マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界
マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界は、目黒区美術館で開催されています。
6月20日(日)まで会期が延長されました。
会期 2021年4月21日(水)~2021年6月20日(日)
ブルケールは、画家と、テキストを書く著者を選出し、一人の画家を、絵画と文章で一冊の本を作り上げて紹介する形式の叢書を刊行します。これは、同じく医師である愛書家が主宰する「ルシアン・グロー博士の友人達」と称する愛書家サークルや画家・版画家・印刷工房主であった親友のジャン=ガブリエル・ダラーニエスといった人々との交流を通して築かれた人脈によるものです。
200部前後が刷られ、最初に刷られた20部程とスイートと呼ばれる別刷りの版画をつけたものが画家と著者に現物が支給されました。
「マニュエル・ブルケール出版」の出版所は、ブルケール自身の自宅でした。家族総出で紙を折り製本したそうです。儲けは度外視で、自分の好きな美しいものを形にして同好の士と共有したい。マニュエル・ブルケールのこの麗しい版画本は、20世紀のパリのある出版人の夢の結晶だったのです。(展示会場の解説の一部を引用しました)
(以下2点の画像はクリックで拡大表示になります)
キャプション(展示されている各版画本に添えられています)
ラウル・デュフィ『ラウル・デュフィ礼賛』より「海」、1931年
エミール・ベルナール『エミール・ベルナール礼賛』より「洗濯女たち」、1962年
マルク・シャガール『馬の日記』より「無題」、1952年
アンドレ・ドラン『ドラン礼賛』より「プロヴァンス風景」、1958年
アルベール・マルケ『マルケの現代性』より「ベジャイア1925」、1962年
ジャン=ガブリエル・ダラーニェス『J.-G. ダラーニェス礼賛』より「裸婦」、1956年
モーリス・ユトリロ『モーリス・ユトリロ礼賛』より「ムーラン・ド・ラ・ガレット」、1956年
ーHPの解説ー
パリの耳鼻咽喉科の医師であり出版人でもあったマニュエル・ブルケールは、1930 ~ 1960 年代にかけて、友人の画家で印刷工房主のジャン=ガブリエル・ダラーニェスの協力のもと、美しい絵で彩られた版画本を、愛書家のために限定出版しました。
今日では、ブルケールがどのような人物であったかはほとんど知られていません。しかし、彼とダラーニェスのもとに集った当時フランス で活躍していた画家たちと文学者たちの交流は、この度紹介するこの麗しい版画本となり結実しました。
作品は、画家ごとに特集された本の形態をとり、多くがその画家を礼賛する内容となっています。マルク・シャガールやモーリス・ユトリロなど、20世紀前半のフランス美術の錚々たる画家たちが名を連ねる一方、現在では名前のあまり知られていない画家も参加しています。ブルケールの版画本は、当時のフランスの版画の豊かさと優雅さを示しています。
この度は、当館所蔵の49冊に収録された、約500点を展示します。
出品リストです。(クリックで拡大表示になります)
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