« 2021年8月 | トップページ | 2021年10月 »

2021.09.28

版画の見かたー技法・表現・歴史

202109015_20210928091601

「版画の見かたー技法・表現・歴史」は、町田市立国際版画美術館で開催されています。

会期 2021年9月25(土)~12月5日(日)


版画美術館ならではの企画展です。
版画の技法を学びながら、この美術館が収集した秀品が鑑賞できます。
01_20210928091201
02_20210928091301

最終コーナーでは、今までに開催された展覧会のポスターが展示されています。
過去の展覧会を思い出しながら懐かし気持ちで見てきました。

一部の作品が撮影可能です。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

20210901_20210927175301

展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 版画の技法
凸版
凹版
平版
孔版 

第2章版画の表現
ライン&グラデーション
カラー
テーマ&モチーフ
コンセプト

第3版画の歴史
信仰
情報

第1章 版画の技法 凸版の展示作品から
20210902_20210927181601
三代目歌川豊国 1786-1865 今様見立士農工商 職人 1857年刊 大判錦絵三枚続 木版(多色)


『版画の技法、凹版』の展示作品から
202109001_20210928145001
ラインのプリンス・ルパート《旗手》1658年 メゾチント 


『版画の技法、平版』の展示作品から
20210903_20210927182301
202109014_20210928085501
オディロン・ルドン 1840-1916 エドモン・ピカール『陪審員』より2点 1887年刊 リトグラフ


『版画の技法、孔版』の展示作品から
202109002_20210928145601
森義利《隈取り(A)》1976年 合羽版(多色)



第2章 版画の表現 ライン&グラデーションの展示作品から
20210906_20210927184401
クロード・メラン 1598-1688 聖顔 1649年 エングレービング


『版画の表現、カラー』の展示作品から
20210904_20210927183101
20210905_20210927183501
シャルル=メルシオール・デクリティ(版刻) 1751-1820
ニコラ=アントワーヌ・トネ(原画) 1755-1830
村の婚礼 1786/88年刊 エッチィング、エングレーヴィング(多色・5版)

202109003_20210928150201
大蔵省印刷局《卓上静物》1883年 リトグラフ(多色)


『版画の表現、テーマ&モチィーフ』の展示作品から
20210908_20210927184801
ヴェンツェスラウス・ホラー 1607-1677 猫の頭部 1646年 エッチィング

202109005
ロイ・リキテンスタイン《月の景観》1955年 スクリーンプリント、金属で被膜したプラスチック板


『版画の表現、コンセプト』の展示作品から
202109006_20210928151001
中林忠義《Transupositionー転位ーⅢ》》1797年 エッチング、アクアチント


『版画の歴史 信仰』の展示作品から
202109010 
作者不明 毘沙門天立像印仏 旧中川寺伝来 1162年 木版


『版画の歴史、情報』の展示作品から
202109011_20210928084901
科学芸術委員会(編) 『エジプト誌』より3点の一部 1890-28年 エッチィング(多色)



ーHPの解説ー  
版画の技法と表現は実に多種多様。使用される版や道具、完成までのプロセスなどを知ると、より楽しむことができます。本展では当館のコレクション約32,000点の中 から、版画ならではの鑑賞のポイントを持つ作品約130点を展示。古今東西の版画の「ツボ」 を紹介します。



| | コメント (0)

2021.09.24

生誕130年記念 高島野十郎展/同時開催 特集展示 秋山泉

 20210901_20210920182201

「生誕130年記念 高島野十郎展/同時開催 特集展示 秋山泉」は、
高崎市美術館で開催されています。

会期 2021年9月5日(日)~11月7日(日)


花一つを、砂一粒を人間と同物に見る事、神と見る事
高島野十郎「遺稿ノート」から

高島野十郎(1890-1975)は福岡県久留米市で酒造業を営む家の五男として生まれました。
絵を描くことが好きだった野十郎にその影響を与えたのが長兄の宇郎とされています。
宇郎は、青木繁との交友でも知られる詩人です。
野十郎は、親の希望もあって、実業の道を進むべく東京帝国大学(農学部・水産学科)に進み、主席卒業を果たすものの、画家への道を選ぶことになります。

展覧会の構成は次の通りです。
第1章 青年期
第2章 渡欧期
第3章 戦前期
第4章 戦後期
第5章 光と闇

野十郎は大学を卒業すると独学で、絵の修練を積みました。
卓上の静物や風景を丁寧に緻密に描く写実というスタイルは生涯変わることはなかった。
20210904_20210920182201
《リンゴを手にする自画像》大正12年(1923)油彩 福岡県立美術館蔵
袈裟を着て、好んで描いたリンゴを異形の相で手に持つ野十郎33歳の自画像。絵を描くことは仏教の教えに適うことであり、その困難な使命を果たす決意を示した作品だと解釈することができる。不敵なまなざしには野十郎の強い覚悟が見て取れる。(キャプションを参考)
青年期の野十郎を象徴するような作品に思えました。 

202109002_20210922085401
《ユリとヴァイオリン》大正10年代頃(1921~26)油彩・画布 目黒区美術館蔵
テーブルの上にヴァイオリン、そしてその上に一輪の白百合の花が置かれている作品。この作品を見るのは初めてだと思います。野十郎が楽器をモチーフに描いた作品は記憶になかったのですが・・・ 

202109101
《早春》大正10年(1921)油彩・画布 福岡県立美術館蔵
この頃の作品には、当時注目の画家であった岸田劉生や草土社の画家の影響がみられ、ゴッホ影響も見られると・・・リンゴを描いた一連の作品にも顕著です。


昭和5年に野十郎は渡欧しました。
野十郎は、当地の画家、渡欧した日本人画家と交わることもなく、ひたすら美術館や教会を回って古典絵画を見たり、パリやその近郊を中心に風景の写生に取り組みました。
本展で、欧州で描いた作品10数点展示されていました。

昭和8年帰国すると久留米の実家に身を寄せ、小さなアトリエ「椿柑竹工房」を築き、制作を続け、滞欧作品を郷土の人々に公開するなどしました。
20210902_20210922183701
《からすうり》昭和10年(1935)油彩・画布 福岡県立美術館蔵
野十郎の代表作とされる作品。


昭和11年に再び上京、青山に棲み隔年で個展を開くなどして作品を発表し充実した生活を送っていました。
昭和20年空襲で青山を焼け出され、福岡の姉を頼り、裏山の作業場をアトリエにしました。
202109102_20210924161001
《渓流》昭和21年(1946)油彩・画布 福岡県立美術館蔵
渓流を描くために奥秩父に赴いた時など、旅館に泊り込んで何日も同じ流れを視つづけたという。
そのため水流が止まり、両岸の岩が流れ始めるような錯覚に陥ったそうである。


戦後、昭和23年再度状況し青山に住み着く。
202109001
《ぶどうとりんんご》昭和29年(1954)油彩・画布 久留米市美術館蔵



昭和35年、青山に棲んでいた野十郎は東京オリンピックのための道路拡張工事のあおりで立ち退き余儀なくされ、柏市に住むことになります。
当時の柏市増尾は雑木林が点在する田園地帯、電気・ガス・水道もないその中にアトリエを建て井戸を掘り、野菜を育て睡蓮の池も自作しました。
「ここは俺のパラダイスだ」
野十郎は「晴耕雨読」ならぬ「晴耕雨描」の生活を続け多くの作品を描きます。
やがて、この地にも住宅開発の波が押し寄せ、野十郎は近くの元剣道場を改造した家に移り住む。
その後、体の弱った野十郎は、周囲の人の勧めで千葉県野田市の老人ホームに入居、その2か月後に死を迎えた。
20210907_20210924154801 
《月》昭和37年(1962)油彩 福岡県立美術館蔵 
古今東西月夜の風景は数多く描かれてきたが、月だけを描いた画家は野十郎だけだろう。
「月ではなく闇を描きたかった。闇を描くために月を描いた、月は闇を覗くために開けた穴です」

20210908_20210922173601
《睡蓮》昭和50年(1975) 油彩 福岡県立美術館蔵
野十郎の絶筆とされる作品。
生涯独身であった野十郎は千葉県野田市の老人ホームで生涯を終えたのでした。

20210906_20210924142601
《蝋燭》大正時代(1912~26)油彩 福岡県立美術館蔵
野十郎の最も特徴的な蠟燭の作品は、ほとんどがサムホールという小さな画面に描かれている。個展で発表されることもなく、親しい友人や知人に感謝の気持ちとともに手渡された贈り物であったという。



ーHPの解説ー
独学の油彩による写実を追求した孤高の画家、高島野十郎(たかしま・やじゅうろう/1890-1975)。東京帝国大学農学部水産学科を首席卒業するものの画家を志し、世界の美術動向や同時代の画壇とも交渉を持たず、果実や花などをみつめ、日本各地の自然や社寺風景を描き続けました。生涯描き続けた一本の蝋燭の火や、最晩年に描いた太陽、夜空に浮かぶ月の光など、ただ一つの対象に独自の「写実」への執念を込めた連作には、光と闇をみつめた画家の魂がゆらめいています。昨年の生誕130年を記念して、群馬県利根郡や埼玉県秩父市など高崎市近隣に取材した作品や、生まれ故郷の福岡県久留米市で新発見された作品を含む90点によって旅路をたどり、近年評価が高まる画業の全貌を回顧し、新たな高島野十郎像に迫ります。併せて鉛筆による精緻な描写で、高島と同じく蝋燭などをみつめる現代の画家、秋山泉(あきやま・いずみ/1982-)を特集展示します。


特別展示 秋山泉 ろうそくを見つめて描く
「野十郎のろうそくを描く行為を祈りのようなものだと表現することがあるが、
モチーフと自分にひたすら向き合うという意味において、まさにそのようなものだったのではないかと想像する。」
Akiyama20210901
秋山泉《静物Ⅳ》(2021年)小林画廊蔵



| | コメント (0)

2021.09.21

町田ダリア園 2021年9月

今年も、町田ダリア園に行って、たくさん写真を撮ってきました。
以下に、一部をご紹介します。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

20210901_20210921092501
影法師

202109_20210921092601
ぼくの夢

20210902_20210921092801
希望の光

202109_20210921094201
愛ちゃん

202109_20210921114501
朝日丸

202109_20210921114601
グリーンドー

202109_20210921114801
ナバナの月

202109_20210921114901
片思い

202109_20210921115201
ラベンダームーン

202109_20210921115501
ストロベリームーン

202109_20210921115301
雪てまり

園内風景のスマホ動画です。




| | コメント (2)

2021.09.17

陰翳礼讃 影に浮かぶ仏の美 闇に輝く絵画の光

20210901_20210917092501

「陰翳礼讃 影に浮かぶ仏の美 闇に輝く絵画の光」は、上原美術館で開催されています。

会期 2021年4月29日(木・祝)~9月26日(日)


谷崎潤一郎は、随筆「陰翳礼讃」の中で日本における美のあり方について語っています。 
「美というものは常に
生活の実際から発達するもので、
暗い部屋に住むことを
余儀なくされたわれわれの先祖は、
いつしか陰翳の内に美を発見し、
やがては美の目的に沿うように
陰翳を利用するに至った」

本展では展示会場を日本家屋に見立て、陰に潜むジャンルを超えた美をご紹介します。
陰翳の中に浮かび上がる美の魅力をどうぞお楽しみください。(本展紹介動画から引用)


小規模な空間を見事に演出した展覧会です。
椅子に座って長時間幸せな時間を過ごしました。
展示作品ほぼすべてが私が好きな画家の作品、そして端正な御姿の仏像との、
立体作品との見事な組み合わせ、そして照明効果・・・・

展示会場を日本家屋に見立て、
近代館 第1展示室では「日本家屋の陰翳」
第2・3展示室では「庭園の光」
をテーマに展示しています。
キャプションなどはなるべく直接視野に入らないように配慮されています。 

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

「日本家屋の陰翳」展示風景(入館時にいただいた解説小冊子から、以下同じ)
20210902_20210917092501
左から 須田国太郎《牡丹》 《十一面観音菩薩像》 須田国太郎《薔薇》20210903
左から オディロン・ルドン《花瓶の花》 小林古径《抄秋》 オディロン・ルドン《ひまわりのある花束》

「庭園の光」展示風景
20210905
手前 山本正道《座った形》 右から 須田国太郎《高貴寺遠望》 須田国太郎《農村展望(小諸風景)》 梅原龍三郎《朝暉》 安井曾太郎《焼岳(上高地晩秋図)

20210904
手前 ジャーコモ・マンズー《ストリップティーズ》 右から ピエール・ボナール《ノルマンディー風景》 安井曾太郎《十和田湖〉 ポール・シニャック《アニエール、洗濯船》 オーギュスト・ルノワール《習作(水浴少女)》 ポールセザンヌ《水浴する人々》

 
Img_1802
正面:近代館  右側:仏教館


仏教館展示室 回廊・ホワイエ
「再び日本家屋の陰翳へ」展示風景
202109002
須田国太郎《静物》

202109003
左から 《薬師如来像》 須田国太郎《薔薇》 ジョルジュ・ルオー《キリスト》 安井曾太郎《薔薇》 ジョルジュ・ルオー《キリストとの親しき集い、ベタニア》


仏教館 多目的室展示風景(この展示室は、一部作品を除き撮影可でした)
Img_1786
手前 《狛犬》  左から オーギュスト・ルノワール《横になった婦人》 オディロン・ルドン《読書の女》 ジョルジュ・ブラック《ナプキンの上の紅茶ポットとレモン》 岸田劉生《麗子微笑像》 須田国太郎《南大門》 須田国太郎《烈日下の鳳凰堂(平等院)》 須田国太郎(校倉)

 

仏教館 展示室
「再び日本家屋の陰翳へ」展示風景
202109004
左から  アルベール・マルケ 《ヴィレンヌのセーヌ川、朝》  クロード・モネ 《萱ぶき屋根の家》  安井曽太郎《緑の風景》 オーギュスト・ルノワール《アルジャントゥイユの橋》 小林古径《芥川》

202109006
左から オディロン・ルドン《ブリュンンヒルデ、神々のたそがれ》 オディロン・ルドン《ダンテとベアトリーチェ》 小林古径《道成寺》
アンリ・マティス画/マリアンナ・アルカフォラード著『ポルトガルの尼僧の手紙』
 

詳しい解説動画が準備されています、私はこの動画で予習をしてから出かけました。

上原美術館 企画展『陰翳礼賛』

 

 

| | コメント (0)

2021.09.14

特別展「植物 地球を支える仲間たち」 第5章、第6章

第5章 本当は怖い植物たち
皆さんは植物にどんな印象をもっているだろうか? 「優しい」「おとなしい」「癒しの生物」といった印象を抱いているのだとしたら、 それはまだ植物の本性を見抜けていないと言ってもよい。地球上に現在生きている植物は、 よく観察すれば生存のための強かな仕組みを備えているのが見えてくる。本章では、「怖い植物」の端的な例と言える食虫植物にまずスポットを当てた後、植物の様々な「怖い」一面を紹介する。

01 食虫植物
02 毒をもつ植物
03 鋭いトゲをもつ有用植物
04 凶暴な果実 
05 寄生植物 
06 水辺をお花畑に変える侵略的外来水生植物
07 変異型イチイヅタ
08 送粉者を死に誘うわな

202109017
食虫植物
(写真手前)ハエトリソウ(約100売拡大模型) 分類:モウセンゴケ科
ハエトリソウの葉の上には、2ミリほどの感覚毛が生えており、30秒以内に2回触ると葉が閉じる。1回だけ、あるいは、30秒以上たった後で再び触っても閉じない。つまり、30秒間は、最初の刺激を備えている。刺激が伝わる仕組みと「記憶」は、動物の神経と同じように、カルシウムイオンによって担われている。
(写真奥)モウセンゴケ(約200倍模型) 分類:モウセンゴケ科

食虫植物の生きている姿。
2021091118
2021091117

毒を使ってしたたかに生きるトリカブトの仲間(展示風景)
2021091223


日本の風景を変えてしまう侵略的外来植物
2021091131
オオキンケイギク 分類:キク科 ミュージアムパーク茨木県自然博物館蔵


第6章 生命の源、光合成
植物な生き方の基本は、光合成である。大地に根を張って動かないことを選択した植物は、どこにでもある水と光を使ってエネルギーを生み出し、大気中の二酸化炭素を有機物に変えて私たちの暮らす環境を作り出す。地球の炭素を循環させる原動力であるとともに、酸素も作り出す。 植物なしには、否、光合成なしには私たちの生活は成り立たない。でも、光合成を日々の生活で意識することはほとんどないだろう。生命のすべての源は、光のエネルギーから来ているということも。

01 生命エネルギーの源光合成
02 いろんな葉緑体 葉緑体の色と形の多様性 
03 光合成をするところ 葉緑体 
04 光からエネルギーを得る 
05 二酸化炭素から食べ物を作る 
06 日本がリードする光合成の発見 
07 光合成と地球• 私たちとの関わり
08 光合成と植物工場 

2021091114
被子植物葉緑体(6万倍拡大模型)岡山大学資源植物科学研究所蔵

2021091115
アルスロスピラ 分類:シアノバクテリア 培養株分譲:国立環境研究所
アオスロスピラから作られた栄養補助食品と食品材料
ボトリオコックス 分類:緑藻 培養株提供:大阪工業大学
ボトリオコックス~抽出した藻類オイル
ミドリムシ 分類:緑虫藻
食品材料やバイオ燃料への活用が研究されている。

2021091116
ミニ植物工場「やさいばこ」 リーフレタス 小かぶ  提供:三協フロンテア


第7章 目指せ、植物研究者 (第2会場)
植物研究の面白さを若手研究者が紹介します!

第2会場に向かうエスカレーターと第2会場の間に「ショクダイオオコンニャク」の花の臭いをかぐコーナーがあります。
どうします?

 

| | コメント (0)

2021.09.12

特別展「植物 地球を支える仲間たち」 第3章、第4章

第3章 植物の形と成長
我々動物と植物は、同じ祖先から進化してきた。その祖先は、1細胞が1個体の単細胞生物だった。 約12 億年前から、動物と植物はそれぞれ別の道を歩み、形や成長をつかさどる複雑な仕組みがそれぞれ独立に進化した。地球における長い歳月をかけた、壮大な進化実験の結果が動物と植物の違いである。

01 受精と発生
02 植物の成長、ヒトの成長
03 地上と地下
04 植物の細胞 ちがうけど同じ、同じだけどちがう
05 遺伝子 
06 花の形づくりとABCモデル
07 植物の栽培化
08 遺伝子組換え植物 青いキク
09 遺伝子組換え植物 光るトレニア 

20210908
展示風景
20210909
展示風景

202109000111_20210911071401
植物の胚発生(模型) シロイヌナズナの場合

2021091112
胚発生 ヒト(模型)

20210911118
阿蘇4火砕流に埋もれたスギ樹幹 分類: ヒノキ科 時代:後期更新世(約9万年前)産地:大分県日田市 国立科学博物館蔵
植物の体を作る細胞は細胞壁は分解に強く残りやすい。化石は「石に化けた」と考える人が多いが、実はこの標本のように生々しい化石も多い。

2021090111
展示風景
20210912
展示風景

20210911121
青いバラ バラ科 国立科学博物館蔵
2004年、遺伝子組換え技術で花色を人為的に変えることに成功した青いバラ 

20210911122_20210911175401
もとのキクと遺伝子導入により花色を改変したキク  農研機構蔵


第4章 植物はどのように進化してきたのか?
植物の仲間は46億年という地球の歴史のなかでも早くに登場し、地球環境を整えることに貢献してき た。 進化の舞台は初めは海だったが、やがて淡水、 陸上へと拡大した。 陸上植物は現在5つのグループ、 (コケ植物・小葉植物・シダ植物・裸子植物・被子植物)に分けられるが、それらが初めからそろっていたのではなく、陸上進出後のおよそ5億年間の進化で次第に現れたのだ。化石を中心に植物たちのダイナ ミックな歴史を紹介しよう。

01 植物の進化 
02 植物の誕生 
03 植物の上陸 
04 太古から続く植物と菌類の共生
05 クックソニア・バランディー 最古の大型植物化石 
06 初期の陸上植物 
07 森の誕生 
08 裸子植物の誕生と多様化
09 花の誕生と多様化 
10 植物と昆虫の共進化 

20210913
展示風景
202109015
展示風景
202109016
展示風景

2021091123
ストロマトライト 時代:先カンブリア時代 産地:カナダ(ノースウエスト準州) 神奈川県立生命の星・地球博物館蔵
光合成をするシアノバクテリア(藍色細菌)の活動で作られた岩石で、30億年前以降の先カンブリア時代の地質帯に多く見られる。酸素を発生する生物活動があった証拠。
2021091125_20210912062501
ストロマトライト解説パネル

2021091126
最古の大型植物化石
クックソニア・バランデイ 分類:リニア類 時代:シルル紀ウェンロック世前期(約4億3200万年前)
産地:チェコ(バランディアン地域) チェコ国立博物館蔵

2021091128
オドントプテリス・デュフレスノイ(葉) 分類:シダ種子類 時代:後期石炭紀(約3億年前) 産地:フランス 福井県立恐竜博物館蔵

 

| | コメント (0)

2021.09.10

特別展「植物 地球を支える仲間たち」 第1章、第2章 

202108001_20210908185201

特別展「植物 地球を支える仲間たち」は、
国立科学博物館で開催されています。

会期 2021年7月10日(土)~9月20日(月・祝)


標本や模型、映像、インスタレーション展示などで植物の世界を、
あらゆる角度から総合的に紹介する展覧会です。
科博の展覧会の映像展示はいつも素晴らしいです。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

説明文は、会場の解説パネルからの引用です。

展覧会の構成は次の通りです。
(公式ガイドブックの目次を引用しています。展示場の構成と異なる部分があるかもしれません)
Map202109

プロローグ
「植物」は「人間」と同じ祖先をもつ生き物である
植物の仲間
202109_20210909184601

第1章 植物という生き方
光合成という自ら有機物を作り出せる能力を手に入 れた植物は、食糧を探し回ったり、発芽して成長を始めた場所から動いたりする必要がなくなった。代わりに、暑さ寒さ、植食動物の出現など、まわりの環境からは逃げられなくなった。そのため、感覚を研ぎ澄まし、まわりの生物と協力して生き、生殖活動も動かなくてもできるようになった。 こうして、様々な工夫を 凝らすことで初めて、植物は一つのところに留まって 生きることができるようになったのである。

01 地球を支える光合成 
02 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚
03 助けを呼んだり立ち聞きしたり
04 植物の成長と動き
05 擬態する花
06 奇妙な進化を遂げた植物
2021090001_20210910141801
朝顔(拡大模型)分類:ヒルガオ科 園芸品種
ヒルガオ科サツマイモ属の一年生植物。 日本の代表的な園芸植物。 奈良時代に薬用として中国から日本にもたらされ、江戸時代に花や葉の多様な変異種が単離された。今も重要な研究材料である。「 東京古型標 準型」を参考に作成。

20210901
展示風景

2021090004
(画像の右端)ユキモチソウ 分類:サトイモ科 産地:日本 国立科学博物館蔵
花全体がキノコに擬態していると考えられ、キノコに似たにおいでショウジョウバエの仲間をだましておびき寄せ、強制的に花粉を運ばせる。
202104001_20210422074301
今年、エビネ苑で撮ったユキモチソウです。


第2章 地球にはどんな植物が存在しているのか?
植物は環境に適応して植物体・花・葉などの形や大きさ、生き方を進化させてきた。 つまり、ほとんどの植物の 形、大きさ、生き方には生物学的な意味がある。そして、その植物の進化が今日の植物多様性をもたらした。 本章の「○○○すぎる植物たち」では、植物体・花・葉・ 果実・種子などを巨大化あるいは矮小化させた植物を紹介し、「極限環境への挑戦」では、私たちの想像を超えた過酷な環境を生活の場とすることに成功した植物を紹介する。

「○○○すぎる植物たち」
01最高樹の植物体 
02 最太の幹
03 最小の植物体・花
04 最大の花の集まり 
05 最大の花
06最大の種子
07 最大の翼をもつ種子
08最小の種子
09 最大の果実
10最大級の松ぼっくり 
11 最大級のどんぐり
12 最長寿命の葉 
13 最大の単葉
14 最大の地上性のコケ

20210902
展示風景

2021090006_20210910141601
最大の花の集まり
ショクダイオオコンニャク 分類:サトイモ科
花の匂いが強烈なのでも有名。第2会場の向かう通路で体験できますが・・・・

2021090007
最大の花
ラフレシア 分類:ラフレシア科 産地:インドネシア(スマトラ島) 京都府立植物園蔵
直径約111cmの花

2021090008
大きすぎる松ぼっくり
コウリテリマツ 分類:マツ科 産地:アメリカ・メキシコ 基礎生物学研究所職員コレクション
成熟した松ぼっくりは長さ35㎝、5㎏ほど

極限環境への挑戦 
15 マングローブ
16 水中
17 渓流沿い 
18 乾燥地
19 高山
20 暗下
21 樹上
22 南極
23 絶滅危惧植物

20210906_20210910074801
展示風景
20210907_20210909101801
展示風景
Img_1494
展示風景

2021090009
高山植物
ボンボリトウヒレン(実物大模型)分類:キク科 産地:ヒマラヤ及び周辺地域 国立博物館蔵
外気よりも苞葉の内部が温かくなるため「温室植物」と呼ばれる。

20210900010
水中植物
ジャイアントアンブリア 分類:オオバコ科 分布:熱帯アジア
水中では針のように細く枝分かれした葉を、水上では楕円形で厚く光沢のあるあ”普通の葉”をつける。

20210900011
樹上 「タンク」のある植物
Img_1497

20210900015
絶滅危惧植物
秋の七草のキキョウ、フジバカマ、あのカキツバタも絶滅危惧植物になってしまったそうです。

今年、エビネ苑で撮ったクマガイソウも絶滅危惧植物であることを知りました。
202104001_20210422074701
クマガイソ ラン科

ーHPの解説ー
光合成という、太陽エネルギーから有機物を作り出す能力を手に入れたことで、地球上の生命にとって、なくてはならない存在となった植物。
私たち人間と同じ原始的な生命体から進化し、今や地球上の多種多様な環境に生育する最も成功している生物群と言えます。 ともすれば動物と違い、じっとしていて動きのないイメージがありますが、最先端の科学研究によって、私たちの想像を超えるアクティブな生態が明らかになってきました。

本展は、植物を総合的に紹介するこれまでにない大規模な展覧会です。標本や模型、映像、インスタレーション展示などを活用し、その驚きの実像や魅力に迫ります

| | コメント (0)

2021.09.07

東京2020オリンピック・パラリンピック開催記念 特別企画「スポーツ NIPPON」

Nippon202108001

東京2020オリンピック・パラリンピック開催記念 特別企画「スポーツ NIPPON」は、
東京国立博物館  平成館 企画展示室で開催されています。

会期 2021年7月13日(火) ~9月20日(月)

前期展示 7月13日(火)~8月15日(日)
後期展示 8月17日(火)~9月20日(月・祝)


オリンピック、パラリンピック開催記念開催記念の展覧会です。
今回多くの時間をかけて、パラリンピックの試合を見ましたが、たくさんの気づきを与えてくれた素晴らしい選手たちに大感激でした。
この記念展、
世代によって、懐かしいと思う展示は違うと思いますが、広い意味でのスポーツ・文化の変遷を感じることができます。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

第1章 美術工芸にみる日本スポーツの源流
東京国立博物館所蔵美術品で、江戸時代以前のスポーツの源流を探ります。
Nippon2021022
子持装飾付脚付壺 古墳時代・6世紀
注目されるのが、取っ組み合う二人の人物(力士か)とそれを見ている人物(行司か)の小像です。相撲の原形となった原始・古代の格闘技をあらわしたものと考えられます。(本展パンフレットから)

Nippon202108021
武家相撲絵巻(摸本) 江戸時代・天保11年(1840)

Nippon202108025
鞠装束 紅遠菱文 江戸時代・19世紀  
蹴鞠 江戸時代・19世紀
鞠靴 江戸時代・19世紀

 

第2章 近現代の日本スポーツとオリンピック
近代から現在に至る日本スポーツの歩みを秩父宮記念スポーツ博物館所蔵資料を中心に紹介しています。
日本における初期のスポーツ用具・用品さらにオリンピック関連資料が展示されています。
Nippon202108024
重要文化財 埴輪 短甲の武人 古墳時代・6世紀
古墳時代・6世紀 埼玉県熊谷市上中条出土 東京国立博物館蔵
古墳時代の武人をあらわした埴輪。1940年に開催予定であった幻の東京大会のポスターデザインに採用されました(チラシから)

Img_1369
1932年ロサンゼルス大会 女性水着 昭和7年(1932) 秩父宮記念スポーツ博物館  
三島弥彦 陸上ユニフォーム 明治45年(1912) 秩父宮記念スポーツ博物館
日本が初参加したストックホルム大会の陸上競技400mに出場。

Img_1362
1964年東京大会公式ポスター(1~4号) 昭和39年(1964)

Img_1370
1964年東京大会 代々木選手村模型  昭和37年(1962) 秩父宮記念スポーツ博物館

Img_1371
1964 年東京大会 聖火、トーチ、ホルダー 昭和39年(1964)秩父宮記念スポーツ博物館
1964年東京大会で使われた聖火トーチです。火薬を詰めた円筒のトーチ部分を、黒いアルミ合金のホルダーに差して使用されました。
ホルダーは工業デザイナー柳宗理による設計です。(本展パンフレットから)

Img_1360
1964年東京大会 日本選手団デレゲーションユニフォーム 昭和39年(1964) 
1964年東京大会 聖火ランナー用シャツ・パンツ 昭和39年(1964) 
秩父宮記念スポーツ博物館

Img_1361
ベラ・チャスラフスカ(旧チェコスロバキア女子体操選手)ユニフォーム 昭和39年(1964)秩父宮記念スポーツ博物館
アジア初のオリンピック開催となった1964年東京大会の女子体操で、個人総合金メダルを獲得したチャスラフスカ選手のユニフォームです。

Nippon202108026
1964年東京大会 サッカー球(晴天用・雨天用) 昭和39年
1964年東京大会 バレーボール球(使用済・未使用)
昭和39年(1964)

Img_1367
1964年東京大会 金・銀・銅メダル 昭和39年(1964)

Img_1368
1972年札幌冬季大会 金・銀・銅メダル 昭和47年(1972) 秩父宮記念スポーツ博物館

Img_1366
1998年長野冬季大会 金・銀・銅メダル 平成10年(1998) 秩父宮記念スポーツ博物館

Img_1363
1964年東京大会 メダル授与式用振袖(松坂屋) 秩父宮記念スポーツ博物館
五輪マークの刺繍をあしらう斬新な意匠と伝統的な和装の優美さが世界の注目を集めました。(本展パンフレットから)

 

ーHPの解説ー
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を記念して、本展では日本におけるスポーツの歴史と文化を紹介します。
東京国立博物館と秩父宮記念スポーツ博物館が所蔵する美術工芸品や近現代スポーツ資料を通して、江戸時代以前と明治時代以降の日本スポーツの源流と発展をご覧ください。

 

 

| | コメント (0)

2021.09.04

マン・レイと女性たち

202108001_20210828185701

「マン・レイと女性たち」はBunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2021年7月13日(火)~ 9月6日(月)


この展覧会は"マン・レイとは誰だったか?”という展示コーナーで終わります。

過去にマン・レイの作品は繰り返し断片的に見てきましたが、
マン・レイの作品と人物像の総体を分かりやすく展示・解説した展覧会だと思いました。

芸術家、ダダイストとしての歩みを始めたニューヨーク、パリに移ってシュルレアリストとしての創作活動。
第二次世界大戦の戦禍を逃れてハリウッドへ、そして活動の場を求めて再びパリへ・・・・

自らを万能の人「レオナル・ド・ダ・ビンチ」にたとえ、マルチな創作活動を行った彼の生涯には、出会い・別れた女性たちが常に存在し、インスピレーションを得てきました。

本展では、恋人・友人・同時代の芸術家を撮影した膨大な肖像写真に加え、マン・レイのマルチな作品なども展示して「マン・レイと女性」
作品と生涯を分かりやすく解説しています。


展示構成は以下の通りです。
第Ⅰ章 ニューヨーク 1890-1921
Ⅰ-1 セエルフポートレート
Ⅰ-2 ダダ時代の作品

第Ⅱ章 パリ 1921-1940
Ⅱ-3 ダダ・シュルレアリスム
Ⅱ-4 シュルリアリストたちの肖像
Ⅱ-5 キキ・ド・モンパルナス
Ⅱ-6 リリー・ミラー
Ⅱ-7 社交界・芸術界・モンパルナス
Ⅱ-8 ファッションと写真 
Ⅱ-9 裸体からマネキン人形まで
Ⅱ-10 女性たちとシュルレアリスム
Ⅱ-11 マン・レイの「自由な手」
Ⅱ-12 アディ・フィドラン

第Ⅲ章 ハリウッド 1940-1951
Ⅲ-13 ジュリエット・ブラウナー
Ⅲ-14 アートの新天地

第Ⅳ章 パリふたたび 1951-1976
Ⅳ-15 アートのなかの女性像
Ⅳ-16 新しいジュエリーとモード 
Ⅳ-17 マン・レイとは誰だったのか?

以下は、チラシからです。
2021001
《カメラをもつセルフポートレート(ソラリゼーション)》 1932-35年頃 ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ) 個人蔵
マン・レイ(1890-1976)
フィラデルフィア生まれ。 ニューヨークで芸術活動を 開始したのち、パリに渡り、ダダイスト、シュルレアリスト や社交界の人々と交流、 前衛作家としての活動のかた わら時流にのった肖像・ファッション写真家として活躍 する。 ソラリゼーションなどの写真技法を創始。 画家・ オブジェ作家としての名声もやがて確立した。

2021005_20210829143901
《アングルのヴァイオリン》 1924年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷) 個人蔵
キキ・ド・モンパルナス(1901-1953)
本名アリス・プラン
ブルゴーニュ出身だがパリに出て、17歳頃から画家たちの人気モデルになる。
キキという渾名はキスリングによる。マンレイとの出会いは運命的であった。彼女を扱った一連の作品は、マン・レイのみならず彼女自身の名声を高めた。(キャプションから)
マン・レイはアングルをリスペクトしていた。

202108010_20210829150201
《黒と白》1926年 ゼラチン・シルバープリント(後刷) 個人蔵

202108002_20210829143001
《リー・ミラー》1930年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷)個人蔵
リー・ミラー(1907-1977)
ニューヨーク近郊の出身で、本名エリザベス。早くからモデルをしていたが、写真家を目指してパリのマンレイの前にあらわれた。優秀な助手にして恋人。別れてから写真家になった。従軍ジャーナリストとしても活躍。(キャプションから)

20210801_20210903152601
《天文台の時刻に―恋人たち》1934/1967年 リトグラフ(多色)個人蔵
大画面に浮かぶ巨大な 唇はリー・ミラーのもの。 リーとの別れを機に、 マン・レイが2年の歳月 をかけ完成させた油彩 画大作は、後年版画や オブジェ、ジュエリーにも再制作された。

202108003_20210829143401
《上半身のカット、クリードのブラウス》 1936年 ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ) 個人蔵
ファッション界の大御所たちに愛されたマン・レイのファッション写真

2021011_20210829150601
《眠る女》(ソラリゼーション)1929年 ゼラチン・シルバープリント(後刷) 個人蔵
撮影した裸体の全身像を逆転させ、上体(頭部)だけを抜き出し、リフレームした写真(キャプションから)

2021009
《エロティックにヴェールをまとう―メレット・オッペンハイム》 1933年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷) 個人蔵
メレット・オッペンハイム(1913-1985)
画家、彫刻家。ジャコメッティのすすめでシュルレアリスムに参加。反逆的な精神と知的な美貌を持つ。マン・レイが版画インクで彼女の手と腕を汚し撮影した官能的な作品はスキャンダルを巻き起こした。自身が制作したオブジェや大胆なジュエリーで一躍有名になる。

202108013_20210903154601
マン・レイ《ペシャージュ(桃・雲・風景)》1969/1972年 ミクストメディア 個人蔵
ペヤージュはマン・レイの造語で、桃(ぺシュ)と雲(ニュアージュ)と風景(ベイシャージュ)の合成を思わせる。(キャプションから)

202108007_20210903155701
《ジュリエット》(作品集『ジュリエットの50の顔』より)1943年ゼラチン・シルバー・プリント(ヴィンテージ)コンタクトシート 個人蔵
ジュリエット・ブラウナー(1911-1991)
ダンサー兼モデル。小鳥のような体と妖精のような雰囲気を持つ。21歳年上のマン・レイと結婚、最後のミューズとして数々の作品に登場。彼の晩年を支え続ける。

ーHPの解説ー
アメリカとフランスで活躍し、今もなお世界的な人気を誇る芸術家、マン・レイ。マルチな才能を発揮し、自らを「万能の人」レオナルド・ダ・ヴィンチに例えた彼は、その独創的な撮影スタイルや技法で、大胆さと優美さを持つモデルたちの魅力を引き出し、多くの傑作を生み出しました。

既存の価値の破壊を目指す芸術家であるダダイストを名のり活動を始めたニューヨークからパリへ地を移し、マン・レイは、そこで多くの女性たちと出会います。そして、女性という存在が作品制作における重要なテーマとなり、彼と人生の一時期を共にした女性たちは、新しい時代に生きる自由な女性像、あるいは時代の“ミューズ”として、写真をはじめ、マン・レイのさまざまな作品に登場します。

本展では、芸術家としての道を歩み始めたニューヨーク、シュルレアリストとして創作活動に打ち込んだパリ、戦禍を逃れ移住したハリウッド、そして再びパリへと拠点を移した彼の人生を4章で構成。彼がさまざまな愛と別れ、発見や冒険、遊びを体験していく時間軸を経糸たていとに、その時々のミューズとなった「女性たち」を緯糸よこいとにして、写真を中心に、絵画やオブジェなどを加えた250点を超える選りすぐりの作品でマン・レイの足跡を振り返ります。



| | コメント (2)

2021.09.02

聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」

Img_20210901_0001Img_20210901_0002

Img_1354
聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」は、
東京国立博物館 平成館 特別展示室 で開催されています。

会期 2021年7月13日(火) ~ 年9月5日(日)

「太子信仰の至宝が一堂に」というチラシのコピーを見て、即座に思い浮かぶものってほぼない。
チョット情けない、見に行かなければ・・・・・

膨大な展示品から、時代の空気を感じとろうと熱心に鑑賞してきました。
最近、図録はあまり買わないのですが、咀嚼しきれないぶん復習しようと購入しました。
Img_1415_20210901164401
Img_1414

展示構成は以下の通りです。
1章 聖徳太子と仏法興隆 
太子自の法華経解説書「法華義疏」をはじめ、太子ゆかりとして伝えられた品々を中心に、聖徳太子その人と、最初期の日本仏教を概観します。
202108004_20210901153401
聖徳太子二王子像(摸本) 狩野(晴川院)養信筆 江戸時代・天保13年(1842) 東京国立博物館蔵

2章 法隆寺の創建
聖徳太子は、自らが住む斑鳩宮に隣接して法隆寺を創建しました。
法隆寺はその名が意味するように「仏法興隆」を推し進める中心地でした。
2章では儀式の場で用いられた多くの仏具や伎楽面を通じ、法隆寺の荘厳を紹介しています。
202108002_20210901152301
国宝 天寿国繍帳 飛鳥時代・推古天皇30年(622)頃 奈良・中宮寺蔵
亡き太子を想う愛妃の愛が生んだ刺繍の浄土図。


3章 法隆寺東院とその宝物
太子が住んだ斑鳩宮の跡地に建立されたのが東院伽藍です。
中心をなす夢殿の本尊は太子等身の救世観音像であり、創建にあたっては太子の遺品類も集められました。
3章では聖徳太子の遺徳を称える聖霊会のうち、10年に一度行われる大会式など、東院伽藍にまつわる華やかな法要にも注目します。202108007_20210901163101
南無仏舎利 舎利塔:南北朝時代 貞和3~4年(1347~48)、舎利据箱:鎌倉時代 13世紀 奈良・法隆寺 
太子二歳のおり、掌からこぼれ落ちたという釈迦の遺骨!


4章 聖徳太子と仏の姿
平安時代になると、聖徳太子を救世観音の生まれ変わりとみる信仰が生まれ、太子も中心的な信仰の対象となりました。その代表作が聖徳太子の500年遠忌に制作された法隆寺聖霊院の「聖徳太子および侍者像」です。
4章では多彩な太子の姿とともに、法隆寺に伝来した仏画の名品を紹介しています。
202108005_20210901154101
聖徳太子立像(二歳像)鎌倉時代・徳治2年(1307) 奈良・法隆寺
幼くして「南無仏」と称える凛々しい姿


5章 法隆寺金堂と五重塔
『日本書紀』によると、法隆寺最初の伽藍(若草伽藍)は天智天皇9年(670)に焼失したとされ、その後再建されたのが現在の西院伽藍です。金堂は7世紀後半に建てられた世界最古の木造建築として知られ、創建以来大きな変化なく伝えられてきました。
五重塔は仏舎利を祀った建築で、内部には釈迦の生涯などを表した塔本塑像が安置されています。
202108001_20210901152301
国宝 四天王立像 多聞天 飛鳥時代・7世紀 奈良・法隆寺蔵
静けさに力を込めた日本最古の四天王像
エレガントにたたまれた衣のひだなど、細部まで美しく表現されています。

202108008_20210901174001
国宝 阿弥陀如来及び両脇侍像(伝橘夫人念持仏) 飛鳥時代7~8世紀 奈良・法隆寺蔵
麗しき白鳳美術の最高峰


 東京国立博物館 特別展「聖徳太子と法隆寺」
アイエム[インターネットミュージアム]Internet Museum

 

ーHPの解説ー
奈良・斑鳩の地に悠久の歴史を刻む法隆寺は、推古天皇15年(607)、聖徳太子によって創建されたと伝えられます。太子は仏教の真理を深く追究し、また冠位十二階や憲法十七条などの制度を整えることで、後世に続くこの国の文化的な基盤を築き上げました。聖徳太子を敬う人々の心は、その没後に信仰として発展し、こんにちもなお日本人の間に連綿と受け継がれています。

令和3年(2021)は聖徳太子の1400年遠忌にあたり、これを記念して特別展「聖徳太子と法隆寺」を開催します。会場では、法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、また飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて、太子その人と太子信仰の世界に迫ります。特に金堂の薬師如来像は日本古代の仏像あまり彫刻を代表する存在であり、飛鳥時代の仏教文化がいかに高度で華麗なものであったかを偲ばせてくれます。

本展覧会は1400年という遙かなる時をこえて、今を生きる私たちが聖徳太子に心を寄せることでその理想に思いを馳せ、歩むべき未来について考える絶好の機会となることでしょう。



「斑鳩」の名の由来って?
拙ブログの投稿
散歩の途中で野鳥を撮ってみました(イカル)2021年2月初旬

 

 

| | コメント (0)

« 2021年8月 | トップページ | 2021年10月 »