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2021.10.31

企画展「美男におわす」

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企画展「美男におわす」は、埼玉県立近代美術館で開催されています。

会期 2021年9月23日(木・祝)~ 11月3日(水・祝)

江戸、明治、大正時代から現代まで、絵師、美術家が美少年。美青年のイメージをどのように描いてきたのかを浮世絵・日本画・彫刻・挿絵・マンガ・写真といった幅広いジャンルから追いかけた展覧会です。

イマドキの美術家がが美少年の・美青年のイメージをどのように作り上げてきたのか・・・
イマドキの若者のスタイルを見ていると今更ながら納得しました。

現代美術家の作品の多くが撮影可能でした。
(以下、会場内撮影写真はクリックで拡大表示になります)

展覧会場の入り口に記されています。 
かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな ― 与謝野晶子016
大好きな大仏さんで、鎌倉をに行くと必ず拝観します。(高徳院)
この写真は数年前に私が撮ったものです。


展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 伝説の美少年
神秘性を秘めた稚児・童子像や、歴史的に美少年と謳われた人々の肖像などを紹介します。(HPから)
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入江明日香 《廣目天》 2016(平成28)年 ミクストメディア 丸沼芸術の森蔵

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松岡映丘 《稚児観音》 1919(大正8)年 絹本着色 軸 天台眞盛宗東京別院眞盛寺蔵


第2章 愛しい男
公家や中世寺院の僧侶に仕えた稚児、武将たちに付き従った小姓たち。年長の男性が若年の男性(若衆)を愛でる、その若衆の姿。
大正デカダンスの世界、そして第二次大戦後は、従来の美術とは異なったバックグラウンドを持つ表現が登場しました。
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高畠華宵 《うららか》 1933(昭和8)年 絹本着色 弥生美術館蔵

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金子國義 (左)《メッセージ》1983(昭和58)年  (右)《殉教》1955(平成7)年 油彩、カンバス 金子修氏所蔵  


第3章 魅せる男
若衆の舞踊図、役者絵など、その才能や心意気で「魅せる」、スター性を帯びた男性像を紹介します。(HPから)
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絵師不詳 《大小の舞図》 17世紀(江戸時代初期) 紙本着色 板橋区立美術館蔵

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山村耕花 《梨園の華 初世中村雁治郎の茜半七》 1920(大正9)年 木版、紙 島根県立美術館蔵


第4章 戦う男
『戦う男』は、男性美のイメージに付随する「強さ」が、最も分かりやすく表現できるテーマといえます。超人的な活躍をする「戦う男」たちが総じて「美男」に描かれることは、江戸の昔から現代に到るまで変わらず共通しています。(HPから) 

出品作家:
猪飼嘯谷、伊藤彦造、歌川国芳、川合玉堂、車田正美(原作)/森下孝三・菊池一仁(シリーズディレクター)、高畠華宵、月岡芳年、乃希、松岡映丘、安田靫彦、山口晃、山口将吉郎


第5章 わたしの「美男」、あなたの「美男」
最終章では、現代のアーティストが表現する多様な男性美を紹介します。(HPから)
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唐仁原希(1984- )《旅に出る虹の子ども》2020(令和2)年 《キミを知らない》2015(平成27)年 油彩、キャンバス 作家蔵

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金巻芳俊(1972- )《空刻メメント・モリ》 2021(令和3)年 木彫 フマコンテンポラリートーキョー  文京アート蔵

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川井徳寛(1971- )《共生関係~自動幸福~》 2008(平成20)年 油彩、カンバス 鎌苅宏司氏蔵

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 市川真也(1987- )《Lucky ster》 2021(令和3)年 アクリル、カンバス 作家蔵

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木村了子(1971- )《男子楽園図屏風 EAST&WEST》2011(平成23)年 紙本着色/六曲一双屏風 作家蔵

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森 栄喜(1976-)《 Untitled from the Family    Regained seties》2017(平成29)年 ゼラチン・シルバー・プリント  作家蔵

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海老原 靖(1976- )《colors》  2021(令和3)年 油彩、カンバス/32枚組  作家蔵


ーHPの解説ー
「美男におわす」は、絵画をはじめとする日本の視覚文化に表された美少年、美青年のイメージを追い、人々が理想の男性像に何を求めてきたかを探る試みです。
 日本美術史において「美人画」とよばれることの多い女性像は、江戸時代の浮世絵や近代絵画において隆盛をきわめ、現在も高い人気を誇っています。一方、男性像に目を向けると、その時々の社会情勢や流行、男性観などが反映された作品が数多く存在するものの、「美男画」といった呼称でひとくくりにされることはありませんでした。
 与謝野晶子が鎌倉の大仏の姿に自分なりの「美男」を見いだしたように、人々は男性像に理想を投影し、心をときめかせてきました。あるときは聖なる存在として、またあるときは憧れのヒーローとして、あるいは性愛の対象として、さまざまな男性像が制作され、受容されてきたといえます。
 しかしながら、美術史の分野において、男性を美しいものとして表現すること、見ること、そして語ることには、まだ十分な光が当たっているとはいえません。ライフスタイルや嗜好が多様化した現在、果たして「美男画」との出逢いはどのようなものになるでしょうか。

 いざ、増殖する美男の園へ。美男をめぐる旅をはじめましょう。

 

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2021.10.27

キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート

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(クリックで拡大画像になります)

「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」は、東京都庭園美術館で開催されています。

会期  2021年9月18日(土)~11月28日(日)

 

ボタニカルアートの展覧会には度々登場する「キューガーデンン」、叶わぬことと分かっていても・・行ってみたい!

ユネスコ自然遺産の英国王立植物園「キューガーデン」には22万点を超えるボタニカルアートが所蔵されています。
科学的観点から描かれた植物画のバリエーションを、また歴史的観点からも興味を惹かれる展示です。

展覧会の構成は以下の通りです。(画像はチラシから引用)
プロローグ
1.英国王室と歩んだ植物園
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フェデリック・ポリドール・ノッダー 左:フランスギク(キク科)中央:ヤグルマギク右:トウモロコシマリーゴールド(キク科)(「フローラ・ルスティカ』より)1792年 銅板、紙、個人蔵

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フランツ・アンドレアス・バウワー ゴクラクチョウカ(ストレリチア・レギネ)(ゴクラクチョウカ科)1818年 石版、手彩色、紙 キュー王立植物園蔵

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ピーター・ヘンダーソン ロードデンダロン・ポンティクム(ツツジ科) ロバート・ジョン・ソーントン編『フローラの神殿より』1802年 銅板、紙 個人蔵

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トマス・ハーヴェイ夫人 ローザ・ケンティフォリア(キャベツローズ)とローザ・ガリカ(フレンチ・ローズ)の栽培品種(バラ科)1800年 水彩、紙 キュー王立植物園蔵 

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モスローズ(バラ科)1788年 銅板、手彩色、紙 個人蔵

2.シャーロット王妃がつないだ文化の開花
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ウェッジウッド 蓋付き深皿(クイーンズウェア)1765-70年 クリームウェア(陶器)、エナメル彩 異個人蔵

3.女性画家たち
4・カーティス・ボタニカル・マガジン
5.カンパニー・スクール

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18世紀イギリスのドローイング・ルームを再現しています。
ドローイング・ルームという呼称は、夕食後に女性たちが引き上げる(draw)場所だったことが由来です。
当時使われていた、ジョージアン様式の家具や銀器を用いて再現しています。
(クリックで拡大画像になります)

展覧会場では、作品のキャプションの隣に、庭園美術館で、隣の自然教育園などで咲く同種の花が紹介されています。
庭園美術館ならではの企画だと思いました。

小雨が降ったり止んだりの天候で・・少しの時間でしたが、展覧会を見た後に、庭園を歩いてみました。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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庭園美術館(旧朝香宮邸)のベランダ
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ベランダの真下には「キミガヨラン」が見えます。
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茶室に向かう途中に咲いていました。
マルバフジバカマ? 
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柿の実がたわわに・・・
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ーHPの解説ー
科学的視点と美しさを併せ持つ、ボタニカルアートの華麗なる世界

英国王立植物園「キューガーデン」はユネスコ世界遺産に登録され、22万点を超えるボタニカルアートを所蔵する世界最大級の植物園です。
はじまりは、1759年にジョージ3世の母であるオーガスタ皇太子妃がロンドン南西部に造った小さな庭園でした。ジョージ3世とシャーロット王妃の時代にその規模を飛躍的に広げ、当時ヨーロッパを席巻していた啓蒙思想などを背景に、研究機関としての整備も進みました。

本展では、18~19世紀に制作されたキューガーデン所蔵の貴重なボタニカルアートコレクションのほか、シャーロット王妃が愛し、王室御用達となったウェッジウッド社など陶磁器の数々を展示します。時代が大きく変革していく中で、英国において自然科学や植物画がどのように発展し、どのような歴史的背景を歩んできたのか、変遷をたどります。

精緻な描写による科学的視点と、目を奪われるような美しさが共存するボタニカルアート。世界中から集められた色とりどりの花々に囲まれるこの機会をどうぞご堪能ください。



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2021.10.22

宮崎学 イマドキの野生動物

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《テン》2017年 作家蔵
耳と目と鼻を同時に使うテンは臭いをとるために舌で鼻を濡らすことが多い。(キャプションから)


「宮崎学 イマドキンの野生動物」は、東京都写真美術館で開催されています。

会期 2021年8月24日(火)~10月31日(日)


動物好きにはたまらない、そしてちょっと切ない場面にも遭遇します。

宮崎学が工夫し、手作りした機材を駆使して「イマドキの野生動物」の森羅万象を、動画を含めて、サービス精神精神いっぱいの展示で楽しませてくれます。

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(この画像はクリックで拡大表示になります)

以下、キャプションから引用。
《ニホンカモシカ》2971年 作家蔵
伐開地の倒木に登り実生新葉を食べるニホンカモシカ。

《ツキノワグマのカメラマン 長野県、中央アルプス》2006年 作家蔵
ツキノワグマはとても好奇心が強い。設置しておいたカメラと三脚で戯れる姿はもう1台の無人カメラがとらえた。

シリーズ〈死を食べる〉より《ニホンカモシカを食べるイノシシ、岡山県》2012年 作家蔵
死体の背後から食い始めるイノシシ。

《フクロウのヒナ》1988年 2006年 東京都写真美術館蔵
巣立ちが近いヒナ、愛らしい中にも野生の持つ猛々しさがある。

《クマタカ》1972年 東京都写真美術館蔵
鋭い目つきで周囲をうかがうクマタカ。

《ムササビ》2016年 作家蔵
夜行性のムササビは樹洞の巣で寝起きの伸びをしていた。

《鶴岡八幡宮のタイワンリス、神奈川県》2000年 個人蔵
鶴岡八幡宮の棚の上で愛嬌を振りまくタイワンリス。すっかり人慣れし、カメラを近づけても逃げない。

《洗剤キャップを背負ったヤドカリ、鹿児島県》1995年
「ヤクルトヤドカリ」や「キューピー・ヤドカリ」も。いまや世界中の海は私たちの身近なゴミであふれかえっている。

《ニホンザル》2020年 個人蔵
猿の家族がレンズを怪訝そうに見つめていた。

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《冬の死・ニホンカモシカ》1993年 東京都写真美術館蔵
コメツガの森のはずれに、ニホンカモシカノ死体がうもれていた。 


展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 《ニホンカモシカ》1970-1973
第2章 《けものみち》1976-1977、《倒木のけもの道》2012-2013、《岩田の森のけもの道》2011-2012
第3章 《鷲と鷹》1965-1980
第4章 《フクロウ》1982-1988
第5章 《死》1994、《死を食べる》2012-2015
第6章 《アニマル黙示録/イマドキの野生動物》1993-2012
第7章 《新・アニマルズ》2018-2021,《君に見せたい空がある》2020-2021  


「宮崎学 イマドキの野生動物」展 作家インタビュー
TOPMUSEUM 東京都写真美術館

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2021.10.18

散歩しながら、スマホで花を撮ってみました。 2021年9月

 野鳥に出会う機会がめっきり減った9月・・・
秋の花が咲き始めました。
スマホで、咲く花を撮ってみました。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

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オミナエシ
季節の花300 女郎花(おみなえし) 

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マツカゼソウ
四季の山野草 まつかぜそう(松風草)

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トロロアオイ
季節の花300 黄蜀葵 (とろろあおい) 

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ノコギリソウ
季節の花300 鋸草(のこぎりそう)

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オケラ(ウケラ)
季節の花300 朮 (おけら)

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ゲンノショウコ
季節の花300 現の証拠(げんのしょうこ)

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ホトトギス
季節の花300 杜鵑草 (ほととぎす)

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ハギ
季節の花300 萩(はぎ)


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センニンソウ
季節の花300 仙人草 (せんにんそう)

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ヤブラン
季節の花300 薮蘭 (やぶらん)

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シュウカイドウ
季節の花300 秋海棠 (しゅうかいどう)

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ダンギク
季節の花300 段菊 (だんぎく)

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タマスダレ
季節の花300 玉簾 (たますだれ)


拙ブログ投稿記事から・・・デジカメ画像と、スマホ動画。
町田ダリア園 2021年9月


そば畑 2021年9月



彼岸花 令和3年9月


 

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2021.10.16

長野県立美術館に行ってきました(2021年9月)

1966年「長野県信濃美術館」として開館以来50数年を経て、全面改築。2021年4月「長野県立美術館」と名称も新たに生まれ変わりました。
私は、新型コロナ禍での休館明けの9月に行ってきました。
数年前?に「長野県信濃美術館 東山魁夷館」(現:長野県立美術館東山魁夷館)を訪れたのですが、先月の訪問で周辺の風景の変化に驚きました。

広々とした城山公園の中に「ランドスケープ・ミュージアム」をコンセプトに周囲をガラスで覆った本館があります。常設展示室、大型の企画展示室以外の施設はオープンスペースになっていて、出入り自由・・・地元の方々羨ましくなりました

屋上の「風のテラス」からは信州の山波と国宝善光寺の本堂が望めます。


下記の展覧会を見てきました。

長野県立美術館グランドオープン記念 森と水と生きる
展示室1 ・ 展示室2 ・ 展示室3
会期 2021年8月28日(土)~ 11月3日(水)

長野県立美術館名品選 第Ⅰ期
コレクション展示室
開催期間2021年8月28日(土)~ 2021年10月26日(火)

無料ゾーンでの展示は以下の通り。
中谷芙二子 霧の彫刻 #47610
-Dynamic Earth Series Ⅰ-

冨長敦也 Love Stone Project-Nagano

榊原澄人《飯縄縁日》(2021)およびユーフラテス《1本の線》(2021)を上映。


中谷芙二子 霧の彫刻 #47610
-Dynamic Earth Series Ⅰ-


長野県立美術館の本館内外です。(ミュージアムショップ、レストラン、交流スペースなど、撮影できてない場所もあります)


東山魁夷館
(トーハクの法隆寺宝物館でお馴染みの谷口吉生設計です)





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2021.10.13

MOTコレクション Journals 日々、記す  特別展示:マーク・マンダース 保管と展示

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東京都現代美術館 MOTコレクション
Journals 日々、記す 
特別展示:マーク・マンダース 保管と展示

会期 2021年7月17日(土)~ 2021年10月17日(日)

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

コレクション展示室3階で、マーク・マンダースによるインスタレーション「保管と展示」が公開されています。
本年6月まで開催していた個展「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」が会期を短縮して終了。作品返却までの間、作家本人のディレクションによる新たな展示空間が出現しています。
展覧会を見逃した方はチャンスかもしれません。
本展は撮影可です。(一部の作品グループは撮影場所に指定があります )
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マインドスタディ 2010-2011年 ボンネファンテン美術館蔵

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舞台のアンドロイド(88%に縮小) 2002-2014年

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展示風景

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4つの黄色い縦のコンポジション 2017-2019年

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椅子の上の乾いた像 2011-2015年


拙ブログの投稿記事は下記クリックで・・・
マーク・マンダース ーマークマンダースの不在



コレクション展示室1階は「Journals 日々、記す」 
蜷川実花、島袋道浩、竹内公太、三宅砂織、照屋勇賢、河原温などによる約70点で、私たちの生きる社会や日常を照らし出します。(HPから)

(本展は一部の作品を除いて撮影可です)

大岩オスカールの展示作品がタイムリーでとてもよかったと思いました。(もともと好みの美術家ですが・・・) 
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《オリンピアンの神:ゼウス》2019 作家蔵
パリの日本文化会館での「都市とスポーツの祭典」をテーマとした展示のために2019年に描かれました。リオ、東京、パリ、とオリンピックの開催都市のそれぞれが私的な記憶と象徴的モチーフとして描かれ、3点の繋ぎ方で絵巻きにも、肖像画にも姿を変えます。(本展小冊子から引用)キャプションには、「ゼウスはどこにいるだろう」とあります。答えは入り口でもらえる冊子の11ページにあるよと・・・

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《タイムズスクエア、ニューヨーク》2020 アートフロントギャラリー蔵

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《ホワイトオス(カー)森 2000油彩/カンヴァス


Chim↑Pom
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Chim↑Pom《May, 2020, Tokyo(大久保駅前)―青写真を描く―》2020
新型コロナウイルス感染拡大防止のため一回目の緊急事態発出されて人の消えた屋外で、この作品は作られました。


河原温
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《NOV.21,1985「Tday」(1966-2013より》1985 (本展小冊子から)


平田実、ホンマタカシ
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《平田実《ハイレッド・センター「首都圏清掃整理促進運動」》1964 プリント2011 (本展小冊子から)


蜷川実花
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Liquid Dreams 2003 発色現像方式印画 プレクシグラスにマウント

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展示風景


指さし作業員、竹内公太
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指差し作業員《ふくいちライブカメラを指さす》2011 (本展小冊子から)


島袋道浩
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《人間性回復のチャンス》1995 (本展小冊子から)



三宅砂織
三宅砂織はカメラを用いず印画紙に遮光物を置いて感光させる、フォトグラムという技法を長らく追及してきました。近年は、他人が残した写真を透明フィルムに描きうつし、それを感光させて、いわば「絵画の影」に身体を与える作品を制作しています(本展配布小冊子からの引用)
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展示風景


照屋勇賢
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《Notice-Forest:Madison Avennue》 2011 (本展小冊子から)


 





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2021.10.10

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?

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「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」は、東京都現代美術館で開催されています。

会期 2021年7月17日(土)- 10月17日(日)


横尾忠則は、長い間第一線で活躍し続けてきた美術家ですから、作品を目にする機会も多く、展覧会も何度か観てきました。
本展は個展として間違いなく最大規模です。
人気ある画家ですから、 
老若男女、大勢の観覧客で賑わっていました。

近年、私が思っていた”いわゆる横尾忠則作品”から、Y字路シリーズ、寒山拾得などの作品へと作風の変遷がありましたが、それらの作品も過去の展覧会で数点ずつ観てきました。

本展3F会場には、Y字路シリーズ、寒山拾得シリーズなどの近作、現作が多数展示されていて、それらのシリーズ作品にも変遷を感じました。
最終展示コーナー(寒山拾得などの最新作が並ぶ)「現況の森」では、荒野の七人の挿入曲?(私の勘違いであったら失礼)が華やかに流れています。横尾忠則らしい演出だと思いました。
そして、ますます奔放さを増す筆跡、黄色を多用した色彩の美しさ・・・現作はとても見ごたえありでした。 

そして自画像(T+Y自画像)の横には作品「突発性難聴になった日」が展示してあります。
横尾忠則の現況なのでしょうか?

以下の画像はチラシからの引用です。

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《T+Y自画像》2018年 油彩・カンヴァス 個人蔵

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《原郷》2019年 油彩・カンヴァス 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

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《追憶あらこれ》2019年 油彩・カンヴァス 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

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《高い買い物》2020年 油彩・カンヴァス 作家蔵

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《寒山拾得2020》2019年 作家蔵

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《敦煌》2021年 作家蔵


展覧会の構成は以下の通りです。
神話の森へ
多元宇宙論
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《薔薇の蕾と薔薇の関係》1988年 油彩・布・カンヴァス 馬の博物館

リメイク/リモデル

越境するグラフィック
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《TADANORI YOKOO》1965年 シルクスクリーン・紙 作家蔵(東京都現代美術館寄託) 

地球の中心への旅
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《実験報告》1996年 油彩・カンヴァス 東京都現代美術館

死者の書
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《運命》1997年 アクリル・カンヴァス 東京都現代美術館

Y字路にて
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《暗夜行路 赤い闇から》2001年 油彩・カンヴァス 東京都現代美術館

タマへのレクイエム

横尾によって裸にされたデュシャン、さえも
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《愛のアラベスク》2012年 油彩・カンヴァス 作家蔵

終わりなき冒険
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《城崎幻想》2006年 油彩・カンヴァス 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

西脇再訪
現況の森
アーカイヴ


開催概要(HPから)
1960年代からつねに第一線で活躍し、日本を、そして世界を魅了し続けてきた、アート界のレジェンド、横尾忠則。その横尾の、60年以上にわたる創造の全貌を目の当たりにすることができる集大成の展覧会が実現します。横尾自身の総監修により、去年から今年にかけて描かれた新作を含めて、600点以上の作品が出品されます。横尾芸術のダイナミックな展開を、心うちふるえるまでに体感することができる、まさに画期的な展覧会となるでしょう。 

 

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2021.10.07

デミタスカップの愉しみ

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「デミタスカップの愉しみ」は、渋谷区立松涛美術館 で開催されています。

会期 2021年8月24日(火)~10月10日(日)


(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

ロビーに展示されている3点のみ撮影可でした。
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金プラチナ彩菊花文 カップ&ソーサー 1881-1890
「2012年4月11日、 デミタスコレクション・ナンバリング第1番目の作品。ここから作品を紹介する毎日のフェイス ブック (Facebook) 投稿が始まりました。 コレクションの 初めの一歩として記念すべき1客です」 (村上和美)

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カール・クノール(チェコ) 1916-1918年頃

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サルヴィアーティ(イタリア) 1800年代後期

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画像右上から・・・
①スポード《金彩花卉文蝶ハンドルトロンブルーズ形カップ&ソーサ―》1790-1820年
②サルヴィアーティ 1800年代後期
③ノリタケ《薔薇文金点盛カップ&ソーサ―》 1891-1915年
④マイセン《貼り付け花鳥とスノーボール蓋付きカップ&ソーサ―》
⑤アダレイ《金彩薔薇図カップ&ソーサ―》1886-1905年
⑥リチャード・ジノリ 1900年頃
⑦スポード《伊万里写し花卉文カップ&ソーサ―》1810年頃
⑧エルンスト・ヴァ―リス《金彩クローバー文カップ&ソーサ―》1897-1906年頃

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画像の左上→右上→左中・・・・
①ロイヤルドルトン《花束文金彩テニスセットカップ&ソーサ―》1891-1902
②ロイヤルウースター《金彩ジュール透かし彫りカップ&ソーサ―》1880年頃
③ミントン《課長もンパツィオパットカップ&ソーサ―》
④レノックス《金彩すずらん文スクエア台カップ&ソーサ―》1906-1924
⑤コープランド《アラベスク文カップ&ソーサ―》1880年
⑥ロイヤルバイロイト《薔薇のつぼみ形カップ&ソーサ―》1902-1920年代


第1部では、欧州の名窯によるジャポニズム、アールヌーボー、アールデコの製品および日本製の作品からジャポニズムの受容と変遷を示しています。美術史の変遷を見事に反映しています。
第2部では、形態や装飾などにさまざまな意匠を凝らしたデミタスを紹介しています。

2000点以上のデミタスを所有する村上和美氏のコレクションから厳選した約380点が出展されています。
「よくぞ集めたり!」これだけの素晴らしいコレクションを拝見できたのは望外でした。

展示構成(内容)から、コレクションの豊富さ、愉しさが伝わってきます。
展示構成は次の通りです。
第1部 デミタス、ジャポニスムの香り
1章 シノワズリの流行
2章 ジャポニスム
 1節 花鳥
 2節 梅、桜
 3節 植物と昆虫
 4節 文様など
 5節 IMARI
3章 日本製のデミタス
4章 アール・ヌーヴォーへ
5章 アール・デコのデミタス

第2部 デミタス、デザインの大冒険
1章 ガラス製のデミタス
2章 機能のかたち
 チョコレートカップ
 蓋付きデミタス
 トロンブルーズ
 ホルダー
 テニス・セット
3章 装飾のかたち
 カップのかたち
 ハンドルに注目
 銀
4章 かたちのお花畑
5章 これなに?のかたち
6章 華やぐ技巧
 絵付け
 金彩
 形状
 メダリオン
 ジュール
 バリアン
 透かし
 フランベ
 銀巻き
7章 覗いて愉しむ
8章 デミ・デミ・パーティー
9章 デミタスの愉しみ、デミタスの喜び
  ミニチュアのカップ&ソーサ―



ーHPの解説ー
濃いコーヒーを飲むための小さなコーヒーカップ「デミタス」。19世紀のヨーロッパにコーヒー文化が浸透すると、デミタスにも多彩なデザインが誕生しました。
本展では2000点以上のデミタスを所蔵する村上和美氏のコレクションから、ジャポニスムや、アール・ヌーヴォー、アール・デコのデザインを中心に、厳選した約380点をご紹介します。当時の流行を反映したもの、“超絶技巧”ともいえる繊細な装飾が施されたもの、様々な意匠を凝らしたものなど、小さな世界に凝縮された美しさをお楽しみください。


渋谷区立松濤美術館「デミタスカップの愉しみ」
アイエム[インターネットミュージアム]Internet Museum


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2021.10.04

Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる

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『Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる』は、東京都美術館 ギャラリーA・B・Cで開催されています。

会期 2021年7月22日(木・祝)~10月9日(土)

生きるための、心の糧としてのアート。
自らを取り巻く障壁の中で「よりよく生きるため」に情熱をもって表現をつづけた、東 勝吉、増山たづ子、ズビニック・セカル、ジョナス・メカル、シルヴィア・ミニオ=パルウェルロ・保田、それぞれの生涯と作品を解説展示しています。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

東 勝吉(1908-2007)
東 勝吉は長年木こりの仕事をしていて、78歳で由布院の老人ホームに入所し余生を送っていましたが、83歳の時に園長から水彩絵の具を送られたのを契機に由布院などの風景を描き始めました。
その時要介護2の身体でしたが周囲が目を見張るように、熱意と集中力を示したそうです。

東 勝吉はなくなるまでの16年間で百余点にもわたる水彩画を仕上げました。
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展示会場風景  

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自画像 2006年 水彩、紙 由布院アートストック

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鈴懸の径  日田市清岸寺町 製作年不詳 水彩、紙 由布院アートストック

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草取り 1996年 水彩、紙 由布院アートストック

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御幸橋から由布算山 1999年 由布院アートストック

美しい風景を、感じたままに、色を選んで構成・定着していく・・
「ほっとさせられる」作品ばかりの幸せ空間です。


増山たづ子(1917-2006)
岐阜県旧徳山村の農家の主婦であった増山たづ子は、ダム建設のため水没が決定した村を全自動のフィルム カメラにより、 60歳から28年間に渡って撮影した。
インバール作戦に従軍し、 恐らく戦死したであろう夫がもし帰還したとき、 故郷が水没して二度と目にできなく なっていたというのでは忍びないそのために村と人々を記録にとどめておく。 この思いが、撮影に彼女を駆り 立てた動機であった。

フィルムやプリント代に年金のすべてが使われ、 撮影総数は実に10万カット、 彼女自身が整理したアルバムは600冊にも及ぶ。
彼女の熱い眼差しの痕跡である膨大な写真は、ひとつの村を舞台にした 「世界の記憶」 でもある。 88歳で増山たづ子が永眠した同じ2006年、 ダムの試験灌水が始まり、旧徳山村は水没した。(本展解説パネルから)Woll-bridges20210907
展示会場風景

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「写真というものは妙なもんでな、
写真を通してな、
いままで気がつかなかった村の美しさ、
それから人の表情の美しさ
というものがわかったな。
ますます好きになってしまったで、
こん村が。」
増山たづ子『ふるさとの転居通知』 情報センター出版局、1985年55頁。 

イラはな、自分の励みのために、写真を撮ってるんだな。 (同34頁。)

写っている村民の皆さんの表情が素晴らしいです。
写し手の人柄が、このような表情を作らせるのだな・・・と感心してしまう作品が会場に溢れていました。


展示会場風景(ズビニック・セカル  シルヴィア・ミニオ=パルウェルロ・保田)Woll-byidges202109022


シルヴィア・ミニオ・パルウェルロ・保田(1934-2000)
イタリアのサレルノに生まれた。彫刻家であった夫を支え、家事と育児に専念しつつ、寸暇を惜しみ、彫刻と絵画の制作にいそしんだ。敬虔なクリスチャンであった彼女の真摯な制作は、切実な祈りそのものだった。(本展のHPから)
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シエナの聖カタリナ像とその生涯の浮き彫り(部分) 1980-84年 ブロンズ 愛知県松山市・聖カタリナ大学

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家族の肖像(4) 1970-90年代 油絵具、カンヴァス 神奈川県立近代美術館

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羊の毛を刈る(2) 油絵具、紙、厚紙 神奈川県立近代美術館

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聖女の足 1980年(鋳造2000年) ブロンズ 神奈川県立近代美術館


ズビニェック・セカル(1923-1998)
チェコのプラハに生まれ、反ナチス運動に関わった結果、
投獄の憂き目にあい、強制収容所での日々を経て、後年アーティストとなったセカル。40歳を過ぎて取り組んだ彫刻作品は、名状しがたい存在への問いを湛えている。(本展のHPから)
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幽霊 1987年 木、塗料、鉄 個人蔵

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しっかりと組み合う 1967年 鉄、木 個人蔵

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遠い国からの挨拶、遠い国への挨拶 1988年 木、染料 個人蔵

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仮面をつけた仮面 1990年 ブロンズ 個人蔵


ジョナス・メカス(1922-2019)
リトアニアの農家に生まれ、難民キャンプを転々とした後、ニューヨークに亡命。貧困と孤独のなか、中古の16ミリカメラにより身の回りの撮影を始め、類例のない数々の「日記映画」を残すことになった。(本展のHPから)
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展示風景

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仕事中のアンディ・ウォーホル、ファクトリー、ニュヨーク、1976年(「時を数えて、砂漠に立つ」より)樹脂、アルミニューム 個人蔵
ジェローム・ヒルと友人、友人の自宅にて、この家にはナポレオンが逗留したこともある、カシス、1966年(「ジェロームへのノート」より)樹脂、アルミニウム 個人蔵

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エルビス・プレスリー、マディソン・スクエア・ガーデン、ニューヨーク、1977年(「歩みつつ垣間見た美しい時の数々」より)
ジョージ・マチューナス、死の2か月前、ニューマルボロのジェーン・ブラウン宅、1978年3月(「時を数えて、砂漠に立つ」より)



企画展「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」展覧会風景 紹介動画
東京都美術館 Tokyo Metropolitan Art Museum


企画展「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」ギャラリートーク
東京都美術館 Tokyo Metropolitan Art Museum


ーHPの解説ー
東勝吉(1908-2007)、増山たづ子(1917-2006)、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田(1934-2000)、ズビニェク・セカル(1923-1998)、ジョナス・メカス(1922-2019)。本展でご紹介する5人は、表現へといたる情熱の力によって、自らを取巻く障壁を、展望を可能にする橋へと変え得たつくり手でした。彼らにとっての表現とは、「よりよく生きる」ために必要な行為であり、生きる糧として、なくてはならないものだったのです。
5人のまったく異なる背景から生まれた作品のアンサンブル――絵画、彫刻、写真、映像――には、記憶という言葉から導かれる、不思議な親和性があるように思われます。何ら交わることのなかった軌跡が、ある世界へと見るものを誘う想像・創造の連鎖。本展では、生きるよすがとしてのアートの魅力にふれていただきたいと考えています。



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2021.10.01

企画展「加速器 -とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-」

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企画展「加速器 -とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-」は、
東京国立博物館の日本館1階企画展示室および地球館地下3階常設展示室内で開催されています。

会期  2021(令和3)年7月13日(火)~ 10月3日(日)

加速器とは、陽子や電子などの粒子を人工的に加速し、それらをぶつけ たときに起こる反応を調べることによって、素粒子や原子核を研究する ための装置です。加速器には実験室に収まる小型のものから、最先端の科学研究では加速器のサイズが数キロメートルの巨大なものがあります。
この展覧会では、大型加速器施設の実際の様子や、加速器の基礎から、宇宙の謎に迫る最先端研究、身近なところで利用されている研究成果などを紹介しています。


「ようこそ加速器の世界へ‼」国立科学博物館
【国立科学博物館公式】かはくチャンネル

「消えた素粒子の謎」に挑む ~素粒子物理の研究~
 Belle II 実験
反物質が消滅し、 物質が生き残ったの は、物質と反物質の性質が微妙に違うことを表しています。 この違いのことを「CP対称性の破れ」と呼びますが、これは 1960年代にすでに実験的に知られていました。

1973年、日本の物理学者、益川敏英博士と小林誠博士はこの実験結果を解釈し、現在「小林・益川理論」として知られる理 論を発表しました。 2001年、Belle 実験 (日本、KEK) Babar 実験 (アメリカ) で行われた観測により、小林・益川理論が正しいことが実証され、2008年に両博士 はノーベル物理学賞を受賞しました。

しかしまだ、 CP対称性の破れが完璧に説明できたわけではありません。 BelleⅡ実験はなおも、 新しい事実を発見すべく続けられています。

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BelleⅡ測定器 1/10モデル 高エネルギー加速器研究機構(KEK)

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スーパーチェンバー(宇宙線飛跡観測装置)応用化学工業株式会社
電荷をもった粒子を見えるようにする装置。
荷電粒子が飛行する軌道を放電現象を用いて可視化する。

T2K(Toukai to Kamioka)実験
東海村(茨木県)から神岡町(岐阜県)までの意味でなずけられ、2009年から測定を開始、2013年には生成したミュー型のニュートリノが電子型に変化する現象を世界で初めて発見しました。

2014年からはニュートリノの反粒子の生成を開始して、粒子と反粒子でニュートリノ振動の振る舞いに違いがないかの研究を始めました。最近の研究では、まだ確定的でなないものの、90%以上の信頼度で違いがあるという結果が得られています。

カミオカンデはスーパーカミオカンデに進化、さらに2027年のデータ取得開始を目指して建設が始まります。現在のスーパーカミオカンデの約8倍の有効体積を持ち、より多くのニュートリノを検出します。J-PARCの加速器も、これまでの約2.5倍のニュートリノを生成できるように増強を進めています。(本展解説冊子から)
(次の動画は、この展覧会では紹介していません)

東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設
スーパーカミオカンデ実験の紹介ビデオ 2019年3月
制作・著作
 東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設
 NHKエンタープライズ
映像提供 NHK

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20インチ光電子増倍管(KEK実験・スーパーカミオカンデ)


展覧会の構成は以下の通りです。

第1会場(日本館1階企画展示室)
第1章 加速器ってなんだ?
「原子よりも小さな粒子って何?」「どうやって加速するの?」「加速してどうするの?」……そんな皆さんの疑問に答えます。20210901_20210929173201

第2章 巨大実験施設へようこそ
科学研究に使われる加速器には、びっくりするほど巨大なものもあります。大型加速器施設とは、どんなところなのでしょうか?20210901_20210929173201

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電磁ホーン(大強度ニュートリノビームを生み出す心臓部)

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電子・陽電子加速器用加速感カットモデル(1980年頃) KEK

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超電導磁石のスライス(LHC用・JPARC用) KEK

第3章 宇宙・物質・生命の謎にせまる
とてつもなく大きな加速器の研究施設で研究しているのは、素粒子たちです。
原子よりも小さな原子核、さらに小さな素粒子を調べることで、この世界の謎に迫ります。20210903_20210929173301


第2会場(地球館地下3階常設展示室内)
日本の大型加速器のあゆみ
戦前から戦後へ、そして現在へ。日本における大型加速器の歴史を、資料とともにたどります。

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KEKB加速器施設の全体像(部分)Scale1/1000

その他関連機器の展示があります。


小柴昌俊、小林誠、益川敏英、梶田隆章各氏がノーベル賞を受賞した分野だけに知っておくべきだと思いました。
これからも受賞者がでるといいですね!



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