« 立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」 ~世界遺産 東寺~ | トップページ | 散歩の途中で野鳥を撮ってみました。 2021年6月 »

2021.07.01

近代日本洋画の名作展 ひろしま美術館コレクション

202106001_20210630174101

「近代日本洋画の名作展 ひろしま美術館コレクションは、そごう美術館で開催されています。

会期 2021年5月15日(土)~7月4日(日)


展覧会の構成は次の通りです。
「はじめに」
日本近代西洋画の先駆的役割を果たした黒田清輝、浅井忠、黒田に学んだ藤島武二、青木繁など8作品を展示。
202106002_20210630174601
黒田清輝《白い着物を着せる西洋婦人》1892年 油彩・カンヴァス
フランス留学中に足繫く通ったパリ郊外のグレー村で出会った4歳年下の恋人マリア・ビョーを描いた作品。(キャプションから)

「大正期の動向」
自由な表現を求める風潮がみられるようになった大正時代、雑誌「白樺」を通してフランス美術に触発された岸田龍生の婦人像などが展示されています。(油彩33点、水彩1点、素描10点)
202106003_20210630174901
岸田劉生《上水の春日》1915年 油彩・カンヴァス
《道路と土手と塀》(1915年)の半年前に玉川上水を描いたと思われる。(キャプションから)

202106004_20210630175301
岸田劉生《支那服を着た妹照子像》1921年 油彩・カンヴァス
モデルとなった照子は5歳下の妹で、虚弱体質であったことから劉生の鵠沼での転地療養に加わり生活を共にしていた。
劉生はこの服の艶やかな色彩を表現するために、わざわざコバルトバイオレットの絵の具を入手したという。(キャプションから)

202106005_20210630175601
前田寛治《赤い帽子》1925年 油彩・カンヴァス
前田寛治は、2年にわたるパリ留学の最後の半年に女性像を手掛けたが、そこには西洋美術の伝統色である赤と黒に対する研究の跡がみられる。当初、帽子には労働者のシンボルであるハンマーと鎌が描かれていたが、治安維持法下で自ら塗り消したと伝わる。(キャプションから)

202106014_20210630184401
古賀春江《風景》1923年頃 水彩・紙
西洋美術の最先端であったキュビズムの受容と実践を試みた本作ですが、当時画家が住んでいた福岡の街並みをやわらかな水彩画で描いています。(キャプションから)

202106006_20210630175801
小出楢重《地球儀のある風景》1928年 油彩・カンヴァス
静物画は風景画と違い、画家が自由に配置を変えて構図を決めることができることで、かえって不自然な構図になると小出は言います。その危険に挑戦するように小出は繰り返し静物を描きました。(キャプションから)


「安井曾太郎のデッサンと画室」
油彩画の《画室》を挟んで見事な素描が展示されています。
202106007_20210630180001
安井曾太郎《画室》1926年 油彩・カンヴァス
安井曾太郎のアトリエを訪れた妻と子と甥が記念写真のように描かれている。安井は1926(大正15・昭和元年)以降に手がけた家族像により伸びやかな筆致を取り戻し、独自のリアリズムとしての「安井様式」を開花させた。本作は、安井の画業において最も充実していた時期に手がけた渾身の力作である。(キャプションから)

2021060016
2021060019
安井曾太郎 素描 1905年

2021008
児島善三郎《田植》1943年油彩・カンヴァス
児島が転居した国分寺の自然豊かな風景を描いている。渡欧後に日本的油絵の探求を試みた児島は、風景を平面的に要約し、装飾性に満ちた絵を描こうとした。浮世絵版画を思わせる雨の表現も印象的。(キャプションから)

202106009_20210630180301
岡鹿之助《積雪》1935年油彩・カンヴァス
フランス中南部にあるオーヴェルジュ地方の風景を描いたものである。油彩画の材料や道具について熱心な研究を重ねた岡鹿之助ならではの作品。(キャプションから)


「明治から昭和への裸体像の変遷」(油彩10点)
202106010_20210630180901
藤島武二《桃花裸婦》1902年油彩・カンヴァス
藤島武二は身の回りに花を絶やさない花好きであり、花と女性をモティーフにした作品を度々制作した。現存する藤島の裸婦像の中で全裸像は珍しい。(キャプションから)

202106011_20210630181301
梅原龍三郎《裸婦》1936年油彩・カンヴァス
本作は梅原龍三郎が豊麗な色彩と粘りのある奔放な筆致により「梅原様式」と呼ばれる独自の装飾的な趣に満ちた油彩画を確立したころの作品で、この頃に裸婦像の代表作を多数生み出した。(キャプションから)


「鴨居玲の言葉 」
鴨居玲の画家としての決意の表明・矜持の言葉が展示パネルにあります。(油彩6点)
202106012_20210630181501
鴨居玲《私の村の酔っ払い(三上戸)》1973年頃油彩・カンヴァス
スペインのバルデペーニアに居を構え、4年に及んだこの村での暮らしから、老人、酔っ払い、廃兵といった弱者としての人間像に目をつけた秀作が生まれた。(キャプションから)

2021013_20210630181701
鴨居玲《白い人(A)1980年油彩・カンヴァス
鴨居玲は同じ女性のモデルを使って、少なくとも6点の油彩画を描いた。それらの作品のなかでも本作が最も自然な姿で細部まで描きこまれている。(キャプションから)


ーHPの解説ー
 公益財団法人ひろしま美術館の日本洋画コレクションは、明治時代の巨匠黒田清輝の作品を出発点に、それ以降の大正、昭和への歩みをほ俯瞰でき、近代日本洋画の流れをたどれる貴重なコレクションといえます。
 近代日本洋画が明治維新という劇的な時代の変革により大きく芽吹いていくなかで、 初期の浅井忠やフランスに留学した黒田清輝は、その後の近 代日本美術の礎となり、 近代洋画の父とされました。 本展では、その黒田 の滞欧作や黒田に学んだ藤島武二の新しい裸婦像、 青木繁の作品から、自由な雰囲気が社会にあふれた大正期、「白樺」 を通してフランス美術に触 発された岸田劉生の婦人像が出品されます。 さらに昭和初期に、 理知的な 画面構成と写実性を追求した安井曾太郎の代表作《画室》や大変貴重な木 炭デッサンをはじめ、 パリ帰国後に装飾的油彩画を確立した梅原龍三郎の 裸婦像など、 裸婦像の変遷をもたどることができます。 一方、 独自の存在 感をもつ須田国太郎、 小出楢重の代表作である自画像に加え、 異国の街を 描いた佐伯祐三や荻須高徳、 独特の作風の林武、 小磯良平、 岡鹿之助、 人 間の本性を追求した鴨居玲らの作品など、 約 70 点により、 こうした時代 の流れと表現の変遷を概観できる貴重な機会です。

 

 

|

« 立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」 ~世界遺産 東寺~ | トップページ | 散歩の途中で野鳥を撮ってみました。 2021年6月 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」 ~世界遺産 東寺~ | トップページ | 散歩の途中で野鳥を撮ってみました。 2021年6月 »