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2022.10.20

装いの力 ― 異性装の日本史

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「装いの力 ― 異性装の日本史」は、
渋谷区立松涛美術館で開催されています。

会期 2022年9月3日(土)~10月30日(日)
(会期中展示替えがあります)


神話の世界から、現代にいたるまでの歴史の中で、日本人は「性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行って きました」
その試みが、どのように表現されてきたのかということを探り、「異性装」という営みの「これまで」と「これから」について考える展覧会です。

企画展名から、来場者に偏りがあるかな?とも思いましたが・・・
行ってみると、老若男女多くの方が観に来ていました。

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(クリックで拡大表示になります)

チラシ表面上から右回りに
シモーヌ深雪&D.K.ウラヂ (DIAMONDS ARE FOREVER ROYAL WIG》(部分)2018年 ミクストメディア DIAMONDS ARE FOREVER

森村泰昌 《光るセルフポートレイト(女優)/白いマリリン》(部分)1996年 エクタカラー・ウルトラⅡ 作家蔵(豊田市美術館寄託)

池田理代子 『ベルサイユのばら』(マーガレットコミックス、6巻173項)(部分) 原画 池田理代子プロダクション

橘小夢《澤村田之助》(部分)1934年 木版 弥生美術館

西川祐信(美人観菊図》(部分) 18世紀前半 絹本着色 氏家浮世絵コレクション 

高畠華宵《光》(部分)華宵便箋表紙原画 大正末~昭和初期 弥生美術館

 

展覧会の構成はつぎの通りです。
1章 日本のいにしえの異性装
2章 戦う女性-女武者
3章 ”美しい男性-若衆
4章 江戸の異性装-歌舞伎
5章 江戸の異性装-物語の登場人物・祭礼
6章 近代社会における異性装
7章 現代の異性装
8章 現代から未来へと続く異性装

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篠山紀信 《森村泰昌 『デジャ=ヴュ』の眼》 1990年 作家蔵

本展、松涛美術館のプレスリリースに詳しい解説があります、ご参考に・・・
プレスリリースはこちらから


チラシから(HPから)
ー本展の解説ー
男性か女性か—人間を2つの性別によって区分する考え方は、私たちの中に深く根付いています。しかしながら、人々はこの性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行って きました。社会的・文化的な性別を区分するための記号である衣服をもって、生物学的に与えられた性とは異なる性となるのです。もちろん、異性装を実践した人物の性自認や性的指向は非常に多様なものであり、それらが異性装とともに必ずしも変化するということはありません。日本には、ヤマトタケルをはじめとした異性装をしたエピソードの伝わる神話・歴史上の人物たちが存在するほか、異性装の人物が登場する物語や、能・歌舞伎といった異性装の風俗・ 嗜好を反映した芸能も古くから数多くあります。古代から近世を経て、西洋文化・思想の大きな影響下にあった近代日本社会では、一時期、異性装者を罰則の対象とする条例ができるなど変化がおとずれますが、それでも現代まで異性装が消えることはありませんでした。本展では、絵画、衣裳、写真、映像、漫画など様々な作品を通して各時代の異性装の様相を通覧し、性の越境を可能とする「装いの力」について考察します。特に現代では森村泰昌の作品やダムタイプのパフォーマンス記録映像の展示のほか、1989年2月に始まったドラァグ・クイーンによるエンターテインメントダンスパーティー“DIAMONDS ARE FOREVER”メンバーによる、本展のためのスペシャルなインスタレーションが展開されます。

近年では、人間に固定の性別はなく、従って「男性/女性」という二者択一の規定を取り払い、多様な性のあり方について理解し、認め合うという動きがでてきたものの、実際には性別における二項対立の構図は いまだに様々な場面で目にするものでしょう。男らしさ、女らしさとは何なのか。日本における異性装の系譜の一端を辿ることで、それらがどのように表現されてきたのかということを探り、「異性装」という営みの「これまで」と「これから」について考えます。

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コメント

松濤美術館は、建築家白井晟一の設計が好きなこともあって昔から通っています。
数年前館長が変わって、展覧会も斬新な企画が増えたような気がします。
この展覧会も、立地が渋谷の美術館らしい企画だと思いました。
面白かったですよね。

投稿: 美輪さんへ | 2022.11.25 21:55

こちらも行けました。日本古来の異装の文化についても学べたのは良かったです。

投稿: 美輪 | 2022.11.25 15:06

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