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2022.10.08

美をつくし  — 大阪市立美術館コレクション

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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります

「美をつくし  — 大阪市立美術館コレクション」は、
サントリー美術館で開催されています。

会期 2022年9月14日(水)~11月13日(日)

 

大阪市立美術館は、現在、美術館の建物は登録有形文化財(建造物)に指定されていますが、開館90周年(2026)を前に大規模な改修工事が行われることとなりました。そこで本展では、この長期休館を機に、各ジャンルから厳選された優品をご紹介いたします。同館でもそろって展示されることが滅多にない名品を、館外で一堂にご覧いただける初めての展覧会です。(HPから)

行ってみたいと思っていた大阪市立美術館、やがて訪れるその日の予習にとも思いながら本展を観てきました。


大阪市立美術館は、関西財界人によるコレクションをまとめて収蔵する点に特徴があるそうで、本展ではそのコレクターの紹介も展示されていました。

展示作品のなかでも中国書画は、東洋紡績株式会社(現・東洋紡)の社長を務めた阿部房次郎氏によるコレクションが中心です。

また、関西の実業家・山口謙四郎氏による石造彫刻コレクションも充実しています。

さらに館蔵の仏教美術コレクションの拡充に大きな役割を果たしたのが、大阪で弁護士・政治家として活躍した田万清臣氏と夫人の明子氏の存在です。

大阪市立美術館の工芸品を代表するのが、1912年に来日したスイス人実業家U.A.カザール(Ugo Alfonso Casal)氏によるコレクションです。近世後期から明治期にかけての漆工品や印籠・根付など約4000件にのぼり、実に同館収蔵品の半数を占めています。(HPから)


展覧会の構成は以下の通りです。
一部の作品が撮影可でした。

第1章:世界に誇るコレクション 珠玉の中国美術
第2章:祈りのかたち 仏教美術
第3章:日本美術の精華 魅惑の中近世美術
第4章:江戸の粋 世界が注目する近世工芸
第5章:はじまりは「唐犬」から コレクションを彩る近代美術


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青銅 饕餮文斝 殷(商)時代 紀元前14~11世紀 山口コレクション
斝は酒を温めるための器で、自然神と祖先を祀る祭祀に用いられた。
本展出品作のなかで一番古い作品。(キャプションから)

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(この画像はクリックで拡大表示になります)
銅造 誕生仏立像 白鳳時代・7~8世紀 田万コレクション
台座は木製で、多くの仏像を修理した明珍恒男が昭和12年に補作したもの。

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(この画像はクリックで拡大表示になります)
青銅鍍金銀 仙人 後漢時代・1~2世紀 
この作品は、不老不死の仙人の姿をかたどったものと考えられています。

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重要美術品 大般若経(薬師寺経)(部分) 一巻 奈良時代8世紀

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重要文化財 銅 湯瓶 一口 鎌倉時代 13~14世紀 大阪市立美術館 

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豊臣秀吉像 惟杏永哲賛 桃山時代・慶長5年(1600)古賀勝夫氏寄贈
惟杏永哲によるの賛に「豊国大明神尊像」と見え、死後に神として祀られた秀吉の姿とわかる。(キャプションから)

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橋姫蒔絵硯箱 一合 江戸時代 18~19世紀 大阪市立美術館 
「源氏物語」の「橋姫」を主題とした豪華な硯箱。光源氏の子、薫の君が宇治橋を渡る名場面が、蒔絵の技法を使い分けながら丹念に表現されている。蓋表で注目すべきは宇治川にあしらわれた象牙製の水車。
蓋を上下に傾けると内部に設けた容器から水銀がめぐり、水車がくるくる回る仕掛けになっています。(キャプションから)

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(この画像はクリックで拡大表示になります)
猫図 原在正/四辻公説賛 江戸時代・18~19世紀 田万コレクション
京で活躍した原在中の長男・在正の作品。数え年33歳で亡くなったため現存作例は少ないが本作は在正の高い画力を今に伝える。

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唐犬 橋本関雪 二曲一隻 昭和11年(1936) 大阪市立美術館
大阪市立美術館のコレクション第一号作品で、開館記念に開催した帝展出品作。
橋本関雪は犬好きで、何頭もの犬を飼っていました。 

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(この画像はクリックで拡大表示になります)
(右)星 北野恒富 一面 昭和14年(1939) 大阪市立美術館 
女性の右後ろには一番星が輝いています。
(左)晩秋 上村松園 一面 昭和18年(1943) 大阪市立美術館
上村松園が幼少の頃、障子を繕う母を手伝った懐かしい記憶をもとに描かれたという。 

最終コーナーは、カザールコレクションの根付の展示です。
(この画像はクリックで拡大表示になります)
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―HPの解説ー
大阪市立美術館は、東京・京都に次ぐ日本で三番目の公立美術館として、昭和11年(1936)に開館しました。長年にわたり築かれたコレクションは、日本・中国の絵画や書蹟、彫刻、工芸など8500件を超え、時代も紀元前から近代まで実に多彩です。とりわけ関西の財界人によるコレクションをまとめて収蔵する点に特徴があり、美術館の敷地も住友家から大阪市に本邸跡地が寄贈されました。
現在、美術館の建物は登録有形文化財(建造物)に指定されていますが、開館90周年(2026)を前に大規模な改修工事が行われることとなりました。そこで本展では、この長期休館を機に、各ジャンルから厳選された優品をご紹介いたします。同館でもそろって展示されることが滅多にない名品を、館外で一堂にご覧いただける初めての展覧会です。
展覧会名「美みをつくし」は、大阪市章にもかたどられる「澪標みおつくし」になぞらえたものです。難波津の航路の安全のために設けられた標識「澪標」のように、美の限りをつくしたコレクションの世界へ身をつくしてご案内いたします。

 

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