特別展『東福寺』
特別展『東福寺』
東京国立博物館
会期 2023年3月7日(火)~ 5月7日(日)
展示会場、実物大再現の通天橋を通過すると、
第5章 巨大伽藍と仏教彫刻の展示場です。
現存の巨大な仏殿の本尊脇侍物、阿難・迦葉立像、
巨大な二天王立像などの展示は圧巻です。
「東福寺旧本尊コーナー」と仏涅槃図グラフィックは撮影ができます。(条件あり)
東福寺の旧本尊
東福寺の仏殿の仏像は途中で焼失して再興されましたが、創建された鎌倉時代から明治時代のはじめまで、高さ7.5メートルの釈迦如来坐像とその半分の高さ3.3 メートルの観音菩薩、弥勒菩薩坐像、そして3メートル強の四天王立像という巨像 群が安置されていました。これらは明治14年(1881) の火災で惜しくも焼失しまし た。しかし釈迦如来像の左手光背に付けられた化仏 と台座 蓮弁の一部 は焼け残り、往時の偉容を伝えています。(解説パネルから)
釈迦如来坐像(後背化仏) 東福寺旧本尊 木造 漆箔 鎌倉~南北時代 14世紀 京都 南明院
南明院に現在本尊として祀られる本像は、旧本尊の光背にあらわされた化仏のひとつでした。ほぼ等身大で、正面から見ると単独像のようです。背面もしっかり彫られていますが、奥ゆきが薄い点に化仏として造られたことが示されています。(キャプションから)
仏手 東福寺旧本尊 木造 漆箔 鎌倉~南北朝時代 14世紀 東福寺
この仏手は、本尊釈迦の左手です。立てた状態で展示していますが、本来は左膝の上に、甲を下にして置かれ与願印を結んでいました。軽く中指と薬指を曲げた巧みな造形は、この仏師の力量が優れたものであったことをうかがわせます。(キャプションから)
連弁 東福寺旧本尊 木造 漆箔 鎌倉~南北朝時代 14世紀 京都 即宗院
現存する蓮弁には大小があり、いくつかが各塔頭に伝来しています。本展では、即宗院に伝えられたものを出陳しています。高さが ほぼ1メートルもある大きなもので、おそらくは中尊の台座にもちいられた蓮弁だったのでしょう。(キャプションから)
仏涅槃図(部分) 原寸大グラフィック
明兆による日本最大級の涅槃図、その大きさに流石のトーハクでも展示できなかったようです。
仏涅槃図(部分) 原寸大グラフィック
明兆による超巨大作品ー仏涅槃図
仏涅槃図は、釈迦が亡くなる場面を表わしたもので、周囲には嘆き悲しむ人びとや動物たちを描いています。本作は、周りの描表装も含めると、縦12メー トル、横6メートルほどにも達する、日本最大級を誇る涅槃図です。古くより広く世に知られた明兆の代表作で、署名により、応永15年 (1408)、明兆57歳の作とわかります。 く躍動感あふれる描線は、 まさに明兆の真骨頂といえるで しょう。(展示パネル解説から)
仏涅槃図に次ぐ大作『白衣観音図』が4月11日から展示されています。(第2章会場)
雪舟とともに「画聖」と呼ばれた「明兆」最晩年70歳の作品とされます。
(縦3.26m、横2.81m)
構図、筆捌きにも注目です。
こちらの作品は、4月9日までの展示。
重文 達磨・蝦蟇鉄拐塊図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀
そして、明兆の記念碑的大作『五百羅漢図』を修理後初公開しています。(第3章会場)
現存47幅に補作分を加えた全50全幅を三期に分けての展示です。
添えられた4コマ漫画解説もユニークで、楽しい展示です。
狩野派の「五百羅漢図」より明るい色調、表情が柔和の思えました。
明兆の作品目的だけでも十分行く価値のある展覧会です。
東福寺通天橋実物大再現はこちら
展示構成は次の通りです。
第1章 東福寺の創建と円爾
第2章 聖一派の形成と展開
第3章 伝説の絵仏師・明兆
第4章 禅宗文化と海外交流
第5章 巨大伽藍と仏教彫刻
―HPの解説ー
新緑や紅葉の名所として知られる東福寺は、京都を代表する禅寺の一つです。朝廷の最高実力者・九条道家の発願により、中国で禅を学んだ円爾(聖一国師)を開山に迎えて創建されました。「東福寺」の名は、奈良の東大寺と興福寺になぞらえて、その一字ずつをとったことに由来します。中世の面影を色濃く留める巨大な建造物の数々は圧倒的なスケールを誇り、その特徴を表した「東福寺の伽藍面」の通称で知られています。
東福寺の寺宝をまとめて紹介する初の機会となる本展では、伝説の絵仏師・明兆による記念碑的大作「五百羅漢図」現存全幅を修理後初公開するとともに、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像や書画類も一堂に展観いたします。草創以来の東福寺の歴史を辿りつつ、大陸との交流を通して花開いた禅宗文化の全容を幅広く紹介し、東福寺の日本文化における意義とその魅力を余すところなくご覧いただきます。
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