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2022.07.30

未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品ー  雪村周継筆 蝦蟇鉄拐図 

未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品― 
展示4作品目は 雪村周継筆 蝦蟇鉄拐図 です。

トーハク本館2室で展示されています。
展示期間 2022年7月5日(火) ~ 2022年7月31日(日)

「奇想の画家」の元祖、雪村の奇天烈な魅力がギュッと詰まっている作品。
向かって右側は鉄拐(てっかい)仙人。
空に向かって勢いよく吹き出した息の先には小さな人影が描かれています。 これは自分の魂。鉄拐はこのように魂を遠くへ飛ばすことができたのでした。

左に描かれるのは蝦蟇(がま)仙人。三本足のヒキガエルを従えて妖術を使ったといいます。

元は衝立(ついたて)の表裏であったともいわれる作品で、 署名や印章の形式から、雪村が福島県三春を拠点に活躍した、70 ~ 80 歳代の作と推定できる点も貴重といえるでしょう。(HPを参考にしました)

蝦蟇鉄拐図 雪村周継筆室町時代・16世紀
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創立150年記念事業
未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―

年間展示予定はこちらから
ほぼ、一か月に1作品のペースで展示替えが行われるようです。


ーHPからー
東京国立博物館は、令和4年(2022)に創立150年を迎えました。この150年の歴史のなかで収集された文化財のなかには、国指定の国宝や重要文化財となっていなくとも素晴らしい作品が数多く収蔵されています。
「150年後、もしくはその先の未来、この国宝室にはどのような作品が展示されているのだろう」。
こういった問いかけから、今年度は「未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―」というテーマで展示を行なうことにしました。私たち研究員が選び抜いたイチ押しの作品を「未来の国宝」と銘打って、年間を通じてご紹介していくという試みです。
数万件に及ぶ絵画、書跡、歴史資料のなかから選び抜いた、東京国立博物館コレクションの「逸品」をどうぞご堪能下さい。

 

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2022.07.26

蜷川実花「瞬く光の庭」

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蜷川実花「瞬く光の庭」は、
東京都庭園美術館で開催されています。

会期 2022年6月25日(土)~9月4日(日)


~~本展は、撮影可の展示室があります。
密を避けるため、比較的広い部屋での撮影を許可しているようです。~~

2018年より国内10か所を巡回した「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」をひとつの区切りとして、2021~2022年に国内で撮った作品(新作)で構成されたこの展覧会で「新いい一歩を踏み出せた」とインタビュー動画の中で述べています。

極彩色というイメージの蜷川作品が多かったのですが・・・今、光に溢れた色 “光彩色”と名付けた世界に強く惹かれているとも述べています。

アール・デコ様式で装飾された当館の建築に、蜷川の作品を重ねることで、様々な時間の交差する場を出現させるものです。植物から植物へと、あたかも蝶のように回遊しながら、蜷川のまなざしを追体験できる貴重な機会となります。(HPから)


(画像はクリックで拡大表示になります)

大広間(展示風景)
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大客室(展示風景)
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大食堂(展示風景)
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二階広間(展示風景)
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ベランダ(展示風景) 
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北の間 ~~モニターで沢山の作品を見ることができます~~
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新館展示室をフルに使ってのインスタレーション
『胡蝶めぐる季節』をスマホで撮影し纏めて見ました。


―HPの解説ー
蜷川実花は現代日本を代表する写真家・映画監督として、独自のスタイルで知られています。その視線は一貫して、いのちの輝きと儚さに対して向けられてきました。写真を中心に、多岐に渡る表現を手掛ける蜷川ですが、本展では、コロナ禍の国内各地で昨年から今年にかけて撮影された、最新の植物の写真と映像をご覧いただきます。アール・デコ様式で装飾された当館の建築に、蜷川の作品を重ねることで、様々な時間の交差する場を出現させるものです。植物から植物へと、あたかも蝶のように回遊しながら、蜷川のまなざしを追体験できる貴重な機会となります。

本展に先立ち2018年より国内10か所を巡回した「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」は、コロナ禍までを含む蜷川のキャリアを総覧するものでした。本展では、さらなる飛躍を期待される蜷川の最新作と、ほかに類を見ない当館の建築空間との競演をお楽しみいただけます。蜷川が今、強く惹かれているという、光に溢れた色 “光彩色”(こうさいしょく)の世界、夢かと見まがうかのような現実の一瞬を映し 出す写真や、ダイナミックな映像インスタレーションによる、蜷川の新機軸となる 「今」と「これから」にご期待ください。

 

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2022.07.22

長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―

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(画像はクリックで拡大表示になります)

長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―は、
町田市立国際版画美術館で開催されています。

会期 2022年7月16日(土)〜9月25日(日)


長谷川潔の日本での版画家としての初期作品から、年代に区切って特徴的な作品を観ていきます。
関連作家の作品も含めて165点の展示。
仏訳『竹取物語』の挿絵頁の多量展示も見ものです。
版画専門美術館ならではの技術的解説も丁寧です。


展覧会の構成は以下の通りです。

第Ⅰ章(プロローグ) 日本時代 文芸雑誌『仮面』の画家 1913-1918
長谷川潔が画家を志し、版画の制作を始めた1912年から日本を去る1918年まで、文芸雑誌『仮面』同人の版画家として活動した時期の作品を紹介しています。
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『仮面』4巻4号 1915年4月刊 小野忠重旧蔵  長谷川潔 《四つの家の窓(口絵)》 

コラム1 『仮面』および日本版画倶楽部の版画仲間
永瀬義郎 (1891-1978)広島新太郎 (1889-1951)の作品を紹介しています。

コラム2 萩原朔太郎詩集『月に吠える』への共感
公刊『月映』の田中恭吉、藤森静雄などの作品を紹介しています。

第Ⅱ章 フランスで銅版画家として立つ 1919-1941
フランスに渡り、表現を模索しつつ創作活動を開始してから、独自の表現を確立するまでの作品の紹介です。その間にメゾチント(マニエール・ノワール)という版画の古典技法を研究し、現代版画の技法としてよみがえらせています。
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長谷川潔 《思想の生まれる時》 1952年 ドライポイント 手彩色

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長谷川潔《ポアン・ダンテロガシオン号》 1930年 メゾチィント

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長谷川潔 《二つのアネモネ》 1934年 アクアチィント Mogawa氏寄贈

コラム3 青年時代の刺激
パリに向かったのも、憧れのムンク(1864-1944)の存在でした。
ムンクの《病める子』などが展示されています。 

第Ⅲ章 仏訳『竹取物語』1934(1933)
1934年に完成した挿絵本、仏訳『竹取物語』の挿絵ページを可能な限り多く展示しています。
フランス語のテキストは、パリの日本大使館勤務の外交官本野盛一です。
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長谷川潔 《仏訳『竹取物語』(リーヴル・ダール協会刊)特別会員版 別バージョン挿絵 1934(1933)年 エングレーヴィング

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長谷川潔 《仏訳『竹取物語』(リーヴル・ダール協会刊 )挿絵 表紙 扉 1934(1933)年 エングレーヴィング

コラム4 エングレーヴィングという超絶技巧
エングレーヴィングの技術的、作品の特徴解説。アルブレヒト・デューラー (1471-1528)などの作品が展示されています。

第Ⅳ章 日常に神秘を視る 1941-1950年代末
長谷川潔は第二次世界大戦中に、見慣れた一本の樹が不意に人間と同等に見えるようになり、万物は同じだと気づいて以来、自分の絵は変わったと書き残しています。(HPから)技法的にはエングレーヴィングで制作した銅版画が増加します。
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長谷川潔 《一樹(ニレの木)》1941年』 ドライポイント

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長谷川潔 《窓辺卓子》1954-55年  メゾチント  Mogawa 氏寄贈

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長谷川潔 《野辺小禽》1957年  エングレーヴィング

コラム5 メゾチント技法の作品を比較する。
メゾチィント技法の解説。ジョン・マーティン (1789-1854)、浜口陽三1909-2000)などの作品が展示されています。

第Ⅴ章 精神の高みへ ―「マニエール・ノワール」の静物画 1950年代末~1969
「マニエール・ノワール」(メゾチント)による静物画を多数制作した時代。長谷川潔の表現世界の到達点として位置づけられています20220711
長谷川潔 《<コップに挿したアンリコの花>(過去・現在・未来)1965年 メゾチィント
《メキシコの鳩 静物画》1966年 メゾチィント

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長谷川潔 《骰子独楽と幸運の星》1962年  メゾチント 

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長谷川潔 《横顔》 1970年 メゾチント

コラム6 フランスの友人画家たち
ラウル・デュフィ (1877-1953)、アンドレ=デュノワイエ・ド・スゴンザック (1884-1974)の作品が展示されています。

第Ⅵ章 エピローグ
長谷川潔自身が技法と表現の両面から、それまでの仕事を概観できるように構成した1963年発行の版画集(評論家によるテキスト入り)と、最晩年の作品を展示します。(HPのから)


―HPの解説ー
長谷川潔は1910年代半ばに文芸同人雑誌『仮面』の版画家として創作活動を開始、 1918年に日本を去って以来パリを拠点に活動した銅版画家です。サロン・ドートンヌやフランス画家・版画家協会に所属してパリの画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与されるなど、芸術家としての功績がたたえられています。

国際版画美術館は2018年度にこの版画家の展覧会を開催しました。
本展はその時の展覧会をベースに、最初期の作品から1970年代の銅版画までを年代順に展示するとともに、関連作家の作品も展示し、全体を165点で構成するものです。また挿絵本の優品である仏訳の『竹取物語』について、挿絵頁を可能な限り多く展示します。
長谷川潔の深い精神性が反映された表現世界に今一度向き合ってみてください。

 

 

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2022.07.18

高館 義経堂 2022年6月

義経終焉の地「高館 義経堂」に、15~16年ぶりに行って来ました。

私だけでしょうか、高館義経堂からの眺望に「みちのくに来たな~」との感慨を持ちます。
(画像はクリックで拡大表示になります)
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義経堂からの眺め、北上川、背景に束稲山。
西からは、かつてその流域が前九年・後三年の役の戦いの場となり、弁慶立往生の故事でも知られる衣川が北上川に合流しています。

ーHPからの引用ですー
高館は北上川に面した丘陵で、判官館(はんがんだて、ほうがんだて)とも呼ばれています。現在では、その半ばを北上川に浸蝕され狭くなっていますが、この一帯は奥州藤原氏初代清衡公の時代から、要害地とされていました。兄・頼朝に追われ、少年期を過ごした平泉に再び落ち延びた源義経公は、藤原氏三代秀衡公の庇護のもと、この高館に居館を与えられました。地元で判官館と呼ばれているのは、義経が判官の位にあったことに由来します。

しかし、文治5年(1189)閏4月30日、頼朝の圧迫に耐えかねた秀衡公の子・泰衡の急襲にあい、この地で妻子とともに自害したと伝えられています。

天和3年(1683)、仙台藩主第四代伊達綱村公が義経を偲んで建てた義経堂。
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義経堂内に、本尊として祀られている木造の源義経公像です。
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源義経公供養塔
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高館は、松尾芭蕉があの名句を詠んだ場所です。
松尾芭蕉が門人・曽良を伴い、平泉を訪れたのは元禄2年(1689)旧暦5月13日(6月29日)のこと。
高館に立ちあの名句を詠みました。

「夏草や 兵どもが 夢の跡」

芭蕉句碑
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小さな資料館もあり、義経関連資料が展示されています。
素朴な?仁王像が印象的でした。
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スマホ動画です。



高館義経堂を出て、中尊寺に向かう道をしばらく歩いたところにあります。
卯の花清水
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芭蕉同行の曽良(そら)が、老体に鞭打って義経のために討ち死にした兼房(かねふさ)を称え、「卯の花に 兼房見ゆる 白毛かな」と詠んでいます。かつては、水が湧き、いつしか“卯の花清水”と呼ばれるようになりました。


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2022.07.15

植田正治 ベス単写真帳 白い風

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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

フジフィルム スクエア 写真歴史博物館企画写真展
植田正治 べス単写真帖 白い風

会期 2022年6月30日(木)~9月28日(水)

六本木・東京ミッドタウン周辺を訪れた時には「フジフィルム スクエア」に必ずといっていいほど行きます、楽しい写真企画展が見られますから・・・


「ベス単って何?」からでした。
この独特な?ソフトフォーカスその手法は?

植田正治の写真作品展は何度も見てきましたが、「ベス単」なるものを意識してみた作品は記憶にありません。



当時、アマチュア写真家たちの間で流行したのが、「ベスト・ポケット・コダック」という単玉レンズ付きカメラ、通称「ベス単」の、レンズフィルターのフードを外して撮影することで得られる独特のソフトフォーカス効果を使った写真です。(HPから引用)

との解説を読んでもちんぷんかんぷんイメージが浮かびません。
ネット検索すると様々な紹介・解説記事があり、今でもベス単再現に挑戦している人もいるのがわかりました。 

技術的・技法的内容を少し頭に入れてからもう一度見てこようかと考えています。

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Photo: Shoji Ueda

―HPの解説ー
生涯、生まれ故郷の山陰地方にとどまり、アマチュア精神に貫かれた遊び心と旺盛な実験精神で、写真の新しい地平を築いた植田正治(1913-2000)。独特の感性で創り出された作品は、時代や国境を超えて高い評価を受けるとともに、今なお多くの人々に愛され続けています。
植田正治が写真にのめり込んでいった大正時代は、日本の芸術写真が隆盛を極めた時代でした。当時、アマチュア写真家たちの間で流行したのが、「ベスト・ポケット・コダック」という単玉レンズ付きカメラ、通称「ベス単」の、レンズフィルターのフードを外して撮影することで得られる独特のソフトフォーカス効果を使った写真です。これは数多くの芸術写真の傑作を生みだすとともに、青年期の植田正治もこの手法を黒白撮影に取り入れました。
<白い風>は、それから半世紀後、植田正治がその「べス単」の撮影手法を改めてカラー写真で蘇らせた、日本の風景シリーズです。撮影には、当時最新のネガカラーフィルム「フジカラーF-II」が使われました。本展では、1981年に日本カメラ社から刊行された写真集『白い風』の入稿原稿として使用された当時の貴重なプリントから、40 点を精選し展示します。

 

今を去る半世紀も昔のこと、私がこの道に入ったころのベス単派と称される一群の人たちの表現技巧は、安物とはいえこのレンズによる独特のソフト描写で、一世を風靡したものであります。ならば、この蒼然たる芸術写真を現代風カラーネガ法による天然色写真に再現したら、いかなるものができるのであろうかというのが発想源で、これがいたくわが好奇心を刺激したことなのであります。
- 植田正治



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2022.07.11

ワニがまわる タムラサトル

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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

「ワニがまわる タムラサトル」は、
国立新美術館で開催されています。

会期 2022年6月15日(水)~7月18日(月・祝)

タムラサトルさんは、「ワニがまわる理由は、聞かないでほしい。」と仰っています。

「ワニがまわる」ことに意味があるのではなく、「よくわからないが、なぜかワニがまわっている」という不可思議なこの状況こそが、作品の面白さの本質であることに気づいたのです。
「なぜ、ワニがまわるのか」という問いに、答えはありません。この大きな疑問を、そのまま疑問として持ち帰ってほしいと思っています。


広い会場に入ると、
「なに?なに?なに?面白いけど・・・」と思いますよね、そして、いろいろな????が脳裏に浮かびます。
結論なんてないです。

スマホで撮影してきたので纏めて見ました。


―HPの解説ー
開館15周年という記念の年に、現代美術家・タムラサトルの個展を開催します。タムラサトルは、作品から意味性・目的性を徹底的に排することをテーマとしながら、主に電気で動く立体作品を制作してきました。本展覧会では、タムラの代表作の一つであるシリーズ作品「まわるワニ」を、新たに大規模なインスタレーションとして展開します。

このたびの展覧会に際し、タムラは国立新美術館の広々とした展示空間にあわせて、新作の約12メートルの巨大ワニ1体と大小さまざまなサイズのワニ約1,100体を組み合わせて配置し、それらが一斉に回転する壮大なインスタレーション《スピンクロコダイル・ガーデン》を構想しました。それは、ウレタンやスチロール、ペーパークレイで形作られた大量のカラフルなワニの彫刻が、電力とモーターによって、文字どおり機械的にただひたすら回り続ける庭園です。この庭に足を踏み入れ、巡り歩いたとき、私たちはいったいどのように感じるのでしょうか?

ユーモアに満ちたタムラの作品は、既成の価値観を揺さぶり、「アートとは何か」という問いについて考えさせてくれます。また、作家の自由で豊かな想像力に触れることで、アートを身近に感じ、子どもから大人まで楽しんでいただける展覧会です。


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2022.07.07

カラーフィールド 色の海を泳ぐ


久しぶりに訪れたDIC川村記念美術館、この日は酷暑で庭園を歩く余裕はありませんでした。

「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」は、DIC川村記念美術館で開催されています。

会期 2022年3月19日(土) - 9月4日(日)


ホワイトキューブの展示空間に数点の立体作品を含む大型平面作品が展示されています。
世界で最も質の良いカラーフィールド作品を所蔵しているカナダの「マーヴィッシュ・コレクション」から約40点、DIC川村記念美術館の収蔵品とあわせて約50点です。

カラーフィールドは1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向です。 大きなカンヴァス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面を作り出しました。(HPから)

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(この画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)

3つのテーマに分けての展示です。
色の形
色と技法
色から光へ

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ケネス・ノーランド《あれ》1958-59年
アクリル、カンヴァス 213 × 213cm
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵

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アンソニー・カロ《原初の光》1966年 塗料、スチール 
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵

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ラリー・プーンズ《雨のレース》1972年 アクリル、カンヴァス 
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
さまざまな色の絵の具をカンヴァスに投げつけ、そのさく裂した絵の具は滴り落ちて、それぞれのかたちと色に変化していきます。

Dic202207-017
モーリス・ルイス《無題(イタリアン・ヴェール)》1960年 マグナ(アクリル)、カンヴァス 
オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵
薄いベールのような黒には、様々な色面が隠れています。
薄く溶いたアクリル絵の具を何層にもカンヴァスに流し染み込ませています。

最終コーナーは、
色彩で光を表現した作家ジュールズ・オリツキ―の作品「アントニーとクレオパトラ」
メタリックな絵の具を手でカンヴァスに塗り込め、さらにスプレーで彩色しています、3Dを思わせる作品、角度によって色彩が光となって輝きます。



展示作品リストです。
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(この画像はクリックで拡大表示になります)

コレクション展示は、企画展にならって?色に拘って展示分けされていました。
[ロスコ・ルーム〈シーグラム壁画〉]は、この美術館を象徴する?作品空間、人気がありますね。心が落ち着きます。
200展示室の[白 | 透明]は弧を描く展示室に作品と左右の大きな窓にまっすぐに伸びた木立が見えます。清々しい空間です。

101展示室[青 | 緑]
102展示室[レンブラント・ファン・レイン]
103展示室[赤 + 黒]
110展示室[赤 | 黒]
104展示室[銀 | 灰]
105展示室[金 | 黄]
106展示室[ロスコ・ルーム〈シーグラム壁画〉]
200展示室[白 | 透明]

 

―HPの解説ー
カラーフィールドは1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向です。 大きなカンヴァス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面を作り出しました。

本展は、このカラーフィールド作品の収集で世界的に知られるマーヴィッシュ・コレクションより、関連する作家9名に焦点をあて、1960年代以降の出色の作品を紹介する本邦初の展覧会です。彼らは、色彩と絵画の関係を各々の方法で模索し、その過程で多くの作家が独自の描画に至りました。変形的な外形を持つシェイプト・カンヴァスの使用や、絵具をカンヴァスに染み込ませるステイニング技法、あるいはスプレーガンの噴霧で色を蒸着させる画法など、従来では考えの及ばなかった手法を考案し、絵画に新たな地平を切り拓いたのです。

こうして創出された空間を満たす大画面と、そこで展開される様々な色彩についての思考は、今なお見るものの感覚や想像力を刺激してやみません。作品が体現する色の世界、その海を泳ぐ私たちは、色の波に身をまかせ、溺れ、時に抗いながら、絵画と色彩の無限の可能性に出会うでしょう。色の海を泳ぎきった先には、きっと、私たち自身の中にある彩り豊かで、高潔な、けれど同時に暗く、黒いものをも包む、美しい地平を感じとっていただけるのではないでしょうか。

 

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2022.07.03

諸橋近代美術館+五色沼

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諸橋近代美術館に行ってきました。

写真・動画はすべてスマホで撮ったものです。
(写真・画像はクリックで拡大表示になります)
 
諸橋近代美術館は、そのロケーションから一度行ってみたいと思っていました。

私の旅スタイルは、行き当たりばったり・・・
「明日の朝早めに目がさめたら出かけよう」という感じです。

諸橋近代美術館がメインですが、近いようなので、時間が許せば五色沼にも行ってみようか?と・・・

磐梯朝日国立公園内の5.5万㎡以上の敷地内に約2000㎡の面積で建てられている美術館は創設者の希望である“中世の馬小屋"というイメージのもと厩舎を連想させる建物です。
内装は玄晶石を用いて自然の風合が漂う造りとなっており、館内は外光を多く取り入れた天井高9mの展示ホールが縦に約100メートル伸び、ダリの彫刻展示に相応しい開放的な空間となっています。美術館の窓からは壮大な磐梯山の噴火口や四季折々美しい自然を織りなす庭園が望むことができ、美と自然の競演を堪能できる空間となっています。
(HPの美術館について「ごあいさつ」からの引用です)
全文はこちらから


諸橋近代美術館はダリ・コレクションに始まった美術館です。

ダリのコレクションにおいては、ダリ美術館(アメリカ・フロリダ)、ダリ劇場美術館(スペイン・フィゲラス)、ソフィア王妃芸術センター(スペイン・マドリード)につづく規模であり、アジアで随一のダリ所蔵美術館です。
(HPの美術館について「ごあいさつ」からの引用です)
全文はこちらから

美術館では、コレクションテーマ展
ヒストリア〜神話と物語の世界〜が開催されています。
会期  2022年4月27日(水)〜7月3日(日)
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展覧会ミニガイド
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展覧会の構成です。
第1章 神秘の世界
1-1 神話と聖書の世界
1-2 愛の術
第2章 物語の世界
2-1 神曲
2-2 ドン・キホーテ
2-3 カルメン
第3章 ダリのミューズ ~画家が愛した女性たち~
コレクション展(彫刻ホール、テトゥアンルーム) 

彫刻ホールには「ダリの言葉」が掲示されています。
ダリらしいなぁ~と・・・・
一部引用してみます。

ある新聞が、シュルレアリズムの定義を私に訊いてきたとき、私は次のように回答した。すなわち《シュルレアリズム》とは、つまり私のことだ!》と。そして今もそれを信じている。なぜならば、シュルレアリズムを生き続けさせているものは、ただ、私一人であるからだ。
ーダリ天才の日記より ー

天才を演じつづけよ、そうすればおまえは天才となるのだ!
ーダリ「わが秘められた生涯」よりー


美しくも生々しい物語の世界へようこそ。7月3日まで「ヒストリア」開催!
MorohashiMuseum


諸橋近代美術館から毘沙門沼まで歩いて10分程度で行くことができました。
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毘沙門沼

毘沙門沼から五色の各沼を巡って裏磐梯高原駅バス停まで行って、バスで猪苗代駅まで戻ろうとも思いましたが、バスの発着時間を考えて途中弁天沼で折り返し美術館に戻りました。私の判断が良かったのかは分かりませんが、出たとこ勝負旅ですから・・・美術館の庭園でバス待ち30分、周りの景色を楽しみました。

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弁天沼 



もうすこし計画的にと、反省はしてみるもののなかなか叶わない。


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