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2022.08.23

歌枕 あなたの知らない心の風景

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この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります。

「歌枕 あなたの知らない心の風景」は、
サントリー美術館で開催されています。

会期 2022年6月29日(水)~8月28日(日)


この作品1点のみ撮影可でした。(クリックで拡大表示になります)
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重要文化財 小倉山蒔絵硯箱 室町時代 15世紀 一合 サントリー美術館

添えられたキャプションをそのまま書き写してみます。
小倉山=「小暗し(ほの暗い)」・紅葉・鹿
表には洛西の歌枕 小倉山を描く。ただし、小倉山の景物である鹿がおらず、むしろ木々が風に吹かれる様子から、嵐が詠まれた嵐山とする説もある。見込には紅葉と筏で名高い大堰川が描かれているが、この川を挟む二つの山のどちらが主題か、見る者の教養が試される作品といえる。

このような解説などが一点一点に添えられていて、解釈を助けてくれます。奥が深く、何度も訪れても飽きることのない展覧会です。

歌枕とは、長い和歌の歴史の中で培われた、特定のイメージをともなう土地や地名です。かつての日本では、そのイメージ世界を表わすことが、あらゆる芸術での基本的な約束事にまでなっていたのです。(HPから)


展示構成は以下の通りです。
第一章:歌枕の世界
第二章:歌枕の成立
第三章:描かれた歌枕
第四章:旅と歌枕
第四章:暮らしに息づく歌枕

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重要文化財 寸松庵色紙「ちはやふる」 伝 紀貫之 一幅 平安時代 11世紀
京都国立博物館 

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春秋花鳥図屏風 土佐光起 二曲一双 江戸時代 17世紀 サントリー美術館

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西行物語絵巻 著色本(部分) 三巻のうち中巻 室町時代 15世紀 
サントリー美術館 

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諸国六玉河 歌川広重 六枚のうち陸奥 野田之玉川 天保6~7年(1835~1836)中外産業株式会社原安三郎コレクション

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色絵龍田川文向付 尾形乾山 六口 江戸時代 18世紀 
公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館

 


サントリー美術館「歌枕 あなたの知らない心の風景」 1分15秒
サントリー公式チャンネル (SUNTORY)

―HPの解説ー
古来、日本人にとって形のない感動や感情を、形のあるものとして表わす手段が和歌でありました。自らの思いを移り変わる自然やさまざまな物事に託し、その心を歌に表わしていたのです。ゆえに日本人は美しい風景を詠わずにはいられませんでした。
そうして繰り返し和歌に詠まれた土地には次第に特定のイメージが定着し、歌人の間で広く共有されていきました。そして、ついには実際の風景を知らなくとも、その土地のイメージを通して、自らの思いを表わすことができるまでになるのです。このように和歌によって特定のイメージが結びつけられた土地、それが今日に言う「歌枕」です。
こうして言わば日本人の心の風景となった歌枕は、その後美術とも深い関わりをもって展開します。実景以上に歌枕の詩的なイメージで描かれてきた名所絵や、歌枕の意匠で飾られたさまざまな工芸品などからは、歌枕が日本美術の内容を実に豊かにしてきたものである事に気づかされます。
しかし、和歌や古典が生活の中に根付いていない現代を生きる私たちにとって、歌枕はもはや共感することが難しいのではないでしょうか。この展覧会では、かつては誰もが思い浮かべることのできた日本人の心の風景、歌枕の世界をご紹介し、日本美術に込められたさまざまな思いを再び皆さまと共有することを試みます。

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