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2021.12.12

生誕120年記念篁牛人展 ~昭和水墨画壇の鬼才~

生誕120年記念篁牛人展 ~昭和水墨画壇の鬼才~は、大倉集古館 で開催されています。

会期 2021年11月2日(火)~2022年1月10日(月・祝)

孤独と酒を最良の友とし、自由奔放な生き様を貫いたた異色の水墨画家・篁牛人(1901~1984)
強烈な個性を持つ篁牛人の作品を理解するヒントを本展の解説などから探してみました。

「この渇筆という特異な技法は、藤田嗣治の乳白色の肌色と、小杉放菴の枯淡な水墨画に刺激されて篁牛人が開発したものだ。そして牛人はピカソを敬愛していたという 」

それぞれの画家から刺激を受け、篁牛人の個性みなぎる独自の描法に昇華した、その過程も本展で見ることができます。

新日曜美術館などで取り上げられた本展、篁牛人の画業(人気)が全国区に拡がるきっかけになるかもしれません。

展覧会の構成は次の通りです。
これが牛人だ!
Ⅰ.工芸図案化から渇筆画の創出へ
Ⅱ.放浪時代の試行錯誤
Ⅲ.パトロンの出現から旺盛な制作へ
素描・塑像・その他


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(このチラシ画像はクリックで拡大表示になります)

《仙人と金時》1967年 紙本墨画 富山市篁牛人記念美術館蔵
河北倫明は、牛人の絵の渇筆による濃淡とするどい線描の効果には、「手を鍛えた工芸性と、心を鍛えた精神性の不思議な結合」が実現されていると述べた。(キャプションから)

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《西王母と小鳥》1969年 紙本墨画 富山県水墨美術館蔵
ふくよかな肢体をひねる腰の上で翼を休める小鳥に向けた西王母の視線へと構図が見事に収斂している。
この西王母の身体の膨張感はすさまじい。

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《風神雷神》左隻 1969年頃 紙本墨画(6曲1双)富山市立篁牛人美術館蔵

童画のようなおおらかさと明るさは牛人の画業に通底するものがあるようです。


ーHPの解説ー
孤独と酒を最良の友とした異色の水墨画家・篁牛人(1901~1984)。特定の師につくことも美術団体に属すこともなく、芸術に至上の価値を置く自由奔放な生きざまを貫いた孤高の画家であった牛人は、「渇筆」という技法(渇いた筆などで麻紙に刷り込むように墨を定着させる)によって、独自の水墨画の世界を開拓しました。大胆さと繊細さを併せ持つ渇筆は、細くたおやかな筆線と共存し、中間色層が極端に少ない白と黒の画面の中で、デフォルメされた特異な形態表現が不思議な緊張感をみなぎらせます。

本展では、牛人の画業を三章に分けて構成し、水墨画の大作を中心として、初期の図案制作に関連する作品なども含め、水墨画の鬼才・篁牛人の世界をあまさず紹介します。

 

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