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2022.05.19

ボテロ展 ふくよかな魔法

「ボテオ展 ふくよかな魔法」は、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2022年4月29日(金・祝)~7月3日(日)

ボテロによれば「アートの主たる目的は喜びをもたらすことである」
「偉大な絵画は人生に対し肯定的な態度を示している」

日本国内では26年ぶりに開催となるボテロ展。
生誕90年の記念すべき年にボテロ本人の監修のもと、初期から近年までの油彩ならびに水彩・素描などの70点の作品で構成されています。

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(画像(チラシ)はクリックで拡大表示になります)


展覧会の構成は以下の通りです(ボテロの言葉とともに)

第1章 初期作品
”アートにおける真実は常に相対的である。大切なのはアーティストの信念なのだ。”
ボテロのボリュームへの関心は17歳の時の作品《泣く女》(1949年)にすでに見出せます。

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《泣く女》 1949年 水彩/紙

第2章 静物
”芸術家の様式というものは、最も単純な形のなかにさえ、はっきり認識できるものであるべきだ。”
1956年のある晩、ボテロはアトリエでマンドリンを描いていました。マンドリンの穴をとても小さく描くと、大きな輪郭と細部とのコントラストが生じ、楽器がふくらんで見えました。この時、彼は自分の仕事にとって、重要で決定的なことが起こったと感じたのです。

「ゴッホjの描いたオレンジはピカソの描いたオレンジともセザンヌのオレンジとも違う。そしてボテロのオレンジに表現されているのは、誰が見てもボテロだと分かる非凡な様式に結実した、美の革新と熟考の重みなのである」(作品《果物のある静物》のキャプションから)

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《黄色い花》《青い花》《赤い花》(3点組) 2006年 油彩/カンヴァス

第3章 信仰の世界
”私は魔術的リアリズムを描いているのではない。私が描いているのは、ありそうにないことではあるが、あり得ないことではない”
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《コロンビアの聖母》(部分) 1992年 油彩/カンヴァス
涙を流す聖母と、小さな国旗を手にする現代的な服装の幼子イエスは、自国の現状を象徴しているのだろうか。(キャプションから)

第4章 ラテンアメリカの世界
4-1 ラテンアメリカ
”アートが普遍的であるためには、まず、ローカルでなければならないと私は信じている。”
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《バーレッスン中のバレリーナ》 2001年 油彩/カンヴァス
皮肉を含むこのようなぎこちなさは、ボテロ芸術の中核である。それは、軽く扱いながらも共感を持ち、常に好意的なまなざしで現実を見るように私たちを誘うのである(キャプションから)

4-2 ドローイング
”描くということは驚くべき体験である。私は絵を描いているとき、存在することを止める。一日8時間立ったまま制作しても、疲れることは決してない。それはあたかも自分の身体を離れるかのようで、恍惚とした気持ちになるのだ。”
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《踊る人たち》 2019年 鉛筆、水彩/カンヴァス

第5章 サーカス
”絵画は、芸術の素晴らしさについての考察から生まれる。”
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《像》 2007年油彩/カンヴァス

第6章 変容する名画
”芸術の豊かさとは人生と仕事に痕跡を残した影響の融合からなる。”
「芸術とは、同じことであっても、異なる方法で表す可能性である」
6章には撮影可のエリアがあります。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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《ピエロ・フランチェスカにならって(2点組)》 1998年 油彩/カンヴァス

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《ホルバインにならって》 2016年 油彩/カンヴァス

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《アングルによるモワテシエ夫人にならって》 2010年 油彩/カンヴァス

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《フォルナリーナ(ラファエロにならって)》 2008年 油彩/カンヴァス 
《モナ・リザの横顔》 2020年 油彩/カンヴァス

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《アルノルフィーニ夫妻(ファン・エイクにならって)》 2006年 油彩/カンヴァス
《ルーベンスと妻》 2005年 油彩/カンヴァス


Bunkamura地下1階テラスに展示されています。
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フェルナンド・ボテロ《小さな鳥》 1988年 ブロンズ 広島市現代美術館所蔵 

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