虫めづる日本の人々 サントリー美術館
会期 2023年7月22日(土)~9月18日(月・祝)
サントリー美術館
猛暑の今夏、涼しさを求めて美術館へ・・・
と思う方も多いかもしれません。
ぴったりの展覧会が、サントリー美術館で開催中です。
入り口では、鈴虫の鳴き声がながれ、
三階フロアに降りる階段前の壁面には蛍の風景が写されています。
展示室には切紙?の昆虫が吊るされたりもしています。
作品保護のために室温は22℃前後に管理されています。
夏姿(短パン、半そで)で来場、用意されているブランケット利用者も何人か見かけました。
(画像はクリックで拡大表示になります)
本展では特に江戸時代に焦点をあて、中世や近現代の「虫めづる日本の人々」の様相に触れつつ、虫と人との親密な関係を改めて見つめ直します。(HPから)
展覧会の構成です。
本展は期間中に展示替えがあります。
チラシの若冲作品《菜蟲譜》は8月9日からの展示です。
第一章 虫めずる国にようこそ
第二章 生活の道具を彩る虫たち
第三章 草と虫の楽園 草虫図の受容について
第四章 虫と暮らす江戸の人々
第五章 展開する江戸時代の草虫図 見つめる、知る、喜び
《鈴虫蒔絵銚子》一口 江戸時代・17世紀 サントリー美術館
鈴虫は古くから宮中において風雅な虫として親しまれていた。秋の夜に響く美しい鈴虫の音色が、宴に彩を添えることもあったであろう。
本作は、蓋から本体の胴部まで露をおく秋草にとまる鈴虫をあしらっている。(キャプションから)
《天雅彦物語絵巻》(部分)二巻のうち下 江戸時代・17世紀 サントリー美術館
七夕伝説を題材とした物語。海龍王の天雅彦は地上で長者の末娘と仲睦まじく暮らしていたが、2人を良く思わない天雅彦の父の鬼からさまざまな難題を課されることになる。
千石の米を一粒残さず別の蔵へと移せという課題では、天雅彦が残した衣を振ると蟻が現れて、米粒をはこんでくれたという。(キャプションから)
《夏姿美人図》喜多川歌麿 一幅 寛政6~7年(1794~95)頃 遠山記念館
女性が鏡を持ち、化粧をしている。足元には黒い布を貼った蛍籠が置かれ、蛍狩りに出かけるところだとわかる。蛍は恋情と関連が深く、「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」などの歌が知られるが、本作はこのような文学的背景を受け、女性の淡い恋心を表現した可能性がある。(キャプションから)
サントリー美術館「虫めづる日本の人々」40秒
サントリー公式チャンネル (SUNTORY)
―HPの解説ー
日本美術の特色のひとつとして、草木花鳥が古来大事にされてきたことが挙げられます。そして、それらと比較すると小さな存在ではあるものの、虫もまた重要なモチーフでした。現代において昆虫と分類されるものだけでなく、例えば、蜘蛛、蛙、蛇などの、うごめく小さな生き物たちも虫として親しまれ、物語や和歌、様々な美術作品に登場します。特に蛍や、鈴虫などの鳴く虫は愛好され、深く物語と結びついていた様子が源氏絵や伊勢絵などから伝わってきます。また、草花や虫を描き吉祥を表す草虫図が中国からもたらされ、中世から長く日本で珍重され、多くの絵師たちにも影響を与えました。
江戸時代に入ってからは、本草学の進展や、古画学習、俳諧などの文芸の影響を受けて、草虫図という範疇には収まらない多彩な虫の絵が生み出されます。そして、江戸時代中期以降には、虫聴や蛍狩が娯楽として市井の人々に広まり、やがて江戸の年中行事となりました。この文化は近代、現代においても受け継がれています。日本の虫めづる文化は、長きにわたって育まれてきましたが、大衆化が進んだ江戸時代をピークのひとつとすることは出来るでしょう。
そこで、本展では特に江戸時代に焦点をあて、中世や近現代の「虫めづる日本の人々」の様相に触れつつ、虫と人との親密な関係を改めて見つめ直します。
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