ミケル・バルセロ展
ミケル・バルセロ展は東京オペラシティ アートギャラリー
で開催されています。
会期 2022年1月13日(木)~ 3月25日(金)
スペインで生まれ世界各地で活躍する美術家ミケル・バルセロ(1957- )の仕事の全貌を紹介する日本国内初の展覧会です。
本展は、国立国際美術館、長崎県美術館、三重県立美術館を巡回してきました。
ギャラリー1.2.3.4の展示スペースをフルに使っての、
絵画や陶作品、水彩、ドローイング、スケッチブック、ブロンズ彫刻やパフォーマンス映像などの作品展示は迫力満点です。
ミケル・バルセロは1957年、 マジョルカ島南東部の小村に生まれ、豊かな自然のなか、 毎日のように海に潜 り、たくさんの蛸を捕るなどして成長しました。バルセロの制作の根底には、つねに自らを育んだ地中海の自然、歴史と風土への帰依があります。
(左)《4本のアーモンド》2019年 ミクストメディア、カンヴァス
(右)《 曇った大地ー海》1919年 ミクストメディア、カンヴァス (左)《冬のメロン》《緑のメロン》《熟したメロン》2019年 ミクストメディア、カンヴァス
(右)《開いたメロン》2019年 ミクストメディア、カンヴァス
(左)《恐れと震え》2018年 ミクストメディア、カンヴァス
(右)《下は熱い》2019年 ミクストメディア、カンヴァス
舟はバルセロの若いときからの重要なテーマであり、近年にお いても多く描かれている。 舟に乗る行為は、現代の移民たちの悲劇とも結びつくし、また人間存在のよるべなさ、あるいは芸術という行為の無力さ、それと裏腹のかけがえのなさの寓意にもなりうる。(キャプションから)
《時を前にして》2018年 ミクストメディア、カンヴァス
バルセロは闘牛をこよなく愛し、絵画の重要な主題としてたびたび取り上げてきました。
「思うに、闘牛と同じで、 [絵画も] 意図をもって描か れることはありません。 意図の向こう側で生起し、それに反駁し、そして意図を作るのです。よって、芸術は沈黙しているとともに、多くの言葉を生み出すのです。ここに絵画と闘牛の類似があります」 ( 1998年)(キャプションから)
(左)《銛の刺さった牡牛》2016年 ミクストメディア、カンヴァス
(右)《午後の最初の一頭》2016年 ミクストメディア、カンヴァス
《とどめの一突き》1990年 ミクストメディア、キャンヴァス
(左)《マッチ棒》2005年 ブロンズ
(中)《マンダラ》2008年 ミクストメディア、カンヴァス
蛇行するアフリカの川の風景。
(右)《カピロテを被る雄山羊》2006年 ブロンズ
(中)《雉のいるテーブル》1991年 ミクストメディア、カンヴァス
(右)《小波のうねり》2002年 ミクストメディア、カンヴァス
《亜鉛の白:弾丸の白》1992年 ミクストメディア、カンヴァス
《カサゴの群れ》2020年 セラミック
(左)《フェラニチのジョルジョーネ》1984年 ミクストメディア、カンヴァス
(中)《細長い図書室》1984ー1985年
《海のスープ》1884年 ミクストメディア、カンヴァス
スープを描いた連作のうちの一点。 バルセロの描くスープは、生物が生まれてくる以前の、原初的な混合液を想起させるもので、その混合液は生命の起源を説明するものだとも考えられている。(キャプションから)
《家族の肖像》2014年 セラミック
ブリーチ・ペインティング
(左)《J.L. ナンシー》2012年 ミクストメディア、カンヴァス
(右)《アニエス・ヴェルダ》2011年 ミクストメディア、カンヴァス
バルセロの紙に描かれた作品。
世界を旅し、各地に拠点をおき、とりわけア フリカなど過酷な環境で現地の風土に根ざした制作を行う場合、カンヴァスよりも紙やスケッチブックに描くほうが実際的 であり、また初発のイメージを描きとめるうえでも好都合でした。本や挿絵の制作にも深い関心をもっていました。
(左)《4人の座る女たち》
(右)《紫色のスカートの少女》 2005年 ミクストメディア、紙
3点の映像資料がバルセロの志向の理解を助けてくれます。
見逃しなきように・・・
この展覧会は一部の作品を除いて撮影可能でした(条件あり)
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