ゲルハルト・リヒター展
ゲルハルト・リヒター展は、
東京国立近代美術館で開催されています。
会期 2022年6月7日(火)~ 10月2日(日)
会場入り口に置いてある配布冊子に”会場マップ、リヒター作品を読み解くためのキーワード、作品リスト”が載っています。
”本展覧会には章構成などにもとづいた展示順序はありません。 ここに掲載された会場マップやキーワードを手掛かりに、関心の赴くままに自由にご鑑賞く ださい。”と記されています。
一部を除いて撮影可です。
リヒター作品を読み解くためのキーワード
1 フォト・ペインティング
2 グレイ・ペインティング
3 ガラスと鏡
4 アブストラクト・ペインティング
5 頭蓋骨、花、風景
6 肖像画
7 オイル・オン・フォト
8 カラーチャートと公共空間
9 《アラジン》
10 《ストリップ》
11 《ビルケナウ》
12 ドローイング
13 フォト・エディション
《ビルケナウ》 油彩、キャンバス 2014年
この作品の右にアウシュビッツ・ビルゲナウ強制収容所で隠し撮りされた写真4点が展示されています(この写真は撮影不可です)
リヒターは、それらの写真を描きうつしましたが、その上に、覆い隠すようにスキージで何層も絵の具を重ね、削り取り、さらにキッチンナイフで絵の具をのせたり引っかいたりしています。
2014年にこの作品を完成させ、自らの芸術的課題から「自分が自由になった」とリヒターは語っています。リヒターにとっての到達点であり転換点にもなった作品。
展示会場には大きな鏡《グレイの鏡》を挟んで、反対側に複製写真が展示されています。
何度でも再生可能な写真は、歴史は繰り返すという(繰り返されているという)暗喩でしょうか?
アブストラクト・ペインティング 2017年 油彩、キャンバス 作家蔵
積年の課題《ビルゲナウ》を実現させたリヒター。
従来のスキージを用いた制作を続けながら、さらにキッチンナイフでこそぎ取る手法で手の動きを形象化し、あざやかな色彩も現れています。
この作品を描き終えて、もう(油)絵を描かないとリヒターは宣言しました。
アブストラクト・ペインティング 1992年 油彩、アルミニューム
《アブストラクト・ペインティング》の到達点のひとつとして、リヒターが手元に置き続けてきた作品。
《モーターボート(第一ヴァージョン)(79a)》 油彩、キャンバス ゲルハルト・リヒター財団
フィルム会社の広告写真を、プロジェクターでキャンバスに投影して描かれた作品。
絵画を否定する、つまり写真をもとに、できるだけ写真であるかのように描くという営為が、かえって絵画というものの特徴をを浮き彫りにしています。(キャプションより)
《4900の色彩(901)》 エナメル、アルディボンド 2007年 ゲルハルト・リヒター財団
リヒターは2007年に手がけたケルン大聖堂のステンドグラスのために、具体的ななにものにも結び付かず、同時に最も美しくあるような色彩の並びをもとめて、ランダムな色彩の組み合わせの実験を数年にわたって続けました。《4900の色彩》はその作業の中から生まれた作品です。(キャプションより)
8人の女性見習い看護師(写真バージョン) 1966/1971 8枚の写真 ゲルハルト・リヒター
アメリカのシカゴで起こった殺人事件の報道写真をもとに、1966年に描いた同名の絵画作品を写真パネルとして再制作した作品。リヒターは1960年代にこのような無名の被害者をたびたび描きました。(キャプションより)
展示風景です。
《アラジン》 ラッカー、ガラス、アルディボンド ゲルハルトリヒター財団
《フォトエディション》 油彩、写真 ゲルハルト・リヒター財団
《ドローイング》
スマホで撮った画像を纏めて見ました。
―HPの解説ー
ドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932-)。リヒターは油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現と抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識するという原理に、一貫して取り組み続けてきました。
画家が90歳を迎えた今年2022年、本展では画家が手元に置いてきた初期作から最新のドローイングまでを含む約120点によって、一貫しつつも多岐にわたる60年の画業を紐解きます。
日本では16年ぶり、東京では初となる美術館での個展です。
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