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2022.08.20

フィン・ユールとデンマークの椅子

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「フィン・ユールとデンマークの椅子」は、
東京都美術館 ギャラリーA・B・Cで開催されています。

会期 2022年7月23日(土)~10月9日(日)


「東京都美術館は2010年に大規模改修工事が行われました。このとき、館内にフィン・ユールをはじめとするデンマークの家具と照明器具がしつらえられ、東京都美術館には「北欧の名作椅子に座れる美術館」という新たな魅力が加わりました」というパネル解説がありました。
私、今まで全く意識していませんでした。

この展覧会では、最終コーナー「デンマーク・デザインを体験する」で、かなり広いスペースをとってフィン・ユールをはじめ、デンマークの優れたデザイナーたちの椅子・ソファー、テーブルなどが置かれ実際に座って体験ができます。
有益な体験ができました。
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ギャラリーBで、デンマーク椅子デザインの概観と変遷をたどり、
ギャラリーCでデザイナーの挑戦と題して活躍したデザイナーの様々な作品を紹介しています。
そして、エスカレータで降りた、いちばん広いギャラリーAでフィン・ユールの世界を回顧、展開しています。

展示構成は以下の通りです。
第1章 デンマークの椅子
1 デンマーク・デザインのはじまり
2 デザインの父、コーア・クリント
3 家具職人組合と展示会
4 FDBモブラー 、デンパルマネンテ
5 デザイナーたちの挑戦
第2章 フィン・ユールの世界
1 初期
2 フォルムの探求
3 生産性への挑戦
4 フィン・ユール邸
5 アメリカでの活躍
6 建築、インテリアデザインの仕事
7 実験、模索
8 1960年代以降
第3章 デンマーク・デザインを体験する


以下、それぞれのセクションでの展示風景です。
(画像クリックで拡大表示になります)

デザイナーたちの挑戦(ギャラリーC)
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イブ・コフォード・ラーセン エリザベスチェア(U56) 1956年 クレスレンセン&レーセン マホガニー・革
織田コレクション(東川町)
イブ・コフォード・ラーセンの名を後世に残すことになった名作。エリザベス女王が購入したことから《エリザベス・チエア》と呼ばれる。

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アクセル・ベンダー・マドセン、アイナー・ラーセン 《メトロポリタンチェア》 1959年 ウイリー・ベック チーク・革
織田コレクション(東川町)
ニューヨークの《メトロポリタン美術館が購入したことから《メトロポリタンチェア》と呼ばれるようになった。


フィン・ユールの世界展示会場俯瞰(ギャラリーA)
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初期作品
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フィン・ユール《グラスホッパー チェア》1938年 ニールス・ヴォッダー  オーク、ウォールナット、革
織田コレクション(東川町)
1938年秋のコペンハーゲン家具職人組合展示会に、ニールス・ヴォッダーから2脚のみ制作されて出品された作品。《グラスホッパ》とはバッタの意味。
(右)モーエンス・ヴォルテレン《コペンハーゲンチェア》 1936年 ニールス・ヴォッダー マホガニー、革
織田コレクション(東川町)
ニールス・ヴォッダーをユールに紹介したのがヴォルトレンでした。この出会いが後にユールを世界的デザイナーへと誕生させるきっかけとなった。

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フィン・ユール《イージーチェア №45》 1945年 ニールス・ヴォッダー、ソーレン・ホーン、ニールス・ロス・アナセン 
ローズウッド・布
織田コレクション(東川町)
フィン・ユールの代表作であり、デンマークを代表する椅子である。中期の椅子デザインは、この《イージーチェア №45》から始まったといっても過言ではない。

生産性への挑戦
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フィン・ユール邸
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―HPの解説ー
北欧の国デンマークは、デザイン大国として知られます。
とりわけ1940年代から 60年代にかけて、デンマークでは歴史に残る優れた家具が生み出されました。

デンマークのデザイナーのなかでも、フィン・ユール(1912-1989)は、ひときわ美しい家具をデザインしたことで知られます。優雅な曲線を特徴とするその椅子は、「彫刻のような椅子」とも評されます。当時の家具デザイナーたちの多くが家具の専門学科や家具工房の出身であるのに対し、フィン・ユールは美術史家になることを夢見ながらもアカデミーで建築を学び、建物の設計やインテリアデザインにたずさわるなかで家具デザインを手がけました。身体を抽象化したようなやわらかなフォルムは座って心地よいばかりで なく、彫刻作品にも似た静謐な存在感を放ち、建築や美術、あるいは日用品と濃密に響き合いながら、空間の調和を生み出す役割をも果たしているようです。

本展は、デンマークの家具デザインの歴史と変遷をたどり、その豊かな作例が誕生した背景を探るとともに、モダンでありながら身体に心地よくなじむフィン・ユールのデザインの魅力に迫る試みです。椅子のデザインにはじまり、理想の空間を具現した自邸の設計や、住居や店舗、オフィスのインテリアデザインまで、フィン・ユールの幅広い仕事を紹介します。椅子という、あらゆる日常を支える身近な家具にあらためて光を当てる本展が、新しい生活を模索する私たちが快適に生きるためのヒントを見つける機会となれば幸いです。


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