« 2023年3月 | トップページ | 2023年5月 »

2023.04.28

ルーブル美術館展 愛を描く

ルーヴル美術館展 愛を描く

国立新美術館

会期 2023年3月 1日(水)~ 6月12日(月)

Img_20230420_0002 Img_20230420_0001
Img_20230420_0003 Img_20230420_0004


16世紀から19世紀半ばまで、ヨーロッパ各国の主要の画家によって愛の表現の諸相をひもとく、かつてない趣向の展覧会です。ぜひご期待ください。(HPから)

ルーブルが誇る珠玉の”愛”の絵画が一堂に!

ルーブルには愛がある。


展示構成は以下の通りです。
この展覧会の4章展示場は撮影ができます。(条件あり)
この展覧会の出品リストに印刷されているQRコードを読込むと、展示室内の解説を多言語で読むことができます。

プロローグ ー愛の発明
Prologue1 愛の神アモル
20230452
フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》1758年 油彩/カンヴァス 
古代神話によれば、神であれ人間であれ、誰かに恋する感情は、ヴィーナスの息子である愛の神アモル(キューピッド)の矢で心臓を射抜かれた時に生まれます。

Ⅰ愛の神のもとに ー古代神話における欲望を描く
Ⅰ-1欲情ー愛の眼差し
20230455
アントワーヌ・ヴァトー《ニンフとサテュロス》1715-1716年頃 油彩/カンヴァス 
自然の精であるニンフと半人半獣のサテュロスが登場するエロティックな情景。欲望に駆られたサテュロスは、無防備に眠るニンフの体からベールをそっと持ち上げ、美しい裸身にみとれています。このような一方的な眼差しの表現は、恋愛を題材にした神話画にしばしば見いだされます。

Ⅰ-2暴力と魔力ー欲望の行為
20230453
 ドメニキーノ(本名 ドメニコ・ザンピエーリ)《リナルドとアルミーダ》1617-1621年頃 油彩/カンヴァス 
敵のリナルドに恋してしまったアルミーダは、彼に魔法をかけて自分の宮殿へと連れ去りました。17世紀イタリアの画家ドメニキーノの本作では、宮殿の庭園でリナルドがアルミーダの膝にもたれ、うっとりと彼女の顔を見上げています。恋人たちの周りには小さな愛の神アモルが5人配され、愛の情熱の高ぶりが強調されています。

Ⅰ-3死が二人を分かつまでー恋人たちの結末

Ⅰ-4愛の勝利
20230457
ウスターシュ・ル・シュウール《母に叱られ、ケレスの腕のなかへ逃げるアモル》1645年頃 油彩/カンヴァス 


Ⅱキリスト教の神のもとに

Ⅱ-1「ローマの慈愛」からキリスト教の慈愛へ

Ⅱ-2孝心・親子愛ー聖家族にみる模範
20230454
< サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》1640-1685年頃 油彩/カンヴァス 
この画題を得意とした17世紀イタリアの画家サッソフェラートは、聖母とイエスを身近な人間の母子のような親しみやすい雰囲気で描き、似た構図で多くの作例を残しました。

Ⅱ-3犠牲に至る愛ーキリスト教の犠牲と聖人の殉教

Ⅲ人間のもとにー誘惑の時代

Ⅲ-1 室内と酒場ーオランダ絵画における愛の悦びと駆け引き
20230456
サミュエル・ファン・ホーホストラーテン《部屋履き》1655-1662年頃 油彩/カンヴァス 
ひときわ目を引くのは、慌てて脱ぎ捨てられたかのように床に散らばる部屋履きです。また、奥の扉の錠前には鍵が差し込まれたままになっています。この家の女主人は自分がすべきことを途中で投げ出し、どこかで不謹慎な愛の誘惑に身をゆだねているのでしょうか…。

Ⅲ-2優雅な牧歌的恋愛ーフランス流の誘惑ゲーム

Ⅲ-3エロティシズムー《かんぬき》をめぐって
20230451
ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃 油彩/カンヴァス
女性は男性から顔をそらしています。彼女は情熱と欲望に駆られた男性の誘いを拒もうとしたものの、彼が扉にかんぬきをかけた瞬間、身をゆだねたのでしょうか。それとも、当時のリベルタンの恋愛作法に則して、抵抗を演じているだけなのでしょうか。

Ⅲ-4夫婦の幸福の演出
20230458
ニコラ=ベルナール・レビシエ《マルク=エティエンヌ・カトルメールと家族の肖像》1780年 油彩/カンヴァス


Ⅲ-5結婚の絆か、愛の絆か?


Ⅳ19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇

Ⅳ-1アモルとプシュケ

Ⅳ-2ロマン主義における男性の情熱

Ⅳ-3死に至る愛


―HPの解説ー
人間の根源的な感情である「愛」は、古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマの一つでした。ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画、現実の人間の日常生活を描く風俗画には、特別な誰かに恋焦がれる神々・人々の情熱や欲望、官能的な悦び、あるいは苦悩や悲しみが、様々なかたちで描かれています。一方、宗教画においては、神が人間に注ぐ無償の愛、そして人間が神に寄せる愛が、聖家族、キリストの磔刑、聖人の殉教といった主題を介して、信者たちに示されています。
本展では、西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのか、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された73点の絵画を通して浮き彫りにします。16世紀から19世紀半ばまで、ヨーロッパ各国の主要の画家によって愛の表現の諸相をひもとく、かつてない趣向の展覧会です。ぜひご期待ください。

 

| | コメント (0)

2023.04.24

ルーブル美術館展 愛を描く Ⅳ. 19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇

ルーヴル美術館展 愛を描く

国立新美術館

会期 2023年3月 1日(水)~ 6月12日(月)

この展覧会の4章展示場は撮影ができます。(条件あり)
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
この展覧会の出品リストに印刷されているQRコードを読込むと、展示室内の解説を多言語で読むことができます。

第4章展示風景
20230414
20230413_20230419111601
20230412_20230419111701
20230411_20230419111701


Ⅳ. 19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇
Ⅳ-1 アモルとプシュケ
20230401_20230415213301
フランソワ・ジェラール 《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》
1798年、油彩/カンヴァス
愛の神アモルとプシュケの恋物語。プシュケは、ギリシャ語で「蝶」と「魂」を意味するそうです。

Ⅳ-2 ロマン主義における男性の情熱
Img_2353
アンヌ= ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾン《エンデュミオンの眠り》1791年エスキース  油彩/カンヴァス
羊飼いの美少年エンデュミオンに恋した月の女神セレネは、全能の神ゼウスに頼んで彼を永遠の眠りにつかせ、毎晩、彼のもとを訪れました。

20230403_20230415213501
ジャン=バティスト・ルニョー《 友情の杯を交わすヒュメナイオスとアモル》1820 年頃油彩/紙

20230404_20230418145701
クロード=マリー・デュビュッフ《アポロンとキュパリッソス》1821年油彩/カンヴァスアヴィニョン、カルヴェ美術館(1872 年に国から寄託、2021年に国からアヴィニョン市に所有権を移転 )
アポロンと美少年キュパリッソスの愛の神話。
可愛がっていた牡鹿をうっかり投げ槍で殺してしまったキュパリッソスは、生きる気力を失い、永久に嘆き続けたいと神々に哀願した結果、糸杉に変身します。この作品では、牡鹿にもたれるように横たわったキュパリッソスの頭を、かがみこんだアポロンが優しく支えています。

Ⅳ-3 死に至る愛
20230405_20230418145801
アリ・シェフェール 《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》
1855年、油彩/カンヴァス
ダンテの叙事詩『神曲』の「地獄篇』にに登場するパオロとフランチェスカの悲恋。
古代ローマの詩人ウェルギリウスの案内で地獄を巡るダンテは、不義の恋のために断罪され、永遠に地獄を漂うパオロとフランチェスカの亡霊に出会います。
フランチェスカは政略結婚で嫁いだ先で、夫の弟のパオロと恋に落ち、ある日、嫉妬した夫によって二人とも短刀で刺殺されてしまったのです。

20230406_20230418150001
テオドール・シャセリオ―《ロミオとジュリエット》1850 年頃エスキース ︱ 油彩/カンヴァス

20230407_20230418150101
テオドール・シャセリオ―《ヘロとレアンドロス》、または《詩人とセイレーン》 19世紀第2四半期 エスキース  油彩/カンヴァス
アフロディテに仕える純潔の巫女ヘロとその恋人レアンドロスの悲恋物語。

20230408
ウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁 》1852-1853 年頃油彩/カンヴァス
舞台は、オスマントルコ帝国、高官の娘ズレイカと、その兄(じつは従兄)で海賊の首領であるセリムの恋仲を死が引き裂く悲恋物語。
ドラクロアが心酔していた同時代のイギリスの詩人バイロンの「アビドスの花嫁」を題材にしています。

| | コメント (0)

2023.04.20

特別展『東福寺』

特別展『東福寺』

東京国立博物館

会期 2023年3月7日(火)~ 5月7日(日)


展示会場、実物大再現の通天橋を通過すると、
第5章 巨大伽藍と仏教彫刻の展示場です。

現存の巨大な仏殿の本尊脇侍物、阿難・迦葉立像、
巨大な二天王立像などの展示は圧巻です。

「東福寺旧本尊コーナー」と仏涅槃図グラフィックは撮影ができます。(条件あり)
東福寺の旧本尊
東福寺の仏殿の仏像は途中で焼失して再興されましたが、創建された鎌倉時代から明治時代のはじめまで、高さ7.5メートルの釈迦如来坐像とその半分の高さ3.3 メートルの観音菩薩、弥勒菩薩坐像、そして3メートル強の四天王立像という巨像 群が安置されていました。これらは明治14年(1881) の火災で惜しくも焼失しまし た。しかし釈迦如来像の左手光背に付けられた化仏 と台座 蓮弁の一部 は焼け残り、往時の偉容を伝えています。(解説パネルから)
20230402_20230412174101

20230407_20230412174501
釈迦如来坐像(後背化仏) 東福寺旧本尊 木造 漆箔 鎌倉~南北時代  14世紀 京都 南明院
南明院に現在本尊として祀られる本像は、旧本尊の光背にあらわされた化仏のひとつでした。ほぼ等身大で、正面から見ると単独像のようです。背面もしっかり彫られていますが、奥ゆきが薄い点に化仏として造られたことが示されています。(キャプションから)

230230404
仏手 東福寺旧本尊 木造 漆箔 鎌倉~南北朝時代 14世紀 東福寺
この仏手は、本尊釈迦の左手です。立てた状態で展示していますが、本来は左膝の上に、甲を下にして置かれ与願印を結んでいました。軽く中指と薬指を曲げた巧みな造形は、この仏師の力量が優れたものであったことをうかがわせます。(キャプションから)

10230405
連弁 東福寺旧本尊  木造 漆箔 鎌倉~南北朝時代 14世紀 京都 即宗院 
現存する蓮弁には大小があり、いくつかが各塔頭に伝来しています。本展では、即宗院に伝えられたものを出陳しています。高さが ほぼ1メートルもある大きなもので、おそらくは中尊の台座にもちいられた蓮弁だったのでしょう。(キャプションから)


仏涅槃図(部分) 原寸大グラフィック
明兆による日本最大級の涅槃図、その大きさに流石のトーハクでも展示できなかったようです。
20230406_20230412174901
仏涅槃図(部分) 原寸大グラフィック
明兆による超巨大作品ー仏涅槃図
仏涅槃図は、釈迦が亡くなる場面を表わしたもので、周囲には嘆き悲しむ人びとや動物たちを描いています。本作は、周りの描表装も含めると、縦12メー トル、横6メートルほどにも達する、日本最大級を誇る涅槃図です。古くより広く世に知られた明兆の代表作で、署名により、応永15年 (1408)、明兆57歳の作とわかります。 く躍動感あふれる描線は、 まさに明兆の真骨頂といえるで しょう。(展示パネル解説から)


仏涅槃図に次ぐ大作『白衣観音図』が4月11日から展示されています。(第2章会場)
雪舟とともに「画聖」と呼ばれた「明兆」最晩年70歳の作品とされます。
(縦3.26m、横2.81m)
構図、筆捌きにも注目です。

こちらの作品は、4月9日までの展示。
20230417
重文 達磨・蝦蟇鉄拐塊図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀

そして、明兆の記念碑的大作『五百羅漢図』を修理後初公開しています。(第3章会場)
現存47幅に補作分を加えた全50全幅を三期に分けての展示です。
添えられた4コマ漫画解説もユニークで、楽しい展示です。
狩野派の「五百羅漢図」より明るい色調、表情が柔和の思えました。

明兆の作品目的だけでも十分行く価値のある展覧会です。 

東福寺通天橋実物大再現はこちら



20230411_20230412211101 20230412

展示構成は次の通りです。
第1章 東福寺の創建と円爾
第2章 聖一派の形成と展開
第3章 伝説の絵仏師・明兆
第4章 禅宗文化と海外交流
第5章 巨大伽藍と仏教彫刻


―HPの解説ー
新緑や紅葉の名所として知られる東福寺は、京都を代表する禅寺の一つです。朝廷の最高実力者・九条道家の発願により、中国で禅を学んだ円爾(聖一国師)を開山に迎えて創建されました。「東福寺」の名は、奈良の東大寺と興福寺になぞらえて、その一字ずつをとったことに由来します。中世の面影を色濃く留める巨大な建造物の数々は圧倒的なスケールを誇り、その特徴を表した「東福寺の伽藍面」の通称で知られています。
東福寺の寺宝をまとめて紹介する初の機会となる本展では、伝説の絵仏師・明兆による記念碑的大作「五百羅漢図」現存全幅を修理後初公開するとともに、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像や書画類も一堂に展観いたします。草創以来の東福寺の歴史を辿りつつ、大陸との交流を通して花開いた禅宗文化の全容を幅広く紹介し、東福寺の日本文化における意義とその魅力を余すところなくご覧いただきます。

| | コメント (0)

2023.04.16

特別展『東福寺』 通天橋 実物大再現

特別展『東福寺』では、通天橋を実物大再現しています。

東京国立博物館

会期 2023年3月7日(火)~ 5月7日(日)

(画像はクリックで拡大表示になります)

通天橋とモミジ
通天橋は、東福寺を代表する観光スポットです。境内の渓谷(洗玉澗)にかかる橋で、康暦2年(1380)、当時の僧録(禅宗界の総師)を務めた。春屋妙葩によってかけられたといいます。
眼下に広がる一面のモミジの風景で名高く、紅葉のシーズンには国内外から大勢の観光客が訪れ、近年では、新緑の季節の青モミジも大変人気です。本展では、この通天橋を実物大で再現し、実際に橋を渡る感覚を味わいながら、紅く鮮やかに色づいたモミジの風景をお楽しみいただきます。(展示パネル解説から)
20230401_20230412172701
20230431
20230422
20230432


2020年、コロナ禍の中、空いているのでは?と仄かな期待を持って京都に行ったのですが、残念ながらかなりの人で賑わっていました。
渓谷(洗玉澗)、通天橋は一方通行で、ゆっくり鑑賞とはいきませんでしたが、素晴らしい景観でした。

東福寺のリーフレットから
20230423


重文 東福寺伽藍図了庵桂悟賛 室町時代・永生2年(1505)
中世の東福寺伽藍を精緻に描く唯一の作品で、通天橋など山内の名称が今と変わらぬ姿で表されています。画面の賛は寺の歴史や地理をまとめたもので、上と左右にそれぞれ方位記号が記されています。
(画像は展覧会チラシから)
20230421

実物大再現の通天橋を渡ると、これも見どころのひとつ、第5章 巨大伽藍と仏教彫刻の会場に・・・・・

| | コメント (0)

2023.04.13

国宝 普賢菩薩像

国宝 普賢菩薩像

東京国立博物館 国宝室(2階 日本美術の流れ 2室)
 
展示期間 2023年4月11日(火)~5月7日(日)


平安時代から伝わる国宝「普賢菩薩像」(東京国立博物館)が3年に及んだ修理、養生を終え公開されています。
前回修理から約100年、傷みが進んでいた仏画の最高傑作を後世に伝えるべく、学識者らによる修理委員会、技師らの作業は困難を極めました。
「紡ぐプロジェクト」最初の修理助成対象事業だそうです。

(画像はクリックで拡大表示になります)

20230401_20230412105701
国宝 普賢菩薩像  絹本着色 平安時代・12世紀
昭和26年(1951) 国宝指定

普賢菩薩は、濁って乱れきった世の中において、仏の究極の教えといわ れる『法華経』を信仰する人の前に現れ、励まし、守護する存在として『法華経』に登場します。
この作品には、六本の牙の白象に乗った普賢菩薩が、今まさに、信仰する人の前に現れた情景が描かれます。『法華経』に説く「白玉色」を表現した菩薩の身体は、濃淡や太さの変化で肉身の立体感を表すしなやかな淡墨線で象られています。 これは北宋時代の仏画の技法をとり入れたものと言 われています。また、上質な顔料で彩られた衣には、髪の毛ほどの細さに切った金箔を用いた截金技法によって様々な文様が精緻に施されています。
仏画でありながらなまめかしささえ感じさせる、ひときわ優れて繊細なこの作品は、平安時代12世紀の仏画を代表する傑作のひとつです。
今回、文化庁・ 宮内庁・読売新聞社が官民連携で取り組む 「紡ぐプロジェ クト」から修理費用を寄付頂いたことを契機に行われた、3ヶ年に及ぶ解体修理が無事に完了しました。作品本来の繊細な表現や描写をとり戻し、表具も、平安時代の作品らしい上品な美しさが引き立てられるものに新調され ました。令和の時代によみがえった平安王朝の美をご堪能ください。
(担当研究員:沖松健次郎)

以上、展示解説の書写しです。


20230405_20230412130901

20230403_20230412110101

20230402_20230412110401
2023年(令和5年)3月5日(日曜日)讀賣新聞


| | コメント (0)

2023.04.09

土門拳の古寺巡礼

土門拳の古寺巡礼は、
東京都写真美術館で開催されています。

会期 2023年3月18日(土)~5月14日(日)

近頃の有名寺社は、観光客で賑い、立ち止まってじっくり鑑賞できる環境ではないですね。
この展覧会で”じっくり”というのもいいかもしれません。
土門拳の写真を見ていると・・・やはり訪れてみたいと思ってしまいます。

30歳のときから40年、全国の寺を巡って撮り続けた土門拳。

土門拳がライフワークとした『古寺巡礼』からの代表作と、土門を魅了した室生寺の釈迦如来坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫物を中心にモノクロームの仏像写真と、併せて120点を展覧します。(HPから)

本展のカラー作品は写真集『古寺巡礼』(全五集)のため1960~1794年に撮影されたものから構成した。
ただし、室生寺を撮影したカラー作品については写真集『女人高野山室生寺』のためにとり下ろした1976~1977年に撮影したものを含む。


会場に表示されていた ー土門拳のことばー
これは飽くまでもひとりの日本人の、自らの出自する民族と文化の再確認の書であり、哀惜の書であるつもりである。(古寺巡礼(全五集について)

ぼくは被写体に対峙し、ぼくの視点から相手を睨みつけ、そして時には語りかけながら、被写体がぼくを睨みつけてくる視点をさぐる。

室生寺はいうにいわれぬ魅力にあふれた寺で、毎年行っても、行くたびに新鮮な新しい魅力でぼくをとらえずにはおかなかった。

ぼくにとって仏像を思いかえすことは、恋人を思い浮かべるようなものであるから、話に限りがない。


本展では、作品一点一点に土門拳の文書が付されています。
さらに「土門拳の言葉」がパネル展示されています。
・法隆寺西院中門列柱
・神護寺本堂 薬師如来立像
・室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像脚部
・室生寺ひとむかし
・室生寺金堂 十二神像
・再び寺まわり
・室生寺弥勒堂 釈迦如来坐像
・浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像
・三仏投入堂
・白杵石仏群
・西芳寺庭園
・車いすからの視点


20230401 20230402
(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

20230403_20230409174001
飛鳥寺金堂 釈迦如来坐像面相詳細 昭和39年(1964)

20230404_20230409174001
浄瑠璃寺本堂 吉祥天立像面相 昭和40年(1965)

20230405_20230409174101
室生寺金堂十二神将立像(左から巳神、未神、申神、辰神) 昭和18年(1943)頃

20230406
唐招提寺金堂 千手観音立像左脇千手詳細 昭和38年(1963)

20230407
薬師寺三重棟全景 昭和36年(1961) 

―HPの解説ー
ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳(1909-1990)。ライフワーク『古寺巡礼』の第一集が刊行されたのは1963年、今年で60年を迎えます。戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫きました。『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。本展はカラーの代表作と、土門を魅了した室生寺の釈迦如来坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫仏を中心にモノクロームの仏像写真と、合わせて約120点を展観します。土門が対象の本質に迫った、力強く個性的な「日本の美」をご覧ください。

| | コメント (0)

2023.04.05

創立150年記念特集 コレクションの探求 はにわ展から50年

202301_20230405151601

創立150年記念特集 コレクションの探求 はにわ展から50年

トーハク 平成館 企画展示室

会期 2023年2月28日(火) ~ 2023年4月9日(日)

 

昭和48(1973)年、特別展観「はにわ」が東京国立博物館で開催されました。本特集は、その「はにわ」展から現在にいたる東京国立博物館が所蔵する埴輪の50年間を振り返ります。

(画像はクリックで拡大表示になります)

20230302_20230405113701
重文 埴輪 短甲の武人 1個 埼玉県熊谷市上中条出土 古墳時代・6世紀

20230308_20230405145301
重文 猪形埴輪 1個 群馬県伊勢崎市 剛志天神山古墳出土 古墳時代・6世紀

20230309_20230405145501
眉庇付冑形埴輪 1個 宮崎県西都市 西都原169号墳出土 古墳時代・5世紀


ー調査・研究ー
・出土古墳の特定ー50年の間でわかった名前
群馬県にある赤堀村104号墳の出土品も、50年前は出土所在地の地名の記載があるだけでしたが、近年の調査・研究の進展により、具体的な古墳名を特定することができました。(パンフレットから) 
20230301_20230405113901
埴輪 鍬を担ぐ男子 1個 群馬県伊勢崎市 赤堀村104号墳出土 古墳時代・6世紀

・三次元計測ー立体情報を得る
三次元計測データから、レプリカの石膏型を作ったり、VR(バーチャルリアリティー)による埴輪の鑑賞など、新たな展示手法として注目されています。
20230303_20230405114101
重文 家形埴輪 1個 奈良県桜井市外山出土 古墳時代・5世紀

・X線CTー埴輪の内部を見る
埴輪の内部や断面を可視化することにより、制作技法を把握したり、亀裂を見つけることで、埴輪の取り扱い方法や修理方針を決める判断材料になっています。(パンフレットから)
20230304_20230405114001
鞆形埴輪 1個 群馬県伊勢崎市 恵下古墳出土 古墳時代・6世紀
 202302_20230405151501
鞆形埴輪のX線画像


ー保存・修復ー
東博では、埴輪の解体を含む大がかりな本格修理を行い、展示で活用できるようにしています。これらのことは、埴輪を次世代に継承することにもつながります。(パンフレットから引用)
20230305_20230405114101
重文 船形埴輪 1個 宮崎県西都市 西都原古墳群出土 古墳時代・5世紀
202303_20230405151501
修理のために解体した船形埴輪


ー美術と埴輪ー
20230306_20230405113601
埴輪 胡座の男子 1個 栃木県真岡市亀山出土 古墳時代・6世紀 
埴輪 帽子を被る男子 1個 栃木県真岡市亀山出土 古墳時代・6世紀
斎藤清は、この2点の埴輪をモチーフとして、昭和28年(1953)に二曲一双の屏風絵をせいさくし、第2階日本国債美術展に出品しています。


ー国宝・重要文化財の埴輪ー新たに指定された埴輪
20230307_20230405143201
靫形埴輪残片  奈良県天理市 東大寺山古墳出土
靫(ゆき)とわ矢を入れる道具です。東大寺山古墳の副葬品一括が国宝になる際に、附(つけたり)として指定されました。埴輪としては2番目の国宝となりました。(パンフレットから)

 

【オンラインギャラリートーク】 3月「創立150年記念特集 コレクションの探求 はにわ展から50年」 河野正訓研究員(特別展室主任研究員)
TokyoNationalMuseum

―HPの解説ー
埴輪に関する調査研究は、この50年間で格段に進み、出土古墳の特定や出土品の性格について再評価が日々行われてきました。調査技術も進歩し、とりわけ3次元計測によって埴輪の外形を克明に記録できるようになり、X線CT撮影によって埴輪の内部の様子を詳細に観察できるようになりました。この成果は修理やレプリカの作成などにも活かされています。

現在では考古分野で注目されることの多い埴輪ですが、美術史の観点からも高い評価が得られています。ここでは国立博物館のニュースの題字や挿絵を担当し、当館とも縁の深い、版画家の斎藤清が愛した埴輪もご紹介します。さらに、古くから注目されてきた埴輪や近年再評価がなされた埴輪も合わせて展示します。

150年後も来館者の皆様にお楽しみいただけるように、東京国立博物館では調査研究や保存修復を継続的に進めて参ります。

| | コメント (0)

2023.04.01

3月花散歩2023

3月満開の梅林から散り始めの桜まで・・・・
紅白梅、寒桜、コブシ、桜。
野に咲く花々、野鳥の囀り、目に鮮やかな新緑も始まっています。
花散歩で撮った写真をまとめてみました。

スマホ写真(動画)です。
野鳥はデジイチ(望遠)で撮ったものを使ってます。

| | コメント (2)

« 2023年3月 | トップページ | 2023年5月 »