杉本博司 本歌取り 東下り
杉本博司 本歌取り 東下り
会期 2023年9月16日(土)~11月12日(日)
前期:9月16日(土)~10月15日(日) 後期:10月17日(火)~11月12日(日)
※会期中、一部展示替えあり
渋谷区立松濤美術館
本歌取りとは、本来、和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌(本歌)の一部を意識的に自作に取り入れ、そのうえに新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌を作る手法のことです。作者は本歌と向き合い、理解を深めたうえで、本歌取りの決まりごとの中で本歌と比肩する、あるいはそれを超える歌を作ることが求められます。(HPから)
本展は撮影可です。(条件あり)
(画像はクリックで拡大表示になります)
キャプションをじっくり読んでの鑑賞がお勧めです。
狩野永徳筆 安土城図屏風 想像屏風風姫路城図 杉本博司 2022年 八曲一隻 ピグメントプリント 作家蔵
本作は、2022年の姫路市立美術館で開催された「杉本博司本歌取り一日本文化の伝統と飛翔」(2022年9月17日-11月6日)に際し制作された。杉本は、織田信長が狩野永徳に描かせ、ローマ教皇グレゴリウス十三世に献上した《安土城図屏風》を長年に亘って探しているという。安土城は天正4(1576)年に完成し、わずか6年で焼失した。同じく姫路の「本歌取り」展の際に撮影された「Noh Climax」の撮影場所である姫路城に早朝に足を踏み入れた杉本は、永徳の安土城図はこのような景色を描いたのではないかと想像した。安土城の築城から四半世紀も経たないうちに建て始められた姫路城は、おそらく同じスケール感で建てられたと考えた杉本は、《安士城図風》を思う縁として姫路城の姿を八曲屏風に仕立てた。(キャプションから)
春日大社藤棚図屏風 杉本博司 2022年六曲一双 ピグメントプリント 作家蔵
法師物語絵巻 室町時代(15世紀) 紙本彩色 小田原文化財団蔵
第2会場入り口
杉本文楽ほかの映像作品がみられます。
こちらも必見です。
数理模型025クエン曲面:負の低曲率面 杉本博司 2023 ステンレス・スチール 作家蔵
宙景001 杉本博司 2023年 ピグメントプリント 杉本表具 作家蔵
松涛美術館の建築設計者、白井晟一の書も展示されています。
(杉本博司の表具です)
潟嘆 白井晟一 昭和時代(20世紀後半) 杉本表具 紙本墨蹟 杉本博司蔵
第2会場展示風景
スマホで撮った写真をまとめてみました。
―HPの解説ー
杉本博司(1948~)は、和歌の伝統技法「本歌取り」を日本文化の本質的営みと捉え自身の作品制作に援用し、2022年に姫路市立美術館でこのコンセプトのもとに「本歌取り」展として作品を集結させました。
本歌取りとは、本来、和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌(本歌)の一部を意識的に自作に取り入れ、そのうえに新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌を作る手法のことです。作者は本歌と向き合い、理解を深めたうえで、本歌取りの決まりごとの中で本歌と比肩する、あるいはそれを超える歌を作ることが求められます。西国の姫路で始まった杉本の本歌取り展は、今回、東国である東京の地で新たな展開を迎えることから、「本歌取り 東下り」と題されました。本展を象徴する作品である《富士山図屏風》は、東国への旅中に、旅人が目にする雄大な富士山を描いた葛飾北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》を本歌とした新作で、本展で初公開となります。またこの他にも、書における臨書を基に、写真暗室内で印画紙の上に現像液又は定着液に浸した筆で書いた《Brush Impression》シリーズなど、本展は新作を中心に構成される一方、中国宋時代の画家である牧谿の水墨画技法を本歌取りとした《カリフォルニア・コンドル》など、杉本の本歌取りの代表的作品も併せて展示します。さらに、室町時代に描かれたと考えられる《法師物語絵巻》より「死に薬」を狂言「附子」の本歌と捉え、その他の8つの物語と共に一挙公開致します。
現代の作品が古典作品と同調と交錯を繰り返し、写真にとどまらず、書、工芸、建築、芸能をも包み込む杉本の世界とその進化の過程をご覧ください。
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