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2021.09.04

マン・レイと女性たち

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「マン・レイと女性たち」はBunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2021年7月13日(火)~ 9月6日(月)


この展覧会は"マン・レイとは誰だったか?”という展示コーナーで終わります。

過去にマン・レイの作品は繰り返し断片的に見てきましたが、
マン・レイの作品と人物像の総体を分かりやすく展示・解説した展覧会だと思いました。

芸術家、ダダイストとしての歩みを始めたニューヨーク、パリに移ってシュルレアリストとしての創作活動。
第二次世界大戦の戦禍を逃れてハリウッドへ、そして活動の場を求めて再びパリへ・・・・

自らを万能の人「レオナル・ド・ダ・ビンチ」にたとえ、マルチな創作活動を行った彼の生涯には、出会い・別れた女性たちが常に存在し、インスピレーションを得てきました。

本展では、恋人・友人・同時代の芸術家を撮影した膨大な肖像写真に加え、マン・レイのマルチな作品なども展示して「マン・レイと女性」
作品と生涯を分かりやすく解説しています。


展示構成は以下の通りです。
第Ⅰ章 ニューヨーク 1890-1921
Ⅰ-1 セエルフポートレート
Ⅰ-2 ダダ時代の作品

第Ⅱ章 パリ 1921-1940
Ⅱ-3 ダダ・シュルレアリスム
Ⅱ-4 シュルリアリストたちの肖像
Ⅱ-5 キキ・ド・モンパルナス
Ⅱ-6 リリー・ミラー
Ⅱ-7 社交界・芸術界・モンパルナス
Ⅱ-8 ファッションと写真 
Ⅱ-9 裸体からマネキン人形まで
Ⅱ-10 女性たちとシュルレアリスム
Ⅱ-11 マン・レイの「自由な手」
Ⅱ-12 アディ・フィドラン

第Ⅲ章 ハリウッド 1940-1951
Ⅲ-13 ジュリエット・ブラウナー
Ⅲ-14 アートの新天地

第Ⅳ章 パリふたたび 1951-1976
Ⅳ-15 アートのなかの女性像
Ⅳ-16 新しいジュエリーとモード 
Ⅳ-17 マン・レイとは誰だったのか?

以下は、チラシからです。
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《カメラをもつセルフポートレート(ソラリゼーション)》 1932-35年頃 ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ) 個人蔵
マン・レイ(1890-1976)
フィラデルフィア生まれ。 ニューヨークで芸術活動を 開始したのち、パリに渡り、ダダイスト、シュルレアリスト や社交界の人々と交流、 前衛作家としての活動のかた わら時流にのった肖像・ファッション写真家として活躍 する。 ソラリゼーションなどの写真技法を創始。 画家・ オブジェ作家としての名声もやがて確立した。

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《アングルのヴァイオリン》 1924年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷) 個人蔵
キキ・ド・モンパルナス(1901-1953)
本名アリス・プラン
ブルゴーニュ出身だがパリに出て、17歳頃から画家たちの人気モデルになる。
キキという渾名はキスリングによる。マンレイとの出会いは運命的であった。彼女を扱った一連の作品は、マン・レイのみならず彼女自身の名声を高めた。(キャプションから)
マン・レイはアングルをリスペクトしていた。

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《黒と白》1926年 ゼラチン・シルバープリント(後刷) 個人蔵

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《リー・ミラー》1930年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷)個人蔵
リー・ミラー(1907-1977)
ニューヨーク近郊の出身で、本名エリザベス。早くからモデルをしていたが、写真家を目指してパリのマンレイの前にあらわれた。優秀な助手にして恋人。別れてから写真家になった。従軍ジャーナリストとしても活躍。(キャプションから)

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《天文台の時刻に―恋人たち》1934/1967年 リトグラフ(多色)個人蔵
大画面に浮かぶ巨大な 唇はリー・ミラーのもの。 リーとの別れを機に、 マン・レイが2年の歳月 をかけ完成させた油彩 画大作は、後年版画や オブジェ、ジュエリーにも再制作された。

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《上半身のカット、クリードのブラウス》 1936年 ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ) 個人蔵
ファッション界の大御所たちに愛されたマン・レイのファッション写真

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《眠る女》(ソラリゼーション)1929年 ゼラチン・シルバープリント(後刷) 個人蔵
撮影した裸体の全身像を逆転させ、上体(頭部)だけを抜き出し、リフレームした写真(キャプションから)

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《エロティックにヴェールをまとう―メレット・オッペンハイム》 1933年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷) 個人蔵
メレット・オッペンハイム(1913-1985)
画家、彫刻家。ジャコメッティのすすめでシュルレアリスムに参加。反逆的な精神と知的な美貌を持つ。マン・レイが版画インクで彼女の手と腕を汚し撮影した官能的な作品はスキャンダルを巻き起こした。自身が制作したオブジェや大胆なジュエリーで一躍有名になる。

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マン・レイ《ペシャージュ(桃・雲・風景)》1969/1972年 ミクストメディア 個人蔵
ペヤージュはマン・レイの造語で、桃(ぺシュ)と雲(ニュアージュ)と風景(ベイシャージュ)の合成を思わせる。(キャプションから)

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《ジュリエット》(作品集『ジュリエットの50の顔』より)1943年ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ)コンタクトシート 個人蔵
ジュリエット・ブラウナー(1911-1991)
ダンサー兼モデル。小鳥のような体と妖精のような雰囲気を持つ。21歳年上のマン・レイと結婚、最後のミューズとして数々の作品に登場。彼の晩年を支え続ける。

ーHPの解説ー
アメリカとフランスで活躍し、今もなお世界的な人気を誇る芸術家、マン・レイ。マルチな才能を発揮し、自らを「万能の人」レオナルド・ダ・ヴィンチに例えた彼は、その独創的な撮影スタイルや技法で、大胆さと優美さを持つモデルたちの魅力を引き出し、多くの傑作を生み出しました。

既存の価値の破壊を目指す芸術家であるダダイストを名のり活動を始めたニューヨークからパリへ地を移し、マン・レイは、そこで多くの女性たちと出会います。そして、女性という存在が作品制作における重要なテーマとなり、彼と人生の一時期を共にした女性たちは、新しい時代に生きる自由な女性像、あるいは時代の“ミューズ”として、写真をはじめ、マン・レイのさまざまな作品に登場します。

本展では、芸術家としての道を歩み始めたニューヨーク、シュルレアリストとして創作活動に打ち込んだパリ、戦禍を逃れ移住したハリウッド、そして再びパリへと拠点を移した彼の人生を4章で構成。彼がさまざまな愛と別れ、発見や冒険、遊びを体験していく時間軸を経糸たていとに、その時々のミューズとなった「女性たち」を緯糸よこいとにして、写真を中心に、絵画やオブジェなどを加えた250点を超える選りすぐりの作品でマン・レイの足跡を振り返ります。



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コメント

マン・レイの回顧展としても、とても良い展覧会でした。

新コロナ感染に十分注意して今月は、下田、長野、高崎、佐倉の美術館・博物館を巡ってきました。

投稿: 美輪さんへ | 2021.09.29 16:42

マン・レイは高校生の時から好きだったので、こちらの展示もとても行きたかったのですが、今やどーしてもの用事以外では都内にめったに行かなくなった為、行けませんでした( ;∀;)通常であれば行けたのですが、本当に早くコロナが終息して欲しいものです。
大分感染者人数は減ってきたとはいえ、まだ安心はできませんので、どうぞお身体ご自愛下さいね。

投稿: 美輪 | 2021.09.29 14:40

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