春の特別列品ー國學院大學図書館の名品ー 土御門家がみた宇宙ー江戸時時代の天文観測ー
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春の特別列品ー國學院大學図書館の名品ー
土御門家がみた宇宙ー江戸時時代の天文観測ー
会期 令和5(2023)年4月1日(土)~5月14日(日)
「今夜異星見ゆ、彗星たるかと云々」と報告を受けて、源頼朝が夜中にもかかわらず、寝所から庭に出て、自ら彗星を(ハレー彗星ではない)を望見している。
展示されている『吾妻鏡』の記述、解説を読むと頼朝の姿・様子が身近に感じられて楽しくなります。
國學院大學図書館には、「天文密奏」やその根拠となる天文観測の実態を伝える史料が所蔵されています。「土御門家記録」は60点を超える史料群で、特に嘉永6年(1853)と安政5年(1858)の彗星の観測記録は、観測から勘文の作成にいたる過程を詳細に知ることのできる貴重なものです。
本展は、春の特別列品としてそれらを初公開し、特に近世における天文学を古典籍や古文書を通して概観しようと思います。(HPから)
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 古代・中世の天文観測
(前略)
朝廷には天文・気象の観測とその異変の報告をおこなう陰陽寮が備えられ、そこに勤めた土御門家による『家秘要録』からは、中世後期に生じた彗星や流星、あるいは地震や降雹といった天文・気象変異の具体が明らかとなる。(本展カタログから)
「土御門家記録」箱・目録
『家秘要録 天変地妖記』『家秘要抄』室町時代後期
『家秘要録』江戸時代中期
國學院博物館蔵
伊勢暦 嘉永5年(1852) 國學院博物館蔵
浮世絵「山海愛度図会 卅三」 嘉永5年(1852)12月 國學院博物館蔵
第2章 近世ー土門家の天文観測
「土御門記録」において最もまとまった資料群が嘉永六年(1853)のクリンカーフューズ彗星、安政五年(1856)のドナティ彗星の観測記録である。
(中略)
一般に天文学史では、江戸幕府天文方の技術を洋学知、土御門家の技術を伝統的・呪術的天文知と評価する向きがあるが、ドナティ彗星の観測技術を見る限り、基本的には江戸幕府天文方や大阪の商人天文学者間家と変わらないものであり、精度においては、天文方・間家の観測数値に比して、土御門家の観測数値が欧米のそれに最も近いことが、本史料の分析から明らかになった。(本展カタログから)
土御門家記録 安政五年戊午彗星出現図 《安政五年(1858)8月29日~9月13日)
安政五年(1858)8月29日から9月13日までの彗星の位置を朱線で結び、軌道を示した図。
第3章 天文に魅せられた人々
日蝕・月蝕・彗星などの天文現象に関心を持っていたのは、一部の天文家だけではなかった。このことは、武家・公家・神主・僧侶・町人・百姓など様々な社会階層の人々が天文現象を記録していることからもうかがえる。
(後略)
(本展カタログから)
春の特別列品「土御門家がみた宇宙-江戸時代の天文観測」ご紹介
國學院大學博物館 Online Museu
―HPの解説ー
土御門家は、平安中期の陰陽師・安倍晴明を受け継ぐ支流の一つで、代々、陰陽家として主に天文道をもって朝廷に仕えた公家です。徳川家康の将軍就任に際して、土御門久脩が室町幕府の先例にならい、陰陽道の祭祀である「天曹地府祭」を挙行したことを契機に、同家は朝廷・幕府における祭祀主催者としての地位を築き始めました。天和3年(1683)、徳川綱吉の朱印状と霊元院(霊元上皇)の綸旨をもって陰陽道本所となってからは、職札の発行や触頭の設置をもって諸国の陰陽師を統括しました。
土御門家の家職の一つに「天文密奏」があります。古代から日蝕・月蝕・彗星などは天皇の身体や社会に害を及ぼす兆候と考えられ、祭祀や祈祷が行われてきました。國學院大學図書館には、こうした「天文密奏」やその根拠となる天文観測の実態を伝える史料が所蔵されています。「土御門家記録」は60点を超える史料群で、特に嘉永6年(1853)と安政5年(1858)の彗星の観測記録は、観測から勘文の作成にいたる過程を詳細に知ることのできる貴重なものです。
本展は、春の特別列品としてそれらを初公開し、特に近世における天文学を古典籍や古文書を通して概観しようと思います。
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