森美術館開館20周年記念展
私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
会期 2023年10月18日(水)~ 2024年3月31日(日)
本展のタイトルは、私たちとは誰か、地球環境は誰のものなのか、という問いかけです。
本展では、環境問題をはじめとする様々な課題について多様な視点で考えることを提案します。また輸送を最小限にし、可能な限り資源を再生利用するなどサステナブルな展覧会制作を通じて、現代アートやアーティストたちがどのように環境危機に関わり、また関わり得るのかについて思考を促し、美術館を対話が生まれる場とします。(HPから)
展覧会の構成です。
第1章 全ては繋がっている
この地球上の生物、非生物を含む森羅万象は、何らかの循環の一部であり、その循環をとおしてこの地球に存在する全てのモノ、コトは繋がっています。(HPから)
ニナ・カネル《マッスル・メモリー(5トン)》 2023年 オホーツク海の海生軟体動物の殻 サイズ可変
【Junior Guideから】
床を埋めつくすホタテ貝の殻は、北海道から送られてきました。毎年大量に捨てられていますが、建物の材料にもなるそうです。自然界の生き物が人間に食べられ、貝殻が粉々にされて建物の一部になり、私たちの生活空間をつくる。この大きな循環を、貝殻のうえを歩きながら、みなさんも想像してみましょう。
第2章 土に還る 1950年代から1980年代の日本におけるアートとエコロジー
日本は戦後の高度経済成長期において、自然災害や工業汚染、放射能汚染などに起因する深刻な環境問題に見舞われました。(HPから)
第2章の展示風景
第3章 大いなる加速
人類は、地球上のあらゆる資源を利用して文明を発展させ、工業化、近代化、グローバル化を押し進めてきました。しかしながら産業革命以降、加速度的に発展した科学技術や産業社会は、「人新世」という地質学上の区分が議論されているように、短い期間で地球環境を変化させました。(HPから)
モニラ・アルカディリ《恨み言》 2023年 FRP、自動車用塗料、サウンド サイズ可変 音楽:ファティマ・アルカディリ
【Junior Guideから】
モニラの故郷ペルシャ湾岸では、その昔、天然真珠が大きな産業でしたが、100年ほど前に日本で真珠の養殖 が始まると、ペルシャ湾の真珠産業は衰退しました。養殖真珠は、真珠貝に人工的に核を入れて育てられますが、それを真珠の気持ちになって考えてみたらどうでしょうか? モニラがつくった大きな真珠の下に立って、真珠の「うらみ言」を聞いてみてください。
第4章 未来は私たちの中にある
環境危機は私たち自身の「選択」が招いた結果です。現状を打破するには、私たち人間が在り方を改めることが必要でしょう。未来にはどんな選択肢が残されているのでしょうか。(HPから)
アサド・ラザ《木漏れ日》 2023年 修復された天窓、日光、足場、シルヴィー・セマ・グリッサンによるサウンドスケープ プロデューサー:オリヴィア・フェアウェザー 足場設計:渡邉啓太 足場製作:おだわら名工舎 特別コンサルタント:イザベル・オリヴィエ 協力:Black Cat Daydream(京都)
【Junior Guideから】
アサドは初めて森美術館を訪れたとき、展示室の天窓のスクリーンが長い間開かなくなっていることを知りました。彼は六本木ヒルズ森タワーという高層ビルをひとつの身体ととらえ、怪我を治してこの天窓から再び太陽の光を入れたいと考えました。修理のために木製の足場を組み、再生を祈願する神事も執り行いました。
日中は美しく光の入る展示室で、壮大な太陽系、惑星としての地球の動きを想像してみてください。
撮影可の作品を撮ってまとめてみました。
―HPの解説ー
産業革命以降、特に20世紀後半に人類が地球に与えた影響は、それ以前の数万年単位の地質学的変化に匹敵すると言われています。この地球規模の環境危機は、諸工業先進国それぞれに特有かつ無数の事象や状況に端を発しているのではないか。本展はその問いから構想されました。
本展では、国内外のアーティスト34名による歴史的な作品から新作まで多様な表現約100点を、4つの章で紹介します。第1章「全ては繋がっている」では、環境や生態系と人間の活動が複雑に絡み合う現実に言及します。第2章「土に還る」では、1950~80年代の高度経済成長の裏で、環境汚染が問題となった日本で制作・発表されたアートを再検証し、環境問題を日本という立ち位置から見つめ直します。第3章「大いなる加速」では、人類による過度な地球資源の開発の影響を明らかにすると同時に、ある種の「希望」も提示する作品を紹介します。最終章である第4章「未来は私たちの中にある」では、アクティビズム、先住民の叡智、フェミニズム、AIや集合知(CI)、精神性(スピリチュアリティ)などさまざまな表現にみられる、最先端のテクノロジーと古来の技術の双方の考察をとおして、未来の可能性を描きます。
本展のタイトル「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」は、私たちとは誰か、地球環境は誰のものなのか、という問いかけです。人間中心主義的な視点のみならず、地球という惑星を大局的な視点から見渡せば、地球上にはいくつもの多様な生態系が存在することにあらためて気付くでしょう。本展では、環境問題をはじめとする様々な課題について多様な視点で考えることを提案します。また輸送を最小限にし、可能な限り資源を再生利用するなどサステナブルな展覧会制作を通じて、現代アートやアーティストたちがどのように環境危機に関わり、また関わり得るのかについて思考を促し、美術館を対話が生まれる場とします。
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