絵を纏うー岩槻せつ子「打掛」コレクション
絵を纏うー岩槻せつ子「打掛」コレクションは、ポーラミュージアムアネックスで開催されています。
会期 2021年6月4日(金)~6月27日(日)
本展は、webによる時間予約制ですが、当日は予約枠に空きがあって、名前と電話番号の登録で入場することができました。
打掛を纏めて見る機会がなかったので、その素晴らしさに圧倒されました。
「男性の方がこのような展覧会をどう思うか?」と若槻氏から声をかけていただき、立ち話をしました。
「このような作品が海外へ流れて行ってしまうのを避ける目的でコレクションしていること」
「なかなか、公開する機会に恵まれないこと」
「コレクション引き継ぎ手について・・・」
などなど、お話ししてくださいました。
大変楽しい展覧会でした。
銀座に行ったら立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
当日、予約枠に空きがあればですが・・・・・
ーHPの解説ー
若槻氏は文化服装学院を卒業後、株式会社ジュンJ&Rや株式会社高島屋などのデザイナーを経て、1984年に「オフィスワカツキ」を設立。KIMONOドレスブランド「ローブ・ド・キモノ」を発表し、以来、多数の著名人の衣装提供を行っています。また、アパレル業界やブライダル業界などのファッション顧問としても活躍されています。
本展では、若槻氏が長い年月をかけて収集された貴重な打掛コレクションの中から1980年代後半から1990年代はじめに制作された13点を展示致します。この時期は丁度、昭和バブルの時期にあたり、制作された打掛は、贅沢な素材や職人の技術が惜しみなく使われた、まさに豪華絢爛な作品ばかりでした。そして、その艶やかな打掛に表現された文様にはそれぞれの意味を持ち、花嫁の幸せを願う気持ちや感謝の想いが込められています。
普段、余り触れる機会がない打掛ですが、その美しさは勿論、文様の意味や素晴らしい技術など、1枚の絵画として読み解きながらご覧いただける展覧会です。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
(展示風景)
(展示風景)
《ピカソの絵》
ピカソの絵画をモチィーフとした珍しい打掛。
《皇宮の夢》
初めにコンピュータで合成パターンを作り、それをイメージに経糸を仮織して、その状態で職人が捺染ぼかし染で糸を染めてから降ります。。非常にデリケートな職人技で織られています。月に2反しか織ることができない貴重な打掛です。(キャプションから)
《五色老松飛翔鶴》
山口百恵さんが着用した同じデザインの打掛。
《百花絵巻》 1990年 株式会社 幸和制作
《桐竹鳳凰麒麟紋模様》
嵯峨天皇ゆかりの紋でこれに州浜を添えれば、天皇家の実が使用できる高貴な模様となります。
この打掛は、1986年にダイアナ妃が訪日して際に進呈されたという記事があり、話題になりました。(キャプションから)
《黒地松竹梅模様》 1999年頃の制作
《白地金彩エ霞観世水金駒刺繍光琳松模様》
光琳松とは尾形光琳の名に由来し、光琳の画風に影響を受けて、江戸中期に一世を風靡した模様で、モチーフの細部を簡略化しています。(キャプションから)
《緑ぼかし地鳳凰唐花宝尽くし模様》
生地の裏から糸を抜き出して結び玉を作り、これを連ねて模様を描いていく相良刺繍は蘇州、汕頭と呼ぶ世界三大刺繍のひとつです。約5年間、中国で数名の職人が手刺繍したものを国内で縫製。(キャプションから)
(左)《唐草に丸に鳳凰模様》
能楽界の重鎮だった人間国宝、ワキ形宝生流12世宗家・故 宝生閑氏デザインの打掛。
(右)《四季花車に飛翔鶴模様》
観世流シテ方能楽師の故、観世栄夫氏が自身の世界観を独特の色調で表現した打掛。
(左)《香り》
デザイナ寛斎氏がプロデュースした「打掛寛」。テーマは「香り」 1980年代制作
(右)《御所の秋草に蝶と飛翔鶴》
日本が世界に誇るファッションデザイナー森英恵氏の打掛。古式ゆかしき十二単を思わせる八重重ねにトレードマークの蝶が金色に輝き四季の花々の周りを蝶が舞っている艶やかなこうずです。(キャプションから)
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コメント
このような豪華な打掛はバブル期の産物の一つかもしれませんが、職人技術の伝承も含めこの素晴らしい伝統は継承されないといけないと思いました。
投稿: 岩城さんへ | 2021.06.26 02:05
一言では言い表せませんが皆、素晴らしいものですね。関心しました。
投稿: 岩城 | 2021.06.25 21:29