ボストン美術館 芸術×力(げいじゅつとちから)
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ボストン美術館 芸術×力(げいじゅつとちから)は、
東京都美術館で開催されています。
会期 2022年7月23日(土)~10月2日(日)
2022年、日本の宝里帰り。
日本にあれば国宝級といわれる絵巻《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》ともに保存状態がよく発色が素晴らしいし、平治物語絵巻は迫力満点、吉備大臣入唐絵巻は、奇想天外の物語が楽しいです。
素晴らしい作品がゆっくり鑑賞できたのは幸せでした。
《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》 鎌倉時代、13世紀後半
本作品は、平治元年(1159)に起こった「平治の乱」に取材した絵巻きで、乱から1世紀ほど経過した鎌倉時代に制作された。乱のきっかけとなった後白河院の御所である三条殿が襲撃された事件を描いており、燃え盛る炎や略奪を行う獣のような顔つきの兵士たちなどが戦いの残虐性を伝えている。(キャプションから)
《吉備大臣入唐絵巻》 平安時代後期 鎌倉時代初期 12世紀末
遣唐使として海を渡った吉備真備が唐の地で様々な難題に直面するも、鬼の姿になった阿部仲麻呂の助けも借りながら次々に解決していくという内容を描いた絵巻き。平安期の宮廷絵師常盤光長の作風とよく似ていることから絵巻き愛好者として知られる後白河院の周辺で制作されたという説が有力視されている。(キャプションから)
古今東西の権力者たちは、その力を示し、維持するために芸術の力を利用してきました。
権力の象徴として、外交の場で・・・
また、力を持つ人々は自らも芸術をたしなみ、パトロンとして芸術家を支援し、その結果素晴らしい芸術作品が生み出されました。それらの作品のコレクションは今日の美術館の礎になっています。
本展では、エジプト、ヨーロッパ、インド、中国、日本などさまざまな地域で生み出されたおよそ60点の作品が展示されています。
展示構成は次の通りです。
第1章 姿を見せる、力を示す
第2章 聖なる世界
第3章 宮廷のくらし
第4章 貢ぐ、与える
第5章 たしなむ、はぐくむ
《メアリー王女、チャールズ1世の娘》 アンソニー・ヴァン・ダイク 1637年頃
イングランド王チャーチル1世の長女メアリー王女(1631-1660)の6歳の頃の姿。銀の縁取りが施されたサテンの青いドレスをまとったメアリーは、年齢よりずっと歳上に見える。王族の結婚は、国内の安定と、一族の繁栄にきわめて重要で、本作品のような肖像画は多くの場合結婚の記念や婚姻を進めるために制作された。(キャプションから)
《マージョリー・メリウェザー・ポストのブローチ》 オスカー・ハイマン社 、マーカス社のために製作 アメリカ、1929年
ポスト(1887-1973)がイギリス王ジョージ5世とその妻メアリー王妃との謁見に際し購入したジュエリーのひとつ。謁見に用いられることはなかったが、大切にされ、このブローチを身に着けた肖像画や写真も残されている。60カラットのエメラルドは17世紀にインドで彫刻が施されたもので、1920年代のアメリカでブローチに加工された。(キャプションから)
《ギター(キタラ・バッテンテ)》 ヤコポ・モスカ・カヴェッリ イタリア、1725年
この時代には珍しく金属の弦が張られ、ときにピックを用いて打つように弾かれていたギター。ヘッドにはキージ家とパンフリー家のふたつのローマ貴族の紋章が施されている。もともとは両家のいずれかが楽器を所有していたか、注文主であったかもしれない。音楽は王侯貴族の暮らしに不可欠な要素であった。(キャプションから)
《厚板 萌黄地牡丹立涌模様》 江戸時代 17世紀末 18世紀初頭
能楽は武家から人気を博したため、江戸時代には大名家が自ら能舞台を建造し装束を作るなど、その上演を支援した。「厚板」は主に若い男役着るのに適したもので、本作品は力強い線と牡丹文で彩られている。この装束は江戸時代に福岡藩を収めていた黒田家に伝来したものであるという。(キャプションから)
《孔雀図》(左幅) 増山雪斎 江戸時代 享和元年(1801)
伊勢長島藩5代藩主増山雪斎は多くの画家、知識人らを庇護し自らも書画を制作した当代きっての文人大名。左幅には白孔雀と真孔雀、海棠、牡丹、鳥。
右幅には2羽の真孔雀と木蓮、薔薇などが描かれている。モティーフの組み合わせから一家の反映や永続を願う吉祥画とわかる。ボストン美術館に収蔵されてから日本初公開となる。(キャプションから)
《サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂、サン・マルコ沖から望む》 カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル) 1726-1730年頃
リヒテンシュタイン侯爵家のウイーンコレクションに由来する絵画。17世紀から19世紀にかけて北ヨーロッパの貴族たちはイタリアの諸都市をこぞって訪れた。こうした旅行者の間で自国に持ち帰る記念品として都市景観図が好まれた。本作に見られるように特徴的な景観をもつヴェネツィアは特に人気の画題となった。(キャプションから)
―HPの解説ー
本展のテーマ
古今東西の権力者たちは、その力を示し、維持するために芸術の力を利用してきました。威厳に満ちた肖像画は権力を強め、精緻に描写された物語はその力の正統性を示します。また、美しい工芸品は彼らの宮廷を彩り、ときに外交の場で活用されてきました。時の一流の画家や職人につくらせた芸術品は、今も見る人々を圧倒する荘厳な輝きを放っています。また、力をもつ人々は、自らも芸術をたしなんだほか、パトロンとして優れた芸術家を支援しました。その惜しみない支援によって、数多くのすばらしい芸術作品が生み出されたのです。さらに、多くの権力者たちは、貴重な作品を収集し手元におきました。彼らが築いたコレクションは、今日の美術館の礎ともなっています。本展では、エジプト、ヨーロッパ、インド、中国、日本などさまざまな地域で生み出されたおよそ60点の作品をご紹介します。私たちが鑑賞する芸術作品が本来担っていた役割に焦点を当て、力とともにあった芸術の歴史を振り返ります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に中止となった本展。いよいよ待望の開幕です。
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