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2023.02.08

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニーは、
東京都庭園美術館で開催されています。 

会期 2022年12月17日(土)~2023年3月5日(日)

この展覧会のタイトルからして、何か難解そう?と思いながら行ってきました。
取り扱っているジャンルが多岐にわたっていて、展覧会の内容、いまだに消化不良のままです。

この展覧会で上演されている、
映画「人でなしの女』が面白くて、時間(上映時間、約125分)をとられてしまって、本編展示を観るのがおろそかに・・・

この100年前の映画(製作年1923)、展覧会の時代(戦後社会)背景を垣間見ることができます。
エゴンシーレ(1980-1918)直前に観た展覧会だったので・・・
第一次世界大戦(1914-1918)
大正時代(1912-1926)

アール・デコ期のフランスを舞台に、多数の前衛芸術家たちが製作に携わった 伝説的モダニズム映画。
映画 「人でなしの女』 L'Inhumaine
製作年 1923年 フランス

主人公の衣装: ポール・ポワレ
研究所のセット:フェルナン・レジェ
建築物の外観: ロベール・マレーステヴァン
家具デザイン:ピエール・シャロー

ストーリー
世界的名声を得た前衛的な歌姫のクレールは、パリ郊外にあるアール・デコ様式の館に住み、日夜名士たちを招いて彼らを意のままに隷属させようとしていた。ある夜、クレールに招かれた発明家ノーセンが遅れて館に現れると、彼女は彼を無視し続けた。歌姫を愛するノーセンは、冷たくあしらわれたことから決死の覚悟である計画を試みる。

上映スケジュール
10:30~12:35
13:00~15:05
15:30~17:35

youtubeでClipが見られます、こちらをクリック

 

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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

1914年に勃発した人類史上初の世界大戦が象徴するように、この時代の最大の出来事は世界が一気に同期したということでした。その急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンの形を紹介します。(HPから)

展覧会の構成は以下の通りです。
Chapter1:1900-1913
1-1 ドイツ応用芸術とウィーン工房の転換期
1-2 ポール・ポワレとウィーン工房
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アトリエ・マルティーヌ/ロジーヌ《香水瓶「本物のオー・デ・コロン」》1912年頃|海の見える杜美術館

1-3 ポール・ポワレとフランスファッション
1-4 フランスにおける室内装飾の新傾向

Chapter2:1914-1918
2-1 ダゴベルト・ペッヒェと大戦期ウィーン工房
2-2 フランツ・チゼックとウィーン美術工芸学校

Chapter3:1919-1925
3-1 女性作家たちのウィーン工房
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ヨーゼフ・ホフマン《センターピース・ボウル》1924年|個人蔵

3-2 日本における生活改善運動
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斎藤佳三《「想ひを助くる部屋」飾窓》1927年|東京藝術大学

3-3 フランスにおける新旧室内装飾
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フランシス・ジュールダン《コーヒーサーバー》1920-21年 ポール・エリュアール歴史美術館、サン・ドニ

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アンドレ・グルー(デザイン)、マリー・ローランサン(絵付)、アドルフ・シャノー(制作)《椅子》1924年|東京都庭園美術館

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ピエール・シャロー《フロア・スタンド「修道女」》1923年|東京国立近代美術館

3-4 戦後フランスファッションの展開
3-5 都市芸術 通りの芸術
3-6 装飾と抽象
3-7 初期バウハウス

Chapter4:1926-1938
4-1 デッサウ以降のバウハウス
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マルセル・ブロイヤー《クラブチェアB3(ヴァシリー)1925年 豊田市美術館

4-2 バウハウスから離れて
4-3 UAM:フランスのモダンデザイン
4-4 ファッションのモダニズム
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ガブリエル・シャネル《コート》1927年頃京都服飾文化財団

4-5 日本におけるモダンデザインの動向



―HPの解説ー

国やジャンルを越えた共鳴から生まれる、いくつものモダンの形

1910年代から30年代は、西欧を中心に日本を含む世界各地で様々なモダンの形が現われた時代でした。

機能主義に基づく「モダニズム」は、いまなお当時の中心的な動向とみなされていますが、一方で、大衆消費社会が進展したこの時代は、常に新しくあるために装飾することに価値が置かれた、儚き「モダニティ」の時代でもありました。実際、この対立的に捉えられることの多い二つの「モダン」はいくつものモダンの形をうちに含み、それらは複雑に関係しながら濃密な時代を作り上げていたのです。

当時の作家たちは、時間差なく情報を共有し、国やジャンルを越えて同期し合い、その範囲は、絵画、彫刻から、家具、食器、洋服、さらにそれらを収める建築や都市まで、いわば、私たちの生活空間、身体活動全般におよんでいます。

ウィーン工房は、フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレと刺激し合い、一方で、ロベール・マレ=ステヴァンなど同国のモダニストにも影響を与えました。その生活全般への眼差しはまた、日本の森谷延雄や斎藤佳三にも共有されるものです。同時性絵画で知られるソニア・ドローネーはファッションの仕事に専心し、ルネ・エルブストらモダニストは都市を彩るショーウィンドウデザインに大きな関心を払いました。そして、バウハウスでは女性作家が織物に新たな光を当て、また同校を離れた作家たちが、ブルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校を舞台に応用芸術教育に取り組むことになります。

1914年に勃発した人類史上初の世界大戦が象徴するように、この時代の最大の出来事は世界が一気に同期したということでした。その急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンの形を紹介します。

 

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