ルーブル美術館展 愛を描く
ルーヴル美術館展 愛を描く
国立新美術館
会期 2023年3月 1日(水)~ 6月12日(月)
16世紀から19世紀半ばまで、ヨーロッパ各国の主要の画家によって愛の表現の諸相をひもとく、かつてない趣向の展覧会です。ぜひご期待ください。(HPから)
ルーブルが誇る珠玉の”愛”の絵画が一堂に!
ルーブルには愛がある。
展示構成は以下の通りです。
この展覧会の4章展示場は撮影ができます。(条件あり)
この展覧会の出品リストに印刷されているQRコードを読込むと、展示室内の解説を多言語で読むことができます。
プロローグ ー愛の発明
Prologue1 愛の神アモル
フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》1758年 油彩/カンヴァス
古代神話によれば、神であれ人間であれ、誰かに恋する感情は、ヴィーナスの息子である愛の神アモル(キューピッド)の矢で心臓を射抜かれた時に生まれます。
Ⅰ愛の神のもとに ー古代神話における欲望を描く
Ⅰ-1欲情ー愛の眼差し
アントワーヌ・ヴァトー《ニンフとサテュロス》1715-1716年頃 油彩/カンヴァス
自然の精であるニンフと半人半獣のサテュロスが登場するエロティックな情景。欲望に駆られたサテュロスは、無防備に眠るニンフの体からベールをそっと持ち上げ、美しい裸身にみとれています。このような一方的な眼差しの表現は、恋愛を題材にした神話画にしばしば見いだされます。
Ⅰ-2暴力と魔力ー欲望の行為
ドメニキーノ(本名 ドメニコ・ザンピエーリ)《リナルドとアルミーダ》1617-1621年頃 油彩/カンヴァス
敵のリナルドに恋してしまったアルミーダは、彼に魔法をかけて自分の宮殿へと連れ去りました。17世紀イタリアの画家ドメニキーノの本作では、宮殿の庭園でリナルドがアルミーダの膝にもたれ、うっとりと彼女の顔を見上げています。恋人たちの周りには小さな愛の神アモルが5人配され、愛の情熱の高ぶりが強調されています。
Ⅰ-3死が二人を分かつまでー恋人たちの結末
Ⅰ-4愛の勝利
ウスターシュ・ル・シュウール《母に叱られ、ケレスの腕のなかへ逃げるアモル》1645年頃 油彩/カンヴァス
Ⅱキリスト教の神のもとに
Ⅱ-1「ローマの慈愛」からキリスト教の慈愛へ
Ⅱ-2孝心・親子愛ー聖家族にみる模範
< サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》1640-1685年頃 油彩/カンヴァス
この画題を得意とした17世紀イタリアの画家サッソフェラートは、聖母とイエスを身近な人間の母子のような親しみやすい雰囲気で描き、似た構図で多くの作例を残しました。
Ⅱ-3犠牲に至る愛ーキリスト教の犠牲と聖人の殉教
Ⅲ人間のもとにー誘惑の時代
Ⅲ-1 室内と酒場ーオランダ絵画における愛の悦びと駆け引き
サミュエル・ファン・ホーホストラーテン《部屋履き》1655-1662年頃 油彩/カンヴァス
ひときわ目を引くのは、慌てて脱ぎ捨てられたかのように床に散らばる部屋履きです。また、奥の扉の錠前には鍵が差し込まれたままになっています。この家の女主人は自分がすべきことを途中で投げ出し、どこかで不謹慎な愛の誘惑に身をゆだねているのでしょうか…。
Ⅲ-2優雅な牧歌的恋愛ーフランス流の誘惑ゲーム
Ⅲ-3エロティシズムー《かんぬき》をめぐって
ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃 油彩/カンヴァス
女性は男性から顔をそらしています。彼女は情熱と欲望に駆られた男性の誘いを拒もうとしたものの、彼が扉にかんぬきをかけた瞬間、身をゆだねたのでしょうか。それとも、当時のリベルタンの恋愛作法に則して、抵抗を演じているだけなのでしょうか。
Ⅲ-4夫婦の幸福の演出
ニコラ=ベルナール・レビシエ《マルク=エティエンヌ・カトルメールと家族の肖像》1780年 油彩/カンヴァス
Ⅲ-5結婚の絆か、愛の絆か?
Ⅳ19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇
Ⅳ-1アモルとプシュケ
Ⅳ-2ロマン主義における男性の情熱
Ⅳ-3死に至る愛
―HPの解説ー
人間の根源的な感情である「愛」は、古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマの一つでした。ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画、現実の人間の日常生活を描く風俗画には、特別な誰かに恋焦がれる神々・人々の情熱や欲望、官能的な悦び、あるいは苦悩や悲しみが、様々なかたちで描かれています。一方、宗教画においては、神が人間に注ぐ無償の愛、そして人間が神に寄せる愛が、聖家族、キリストの磔刑、聖人の殉教といった主題を介して、信者たちに示されています。
本展では、西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのか、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された73点の絵画を通して浮き彫りにします。16世紀から19世紀半ばまで、ヨーロッパ各国の主要の画家によって愛の表現の諸相をひもとく、かつてない趣向の展覧会です。ぜひご期待ください。
最近のコメント