キース・ヴァン・ドンゲン展 ―フォーヴィスムからレザネフォル
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「キース・ヴァン・ドンゲン展 ―フォーヴィスムからレザネフォル」は、
パナソニック汐留美術館で開催されています。
会期 2022年7月9日(土)~ 9月25日(日)
オランダで生まれ、パリで活躍した画家キース・ヴァン・ドンゲン(1877-1968)。エコール・ド・パリを代表するこの画家の日本では44年ぶりの展覧会です。(HPから)
展覧会の構成は次の通りです。
第1章 新印象派からフォーヴィスムへ
第2章 フォーヴィスムの余波
第3章 レザネフォル
《突風》 (『ル・ジュルナル・プール・トゥス』挿絵)1901年 ミクストメディア、コラージュ/紙
ギャラリーバイイー
1903年以降、ヴァン・ドンゲンは新印象派に熱心に傾倒し、モダンに変化していく世の中における彼の冒険的な取り組みを本作で見ることができる。(キャプションから)
《ムーラン・ルージュ または 遊歩回廊》1904年頃 油彩/カンヴァス
マダム・プロシュ・コレクション(ギャラリー・ド・ラ・プレジデンス協力)
《パリジェンヌ または 美の小径》1907-09年頃 油彩/カンヴァス
デヴィッド&エズラ・ナーマッド・コレクション
横を向く、彼女たちのドレスやくつろいだ物腰、森の中を散歩する自由な様子を通して20世紀初頭というのんびりとした数年間の時代背景を浮き彫りにしている(キャプションから)
ヴァン・ドンゲンは友人達、ミュージックホール、舞踏会、パーティーなど親しく出入りした環境の女性たちをモデルとした女性像を描きました。
ヴァン・ドンゲンは色彩への探求を進めていく中、人工的な光が発する力に魅せられ、頻繁に電気照明を用いる様になります。電灯の輝く光は描写対象のフォルムを強調するとともに際立てました。
《羽飾り帽の婦人》1910年 油彩/カンヴァス
大谷コレクション
第一次世界大戦終了後のフランスでは幸福感と自由の風が吹き、パリ、とりわけモンパルナス地区においては、文化と祝祭の激しい興奮が広がりました。このレザネフォル(狂騒の時代)呼ばれるこの時期に、ヴァン・ドンゲンの名声は頂点に達します。
ヴァン・ドンゲンが扱うテーマは多様であっても、女性の存在は不変です。
《ラ・ぺ通り または パリのラ・ぺ通り》1918年頃 油彩/カンヴァス
デヴィッド & エズラ・ナーマッド・コレクション
《女曲馬師(または エドメ・デイヴィス嬢)》1920-25年 油彩/カンヴァス
ディエップ城美術館(ファルー=デハ遺贈)
優美ですらりとした、ショーダンサーであるエドナ・ディウスがソファーに騎手のようにまたがって座っている。
1922年発表のヴィクトール・マルグリットの小説『ラ・ギャルソンヌ』が有名にしたようなモダン・ガールをまさに体現するこの女曲芸師を思わせる開放的な女性にシンボルが組み合わされている。
それは身体の大部分を露出したデザイナー服、ギャルソン風の髪型、左手のタバコ、そして男性の持ち物とされるシルクハットなどである。(キャプションから)
《ピンク色のドレスの女性》1925年頃 油彩/カンヴァス
パリ市立近代美術館
《ドゥルイイー指揮官夫人の肖像》1926年 油彩/カンヴァス
プチ・パレ美術館友の会
―HPの解説ー
キース・ヴァン・ドンゲン(1877―1968)はオランダに生まれ、ロッテルダムの美術アカデミーに学びながら、20歳の頃に初めてパリに数か月滞在します。その2年後にモンマルトルに移り住み、アトリエを構えました。オランダ時代から力強い筆致の作品を描いていたヴァン・ドンゲンは、すぐに新印象派に関心を抱き、やがて濃密で表情豊かな強烈ともいえる色彩でフォーヴィスムの画家たちの一員となります。華麗な色調でありながら、内的な表情を感じさせる色を用い、なかでも女性を描く場合の身体の優美さや官能性を訴える画面は、ヴァン・ドンゲンの代名詞になっていきます。
本展は、この稀有な芸術家がフォーヴィスムの画家へと成長する過程を紹介し、その後の第一次世界大戦までの時期に取り組んだ色彩と形態の研究に加え、人物表現というテーマ、そして大戦終結後の狂騒の20年代(レザネフォル)における画家の歩みに焦点をあてるものです。
1920年代に入ると社交界との交流から、肖像画家として多数の注文を受けるようになります。ヴァン・ドンゲンならではのスタイルである、華奢で細長くデフォルメされたしなやかな人物像は、きわめて洗練された色彩で表現され、当時の上流階級の人々から絶大な人気を博しました。
日本の美術館においては44年ぶりの開催となる、ヴァン・ドンゲンの個展である本展では、巧みな人物デッサンと官能的表現という全時代を通じて見られる画家生来の資質と、各時代に特徴的な色彩、形、そしてそれらが調和する姿を、新印象派からフォーヴィスムの時代、フォーヴィスムの余波の時代、そしてレザネフォルの時代と3章に分け、国内外の優れたコレクションを通じてご覧いただきます。
パナソニック汐留美術館「キース・ヴァン・ドンゲン展」
アイエム[インターネットミュージアム]Internet Museum
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