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2021.06.20

マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在 

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マーク・マンダース
—マーク・マンダースの不在 は、東京都現代美術館で開催されています。

会期 2021年3月20日(土・祝)~ 6月20日(火) 22日(火) 

マークマンダースが本展について語っています。
「この展覧会は「マーク・マンダースの不在」です
打ち捨てられた部屋と打ち捨てられたオブジェ
誰かがこれを作って
立ち去った直後のようであり
荒れ果てた映画のセットのようでもあります
わたしが思考し、手を動かした空間だけがある
そこには本当に
ギリギリまで張り詰めた瞬間だけが残されています」

マンダースは、18歳のときに、自伝的な要素を含む小説執筆の試みを契機に得たと言う「建物としての自画像」という構想に沿って、以降30年以上にわたって一貫した制作を続けています。(HPから)

展示会場は半透明のビニールシートで廊下と部屋に仕切られていて、そこに様々な彫刻やオブジェが置かれています。


この展覧会では一部の作品について撮影が許可されています。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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マーク・マンダース《マインド・スタディ》2010-11年 ボンネファンテン美術館蔵

この作品の背後の壁にあるオブジェ。
釘はマーク・マンダースの目の高さにうたれ、釘と釘の感覚は作家の目の幅と一緒です。
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短く悲しい思考 1990年

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黄色と青のコンポジション 2014-2018年


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狐/鼠/ベルト 1992-1993年


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4つの黄色い縦のコンポジション 2017-2019年


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椅子の上の乾いた像 2011-2015年


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乾いた土の頭部 2015-2016年

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黄色い鉛筆のある土の像 2019年


202106011 リビングルームの光景 2008-2016年   パースケプティブ・スタディ 2014-2016年


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黄色い縦のコンポジション 2019-2020年 


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舞台のアンドロイド(88%に縮小) 2002-2014年

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記録された課題 1992-1993年

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像の習作 1997-2015年

ドローイング廊下を経由して、次の展示会場へ・・・・

2階に降りると、
「3羽の死んだ鳥と墜落する辞書のある小さな部屋 2020年」があります。

屋外展示「緑青付けされたブロンズ 2015-2016年」があります。



ーHPの解説ー
東京都現代美術館では、現代のアートシーンに独自の位置を占める作家、マーク・マンダースの、国内美術館では初となる個展を開催します。
マンダースは、1968年オランダのフォルケル生まれ。現在はベルギーのロンセにスタジオを構えています。1986年、18歳のときに、自伝的な要素を含む小説執筆の試みを契機に得たと言う「建物としての自画像」という構想に沿って、以降30年以上にわたって一貫した制作を続けています。その構想とは、自身が架空の芸術家として名付けた、「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。その建物の部屋に置くための彫刻やオブジェを次々と生み出しインスタレーションとして展開することで、作品の配置全体によって人の像を構築するという、きわめて大きな、そしてユニークな枠組みをもつ世界を展開しています。この虚構的な枠組みをベースとして類のないビジョンを示す独創的な作品世界は、彫刻の概念を掘り下げる個々の作品の質とあいまって、世界的に高い評価を受けてきました。本展は、作家本人の構想により、展示の全体を一つの作品=想像の建物のインスタレ―ションとして構成するものです。

個々の作品は、過去の美術史や私的な記憶に基づくイメージ、彫像や言葉、家具など様々なオブジェの組み合わせからなり、見る者に複雑な感情や時間感覚、思索と内省の機会を与えます。これらは独立した作品として十分に魅力的ですが、この大きな枠組においてみれば、また新たな表情で私たちを捉えるでしょう。作品はすべてこの架空の建物の一部をなすものとして現れ、作家であるマンダース本人と架空の芸術家マンダースの自画像とが混交しながら消失・生起し、見る者を虚実の空間へと誘います。一方、個々の作品には互換性があり、それぞれは単語のように部屋や構成に従って置き換わることが可能と言います。それによって、この想像の建物全体は、いわば一つの自動的な装置のように不断に改変され、更新されていくことになるのです。タイトルにある「不在(Absence)」は、インスタレーションに見られる時間が凍結したような感覚や静寂、既に立ち去った人の痕跡、作家本人と架空の芸術家との間で明滅する主体など、マンダース作品全体の鍵語として複数の意味を担うものですが、それはまたこの建物が作家の不在においても作品として自律的に存在し続けるものの謂いでもあるでしょう。マンダースの世界は、その中に入る私たちを魅了しつつ、芸術の意味について、想像力や人の生の経験と時間について、あらためて考えることを促すのです。



「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」展 作家インタビュー
Museum of Contemporary Art Tokyo

 

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