サントリー美術館 開館60周年記念展 千四百年御聖忌記念特別展 「聖徳太子 日出づる処の天子」
サントリー美術館 開館60周年記念展
千四百年御聖忌記念特別展
「聖徳太子 日出づる処の天子」は、
サントリー美術館で開催されています。
会期 2021年11月17日(水)~2022年1月10日(月・祝)
東博で開催された特別展「聖徳太子と法隆寺」は、法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、また飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて、太子その人と太子信仰の世界に迫るという趣旨の展覧会でした。
サントリー美術館の本展覧会では、太子信仰の中核を担ってきた四天王寺の寺宝を中心に、信仰の高まりとともに各地で造られたさまざまな太子像やゆかりの品々をご紹介、展示しています。
この展覧会では多くの聖徳太子絵伝が展示されています。
先ずは、予習を兼ねて絵伝を鑑賞してから、全体を観るというのがいいかもしれません。
(点眼鏡を借りての鑑賞もお勧めです)
重要文化財《聖徳太子絵伝》第2幅、遠江法橋筆 鎌倉時代 元享3年(1323) 大阪四天王寺(画像提供=奈良国立博物館)
【「聖徳太子絵伝」で読み解く太子の生涯】 サントリー美術館 開館60周年記念展 「千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子 日出づる処の天子」
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展示構成は以下の通りです。
第1章:聖徳太子の生涯 ― 太子の面影を追って
《聖徳太子絵伝》とあわせて、太子が所持したと伝わる飛鳥時代の品々や、その事績を物語る作品を展示しています。
第2章:聖徳太子信仰の広がり ― 宗派を超えて崇敬される太子
聖徳太子は日本に仏教を広めた人物として、没後まもなく信仰の対象となります。最澄や親鸞、一遍といった各宗派の祖師からも崇敬されます。なかでも親鸞は、太子を「和国の教主」と呼び熱烈に信仰したことが知られています。
この章では、多種多様な太子像の全貌と、諸宗派における太子信仰の広がりを示す作品を紹介しています。
第3章:大阪・四天王寺の1400年 ― 太子が建立した大寺のあゆみ
大阪・四天王寺は、推古天皇元年(593)に聖徳太子が建立した日本最古の官寺です。
四天王寺の1400年におよぶ長い歴史を、その名宝とともに紹介しています。
第4章:近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へ ― つながる祈り
日本仏教の祖として崇められてきた聖徳太子の明治時代以降のイメージをたどるとともに、歴史を重ねてきた、四天王寺聖霊会(しょうりょうえ)の舞楽所要具などを紹介しています。([注]大阪・四天王寺では「遠忌」を「聖忌」と称します。)
令和3年(2021)、四天王寺では100年に一度の御聖忌に向け、新たに「聖徳太子童形半跏像」を造立しました。
《聖徳太子童形半跏像》 松下宗琳佛所作 令和3年(2021) 大阪・四天王寺
(このチラシ画像はクリックで拡大表示になります)
以下、展示品の「キャプション」からです。
《聖徳太子童形像・六臣像》桃山時代 16世紀 大阪・四天王寺
帳の下、台座の上に正面を向いて立つ垂髪の聖徳太子と、太子を礼拝する6人の待臣を描く。左手の柄香炉は「孝養像」右手の笏は成人後の「摂政像」の意味が含まれる。一見、頬の丸い童形像ながら、眉はつり上がり、厳しい大人びた表情が特徴である。
重要文化財《聖徳太子童形立像 (孝養像)》鎌倉時代 14世紀 茨城・善重寺
柄香炉を持つ「孝養像」に加え、笏によって「摂政像」としての意味も重ねられてた太子像。眉目秀麗な顔立ちや、制作当初から残る華麗な盛り上げ彩色は見どころである。善乗寺は親鸞門弟ゆかりの寺院の一つで、本像は江戸時代に二代水戸藩主徳川光圀によって寄進されて以来同寺に伝わる。
《聖徳太子童形立像(植髪太子)》鎌倉時代 13~14世紀、および重要文化財《髹漆厨子》室町時代 永享8年(1436) 兵庫・鶴林寺
「植髪太子」として信仰をあつめる鶴林寺の秘仏で県外初出品となる。下着と袴を着けるのみの裸形着装像。植髪太子の名の通り、人間の頭髪が植え込まれ、その長い髪は当初結っていたと想定される。厨子は室町時代にさかのぼる優品で、本像を現在まで守り伝えてきた。
国宝《七星剣》飛鳥時代 7世紀、大阪市天王寺(画像提供=東京国立博物館 Image:TNM Image Archive)
太子所用の伝承を持つ国内屈指の古刀で表面には雲気を吐く獣・雲・北斗七星などが金で表されている。これらの文様は古代中国の天体思想に由来し、衆生救済や国家安穏の意図が込められているとう。「太子伝来七種の宝物」の一つに数えられる。
《日出処の天使》完全版第3巻P.84 ©山岸涼子/KADOKAWA
雑誌「Lala」1980年4月号~1984年6月号に連載された「日の出処の天使」の原画。
主人公の厩戸(聖徳太子)は、神々しいほどの美しい容姿を持ち、超人的な力を持つ一方、蘇我毛人(そがのえみし)の母であるは間人皇女(はしひとのひめみこ)への愛に苦悩する人物として描かれる。第7回講談社漫画賞少女部門受賞。
ーHPの解説ー
令和3年(2021)は聖徳太子(574~622)の1400年遠忌にあたり、太子ゆかりの寺院では、周年を迎える令和4年にかけて盛大な法会や記念事業が営まれています。
用明天皇の皇子として生まれた聖徳太子は、推古天皇の摂政を務め、十七条憲法の制定や遣隋使の派遣など国家の礎を築いたことで有名な人物です。さらに、大阪・四天王寺や奈良・法隆寺の創建に代表されるように、仏教を深く修め、その興隆に尽くしました。太子は、「日本仏教の祖」として没後まもなく信仰の対象となり、天台宗開祖・最澄や浄土真宗開祖・親鸞、時宗開祖・一遍などの名だたる高僧や、貴賤を問わず多くの人々からの尊崇を集めてきました。
本展覧会では、太子信仰の中核を担ってきた四天王寺の寺宝を中心に、信仰の高まりとともに各地で造られたさまざまな太子像やゆかりの品々をご紹介します。太子の生涯をたどりながら、1400年の時を経て、今なお人々に親しまれる太子信仰の世界を紐解きます。
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