土門拳の古寺巡礼
土門拳の古寺巡礼は、
東京都写真美術館で開催されています。
会期 2023年3月18日(土)~5月14日(日)
近頃の有名寺社は、観光客で賑い、立ち止まってじっくり鑑賞できる環境ではないですね。
この展覧会で”じっくり”というのもいいかもしれません。
土門拳の写真を見ていると・・・やはり訪れてみたいと思ってしまいます。
30歳のときから40年、全国の寺を巡って撮り続けた土門拳。
土門拳がライフワークとした『古寺巡礼』からの代表作と、土門を魅了した室生寺の釈迦如来坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫物を中心にモノクロームの仏像写真と、併せて120点を展覧します。(HPから)
本展のカラー作品は写真集『古寺巡礼』(全五集)のため1960~1794年に撮影されたものから構成した。
ただし、室生寺を撮影したカラー作品については写真集『女人高野山室生寺』のためにとり下ろした1976~1977年に撮影したものを含む。
会場に表示されていた ー土門拳のことばー
これは飽くまでもひとりの日本人の、自らの出自する民族と文化の再確認の書であり、哀惜の書であるつもりである。(古寺巡礼(全五集について)
ぼくは被写体に対峙し、ぼくの視点から相手を睨みつけ、そして時には語りかけながら、被写体がぼくを睨みつけてくる視点をさぐる。
室生寺はいうにいわれぬ魅力にあふれた寺で、毎年行っても、行くたびに新鮮な新しい魅力でぼくをとらえずにはおかなかった。
ぼくにとって仏像を思いかえすことは、恋人を思い浮かべるようなものであるから、話に限りがない。
本展では、作品一点一点に土門拳の文書が付されています。
さらに「土門拳の言葉」がパネル展示されています。
・法隆寺西院中門列柱
・神護寺本堂 薬師如来立像
・室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像脚部
・室生寺ひとむかし
・室生寺金堂 十二神像
・再び寺まわり
・室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像
・浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像
・三仏投入堂
・白杵石仏群
・西芳寺庭園
・車いすからの視点
(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)
飛鳥寺金堂 釈迦如来坐像面相詳細 昭和39年(1964)
浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像面相 昭和40年(1965)
室生寺金堂十二神将立像(左から巳神、未神、申神、辰神) 昭和18年(1943)頃
唐招提寺金堂 千手観音立像左脇千手詳細 昭和38年(1963)
薬師寺三重棟全景 昭和36年(1961)
―HPの解説ー
ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳(1909-1990)。ライフワーク『古寺巡礼』の第一集が刊行されたのは1963年、今年で60年を迎えます。戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫きました。『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。本展はカラーの代表作と、土門を魅了した室生寺の釈迦如来坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫仏を中心にモノクロームの仏像写真と、合わせて約120点を展観します。土門が対象の本質に迫った、力強く個性的な「日本の美」をご覧ください。
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