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2023.04.09

土門拳の古寺巡礼

土門拳の古寺巡礼は、
東京都写真美術館で開催されています。

会期 2023年3月18日(土)~5月14日(日)

近頃の有名寺社は、観光客で賑い、立ち止まってじっくり鑑賞できる環境ではないですね。
この展覧会で”じっくり”というのもいいかもしれません。
土門拳の写真を見ていると・・・やはり訪れてみたいと思ってしまいます。

30歳のときから40年、全国の寺を巡って撮り続けた土門拳。

土門拳がライフワークとした『古寺巡礼』からの代表作と、土門を魅了した室生寺の釈迦如来坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫物を中心にモノクロームの仏像写真と、併せて120点を展覧します。(HPから)

本展のカラー作品は写真集『古寺巡礼』(全五集)のため1960~1794年に撮影されたものから構成した。
ただし、室生寺を撮影したカラー作品については写真集『女人高野山室生寺』のためにとり下ろした1976~1977年に撮影したものを含む。


会場に表示されていた ー土門拳のことばー
これは飽くまでもひとりの日本人の、自らの出自する民族と文化の再確認の書であり、哀惜の書であるつもりである。(古寺巡礼(全五集について)

ぼくは被写体に対峙し、ぼくの視点から相手を睨みつけ、そして時には語りかけながら、被写体がぼくを睨みつけてくる視点をさぐる。

室生寺はいうにいわれぬ魅力にあふれた寺で、毎年行っても、行くたびに新鮮な新しい魅力でぼくをとらえずにはおかなかった。

ぼくにとって仏像を思いかえすことは、恋人を思い浮かべるようなものであるから、話に限りがない。


本展では、作品一点一点に土門拳の文書が付されています。
さらに「土門拳の言葉」がパネル展示されています。
・法隆寺西院中門列柱
・神護寺本堂 薬師如来立像
・室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像脚部
・室生寺ひとむかし
・室生寺金堂 十二神像
・再び寺まわり
・室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像
・浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像
・三仏投入堂
・白杵石仏群
・西芳寺庭園
・車いすからの視点


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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

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飛鳥寺金堂 釈迦如来坐像面相詳細 昭和39年(1964)

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浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像面相 昭和40年(1965)

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室生寺金堂十二神将立像(左から巳神、未神、申神、辰神) 昭和18年(1943)頃

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唐招提寺金堂 千手観音立像左脇千手詳細 昭和38年(1963)

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薬師寺三重棟全景 昭和36年(1961) 

―HPの解説ー
ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳(1909-1990)。ライフワーク『古寺巡礼』の第一集が刊行されたのは1963年、今年で60年を迎えます。戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫きました。『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。本展はカラーの代表作と、土門を魅了した室生寺の釈迦如来坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫仏を中心にモノクロームの仏像写真と、合わせて約120点を展観します。土門が対象の本質に迫った、力強く個性的な「日本の美」をご覧ください。

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