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2022.07.07

カラーフィールド 色の海を泳ぐ


久しぶりに訪れたDIC川村記念美術館、この日は酷暑で庭園を歩く余裕はありませんでした。

「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」は、DIC川村記念美術館で開催されています。

会期 2022年3月19日(土) - 9月4日(日)


ホワイトキューブの展示空間に数点の立体作品を含む大型平面作品が展示されています。
世界で最も質の良いカラーフィールド作品を所蔵しているカナダの「マーヴィッシュ・コレクション」から約40点、DIC川村記念美術館の収蔵品とあわせて約50点です。

カラーフィールドは1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向です。 大きなカンヴァス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面を作り出しました。(HPから)

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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

3つのテーマに分けての展示です。
色の形
色と技法
色から光へ

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ケネス・ノーランド《あれ》1958-59年
アクリル、カンヴァス 213 × 213cm
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵

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アンソニー・カロ《原初の光》1966年 塗料、スチール 
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵

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ラリー・プーンズ《雨のレース》1972年 アクリル、カンヴァス 
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
さまざまな色の絵の具をカンヴァスに投げつけ、そのさく裂した絵の具は滴り落ちて、それぞれのかたちと色に変化していきます。

Dic202207-017
モーリス・ルイス《無題(イタリアン・ヴェール)》1960年 マグナ(アクリル)、カンヴァス 
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
薄いベールのような黒には、様々な色面が隠れています。
薄く溶いたアクリル絵の具を何層にもカンヴァスに流し染み込ませています。

最終コーナーは、
色彩で光を表現した作家ジュールズ・オリツキ―の作品「アントニーとクレオパトラ」
メタリックな絵の具を手でカンヴァスに塗り込め、さらにスプレーで彩色しています、3Dを思わせる作品、角度によって色彩が光となって輝きます。



展示作品リストです。
Dic20220701_20220707070401 Dic20220702_20220707070401

Dic20220703 Dic20220704
(この画像はクリックで拡大表示になります)

コレクション展示は、企画展にならって?色に拘って展示分けされていました。
[ロスコ・ルーム〈シーグラム壁画〉]は、この美術館を象徴する?作品空間、人気がありますね。心が落ち着きます。
200展示室の[白 | 透明]は弧を描く展示室に作品と左右の大きな窓にまっすぐに伸びた木立が見えます。清々しい空間です。

101展示室[青 | 緑]
102展示室[レンブラント・ファン・レイン]
103展示室[赤 + 黒]
110展示室[赤 | 黒]
104展示室[銀 | 灰]
105展示室[金 | 黄]
106展示室[ロスコ・ルーム〈シーグラム壁画〉]
200展示室[白 | 透明]

 

―HPの解説ー
カラーフィールドは1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向です。 大きなカンヴァス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面を作り出しました。

本展は、このカラーフィールド作品の収集で世界的に知られるマーヴィッシュ・コレクションより、関連する作家9名に焦点をあて、1960年代以降の出色の作品を紹介する本邦初の展覧会です。彼らは、色彩と絵画の関係を各々の方法で模索し、その過程で多くの作家が独自の描画に至りました。変形的な外形を持つシェイプト・カンヴァスの使用や、絵具をカンヴァスに染み込ませるステイニング技法、あるいはスプレーガンの噴霧で色を蒸着させる画法など、従来では考えの及ばなかった手法を考案し、絵画に新たな地平を切り拓いたのです。

こうして創出された空間を満たす大画面と、そこで展開される様々な色彩についての思考は、今なお見るものの感覚や想像力を刺激してやみません。作品が体現する色の世界、その海を泳ぐ私たちは、色の波に身をまかせ、溺れ、時に抗いながら、絵画と色彩の無限の可能性に出会うでしょう。色の海を泳ぎきった先には、きっと、私たち自身の中にある彩り豊かで、高潔な、けれど同時に暗く、黒いものをも包む、美しい地平を感じとっていただけるのではないでしょうか。

 

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