« 2022年9月 | トップページ | 2022年11月 »

2022.10.31

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

  20221001_2022103016320120221002_20221030163201

「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」は、
森美術館で開催されています。

会期 2022年6月29日(水)~ 11月6日(日)

コロナカ状況下、本展では、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何か、を現代アートに込められた多様な視点を通して考えます。

本展のタイトル「地球がまわる音を聴く」は、オノ・ヨーコのインストラクション・アートから引用しています。(HPから)

展示作品が並ぶ中、オノ・ヨーコの作品が、3か所に分けて展示されていました。

(画像はクリックで拡大表示になります)

以下、会場と展示順不同です。

オノ・ヨーコ 1933年東京都生まれ、ニューヨーク在住
20221001_20221031114001
Img_9790
地球の曲 1963年春 オフセットプリント(複製)

ヴォルフガング・ライプ 1950年ドイツ、メッツィンゲン生まれ、ドイツ南部、南インドおよびニューヨーク在住
202210011
ヘーゼルナッツの花粉 2015-2018 花粉(ヘーゼルナッツ)

花粉を集める
2020年春―3月、4月、5月に

来る日も来る日も、
何週間も、
タンポポの草原に座り
この上なく集中して
激しく
時間も、我も、身も心も忘れて

信じがたく、思いも寄らない
世界の危機と混乱のただ中で
ひどい病にかかり、死にゆく数多くの人びと

新しい疫病?
600年前のような疫病がふたたび起こるなんて
とても想像できなかっただろう
いま、この私たちの生活のなかに、そばに

それでもなお、危機は大きければ大きいほど
人類に新しい未来をもたらし
どこかほかの場所へ向かい
ほかの何かを見つける手助けをしてくれた
想像しえたものの彼方に
私たちは見つける
新しいありようと生き方を
私たちが望むものと
私たちが人生に望むもの
大切なこと
そうでないこと
慎ましさ
謙虚さ
自分自身とほかの人たちに対する
世界に対する
自然に対する
宇宙に対する
まったくくちがう関係
自分自身と世界への異なる願い
新しい未来の新しいヴィジョン

ヴォルフガング・ライプ 2020年5月
日本語訳/小野正嗣

202210012


エレン・アルトフェスト
アートは 崇高な何かへ 繋がることができるものです。
Img_9818
丸太 2001年 油彩、キャンヴァス 所蔵:ヴィッキー ・シャー

202210014


ギド・ファン・デア・ウェルヴェ 1977年オランダ、パーペンドレヒト生まれ、ベルリン、アムステルダムおよびフィンランド、ハッシ在住
202210015
 第9番 世界と一緒に回らなかった日 2007年 ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション


青野文昭 1968年宮城県生まれ、同地在住
「秩序が生き生きと存在するためには、
つねに「外部」の環境のもとに
「ゆらいで」いなければならない
202210017
八木山橋 2019年 収集物、家具、合板、アクリル絵具ほか 作家蔵
僕の街にあったシンデン ー八木山超路山神社の復元から2000~2019 2019年作家蔵


ロベール・クートラス 1930年パリ生まれ、1985年同地にて没
20221028

202210018
僕の夜(リザーブ・カルト)1967-1981 油彩、厚紙 個人蔵 


堀尾昭子 1937年徳島県生まれ、兵庫県在住
20221023
無題 2021年 シルクスクリーン、わら半紙
  

堀尾貞治 1939年兵庫県生まれ、2018年同地にて没
私にとって
分からんということが
何もわかっていないことが
希望なんです
Img_9887-1
「色塗り」シリーズ 1985-2018年 ミクストメディア 所蔵:一般財団法人堀尾貞治記念館
「一分打法」シリーズ 1997-2018年 所蔵:一般財団法人堀尾貞治気難関 


飯山由貴 1988年神奈川県生まれ、東京都在住
ドメスティック・バイオレンス(DV)をテーマにした飯山由貴の、インタビューを中心としたインスタレーション作品。(撮影不可)


金崎将司 1990年東京都生まれ、同地在住
20221021_20221031150901
山びこ 2014年 雑誌、チラシ、ほか

Img_9872-1


モンティエン・ブンマー 1953年バンコク生まれ、2000年同地にて没
私の作品が 
人々の繊細な感情や知覚を活気づけることを望んでいる
これらの感情が、かつてのように、
人間の本性のもとに戻ってくることを、私は望んでいる
20221027
自然の呼吸:アロカヤサラ 1995年 鋼、テラコッタ、ハーブ 所蔵:DCコレクション(チェンマイ)


金沢寿美 1979年兵庫県生まれ、東京都在住
初めて新聞紙を鉛筆で塗りつぶしたとき
肉眼では見えない
星までもが見えてくるような
感覚に襲われました
20221025

20221026
新聞紙のドローイング 2022年 黒鉛、新聞紙


小泉明郎 1976年群馬県生まれ、神奈川県在住
生命の複雑さと重さ、自然の力
それらにしかるべき形を与え認識の枠組みを作っていくことは、
芸術が未来に対して負っているひとつの課題なのだと考えます
202210016
グッド・マシーン  バッド・マシーンン 2022年ビデオ・インスタレーション


内藤正敏 1938年東京都生まれ、同地在住
(このコーナーは撮影禁止)
修験道の霊山では
「視える自然」の背後に、
人間が意味づけた
「視えない自然」が隠されている


ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)1980年台北生まれ、同地在住
アートは二次元論的な考え方を超越し、
現実の理解は、
私たちを近づけてくれるものです
20221031
子宮とダイヤモンド 2021年 手吹きガラス、、鏡、ダイヤモンド

20221030
5人の空のダンサー 2021年:リブ・フォーエバー財団(台中)



―HPの解説ー
2020年以降、目に見えないウイルスによって日常が奪われ、私たちの生活や心境は大きく変化しました。こうした状況下、現代アートを含むさまざまな芸術表現が、かつてない切実さで心に響きます。本展では、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何か、を現代アートに込められた多様な視点を通して考えます。自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死など、生や実存に結びつく主題の作品が「よく生きる」ことへの考察を促します。

 

また、本展では、美術館ならではのリアルな空間での体験を重視し、インスタレーション、彫刻、映像、写真、絵画など、国内外のアーティスト16名による約140点の作品を紹介します。五感を研ぎ澄ませ、作品の素材やスケールを体感しながらアートと向き合うことは、他者や社会から与えられるのではない、自分自身にとってのウェルビーイング、すなわち「よく生きる」ことについて考えるきっかけになることでしょう。 本展のタイトル「地球がまわる音を聴く」は、オノ・ヨーコのインストラクション・アート(*1)から引用しています。意識を壮大な宇宙へと誘い、私たちがその営みの一部に過ぎないことを想像させ、新たな思索へと導いてくれるものです。パンデミック以降の世界において、人間の生を本質的に問い直そうとするとき、こうした想像力こそが私たちに未来の可能性を示してくれるのではないでしょうか。

 

| | コメント (0)

2022.10.27

庭園美術館(旧朝香邸)を撮ってみました。 2022年

以下の画像は、東京都庭園美術館で行われた《邸内が撮影可能な企画展》を見に行った時にスマホで撮ったものです。
邸内の各部屋については美術館のホームページの「美術館について」に詳しい解説がありますので、そちらもご覧ください。


企画展「旅と想像・創造」の作品リストに載っていた配置図です。
Img_20221022_0001

(画像はクリックで拡大表示になります)

大広間
Img_6572_20221023181301

小客室
Img_6578

次室(香水塔)
Img_6690

大客室
Img_6570

Img_6580

大食堂
202202_20221026211801

202203_20221026211801

202201_20221026184901

喫煙室
Img_6583-1
 
第一階段
Img_6587-1

二階広間
Img_6590-1

若宮寝室
Img_6593-1

合の間
Img_6594-1

若宮居間
Img_6597-1

書庫
Img_6601

書斎
Img_6607-1

殿下居間
Img_6613-1

殿下寝室
202201_20221026172101

ベランダ
Img_6634

ベランダから庭園を望む
Img_6640

妃殿下居間
03_20221026172901

妃殿下寝室
202205_20221026164801

第一浴室
Img_6626-1

北の間
Img_6655-1

北の間から姫君の部屋、階段へ向かう廊下。
Img_6662

姫宮寝室
Img_6666-1
 
姫宮居間
Img_6671-1

階段
Img_6675

庭から 
01_20221026202801
 

「旧朝香宮邸とは / 沿革」その詳細はHPのこちらをお参照ください。


| | コメント (0)

2022.10.24

旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる

Photo_20221021151001

旅と想像/創造 いつかあなたの旅になるは、東京都庭園美術館で開催されています。

会期 2022年9月23日(金・祝)~11月27日(日)

本展の解説に「旅のアンソロジー」とあります・・・
展覧会最初に 、庭園美術館の本館建築に大きな影響を与えた朝香宮夫妻の100年前(1920年代)の欧州旅行、
その旅風景を美術工芸品と資料展示によって描いています。

それに続き、ある個人コレクターの鉄道資料蒐集の旅、
そして現代アーティストたちによる旧朝香宮邸をめぐるインスタレーション作品を展示、紹介しています。

出展作家
相川勝、栗田宏一、さわひらき 、福田尚代、宮永愛子、 evala、高田賢三、カッサンドル 他


展覧会の構成は以下の通りです。( )内は展示室名
Img_20221022_0001
(クリックで拡大表示になります)

(本館 1、2階)
1 100年前の旅人朝香宮のグランドツアー(大広間)
フランスへの旅立ちに始まった朝香宮夫妻の軌跡を、「旅の果実」として展覧会のイントロダクションに据え、100年前の旅へとご案内します。(HPから)

2 旅の記録 フォトグラファー朝香宮(小客室)
20221015_20221022180901
滞欧中に自動車旅行をする朝香宮夫妻 《欧州滞在中の両殿下》 (朝香宮渡欧アルバムより) 大正14年頃 公益財団法人鍋島報效会所蔵

3 旅の記憶 アール・デコ博覧会との邂逅(大客室)(撮影可)
20221001_20221021140401

20221009

20221008_20221022184201
朝香宮夫妻が欧州から持ち帰った品 《三羽揃いのペリカン (ペンギン) 1902年頃 ロイヤル・コペンハーゲン (窯) 東京都庭園美術館所蔵

4 旅するインフルエンサープリンセス允子からの贈り物(喫煙室)

5 アールデコの旅風景カッサンドル (二階広間)
20221014_20221022214801
カッサンドル 《ノール・エクスプレス》 1927年 バツアートギャラリーコレクション

6 高田賢三ー40年後の欧州航路(若宮客室、合い間、若宮居間)

7 福田尚代 時を超える羽ばたき (書庫、書斎、殿下居間)
20221011_20221022171901
福田尚代 《翼あるもの 『ウィトゲンシュタインの愛人』 》 2022年 Naoyo Fukuda. Courtesy of Yukiko Koide Presents

8 旅のラウンジ(ベランダ)

9 宮永愛子移ろいゆく(妃殿下居間)

10 集めることは旅すること
ーーある鉄道資料蒐集家の30年、想像の旅への誘い(北の間)

11 相川勝ーーそこに行く/そこに行かない旅(姫宮寝室、姫宮居間)

12 さわひらき旅は日常の中に(大食堂)
ほの暗い大食堂が、さわひらきの「映像インスタレーション」展示空間です。
20221013_20221021151501
さわひらき《dwelling》 2002年 © Hiraki Sawa

13 相川勝ーーそこに行ってみた(小食堂)
20221012_20221022172301
相川勝 《セドナ・レッドロック, アリゾナ, アメリカ合衆国/〈ポストカード〉より≫ 2013年


(新館 ギャラリー1)
20221007_20221022184601

14 栗田宏ーー日々旅にして旅が住処 (撮影可)
20221004_20221021140501 
20221006_20221021140501
栗田宏一「旅」と「土」 2022年 日本各地の土、和紙 作家蔵

15 宮永愛子旅の終わりは始まり(撮影可)
20221002_20221021140601

20221003_20221021140601
宮永愛子 《手紙》 2013-2019年 ナフタリン、樹脂、FRP、ミクストメディア 作家蔵

20221010
宮永愛子 雲の流れ、星の瞬き、-鍵- 2022年 糸、紙 個人蔵

(新館 ギャラリー2)
evala ―耳で旅するまだ見ぬ彼方へ
evalaが長い年月をかけて集めた音源が、暗いギャラリー内全周に配したスピーカーから流れます。

ーHPの解説ー
旅に出たい。ここではないどこかへ行きたい。
移動の自由が制限された2年半、世界中の人々が旅を諦めました。
この期間中に旅への想いが募り、自分の中の旅願望に気付いた人も少なくないでしょう。
いったい旅とはいかなるものなのでしょう。

本展はこうした問いの行方を、他者の旅を手がかりに、再考するための“旅のアンソロジー”です。
イントロダクションとなるのは、庭園美術館の本館建築に大きな影響を与えた朝香宮夫妻の100年前の欧州旅行です。
1920年代の旅風景を美術工芸品と資料によって描き出します。
それに続き、ある個人コレクターの鉄道資料蒐集の旅、そして現代アーティストたちによる旧朝香宮邸をめぐる作品を、
建築空間を生かしたインスタレーションによって紹介します。
それぞれの旅に潜む物語は、もはや旅が旅人だけのものではなく、受け取る側のあなたと共有され、
想像の中で経験されることを待っていると言えるでしょう。
だれかの旅は、“いつかわたしの旅になる”。

展覧会で出会う旅が、想像を膨らませるきっかけとなり、あなたの新しい旅を切り開く第一歩になりますように。


| | コメント (2)

2022.10.20

装いの力 ― 異性装の日本史

20221001_20221017154701

「装いの力 ― 異性装の日本史」は、
渋谷区立松涛美術館で開催されています。

会期 2022年9月3日(土)~10月30日(日)
(会期中展示替えがあります)


神話の世界から、現代にいたるまでの歴史の中で、日本人は「性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行って きました」
その試みが、どのように表現されてきたのかということを探り、「異性装」という営みの「これまで」と「これから」について考える展覧会です。

企画展名から、来場者に偏りがあるかな?とも思いましたが・・・
行ってみると、老若男女多くの方が観に来ていました。

20221001_20221019161401 20221002_20221019161501
(クリックで拡大表示になります)

チラシ表面上から右回りに
シモーヌ深雪&D.K.ウラヂ (DIAMONDS ARE FOREVER ROYAL WIG》(部分)2018年 ミクストメディア DIAMONDS ARE FOREVER

森村泰昌 《光るセルフポートレイト(女優)/白いマリリン》(部分)1996年 エクタカラー・ウルトラⅡ 作家蔵(豊田市美術館寄託)

池田理代子 『ベルサイユのばら』(マーガレットコミックス、6巻173項)(部分) 原画 池田理代子プロダクション

橘小夢《澤村田之助》(部分)1934年 木版 弥生美術館

西川祐信(美人観菊図》(部分) 18世紀前半 絹本着色 氏家浮世絵コレクション 

高畠華宵《光》(部分)華宵便箋表紙原画 大正末~昭和初期 弥生美術館

 

展覧会の構成はつぎの通りです。
1章 日本のいにしえの異性装
2章 戦う女性-女武者
3章 ”美しい男性-若衆
4章 江戸の異性装-歌舞伎
5章 江戸の異性装-物語の登場人物・祭礼
6章 近代社会における異性装
7章 現代の異性装
8章 現代から未来へと続く異性装

20221003_20221019161701
篠山紀信 《森村泰昌 『デジャ=ヴュ』の眼》 1990年 作家蔵

本展、松涛美術館のプレスリリースに詳しい解説があります、ご参考に・・・
プレスリリースはこちらから


チラシから(HPから)
ー本展の解説ー
男性か女性か—人間を2つの性別によって区分する考え方は、私たちの中に深く根付いています。しかしながら、人々はこの性の境界を、身にまとう衣服によって越える試みをしばしば行って きました。社会的・文化的な性別を区分するための記号である衣服をもって、生物学的に与えられた性とは異なる性となるのです。もちろん、異性装を実践した人物の性自認や性的指向は非常に多様なものであり、それらが異性装とともに必ずしも変化するということはありません。日本には、ヤマトタケルをはじめとした異性装をしたエピソードの伝わる神話・歴史上の人物たちが存在するほか、異性装の人物が登場する物語や、能・歌舞伎といった異性装の風俗・ 嗜好を反映した芸能も古くから数多くあります。古代から近世を経て、西洋文化・思想の大きな影響下にあった近代日本社会では、一時期、異性装者を罰則の対象とする条例ができるなど変化がおとずれますが、それでも現代まで異性装が消えることはありませんでした。本展では、絵画、衣裳、写真、映像、漫画など様々な作品を通して各時代の異性装の様相を通覧し、性の越境を可能とする「装いの力」について考察します。特に現代では森村泰昌の作品やダムタイプのパフォーマンス記録映像の展示のほか、1989年2月に始まったドラァグ・クイーンによるエンターテインメントダンスパーティー“DIAMONDS ARE FOREVER”メンバーによる、本展のためのスペシャルなインスタレーションが展開されます。

近年では、人間に固定の性別はなく、従って「男性/女性」という二者択一の規定を取り払い、多様な性のあり方について理解し、認め合うという動きがでてきたものの、実際には性別における二項対立の構図は いまだに様々な場面で目にするものでしょう。男らしさ、女らしさとは何なのか。日本における異性装の系譜の一端を辿ることで、それらがどのように表現されてきたのかということを探り、「異性装」という営みの「これまで」と「これから」について考えます。

| | コメント (2)

2022.10.16

イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき

20221001_20221015185401 20221002_20221015185501
20221003_20221015185501 20221004_20221015185601
(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

 「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」は、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2022年9月17(土)~11月10日(木)

20221011_20221016112701

(画像はクリックで拡大表示になります)

「イッタラって?」という私ですが・・・
その歴史、技術(その伝承)、デザイン(デザイナー)コンセプトなどを網羅的に紹介する展覧会です。
日本との親和性を感じながら観てきました。
イッセイ ミヤケ、隈研吾、皆川明(ミナ ペルホネン)、無印良品とのコラボの紹介に、なるほどと思いました。 


展覧会の構成は以下の通りです。
1 イッタラ140年の歴史
1881年~ イッタラ社の創業期
1930年代 カルフラとイッタラ アアルト夫妻との共同作業
1940年代 ガラス・デザイン・コンペティション
1950年代 サルパネヴァと i ロゴ
1960年代から1970年代 テクスチャ―ガラスによる革命
1980年代 企業合併の時代
199年代から2000年代 イッタラ、世界へ市場を拡大
今日 ライフスタイル・コレクションの発売

2 イッタラとデザイナー
アイノ・アアルト
アルヴァ・アアルト
カイ・フランク
タピオ・ヴィルカラ
ティモ・サルパネヴァ
オイバ・トイッカ
アルフレッド・ハペリ
ハッリ・コネスキン

3 イッタラを読み解く13の視点
素材としてのガラス
職人の技
型でつくる

4 イッタラと日本
カイ・フランクと日本
1950~60年代の日本におけるフィンランド・デザイン展
イッタラ×イッセイ ミヤケ
イッタラ×ミナ ペルホネン
隈研吾 イッタラ表参道ストア&カファのデザイン

5 インスタレーションなど
アアルト ベース
バード バイ トイッカ
20221012_20221016112701

20221013_20221016112801

20221014_20221016112901

20221015_20221016112901  

 

ーHPの解説ー
フィンランドを代表するライフスタイルブランド、イッタラ。1881年にフィンランド南部のイッタラ村に設立されたガラス工場からスタートした同ブランドは、アルヴァ・アアルトやカイ・フランクらフィンランドデザインの発展を牽引した建築家やデザイナーとともに歩んできました。美しさと機能性をすべての人へ提供するという彼らの思想のもと送り出されてきたプロダクトは、今なお世界中で愛され続けています。
本展はイッタラ創立140周年を記念し、フィンランド・デザイン・ミュージアムが2021年に開催した展覧会を再構成し、更に日本展ではイッタラと日本の関係に焦点を当てた章を加えて展開します。イッタラの歩みを象徴する20世紀半ばのクラシックデザインのガラスを中心に、陶器や磁器、映像やインスタレーションを交えた約450点を通してその技術と哲学、デザインの美学に迫ります。イッタラのプロダクトの歴史を見れば、ひとつのブランドとしての枠組みを超えて、デザイン史、フィンランドの文化と社会情勢、人々のライフスタイルの変化などの背景と深く結びついていることが明らかになるでしょう。時代を超えて今なお多面的に輝き続けるイッタラの世界を、ぜひご堪能ください。


Bunkamura ザ・ミュージアム「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」
アイエム[インターネットミュージアム]Internet Museum

 

| | コメント (0)

2022.10.12

版画×写真 ― 1839-1900

20221001_20221012152201 20221002_20221012152301

「版画×写真 ― 1839-1900」は、町田市立国際版画美術館で開催されています。

会期 2022年10月8日(土)~12月11日(日)

19世紀初めに登場して急速に発展していった写真と、写真の登場によって大きな影響を受けた版画。
両者の深い関係とエピソードを、当時のカメラ ・関連機材の展示を交えて分かりやすく丁寧に解説した版画美術館ならではの企画展です。

本展は一部の作品を除いて撮影可です。
(画像はクリックで拡大表示になります)

展覧会の構成は次の通りです。
I章 写真の登場と展開
Ⅰ-1.写真以前とタゲレオタイプ
20221001
カメラ・オブスクラ 横浜市民ギャラリーあざみ野
写真用カメラの原型となった光学装置。

20221002
ジョン・アダムス・ホイップル キャロライン・オルムステッドの肖像 1885 タゲレオタイプ 横浜市民ギャラリーあざみ野
1枚しか撮影できず傷つきやすいタゲレオタイプは、額縁や布張りのケースに入れて保管された。
タゲレオタイプは、カメラ・オブスクラに映る画像を金属板に定着させる写真術。

20221005
オノレ・ドーミエ 『ことわざと格言』第3図 我慢はロバの取柄 リトグラフ 国立西洋美術館
二人の男性がタゲレオタイプカメラを構えている。ロバは愚か者、愚鈍で強情な人間のたとえで、露光時間がとんでもなく長い初期のタゲレオタイプを皮肉ている。(キャプションから)

Ⅰ-2.カロタイプから湿版方式へ
20221003
ナダール氏のスタジオでの日本遣欧使節団(ナダール氏の写真に基づく)
1862.4.26『モンド・イリュストレ』誌掲載 小口木版 個人蔵
江戸幕府使節団のパリ訪問を報じる記事の図版。

20221004
ナダール《第1回幕府遣欧使節団》1862 鶏卵紙 東京写真美術館


Ⅱ章 実用と芸術をめぐる争い
Ⅱ-1.複製という役割
20221018
ジャン=ロベール・プチ 原画:フランソワ・ブーシェ 手足をのばした裸婦 18世紀 クレヨン法エッチィング

20221019
ラインンのプリンス・ルパート 原画:ピエトロ・デラ・ヴァッキア 旗手 1658 メゾチィント

Ⅱ-2.写真は芸術か?
20221006
ギュスターヴ・ル・グレイ 1856-59 鶏卵紙 東京都写真美術館
海と空をそれぞれ個別に撮影し、二つのネガを組合わせて撮影した。(キャプションから)

20221008
ロベール・ドマシ― ヴィーナスの愛 c.1900(1983のプリント) プラチナプリント 横浜美術館

20221013
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 写真家セスコー 1896 リトグラフ 国立西洋美術館


Ⅲ章 競い合う写真と版画
Ⅲ-1.肖像:プライベートとパブリック
20221014
アンリケル=デュポン 原画:ポール・ドラルーシュ パストレ侯爵 1838 エッチィング

20221015
j.ヴァンネルソン ネイラー夫妻 c.1850 タゲレオタイプ 横浜市民ギャラリーあざみ野
作者不詳 ネイラー夫妻の肖像 19世紀前半 ミニアチュール、手彩色 横浜市民ギャラリーあざみ野
 
20221016
オノレ・ドーミエ 写真を芸術の高みにまでひきあげるナダール 1862.5.25『ブールヴァール』紙掲載 リトグラフ 国立西洋美術館

Ⅲ-2.風景:記憶と芸術
20221017_20221012150201
ルイ・アタラン サン・ジョルジュ・ド・ボシェルヴィル修道院柱廊の廃墟  

Ⅲ-3 報道:主観と客観
20221011
ベルタル(シャルル・アルベール・ダルヌー) クールベ君 1871.4.30『グルロ』紙掲載 リトグラフ、手彩色 大佛次郎記念館

20221012
シャルル・マルヴィル パリ市庁舎(コミューン後) 1871 卵黄紙 東京都写真美術館


―HPの解説ー
写真の発明は世界を大きく変えました。とりわけ大きな影響を受けたのが、何世紀にも渡ってイメージを写し伝えるという同じ役割を担ってきた版画です。

 19世紀の版画と写真の関係は、これまで対立ばかりが語られてきました。しかし大量印刷ができず撮影に長い時間を要すなど技術的に不十分な点が多かった初期の写真には、版画によって支えられる部分も多く、両者は補いあう関係でもありました。やがて写真が技術的にめざましく発展していくなかで、両者は競いあいさまざまな表現を生み出していくことになります。
 本展は世界初の写真術であるダゲレオタイプが公表された1839年を起点に、写真の技術が向上し印刷技術として実用化されていく19世紀末まで、版画と写真が支えあい競いあった関係を探るものです。ヨーロッパを中心に、版画と写真に加え、カメラや撮影機材をはじめとする関連資料180点を紹介いたします。

 

| | コメント (0)

2022.10.08

美をつくし  — 大阪市立美術館コレクション

20220901_20221007143201 20220902_20221007143201
(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります

「美をつくし  — 大阪市立美術館コレクション」は、
サントリー美術館で開催されています。

会期 2022年9月14日(水)~11月13日(日)

 

大阪市立美術館は、現在、美術館の建物は登録有形文化財(建造物)に指定されていますが、開館90周年(2026)を前に大規模な改修工事が行われることとなりました。そこで本展では、この長期休館を機に、各ジャンルから厳選された優品をご紹介いたします。同館でもそろって展示されることが滅多にない名品を、館外で一堂にご覧いただける初めての展覧会です。(HPから)

行ってみたいと思っていた大阪市立美術館、やがて訪れるその日の予習にとも思いながら本展を観てきました。


大阪市立美術館は、関西財界人によるコレクションをまとめて収蔵する点に特徴があるそうで、本展ではそのコレクターの紹介も展示されていました。

展示作品のなかでも中国書画は、東洋紡績株式会社(現・東洋紡)の社長を務めた阿部房次郎氏によるコレクションが中心です。

また、関西の実業家・山口謙四郎氏による石造彫刻コレクションも充実しています。

さらに館蔵の仏教美術コレクションの拡充に大きな役割を果たしたのが、大阪で弁護士・政治家として活躍した田万清臣氏と夫人の明子氏の存在です。

大阪市立美術館の工芸品を代表するのが、1912年に来日したスイス人実業家U.A.カザール(Ugo Alfonso Casal)氏によるコレクションです。近世後期から明治期にかけての漆工品や印籠・根付など約4000件にのぼり、実に同館収蔵品の半数を占めています。(HPから)


展覧会の構成は以下の通りです。
一部の作品が撮影可でした。

第1章:世界に誇るコレクション 珠玉の中国美術
第2章:祈りのかたち 仏教美術
第3章:日本美術の精華 魅惑の中近世美術
第4章:江戸の粋 世界が注目する近世工芸
第5章:はじまりは「唐犬」から コレクションを彩る近代美術


20220914-1
青銅 饕餮文斝 殷(商)時代 紀元前14~11世紀 山口コレクション
斝は酒を温めるための器で、自然神と祖先を祀る祭祀に用いられた。
本展出品作のなかで一番古い作品。(キャプションから)

Img_9399
(この画像はクリックで拡大表示になります)
銅造 誕生仏立像 白鳳時代・7~8世紀 田万コレクション
台座は木製で、多くの仏像を修理した明珍恒男が昭和12年に補作したもの。

Img_9392
(この画像はクリックで拡大表示になります)
青銅鍍金銀 仙人 後漢時代・1~2世紀 
この作品は、不老不死の仙人の姿をかたどったものと考えられています。

20220912_20221007180801
重要美術品 大般若経(薬師寺経)(部分) 一巻 奈良時代8世紀

20220917-1
重要文化財 銅 湯瓶 一口 鎌倉時代 13~14世紀 大阪市立美術館 

20220918-1
豊臣秀吉像 惟杏永哲賛 桃山時代・慶長5年(1600)古賀勝夫氏寄贈
惟杏永哲によるの賛に「豊国大明神尊像」と見え、死後に神として祀られた秀吉の姿とわかる。(キャプションから)

20220913_20221007180301
橋姫蒔絵硯箱 一合 江戸時代 18~19世紀 大阪市立美術館 
「源氏物語」の「橋姫」を主題とした豪華な硯箱。光源氏の子、薫の君が宇治橋を渡る名場面が、蒔絵の技法を使い分けながら丹念に表現されている。蓋表で注目すべきは宇治川にあしらわれた象牙製の水車。
蓋を上下に傾けると内部に設けた容器から水銀がめぐり、水車がくるくる回る仕掛けになっています。(キャプションから)

20220924
(この画像はクリックで拡大表示になります)
猫図 原在正/四辻公説賛 江戸時代・18~19世紀 田万コレクション
京で活躍した原在中の長男・在正の作品。数え年33歳で亡くなったため現存作例は少ないが本作は在正の高い画力を今に伝える。

20220911_20221007180701
唐犬 橋本関雪 二曲一隻 昭和11年(1936) 大阪市立美術館
大阪市立美術館のコレクション第一号作品で、開館記念に開催した帝展出品作。
橋本関雪は犬好きで、何頭もの犬を飼っていました。 

20220923
(この画像はクリックで拡大表示になります)
(右)星 北野恒富 一面 昭和14年(1939) 大阪市立美術館 
女性の右後ろには一番星が輝いています。
(左)晩秋 上村松園 一面 昭和18年(1943) 大阪市立美術館
上村松園が幼少の頃、障子を繕う母を手伝った懐かしい記憶をもとに描かれたという。 

最終コーナーは、カザールコレクションの根付の展示です。
(この画像はクリックで拡大表示になります)
202209002

202209001

―HPの解説ー
大阪市立美術館は、東京・京都に次ぐ日本で三番目の公立美術館として、昭和11年(1936)に開館しました。長年にわたり築かれたコレクションは、日本・中国の絵画や書蹟、彫刻、工芸など8500件を超え、時代も紀元前から近代まで実に多彩です。とりわけ関西の財界人によるコレクションをまとめて収蔵する点に特徴があり、美術館の敷地も住友家から大阪市に本邸跡地が寄贈されました。
現在、美術館の建物は登録有形文化財(建造物)に指定されていますが、開館90周年(2026)を前に大規模な改修工事が行われることとなりました。そこで本展では、この長期休館を機に、各ジャンルから厳選された優品をご紹介いたします。同館でもそろって展示されることが滅多にない名品を、館外で一堂にご覧いただける初めての展覧会です。
展覧会名「美みをつくし」は、大阪市章にもかたどられる「澪標みおつくし」になぞらえたものです。難波津の航路の安全のために設けられた標識「澪標」のように、美の限りをつくしたコレクションの世界へ身をつくしてご案内いたします。

 

| | コメント (0)

2022.10.04

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥展

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥展

会期 2022年8月10日(水)~11月7日(月)

展示を見るなり「李禹煥」作品と気づく、その個性は重要ですよね。
所謂、李禹煥作品の総体に出会える、そしてその進化系?作品にも、
チョット意外な作品?にも出会える大規模回顧展です。

2010年以降の海外での個展、屋外での個展で公開された作品の再現展示は新鮮。
最終コーナーのホワイトキューブの空間に描かれ、スポットライトを当てた《対話ーウオールペインティング》は神秘的ですらありました。

本展では、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた<関係項>シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会します。また、李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す新作も出品される予定です。(HPから)

20220912_20221003185501 Img_20221003_0003

(画像はクリックで拡大表示になります)

入り口で《音声ガイド》アプリのQRコード読み込みを勧めてくれます。(無料)
ガイドを聴きながらの鑑賞すると作品の理解が深まります。
概ね、前半が立体作品、後半が平面作品のインスタレーションになっています。
1. プロローグ~《風景I・II・III》
2. 「もの派」 の誕生
3. キュレーター解説I 〈関係項〉について
4. 作家解説 《関係項一棲処(B)》
5. 余白の芸術
6. 作家解説 《関係項―プラスチックボックス〉
7.《関係項ー鏡の道》
8.《関係項―アーチ》
9. 《点より》、《線より》
10. キュレーター解説ⅡI 風の時代から、照応へ
11. 《対話》
12. 作家解説 《応答》
13.《対話―ウォールペインティング》
14 〈関係項ー《サイレンス 》~エピローグ
20220911_20221003184801


作品リスト(冊子)では、リストに加えて李禹煥の作家活動を時系列で回顧しています。
1936-1968 初期活動
1969-1972 もの派の起源と展開
1973-1979 絵画のはじまりー〈点より〉〈線より〉
1980-1999 風の時代から、照応へ
2000-2009 余白の芸術
2010-2022 開かれる無限
Img_9451
20220908_20221004155901


さらに、マンガ《李禹煥》鑑賞ガイドも用意されています。
20220906
20220907_20221004155801

野外展示作品は撮影可でした。
2014年にフランスのヴェルサイユ宮殿を舞台に個展を開催し、野外彫刻《関係項―ヴェルサイユのアーチ》が設営され、大きな話題となりました。本展では、国立新美術館の野外展示場でアーチ状の野外彫刻の新作が披露されています。

《関係項―アーチ》2014/2022年 石、ステンレス 作家蔵
20220901_20221001173301

20220902_20221001173401


美術館のエントランス前に設置されている作品で、誰でも鑑賞することができます。
《関係項―エスカルゴ 2018/2022年 石、ステンレス 作家蔵
20220903_20221001173401

20220904_20221001173401

20220905_20221001173501

屋外展示作品をスマホで撮ってみました。


―HPの解説ー
国立新美術館では開館15周年を記念して、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の東京では初めてとなる大規模な回顧展を開催します。

東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引しました。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく、著述においても展開しました。

李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。奇しくも私たちは、新型コロナウィルスの脅威に晒され、人間中心主義の世界観に変更を迫られています。李の思想と実践は、未曾有の危機を脱するための啓示に満ちた導きでもあります。

本展では、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた<関係項>シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会します。また、李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す新作も出品される予定です。

 


国立新美術館開館15周年記念 李禹煥
アイエム[インターネットミュージアム]Internet Museum


| | コメント (0)

« 2022年9月 | トップページ | 2022年11月 »