特別展 生誕150年記念 板谷波山の陶芸― 近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯
特別展 生誕150年記念 板谷波山の陶芸
― 近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯
泉屋博古館東京
会期 2022年11月3日(木・祝)~ 12月18日(日)
板谷波山と言えば「葆光彩磁の作品を思い浮かべる」という方が多いと思います。
本展では、至高の作品とともに、故郷への思い、理想の作品作りののための試行錯誤の足跡を通して波山の生涯をたどります。
展覧会の構成は以下の通りです。
(本展会場の解説等を参考にしました)
≪ホール≫ 序章 ようこそ、波山芸術の世界へ
ホールのみ撮影可能でした。
(画像はクリックで拡大表示になります)
《唐花文壺(生素地)》1962’昭和37)年
《彩磁更紗花鳥文花瓶》1919(大正8)年頃 泉屋博古館東京蔵
≪第1展示室≫
序章 ようこそ、波山芸術の世界へ / 第Ⅰ章 「波山」へのみちのり
《彩磁蕗葉文大花瓶》1911(明治44)年頃 廣澤美術館蔵
波山の生涯で最大作として知られる大花瓶。波山の若きエネルギーが横溢したアールヌーボースタイルの秀作。
芸術家を志して―東京美術学校時代
東京美術学校と石川県工業学校
「昔の美術学校は、絵画をはじめ漆器、彫金、染物、織物と各種の工芸をやったもので・・・」(「波山焼」東京タイムズ(1953年))
《元禄美人》1894(明治27)年 東京藝術大学
≪第2展示室≫
第Ⅰ章 「波山」へのみちのり
故郷・下館ー文人文化の街
「私の父はいささか茶道のたしなみがあったので、私は幼時から陶器や諸道具に接する機会が多かった(「波山焼」東京タイムズ)1953年
《彩磁菊花図額皿》1911(明治44)年 しもだて美術館蔵
1911(明治44)年全国窯業品共進会で皇后陛下行啓の際に御前制作した作品。
本作のような絵画風の飾皿は、波山の最初期にのみ作られた。
≪第3展示室≫
第Ⅱ章 ジャパニーズ・アール・ヌーヴォー/陶芸革新―アヴァンギャルド波山
第Ⅱ章 ジャパニーズ・アール・ヌーヴォー/ Ⅱ-2 アール・ヌーヴォー―いのちの輝き
第Ⅲ章 至高の美を求めて/Ⅲ―1 葆光彩磁の輝き
「陶器に彫刻を施しかつこれに適当な着色を試みて、この彫刻と彩色との調和した理想的陶磁器を制作してみよう。(「奮闘的窯業家板谷波山氏を訪れて)「美術之日本」1909年
重要文化財《葆光彩磁珍果文花瓶》1917(大正6)年 泉屋博古館東京
1917(大正6)年、日本美術協会展で最高賞金牌第一席を受賞した記念碑的作品で、住友春翠が購入した。「大作花瓶類図集」(出光美術館蔵)には7枚に及ぶ図案があり、波山が「結果非常ニ良好ナリ」と記した快心作である。近代陶芸初の重要文化財作品に指定された。
第Ⅲ章 至高の美を求めて/Ⅲ―2 色彩の妙、陶技の極み
「技術を持つことは表現の基本である」(「陶技随想」『現代の図案工芸』1920年
《彩磁蔓葦文香炉[火舎 寺田龍雄]》大正後期 廣澤美術館
≪第4展示室≫
第Ⅲ章 至高の美を求めて/Ⅲ―3 侘びの味わい―茶の湯のうつわ
《天目茶碗》1944(昭和19)年頃 筑西市(神林コレクション)蔵
―HPの解説ー
近代陶芸の巨匠 板谷波山(本名・板谷嘉七)は、令和4年(2022)3月3日、生誕150年を迎えました。
明治5年(1872)茨城県下館町(現・筑西市)に生まれた波山(-1963)は、明治22年東京美術学校(現・東京藝術大学)彫刻科に入学、岡倉天心や高村光雲に師事しました。明治36年には東京・田端の地に移り、陶芸家「波山」として数々の名作を生みだします。昭和9年(1934)帝室技芸員に任命され、昭和28年には陶芸家初の文化勲章を受章しました。
波山は、理想の作品づくりのためには一切の妥協を許さず、端正で格調高い作品を数多く手がけました。代表作の一つ、重要文化財 《葆光彩磁珍果文花瓶(ほこうさいじちんかもんかびん)》は、大正6年(1917)波山芸術を愛した住友春翠によって購入され、泉屋博古館東京に継承されています。
この記念すべき年に、選りすぐりの名作と共に、波山が愛した故郷への思いや人となりを示す貴重な資料、試行錯誤の末に破却された陶片の数々を通して、「陶聖」波山の様々な姿を紹介いたします。波山の作品に表現された美と祈りの世界に癒され、彼の優しさとユーモアにあふれた人生に触れるひと時をお楽しみください。
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