吉例浮世絵大公開! 江戸の滑稽 ―幕末風刺画と大津絵― ~田河水泡コレクションを中心に~
吉例浮世絵大公開!
江戸の滑稽 ―幕末風刺画と大津絵―
~田河水泡コレクションを中心に~
町田市立国際版画美術館
会期 2022年3月12日(土)~4月10日(日)
浮世絵には屈託のない笑いから福徳への願い、世の中への不安や不満まで、人々の感情がユーモラスに描き表されたものが数多くあります。本展では、漫画『のらくろ』の作者・田河水泡(たがわ・すいほう)が収集したコレクションを中心に、当館が収蔵する浮世絵の戯画や風刺画、大津絵など約140点を展示します。(HPから)
会場の解説「田川水泡とそのコレクション」 から後段一部を書き写しました。
戦後は「のらくろ」シリーズや落語の執筆を再開するとともに、“滑稽研究”を開始します。 紫綬褒章 を受賞した昭和44年(1969) には、晩年の20年間を過ごすこととなる町田市玉川学園へと移住し ました。 玉川学園では滑稽研究を続ける傍ら、 資料として多数の風刺画や戯画を収集、 昭和56年 (1981) に 「滑稽の構造」 を、 昭和62年(1987) には 「滑稽の研究」を出版します。 そして執筆後、 町田市立博物館が大津絵を収集していることに注目し、 「大津絵も私が集めた戯画も共に民衆を 楽しませることに共通することから」、 研究のために集めた風刺画や戯画、そして自身の著作を含む 貴重な資料約700点を寄贈しました。
一田河水泡氏寄贈コレクションを 中心に―」展をはじめ、市立博物館における数々の展覧会で紹介されてきました。令和元年(2019) に市立博物館が自館での展示活動を終えたことを受け、現在コレクションは当館へ移管され、 展示 保存活動が引き継がれています。
市立博物館での「大津絵」の展覧会が大津絵の楽しさを教えてくれたような気がします。
本展でも楽しませてくれました。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
「大津絵」展示風景
(各章の冒頭解説は、上のチラシの画像をクリックすると読むことができます)
1章 戯画の流行
歌川広重 お菊・芋蛸 天保(1830~1858)末頃 田川水泡コレクション
2章 大鯰(おおなまず)暴れる
鯰の切腹 安政2年 田川水泡コレクション
鯰大尽の遊び 安政2年(1855) 田川水泡コレクション
3章 流行り病
歌川広重 青物魚軍勢大合戦之図 安政6年
一交斎幾丸 うさぎのはしか退治 明治6年(1873)
4章 大津絵
頼光 江戸時代
鬼の行水 江戸時代
雷と太鼓 江戸時代
5章 大津絵と江戸の戯画
歌川国芳 流行逢都絵希代稀物 嘉永元年(1848)頃
河鍋暁斎 浮世絵大津之連中睡眠の図 慶応4年(1868)か 田川水泡コレクション
6章 幕末動乱と戊辰戦争
どきやうのはらの上、あわてという手 文久3年(1863)田川水泡コレクション
三代歌川広重 幼童遊び子をとろ子とろ 慶応4年2月 田川水泡コレクション
7章 明治の戯画
小林清親 清親放痴 東京隅田川牛嶌 明治14年(1881)頃 田川水泡コレクション
昇斎一景 東京名所三十六戯撰 新吉原 明治5年(1872)
「よく出る読解の手掛かり」という浮世絵の深読みができる解説も随所に掲示されていて、皆さん熱心に鑑賞していました。どなたにでもお勧めできる展覧会です。
ミニ企画展
「奈良美智と版画の中の子どもたち」
も忘れずに・・・・
楽しい作品が展示されています。
こちらは撮影不可です。
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