企画展「美男におわす」
企画展「美男におわす」は、埼玉県立近代美術館で開催されています。
会期 2021年9月23日(木・祝)~ 11月3日(水・祝)
江戸、明治、大正時代から現代まで、絵師、美術家が美少年。美青年のイメージをどのように描いてきたのかを浮世絵・日本画・彫刻・挿絵・マンガ・写真といった幅広いジャンルから追いかけた展覧会です。
イマドキの美術家がが美少年の・美青年のイメージをどのように作り上げてきたのか・・・
イマドキの若者のスタイルを見ていると今更ながら納得しました。
現代美術家の作品の多くが撮影可能でした。
(以下、会場内撮影写真はクリックで拡大表示になります)
展覧会場の入り口に記されています。
かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな ― 与謝野晶子
大好きな大仏さんで、鎌倉をに行くと必ず拝観します。(高徳院)
この写真は数年前に私が撮ったものです。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 伝説の美少年
神秘性を秘めた稚児・童子像や、歴史的に美少年と謳われた人々の肖像などを紹介します。(HPから)
入江明日香 《廣目天》 2016(平成28)年 ミクストメディア 丸沼芸術の森蔵
松岡映丘 《稚児観音》 1919(大正8)年 絹本着色 軸 天台眞盛宗東京別院眞盛寺蔵
第2章 愛しい男
公家や中世寺院の僧侶に仕えた稚児、武将たちに付き従った小姓たち。年長の男性が若年の男性(若衆)を愛でる、その若衆の姿。
大正デカダンスの世界、そして第二次大戦後は、従来の美術とは異なったバックグラウンドを持つ表現が登場しました。
高畠華宵 《うららか》 1933(昭和8)年 絹本着色 弥生美術館蔵
金子國義 (左)《メッセージ》1983(昭和58)年 (右)《殉教》1955(平成7)年 油彩、カンバス 金子修氏所蔵
第3章 魅せる男
若衆の舞踊図、役者絵など、その才能や心意気で「魅せる」、スター性を帯びた男性像を紹介します。(HPから)
絵師不詳 《大小の舞図》 17世紀(江戸時代初期) 紙本着色 板橋区立美術館蔵
山村耕花 《梨園の華 初世中村雁治郎の茜半七》 1920(大正9)年 木版、紙 島根県立美術館蔵
第4章 戦う男
『戦う男』は、男性美のイメージに付随する「強さ」が、最も分かりやすく表現できるテーマといえます。超人的な活躍をする「戦う男」たちが総じて「美男」に描かれることは、江戸の昔から現代に到るまで変わらず共通しています。(HPから)
出品作家:
猪飼嘯谷、伊藤彦造、歌川国芳、川合玉堂、車田正美(原作)/森下孝三・菊池一仁(シリーズディレクター)、高畠華宵、月岡芳年、乃希、松岡映丘、安田靫彦、山口晃、山口将吉郎
第5章 わたしの「美男」、あなたの「美男」
最終章では、現代のアーティストが表現する多様な男性美を紹介します。(HPから)
唐仁原希(1984- )《旅に出る虹の子ども》2020(令和2)年 《キミを知らない》2015(平成27)年 油彩、キャンバス 作家蔵
金巻芳俊(1972- )《空刻メメント・モリ》 2021(令和3)年 木彫 フマコンテンポラリートーキョー 文京アート蔵
川井徳寛(1971- )《共生関係~自動幸福~》 2008(平成20)年 油彩、カンバス 鎌苅宏司氏蔵
市川真也(1987- )《Lucky ster》 2021(令和3)年 アクリル、カンバス 作家蔵
木村了子(1971- )《男子楽園図屏風 EAST&WEST》2011(平成23)年 紙本着色/六曲一双屏風 作家蔵
森 栄喜(1976-)《 Untitled from the Family Regained seties》2017(平成29)年 ゼラチン・シルバー・プリント 作家蔵
海老原 靖(1976- )《colors》 2021(令和3)年 油彩、カンバス/32枚組 作家蔵
ーHPの解説ー
「美男におわす」は、絵画をはじめとする日本の視覚文化に表された美少年、美青年のイメージを追い、人々が理想の男性像に何を求めてきたかを探る試みです。
日本美術史において「美人画」とよばれることの多い女性像は、江戸時代の浮世絵や近代絵画において隆盛をきわめ、現在も高い人気を誇っています。一方、男性像に目を向けると、その時々の社会情勢や流行、男性観などが反映された作品が数多く存在するものの、「美男画」といった呼称でひとくくりにされることはありませんでした。
与謝野晶子が鎌倉の大仏の姿に自分なりの「美男」を見いだしたように、人々は男性像に理想を投影し、心をときめかせてきました。あるときは聖なる存在として、またあるときは憧れのヒーローとして、あるいは性愛の対象として、さまざまな男性像が制作され、受容されてきたといえます。
しかしながら、美術史の分野において、男性を美しいものとして表現すること、見ること、そして語ることには、まだ十分な光が当たっているとはいえません。ライフスタイルや嗜好が多様化した現在、果たして「美男画」との出逢いはどのようなものになるでしょうか。
いざ、増殖する美男の園へ。美男をめぐる旅をはじめましょう。
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