デイヴィット・ホックニー展 東京都美術館
会期 2023年7月15日(土)~11月5日(日)
東京都美術館
展覧会の構成です。
第1章「春が来ることを忘れないで」
《№118、2020年3月16日「春の到来 ノルマンディー 2020年」より》作家蔵
ヨーロッパでは春の到来を告げる花として親しまれている黄色のラッパスイセンが輝くような色彩で描かれている。公開の数日前にiPadで制作され「春が来ることを忘れないで」という見出しが付されたその絵は未知の感染症による混乱と不安の渦中から、ささやかながら確かな生の希望を全世界に届けた。(展覧会解説パネルから)
第2章「自由を求めて」
主にホックニーの初期作品を紹介しています。
戦後の荒廃から復興を果たしたロンドン。1959年ホックニーはロンドンの王立美術学校に入学します。当時の文化の影響を受けながら、自己の内面の告白するような作品を作りました。
1960年テートギャラリーでパブロ・ピカソの個展を見たホックニーは画風を自在に変化させる創造性に強い衝撃を受けたと言います。
《イルージョニズム風のティ・ペインティング》1961年 テート
第3章「移りゆく光」
《スプリンクラー》1970-71年 テート
1964年にカルフォルニアで制作を始めたホックニーは、そこにあるあらゆるものが、人工的だということにあるとき気がついた。ほとんど雨が降らない土地における青々と手入れされた芝生は、その象徴であった。赤い枠によって外の世界と切り離され、現実と夢の境目のような光景が描かれた本体からは、アメリカ西海岸の中産階級の日常をどこか冷ややかに観察する異邦人の視線がうかがえる。(本展キャプションから)
第4章「肖像画」
ホックニーは、家族や恋人、友人など、周りにいる親しい人たちをモデルに、多くの肖像画を描いてきました。
《クラーク夫妻とパーシー》1970-71年テート
第5章「視野の広がり」
ホックニーは1983年に京都の龍安寺石庭を訪れました。
《龍安寺の石庭を歩く 1983年2月、京都》1983年 東京都現代美術館蔵
100枚以上の写真を張り合わせたフォトコラージュです。
ホックニーは1983年に京都龍安寺を訪れました。そして、縁側を少しずつ歩いた移動しながら、足元から塀まで順番に100枚以上の写真を撮って張り合わせました。
ホックニーはここで、複数の視点から見たものを、ひとつの平面で表現する面白さを発見したのです。
第6章「戸外制作」
1977年、ホックニーはイギリスのヨークシャーで風景画の制作を始まます。2004年には彼の母親と姉が住んでいたイースト・ヨークシャー、ブリトントンの旧居に拠点を移し、手つかずの自然の残るなだらかな丘陵地帯を描くことで、イギリスのJ.Ḿ.Wターナー、ジョン・コンスタブル、バルビゾン派の画家が築いた風景画の伝統に革新をもたらしました。
第7章「春の到来、イースト・ヨークシャー」
デイヴィット・ホックニー 《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウオルトゲート 2011年》
第8章「ノルマンディーの12か月」
ノルマンディーの12か月 2020-2021年(部分)複数のiPad絵画による構成/紙 2020-21年 作家蔵
ウィルスの感染拡大に伴う世界的なロックダウンが続くなか、身近な自然を変わらずひたむきに見つめたホックニーが、1年を通してiPadで描き続けた、庭の景色を繋げた90mに及ぶ大作。
制作のヒントになったのは、ノルマンディーの歴史的な物語りを描くため、11世紀に作られた70メートルの刺繍画「バイユーのタペストリー」です。
家の辺り(夏)2019年 インクジェット・プリント/紙 作家蔵
(画像はクリックで拡大表示になります)
―HPの解説ー
東京都現代美術館では、2023年7月15日(土)から11月5日(日)まで、「デイヴィッド・ホックニー展」(主催:東京都現代美術館、読売新聞社)を開催します。現代で最も革新的な画家のひとりデイヴィッド・ホックニー(1937年、イギリス生まれ)の日本では27年ぶりとなる大規模な個展です。
ホックニーは60年以上にわたり、絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表し続けてきました。本展は、イギリス各地とロサンゼルスで制作された多数の代表作に加えて、近年の風景画の傑作〈春の到来〉シリーズやCOVID-19によるロックダウン中にiPadで描かれた全長90メートルにもおよぶ新作まで120点余の作品によって、ホックニーの世界を体感できる機会となるでしょう。
| 固定リンク
« デイヴィット・ホックニー 《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウオルトゲート 2011年》 デイヴィット・ホックニー展 | トップページ | ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念 今森光彦の地球昆虫紀行 フジフイルム スクエア »
コメント