戸谷成雄 彫刻
(画像はクリックで拡大表示になります)
「戸谷成雄 彫刻」は、
埼玉県立近代美術館で開催されています。
会期 2023年2月25日(土)~5月14日(日)
日本の現代美術を代表する戸谷成雄(1947~)の都道府県立の公立美術館としては約20年ぶりの個展です。
本展は3つのコーナーに分けての展示です。
・大学在学中から初個展までの作品
・代表作「森」「地霊」に至るまでの1970年代末から1980年代前半の作品変遷をたどります。
・1990年代から2000年代にかけて背策された「《境界》から」、「ミニマムバロック」、洞穴体」シリーズ、そして最新シリーズ「視線体」が一堂に会します。
この展覧会は撮影可(条件あり)です。
撮った写真をまとめてみました。
作品ごとの解説は会場内にはありません。
「戸谷成雄 彫刻 作品リスト」の解説を読みながらの鑑賞です。
《器Ⅲ》1973年 木 愛知県立芸術大学
ベトナム戦争の悲惨な情報が飛び交う状況下で、何もすることができない自分自身ーいわゆる「見ざる、聞かざる、言わざる」的態度を内省した自画像です。(作品リストから)
《地下へⅡ》1984年 石膏、アクリル、ドローイング
《森の象の窯の死》 1989年 木、灰、アクリル 東京都現代美術館
《森Ⅸ》2008年 木、灰、アクリル ベルナール・ビュッフェ美術館
1980年頃からチェーンソーで木の表面を刻んだり傷つけたりして、「森」シリーズの制作を始めました。
幼いころの戸谷さんは山の中の小さな村で育ち、森に対いて様々なイメージを持っていました。(会場パンフレットから)
《双影体Ⅱ》2001年 木、灰、アクリル 愛知県美術館
戸谷は2000年頃に「ミニマルバロック」という造語を生み出しました。ミニマルな直方体に複雑な襞が錯綜する本作は、中央を起点に鏡像的に造形が構築されています。(作品リストから)
《洞穴体Ⅲ》2010年 木、灰、アクリル
表面に小さな穴が開いていて裏面に続いています。裏面の塊は人型をイメージして作られています。(会場パンフレットから)
―HPの解説ー
日本の現代美術を代表する彫刻家・戸谷成雄は愛知県立芸術大学で彫刻を専攻したのち、1970年代より本格的な活動を開始しました。彫刻というジャンルが批判や解体にさらされていく同時代の美術潮流のなかで、戸谷は彫刻の起源や古今東西の彫刻表現を探究し、彫刻とは何かを問い続けました。木材の表面をチェーンソーで彫り刻む「森」シリーズの発表を機に80年代から国内外で高く評価され、ヴェネチア・ビエンナーレ(1988年)をはじめ数多くの国際展に参加してきました。90年代より「《境界》から」、「ミニマルバロック」シリーズ、2000年代より「洞穴体」シリーズ、近年には「視線体」シリーズなど優れた作品を手がけ、精力的な活動を続けています。
本展では「森」シリーズなど代表作を含む約40点によって、半世紀にわたる実践を振り返ります。さらに「森」に至るまでの初期の模索にも焦点を当て、初公開となる卒業制作の人体彫刻や資料類をあわせて紹介し、戸谷成雄の創作の原点を検証します。
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