未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品― 田中親美模 平家納経(模本)
未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品― 田中親美模 平家納経(模本)
トーハク本館 2室
展示期間 2023年2月28日(火) ~ 2023年4月9日(日)
平家納経 (模本)彩箋墨書ほか
田中親美模(1875~1975)摸
大正~昭和時代・20世紀、原本:平安時代・長寛2年(1164)
原本:国宝・厳島神社像
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ーHPの解説ー
国宝「平家納経」(広島・嚴島神社蔵)は、平清盛(1118 ~ 81)が平家一門と共に制作し、平安時代・長寛2年(1164)に嚴島神社へ奉納した『法華経』ほか全33巻の経巻です。そのほとんど全てに金銀箔が散らされ、極彩色の下絵や摺文様が施されていて、表も裏も豪華に荘厳された装飾経の代表作です。
大正9年(1920)、嚴島神社宮司の依頼を受けて、益田鈍翁や高橋箒庵など当時の財界人・数寄者が「平家納経」模本制作のための寄附をしました。そして、模本制作の第一人者である田中親美(茂太郎、1875 ~ 1975)が家族や弟子と協力して、5年の歳月をかけて見事に作り上げたのです。
これほどの装飾を一つ一つ写すことは、驚異的な技と言えるでしょう。また、親美は、原本の筆を動かす速さまで計算したかのように自然な筆遣いで経文を書写しています。平安時代に平清盛が結集した美意識の塊を、800年以上の時を超えて田中親美がすべて再現した至宝の一品です。
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