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2021.11.09

ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント

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「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」は、東京都美術館 で開催されています。

会期 2021年9月18日(土)~12月12日(日)

ヘレーネ・クレラー=ミュラーは、ゴッホがまだ評価途上にあった1908年からおよそ20年にわたって、夫アントンとともに90点を超える油彩画と約180点の素描・版画を収集しました。
本展はクレラー=ミュラー美術館からゴッホの絵画28点と素描・版画20点を展示、
他に、ミレー、ルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンなどの作品、
さらに、ファン・ゴッホ美術館から4点(黄色い家(通り)含む)も紹介しています。

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フィンセント・ファン・ゴッホ《レモンの籠と瓶》1888年5月 油彩、カンヴァス クレラー=ミュラー美術館 (画像は本展のチラシから)
1888年5月、色彩の実験をするようにファン・ゴッホは数点の静物画を描いた。大部分を黄色と緑黄色が占める本作品では近似色による調和が作り出されている。さらに大胆にもレモンと籠に赤い輪郭線を加えている。1909年に本作品を入手したばかりの頃、
ヘレーネが親しい友人に宛てた手紙が残されている。「これはまるで天国のようだ」というブレマーの言葉に私は心を打たれました。」そして、この絵をみれば見るほど、この説明がしっくりくるのです。「・・・」
ファン・ゴッホが描いたレモンを理解しようとするとき、私は頭の中に数個のレモンを隣に置いてみます。そうするとこの絵が現実にどれほど異なっているかを感じるのです。(本展のキャプションから)
(ヘレーネは、美術教師のヘンク・ブレ―マーの講義を受けたことで美術の世界への扉を部開きました)

展示構成は以下の通りです。
1 芸術に魅せられて:ヘレーネ・クレラー=ミュラー、収集家、クレラー=ミュラー美術館の創立者
2 ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで3 ファン・ゴッホを収集する
3-1 素描家ファン・ゴッホ、オランダ時代
製作年1881~1885の素描を20点展示。
3-2 画家ファン・ゴッホ、オランダ時代
製作年1881~1885の油彩画8点を展示
3-3 画家ファン・ゴッホ、フランス時代
3-3-1 パリ
製作年1886~1887の5点の油彩画を展示

特別出品ファン・ゴッホ美術館のファン・ゴッホ家コレクション:オランダにあるもう一つの素晴らしいコレクション
黄色い家(通り)含む4点を展示

3-3-2 アルル
1888年に描かれた油彩画6点を展示
3-3-3 サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ
1889年と1890年に描かれた油彩画8点を展示

本展のチラシ(クリックで拡大画像になります)
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展示作品のまえに多くの人が集まっているのが、《黄色い家》と《夜のプロバンスの田舎道》です。(以下の画像は本展のチラシから)
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フィンセント・ファン・ゴッホ《黄色い家(通り)》 1888年9月 油彩・カンヴァス ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

日本に憧れ、光を、色彩を求めて南欧のアルルにやって来たゴッホが借りた「黄色い家」
彼はこの家で仲間の画家たちと共同生活をしながら制作活動を送る計画を立てました。
友人たちを歓迎するために、一人で
部屋の改装を始め、室内を自分が描いたひまわりの絵で飾る計画を立てました。キリストの使徒の数脚の椅子も買い揃えました。
でも、
この家にやってきたのはゴーギャンただ1人だけでした。

そのゴーギャンも、ゴッホとの生活には耐えきれず、2ヶ月足らずで黄色い家を出てしまいます。
そしてゴッホは耳切り事件を起こします。
この耳切り事件によって、ゴッホは周りの人から精神病者とみなされ病院に収容。そして次にはサン・レミの療養所に隔離されることになりました。

《夜のプロバンスの田舎道》は南仏滞在のおそらく最後に描かれた作品。
記憶と想像を駆使して描かれた南仏滞在の集大成。
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フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のプロヴァンスの田舎道》1890年5月12〜15日頃 油彩・カンヴァス  クレラー=ミュラー美術館 

この展覧会には、オランダ時代の素描が20点展示されています。
修行時代のゴッホ目指した画家の姿、その努力が偲ばれます。
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フィンセント・ファン・ゴッホ《砂地の木の根》1882年4-5月 クレラー=ミュラー美術館 

ゴッホは自ら命を絶ったとされていますが、違った見方をする向きもあって・・・
2019年公開映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」はゴッホの最期に違った見方をしています。
BBC制作「ゴッホ 真実の手紙」はオランダ時代のゴッホからフランスでの最期まで、作品を交えて回顧していて、お勧めです。(こちらは自らに手で・・・)
これらの映画は今であれば?Amazon primevideoで観ることができます。

原田マハ氏は、展覧会とコラボでしょうか?
「たゆたえども沈まず」は2017年これも都美開催の「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」開催と同時期発行。
そして、本展前に最新刊『リボルバー』が刊行されました。
帯には「誰が引き金を引いたのか?」とあります。
(まだ読んでませんが・・・)


ーHPの解説ー
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の芸術に魅了され、その世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)。ヘレーネは、画家がまだ評価の途上にあった1908年からおよそ20年で、鉄鉱業と海運業で財をなした夫アントンとともに90点を超える油彩画と約180点の素描・版画を収集しました。ファン・ゴッホの芸術に深い精神性を見出したヘレーネは、その感動を多くの人々と分かち合うべく、生涯にわたり美術館の設立に情熱を注ぎました。

本展では、クレラー=ミュラー美術館からファン・ゴッホの絵画28点と素描・版画20点を展示します。また、ミレー、ルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンらの絵画20点もあわせて展示し、ファン・ゴッホ作品を軸に近代絵画の展開をたどる、ヘレーネの類まれなコレクションをご紹介します。
さらに、ファン・ゴッホ美術館から《黄色い家(通り)》を含む4点を展示し、20世紀初頭からファン・ゴッホの人気と評価が飛躍的に高まっていく背景にも注目します。

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