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2023.10.23

浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「京都・南山城の仏像」

 
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浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 
特別展「京都・南山城の仏像」

会期 2023年9月16日(土) ~ 2023年11月12日(日)

東京国立博物館 本館 特別5室


京都府の最南部にあり奈良県と隣接する南山城(みなみやましろ)には、古くから二つの古都の影響を受けて独自の仏教文化が花開きました。
京都府の南山城と呼ばれる地域に伝わる貴重な仏像を通して歴史や文化の奥深さをたどる展覧会です。

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(画像はクリックで拡大表示になります)



南山城にある古刹浄瑠璃寺、本堂に九体の阿弥陀如来座像があります。極楽往生の仕方は9段階あるといわれ、そのことになぞらえて造られました。今回110年ぶりの修理を終えたのを機に、そのうちの一体が展示されています。

国宝 阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀のうち) 木造、漆箔 京都・浄瑠璃寺
浄瑠璃寺本堂に安置される九体阿弥陀のうちの1体。平安時代中期以降に流行した穏やかな表現を基調としています。九体阿弥陀とは、9段階の極楽浄土になぞらえて作られた9体の阿弥陀如来像のことで、平安時代に主に貴族のあいだで流行しましたが、現存するのは浄瑠璃寺だけです。(キャプションから)

国宝 広目天立像(四天王のうち) 木造、彩色・截金 平安時代11~12世紀 京都・浄瑠璃寺
本堂の九体阿弥陀如来像の周囲に安置される四天王像のうち、西方を守る広目天です。誇張を抑えた温和な表現にくわえ全身に残る華麗な彩色や、金箔を細く切って貼付した截金から平安時代後期を代表する遺品と言えます。(キャプションから)

国宝 多聞天立像(四天王のうち) 木造、彩色・截金 平安時代11~12世紀 京都・浄瑠璃寺
本堂の九体阿弥陀如来像の周囲に安置される四天王像のうち北方を守る多聞天です。寄木作りの技法や表面仕上げは四天王像4体に共通ですが、多聞天のみ体幹部の構造や細部の表現がたと異なるため本来は単体の毘沙門天として造立された可能性もあります。(キャプションから)


重要文化財 十一面観音立像 木造 平安時代・9世紀 京都海住山寺
高さ3メートルにおよぶ巨象。奈良・東大寺の僧侶が創建した禅定寺の本尊で仏像の素材としては珍しいサクラで作られています。太い鼻筋に頬を張った瑞々しい顔立ち、浅く緩やかな彫は10世紀末の仏像の特徴で、和様彫刻へと歩みを進めた時代を代表する像です。(キャプションから)

重要文化財 阿弥陀如来立像 行快作 木造、漆箔・玉眼 鎌倉時代・嘉禄3年(1227) 京都・極楽寺
極楽浄土から往生するものを迎えに来る姿の阿弥陀如来像。作者は鎌倉時代の著名な仏師、快慶の弟子の行快です。整った顔立ちや細かい衣文線といった師の作風を受け継ぎながらも、鋭い眼差しや松葉状に分かれる衣文を多用する点に行快独自の作風が認められます。(キャプションから)

重要文化財 千手観音菩薩立像 木造 平安時代12世紀 京都・寿宝寺
千本の手で人々を救う千手観音。通常は42本に省略して作られますが千本に迫る多数の手を表した貴重な像です。鑿跡を残さず滑らかに仕上げた表面から木の質感がよく伝わり、バランスの良い体つきや柔らかな衣衣の表現などは、平安時代後期の作風を示します。(キャプションから)

重要文化財 十一面観音菩薩坐像 木造、漆箔・玉眼 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺
立った姿の観音菩薩像が多いなかで、珍しく座った姿をしているのは、観音菩薩の浄土である補陀落山(ふだらくせん)に居るるためと考えられています。腰を強く絞った天平彫刻のような肉体表現は鎌倉時代に奈良の地で活躍した慶派仏師たちによる古典彫刻の研究成果に通じます。(キャプションから)


―HPの解説ー
京都府の最南部、木津川流域は南山城(みなみやましろ)と呼ばれます。奈良時代には都が置かれ、その後も大寺院や中央貴族と深く関わるなど、独自の仏教文化が展開したこの地域には多くの貴重な仏像が伝わります。平安時代に九体阿弥陀(くたいあみだ、9段階の極楽往生に関わる9体の阿弥陀如来像)の造像が流行しましたが、九体寺とも呼ばれる浄瑠璃寺のものは現存する唯一の群像です。また、かつて恭仁京(くにきょう)があった瓶原(みかのはら)を山腹から望む海住山寺(かいじゅうせんじ)の檀像、東大寺の僧侶が創建した禅定寺(ぜんじょうじ)の巨大な本尊など、この地域ならではの魅力にあふれています。
本展では浄瑠璃寺九体阿弥陀の修理完成を記念し、南山城に伝わる数々の仏像を通じて、その歴史や文化の奥深さを辿ります。

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