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2021.06.28

立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」 ~世界遺産 東寺~

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ラージフォーマットデジタルカメラGFXで迫る、立体曼荼羅の宇宙
フジフイルム スクエア 企画写真展
立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」
~世界遺産 東寺~は、

フジフィルム スクエアで開催されています。

会期 2021年6月11日(金)~2021年6月30日(水)

近頃はヘルスケア製品も目立つ富士フィルムですが、元来カメラ・フィルムなど写真関連機器総合メーカー、そのこだわりカメラ、
GFXシリーズを使って撮影した東寺の仏像写真を展示しています。
この展覧会を見るうえでの私の興味の大半は、このカメラで撮った仏像ということです。

ラージフォーマットデジタルカメラGFX100Sは、35mm判の約1.7倍の面積を持つ1億画素のセンサーを搭載し、さらに強力なボディ内手ブレ補正機構も備えるなど、小さいながらもスペックはモンスター級のミラーレス機です。


立木氏は、三脚を使わず手持ちで撮影しています。
「空海の思想とか哲学というのが表現されている仏像が多くあるので、これはある種、止まってはいるものの、ポートレートのような感じで撮ったほうがいいんじゃないかと、その方向でやりました」と述べています。

仏像を撮った写真というと、どうしても土門拳の作品が頭に浮かぶのですが・・・
土門拳が撮った写真と、この企画展の作品を見て感じるイメージの違いはこの辺りにあるのかもしれません。

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帝釈天半跏像 東寺

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多聞天立像 東寺

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増長天立像 東寺

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日光菩薩立像 東寺

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梵天坐像 東寺




ーHPの解説ー
立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」 ~世界遺産 東寺~ 写真展開催記念インタビュー動画/富士フイルム
長きにわたり日本の写真界の第一線で活躍し、今なお果敢に新たな表現に挑みつづける写真家立木義浩が、世界遺産である真言宗総本山 東寺〔教王護国寺〕の仏像群を、富士フイルムのラージフォーマットデジタルカメラ“FUJIFILM GFX100、GFX100S”で撮影した、モノクロ作品展を開催します。
 真言密教の教主である大日如来の別名にして、空海の灌頂(かんじょう)名でもある「遍照金剛(へんじょうこんごう)」。その意味は「この世の一切を遍(あまね)く照らす不滅なもの」です。真理は目に見えなくてはならないとする密教の精神を顕す「両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)」を立体で表現した仏像群を見渡し、立木の琴線に触れた瞬間を集めた本展が、いにしえから光溢れる世界を願ってきた人々の心に出合う機会となれば幸いです。

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2021.06.26

#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで

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「#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで」は、町田市立国際版画美術館で開催されています。

会期 2021年4月24日(土)~6月27日(日)

オールドマスターから印象派まで、手がけた版画作品を鑑賞できる版画専門美術館ならではの企画展です。
油彩画、刊行本も交えての展示で大変楽しめました。
絵画史にインパクトを与えたであろう機材、カメラ・オブスクラ、クロード・グラス、幻燈機彩オプティコンなども展示されています。


「#映える風景」をテーマに、16~19世紀のヨーロッパで制作された版画、挿絵本、油彩 画、写真を展示する特別展。古代ローマの荘厳な遺跡や、神話の世界を思わせる森、 賑やかなパリの市街地など、さまざまな場所をめぐるようにして、その時代に流行した 風景画のルールや楽しみ方を紹介します。(HPから)


展覧会の構成は次の通りです。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

第1章 版に刻まれる風景 版画が伝える土地のようす
ブリューゲル、ルーベンス、レンブラント、カナレット、ピラネージなどのオールドマスターの名品で風景画が生まれ成熟するまでの歴史をたどります。
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ピーテル・ブリューゲル(父)原画 ヨハネス・ファン・デゥエテクム(版刻) ルーカス・デゥエテクム(版刻)『大風景画』より 改悛のマグダラのマリア 1555-56年 エッチング、エングレーヴィング 町田市立国際版画美術館

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ぺーテル・パウル・ルーベンス(原画)スヘルテ・アダムスゾーン・ボルスウェルト(版刻)《野良の帰り》1638年頃 エングレーヴィング 町田市立国際版画美術館

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『ローマの景観』より トレビの泉
ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ 『ローマの景観』より トレビの泉 1751年 エッチィング 町田市立国際版画美術館


第Ⅱ章 研ぎ澄まされる風景 「絵になる景色」の作り方
17世紀のローマでは、クロード・ロラン  が古代の 理想郷を思わせる 「理想風景画」を完成させました。 彼の洗練された 風景表現は後世の画家に受け継がれ18-19世紀のイギリスで最高潮に達します。
18世紀後半のイギリスでは風景画の需要拡大に応え、「絵になる景色」 の作法を解 説する本も刊行されました。 J.M.W. ターナー (1775-1851) はそう した理論から学んだ画家のひとりで、 やがて自らの眼で捉えた光や大 気のニュアンスを描き出すようになります。 イギリス人たちの瑞々しい風景表現はやがてフランスにもたらされ、 カミーユ・コロー (1796-1875) バルビゾン派の画家に受け継がれていきました。(展覧会場の解説パネルから)
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クロード・ロラン(クロード・ジュレ)《笛を吹く人物のいる牧歌的風景》 1630年後半 油彩・キャンヴァス 静岡県立美術館

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 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《メリック修道院、スウェイル渓谷》1816-17年 水彩 栃木県立美術館

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ジョセフ・マロード・ウイリアム・ターナー《ネッカー川対岸から見たハイデルブルグ》 1846年 エッチング、ライン・エングレーヴィング 郡山市立美術館

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ジョン・コンスタンブル(原画) デヴィド・ルーカス(版刻) 虹、ソールズベリー大聖堂 1834-37年 メゾチント 郡山市立美術館

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ジャン・フランソワ・ミレー 《耕す人》 1855-56年 エッチング 町田市立国際版画美術館

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カメラ・オブスクラ 1790年頃 横浜市民ギャラリーあざみの


第Ⅲ章 本の中の風景 世界旅行の時間旅行
めくるめく挿絵本と旅行記の時代。古代エジプトから世紀末パリまで、世界中を飛び回る大冒険。

ナポレオン・ボナパルトが1798年に行ったエジプト遠征にも、考古学者から数学者まで160名を超える研究者が同行しています。ナポレオンの勅令を受けて、彼らのテキストやスケッチは『エジプト誌』という書物にまとめられ、1809-22年にかけて全23巻が刊行されました。
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科学芸術委員会(編)『エジプト誌』より 《フィラエ島 彩色された室内の景観、大神殿の柱廊からの眺め》エッチング(多色)、エングレーヴィング、手彩色 1809-28年刊 町田市立国際版画美術館

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アレクサンドル=エヴァリスト・フラゴナール(画)《サン・ロ通り側の裁判所の眺め(「古ノルマンディー編」第2巻)》1822年(1825年刊)リトグラフ 町田市立国際版画美術館

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(左)レオボル・フラメング(著)『行くパリ、来るパリ』より パリのノートル=ダムの尖頭 町田市立国際版画美術館
(右)ヴィクトル・ユゴー(著) ドービニー/ジョアノ/ブーランジェ他(画)栃木県立美術館


第Ⅳ章 楽しむための風景 世紀末の版画、写真、視覚装置
写真が普及した19世紀後半 版画は 「唯一の技術」という特権的地位を失うことになりました。 パノラマやジオラマといった 取って代わって風景写真が増大していく時代には、版画を復興さ べく芸術家たちが立ち上がります。

凸レンズや照明のトリックで楽しむエンターテインメントと、写真の普及にあらがう版画家たち・・・202105007_20210625133301
カミーユ・ピサロ《ライ麦畑、グラット=コックの丘、ポントワーズ》 1887年 油彩・カンヴァス 静岡県立美術館

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カミーユ・ピサロ《雨の印象》 1879年 エッチング、アクアチント 町田市立国際版画美術館

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『腐食銅版画協会;近代の腐食銅版画』より A.Pマルシアル(アドルフ・マルシアル・ポテモン)腐食銅版画協会本部 1864年刊
エッチング 町田市立国際版画美術館


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2021.06.24

絵を纏うー岩槻せつ子「打掛」コレクション

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絵を纏うー岩槻せつ子「打掛」コレクションは、ポーラミュージアムアネックスで開催されています。

会期 2021年6月4日(金)~6月27日(日)

本展は、webによる時間予約制ですが、当日は予約枠に空きがあって、名前と電話番号の登録で入場することができました。

打掛を纏めて見る機会がなかったので、その素晴らしさに圧倒されました。
「男性の方がこのような展覧会をどう思うか?」と若槻氏から声をかけていただき、立ち話をしました。
「このような作品が海外へ流れて行ってしまうのを避ける目的でコレクションしていること」
「なかなか、公開する機会に恵まれないこと」
「コレクション引き継ぎ手について・・・」
などなど、お話ししてくださいました。

大変楽しい展覧会でした。

銀座に行ったら立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
当日、予約枠に空きがあればですが・・・・・

ーHPの解説ー
若槻氏は文化服装学院を卒業後、株式会社ジュンJ&Rや株式会社高島屋などのデザイナーを経て、1984年に「オフィスワカツキ」を設立。KIMONOドレスブランド「ローブ・ド・キモノ」を発表し、以来、多数の著名人の衣装提供を行っています。また、アパレル業界やブライダル業界などのファッション顧問としても活躍されています。
本展では、若槻氏が長い年月をかけて収集された貴重な打掛コレクションの中から1980年代後半から1990年代はじめに制作された13点を展示致します。この時期は丁度、昭和バブルの時期にあたり、制作された打掛は、贅沢な素材や職人の技術が惜しみなく使われた、まさに豪華絢爛な作品ばかりでした。そして、その艶やかな打掛に表現された文様にはそれぞれの意味を持ち、花嫁の幸せを願う気持ちや感謝の想いが込められています。
普段、余り触れる機会がない打掛ですが、その美しさは勿論、文様の意味や素晴らしい技術など、1枚の絵画として読み解きながらご覧いただける展覧会です。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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(展示風景)
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(展示風景)

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《ピカソの絵》
ピカソの絵画をモチィーフとした珍しい打掛。

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《皇宮の夢》
初めにコンピュータで合成パターンを作り、それをイメージに経糸を仮織して、その状態で職人が捺染ぼかし染で糸を染めてから降ります。。非常にデリケートな職人技で織られています。月に2反しか織ることができない貴重な打掛です。(キャプションから)


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《五色老松飛翔鶴》
山口百恵さんが着用した同じデザインの打掛。

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《百花絵巻》 1990年 株式会社 幸和制作

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《桐竹鳳凰麒麟紋模様》
嵯峨天皇ゆかりの紋でこれに州浜を添えれば、天皇家の実が使用できる高貴な模様となります。
この打掛は、1986年にダイアナ妃が訪日して際に進呈されたという記事があり、話題になりました。(キャプションから)

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《黒地松竹梅模様》 1999年頃の制作

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《白地金彩エ霞観世水金駒刺繍光琳松模様》
光琳松とは尾形光琳の名に由来し、光琳の画風に影響を受けて、江戸中期に一世を風靡した模様で、モチーフの細部を簡略化しています。(キャプションから)

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《緑ぼかし地鳳凰唐花宝尽くし模様》
生地の裏から糸を抜き出して結び玉を作り、これを連ねて模様を描いていく相良刺繍は蘇州、汕頭と呼ぶ世界三大刺繍のひとつです。約5年間、中国で数名の職人が手刺繍したものを国内で縫製。(キャプションから)


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(左)《唐草に丸に鳳凰模様》
能楽界の重鎮だった人間国宝、ワキ形宝生流12世宗家・故 宝生閑氏デザインの打掛。
(右)《四季花車に飛翔鶴模様》
観世流シテ方能楽師の故、観世栄夫氏が自身の世界観を独特の色調で表現した打掛。


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(左)《香り》
デザイナ寛斎氏がプロデュースした「打掛寛」。テーマは「香り」 1980年代制作
(右)《御所の秋草に蝶と飛翔鶴》
日本が世界に誇るファッションデザイナー森英恵氏の打掛。古式ゆかしき十二単を思わせる八重重ねにトレードマークの蝶が金色に輝き四季の花々の周りを蝶が舞っている艶やかなこうずです。(キャプションから)


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2021.06.22

散歩道に咲いている紫陽花を撮ってみました 2021年6月中旬

花菖蒲は咲き残る花の数も少なくなってきました。
野鳥を探してみても、森へ、林へ行動範囲を移したのでしょうか?出会う機会が少なくなりました。

まだ、見ごろの中旬に紫陽花を、野鳥撮影に使っているカメラとレンズで撮ってみました。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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2021.06.20

マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在 

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マーク・マンダース
—マーク・マンダースの不在 は、東京都現代美術館で開催されています。

会期 2021年3月20日(土・祝)~ 6月20日(火) 22日(火) 

マークマンダースが本展について語っています。
「この展覧会は「マーク・マンダースの不在」です
打ち捨てられた部屋と打ち捨てられたオブジェ
誰かがこれを作って
立ち去った直後のようであり
荒れ果てた映画のセットのようでもあります
わたしが思考し、手を動かした空間だけがある
そこには本当に
ギリギリまで張り詰めた瞬間だけが残されています」

マンダースは、18歳のときに、自伝的な要素を含む小説執筆の試みを契機に得たと言う「建物としての自画像」という構想に沿って、以降30年以上にわたって一貫した制作を続けています。(HPから)

展示会場は半透明のビニールシートで廊下と部屋に仕切られていて、そこに様々な彫刻やオブジェが置かれています。


この展覧会では一部の作品について撮影が許可されています。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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マーク・マンダース《マインド・スタディ》2010-11年 ボンネファンテン美術館蔵

この作品の背後の壁にあるオブジェ。
釘はマーク・マンダースの目の高さにうたれ、釘と釘の感覚は作家の目の幅と一緒です。
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短く悲しい思考 1990年

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黄色と青のコンポジション 2014-2018年


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狐/鼠/ベルト 1992-1993年


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4つの黄色い縦のコンポジション 2017-2019年


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椅子の上の乾いた像 2011-2015年


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乾いた土の頭部 2015-2016年

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黄色い鉛筆のある土の像 2019年


202106011 リビングルームの光景 2008-2016年   パースケプティブ・スタディ 2014-2016年


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黄色い縦のコンポジション 2019-2020年 


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舞台のアンドロイド(88%に縮小) 2002-2014年

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記録された課題 1992-1993年

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像の習作 1997-2015年

ドローイング廊下を経由して、次の展示会場へ・・・・

2階に降りると、
「3羽の死んだ鳥と墜落する辞書のある小さな部屋 2020年」があります。

屋外展示「緑青付けされたブロンズ 2015-2016年」があります。



ーHPの解説ー
東京都現代美術館では、現代のアートシーンに独自の位置を占める作家、マーク・マンダースの、国内美術館では初となる個展を開催します。
マンダースは、1968年オランダのフォルケル生まれ。現在はベルギーのロンセにスタジオを構えています。1986年、18歳のときに、自伝的な要素を含む小説執筆の試みを契機に得たと言う「建物としての自画像」という構想に沿って、以降30年以上にわたって一貫した制作を続けています。その構想とは、自身が架空の芸術家として名付けた、「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。その建物の部屋に置くための彫刻やオブジェを次々と生み出しインスタレーションとして展開することで、作品の配置全体によって人の像を構築するという、きわめて大きな、そしてユニークな枠組みをもつ世界を展開しています。この虚構的な枠組みをベースとして類のないビジョンを示す独創的な作品世界は、彫刻の概念を掘り下げる個々の作品の質とあいまって、世界的に高い評価を受けてきました。本展は、作家本人の構想により、展示の全体を一つの作品=想像の建物のインスタレ―ションとして構成するものです。

個々の作品は、過去の美術史や私的な記憶に基づくイメージ、彫像や言葉、家具など様々なオブジェの組み合わせからなり、見る者に複雑な感情や時間感覚、思索と内省の機会を与えます。これらは独立した作品として十分に魅力的ですが、この大きな枠組においてみれば、また新たな表情で私たちを捉えるでしょう。作品はすべてこの架空の建物の一部をなすものとして現れ、作家であるマンダース本人と架空の芸術家マンダースの自画像とが混交しながら消失・生起し、見る者を虚実の空間へと誘います。一方、個々の作品には互換性があり、それぞれは単語のように部屋や構成に従って置き換わることが可能と言います。それによって、この想像の建物全体は、いわば一つの自動的な装置のように不断に改変され、更新されていくことになるのです。タイトルにある「不在(Absence)」は、インスタレーションに見られる時間が凍結したような感覚や静寂、既に立ち去った人の痕跡、作家本人と架空の芸術家との間で明滅する主体など、マンダース作品全体の鍵語として複数の意味を担うものですが、それはまたこの建物が作家の不在においても作品として自律的に存在し続けるものの謂いでもあるでしょう。マンダースの世界は、その中に入る私たちを魅了しつつ、芸術の意味について、想像力や人の生の経験と時間について、あらためて考えることを促すのです。



「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」展 作家インタビュー
Museum of Contemporary Art Tokyo

 

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2021.06.18

マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界

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マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界は、目黒区美術館で開催されています。
6月20日(日)まで会期が延長されました。
会期 2021年4月21日(水)~2021年6月20日(日)


ブルケールは、画家と、テキストを書く著者を選出し、一人の画家を、絵画と文章で一冊の本を作り上げて紹介する形式の叢書を刊行します。これは、同じく医師である愛書家が主宰する「ルシアン・グロー博士の友人達」と称する愛書家サークルや画家・版画家・印刷工房主であった親友のジャン=ガブリエル・ダラーニエスといった人々との交流を通して築かれた人脈によるものです。

200部前後が刷られ、最初に刷られた20部程とスイートと呼ばれる別刷りの版画をつけたものが画家と著者に現物が支給されました。
「マニュエル・ブルケール出版」の出版所は、ブルケール自身の自宅でした。家族総出で紙を折り製本したそうです。儲けは度外視で、自分の好きな美しいものを形にして同好の士と共有したい。マニュエル・ブルケールのこの麗しい版画本は、20世紀のパリのある出版人の夢の結晶だったのです。(展示会場の解説の一部を引用しました)



(以下2点の画像はクリックで拡大表示になります)

展示風景「ラウル・デュフィ礼賛」
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キャプション(展示されている各版画本に添えられています)
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ラウル・デュフィ『ラウル・デュフィ礼賛』より「海」、1931年

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エミール・ベルナール『エミール・ベルナール礼賛』より「洗濯女たち」、1962年

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マルク・シャガール『馬の日記』より「無題」、1952年

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アンドレ・ドラン『ドラン礼賛』より「プロヴァンス風景」、1958年

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アルベール・マルケ『マルケの現代性』より「ベジャイア1925」、1962年

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ジャン=ガブリエル・ダラーニェス『J.-G. ダラーニェス礼賛』より「裸婦」、1956年

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モーリス・ユトリロ『モーリス・ユトリロ礼賛』より「ムーラン・ド・ラ・ガレット」、1956年


ーHPの解説ー
パリの耳鼻咽喉科の医師であり出版人でもあったマニュエル・ブルケールは、1930 ~ 1960 年代にかけて、友人の画家で印刷工房主のジャン=ガブリエル・ダラーニェスの協力のもと、美しい絵で彩られた版画本を、愛書家のために限定出版しました。
今日では、ブルケールがどのような人物であったかはほとんど知られていません。しかし、彼とダラーニェスのもとに集った当時フランス で活躍していた画家たちと文学者たちの交流は、この度紹介するこの麗しい版画本となり結実しました。  
作品は、画家ごとに特集された本の形態をとり、多くがその画家を礼賛する内容となっています。マルク・シャガールやモーリス・ユトリロなど、20世紀前半のフランス美術の錚々たる画家たちが名を連ねる一方、現在では名前のあまり知られていない画家も参加しています。ブルケールの版画本は、当時のフランスの版画の豊かさと優雅さを示しています。  
この度は、当館所蔵の49冊に収録された、約500点を展示します。


出品リストです。(クリックで拡大表示になります)
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2021.06.15

特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」

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特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」は、東京国立博物館で開催されています。
会期  2021年4月13日(火)~2021年6月20日(日)

緊急事態宣言下6月1日に再開され、20日まで会期が延長されました。
HPの「新コロナウイルスに関連した対応について」も鳥獣戯画風です。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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トーハクくん、ゆりのきちゃんもマスク姿です。
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入場時間予約制です。(予約時間に集まった人たち)
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何度か開かれできた人気の「鳥獣戯画」、この展覧会で全巻全場面を一度に見ることができます。
展示構成は次の通りです。
第1会場 ①国宝・鳥獣戯画のすべて、甲・乙・丙・丁巻
第2会場 ②鳥獣戯画の断簡と摸本 ー失われた場面の復元
    ③明恵上人と高山寺

鳥獣戯画というと誰もが思い浮かべる、擬人化された兎・蛙・猿が登場する甲巻。
展覧会では初めての試みではないでしょうか?甲巻展示ケースに並行して遊歩道が設置されています。
わたしは2度遊歩道に乗って鑑賞してきました。
「誰が何のために描いたのかは未だ分かりません」が・・そんなことは考えず、線描の勢い、表現の巧みさを楽しんできました。

第2会場では明恵上人と高山寺についての展示。
重文の明恵上人坐像、子犬が人気です。
明恵上人筆の「夢記」や高山寺に伝わる宗門関連の資料が展示されています。
明恵上人が大事にしていた「龍子」「蘇婆石・鷹島石」の展示には明恵上人の人柄がしのばれます。

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国宝 鳥獣戯画 甲巻 平安時代・12世紀 京都・高山寺 
兎、猿、蛙をはじめとする11種の動物たちが生き生きと描かれる甲巻。 どの動物たちにも無駄な動きがなく、絵巻という舞台の中でそれぞれの役割をきちんと演じています。前半と後半では線描や動物たちの表情も異なり、別の人物によって描かれたようです。(出品目録裏表紙の解説から)

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国宝 鳥獣戯画 乙巻 平安時代・12世紀 高山寺
乙巻は動物図鑑のような巻、16種の動物が登場しますが、 甲巻のように擬人化された動物は一切登場し ません。 前半は牛、鷹、 犬など日本でも見られる動物、後半は虎や象など日本に生息しない動物や、麒麟や龍など空想上の動物が描かれています。(出品目録裏表紙の解説から)

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国宝 鳥獣戯画 丙巻 平安~鎌倉時代・12~13世紀 京都・高山寺
前半が人物戯画、 後半が動物戯画から成る丙巻。 後世に加筆された、濃墨の線に隠れたオリジナルの線描に注目すると、迷いのない滑らかな筆致で、きわめて的確な描写です。 平安絵巻に通ずる要素が見いだせ、その制作は平安時代にさかのぼる可能性が考えられます。(出品目録裏表紙の解説から)

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鳥獣戯画 丁巻 鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺
丁巻は人物主体の巻。 甲巻や丙巻に描かれたモチーフを踏まえた表現が随所に確認されます。 他の3巻に比べ人物は大ぶりで、線描は太く、墨色も淡いのが特徴的。 おおらかな筆致に見えながら速いスピードで的確に筆を走らせ、作者の技量の高さがうかがわれます。(出品目録裏表紙の解説から)

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鳥獣戯画断簡(東博本) 平安時代・12世紀 東京国立博物館 


ーHPの解説ー
国宝「鳥獣戯画」は、擬人化した動物たちや人びとの営みを墨一色で躍動的に描いた作品です。本展では、展覧会史上初めて、甲・乙・丙・丁全4巻の全場面を、会期を通じて一挙公開します。加えて、かつて4巻から分かれた断簡、さらに原本ではすでに失われた場面を留める模本の数々も集結します。まさに<鳥獣戯画のすべて>をご堪能いただける、またとない機会です。

 「鳥獣戯画」が伝わる京都の高山寺は、鎌倉時代の僧、明恵上人によって再興され、今も多くの美術品が伝来しています。本展では、重要文化財「明恵上人坐像」をはじめとする高山寺選りすぐりの名宝などから、明恵上人の魅力にも迫ります。

 


特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」(2分PR)朝日新聞 Arts & Culture


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2021.06.12

大地のハンター展 〜陸の上にも4億年〜

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「大地のハンター展 〜陸の上にも4億年〜」は国立科学博物館で開催されています。
会期 2021年4月13日(火)〜6月13日(日)

2016年に開催された「海のハンター展 恵み豊かな地球の未来」の展覧会構成は次の通りでした。

第1章 太古の海のプレデター
 古生代
 中生代
 新生代
第2章 大海原のハンター
 深海
 極域
 外洋
 浅海
第3章 海のハンターたちのテクニック
第4章 人も海のハンター

そして、本展の構成は次の通りです。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
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第1章太古のハンター
・大地のハンターの起源(脚が起源となった横に開く顎、鰓の前にある縦に開く顎)
・中生代のハンター(多様化していく顎と歯)
・新世代のハンター(裂肉歯をもつ哺乳類の台頭)
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(左)本展のために作られたディノスクスの前半身の生体復元モデル
(右)デイノスクス(脊索動物門 爬虫類 ワニ類 ブレビオス類 白亜紀 頭骨化石標本(複製)
最大のワニ類のひとつで、体長12mに達したと考えられている。

第2章大地に生きるハンター
・水辺のハンター(水辺に棲むハンター)
  水辺を制した爬虫類・ワニ
  ワニVS哺乳類
  ワニだけじゃない!水辺の爬虫類〈ヘビ・カメ類〉
  鳥類の水面ハンティング
  吸い込みの名手・両生類
  おびき寄せ・待ち伏せテクニック
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水辺に君臨するイリエワニの4m超の大型剥製(北九州市立 自然史・歴史博物館蔵)

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ワニガメは、ピンク色に目立つミミズそっくりの舌で魚をおびき寄せます。

・暗闇のハンター(音もなく獲物に近寄る)
  フクロウ〈夜の支配者:目と顔の特徴〉
  コウモリの超音波ハンティング
  地中のハンターの形
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モグラの目は退化しているので鼻先に備えられたアイマ―器官と呼ばれる触覚装置により、獲物の振動を感知する。

・森、密林のハンター(森に躍動するハンター)
  樹上で狩る哺乳類
  高木層のハンター
  個性派ぞろいの森のハンター・爬虫類
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(左下)ウンピョウ
食肉目ネコ科は単独で狩りを行う。哺乳類の中で最も最も肉食に適している。
ウンピョウは樹上での狩りに適していて長い尾でバランスを取りながら 小哺乳類を探索する。

・草原のハンター(広大な大地を駆ける韋駄天のハンティング)
  群れで狩るライオン
  小さいくせに怖いもの知らず ラーテル
  モズの「はやにえ」
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ネコ科のなかでも異例の狩りをするのがライオン。ネコ科のなかで唯一群れで狩りをします。狩りをするのは通常メスで、複数家族のメスが獲物を取り巻くように配置され、チームワークで狩りをします。

・荒野のハンター(こんな荒れ地でもハンティング)
  耳が大きい肉職種
  岩場に紛れるユキヒョウ   
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(左から2番目) フェネック
砂漠に生息する肉食類フェネックの耳介が大きく発達しているのは、砂中に潜む昆虫や爬虫類のわずかに出す音を集めるため。そして大きく風を受けて耳介を流れる血液を冷やすラジエータでもある。
 
第3章ハンティングの技術
・探すための技術(五感だけじゃない!「超能力」も使ってハンティング!)
・偏食なハンター(好きなものだけ食べて生きる)
  白アリが大好物
  アリとシロアリは違う!?
  ヘビは偏食の専門家
   無難にこなすジェネラリスト(ジェネラリストは獲物をえり好みしない)
   技術がすごい偏食者スペシャリスト(スペシャリストは好きな獲物だけに全力を注ぐ!)
   体液・血液を吸う
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(左)ミミセンザンコウ(中央)オオアリクイ
アリクイとセンザンコウはアリ食いに適応している。顎には歯がなく、口の開口部が非常にに小さい。口は舌を出し入れできれば十分。小さな昆虫から栄養を抽出するのに咀嚼する必要はない。

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シマヘビ
シマヘビは、小型哺乳類、鳥類、両生類昆虫類を中心に幅広い種類の動物を捕食するジェネラリスト。

・毒使いのハンター(大きな獲物も一撃必殺!「ヴェノム」を使ったハンティング)
・トンボ(超優秀な飛翔ハンター)
・クモ(多様なハンティング技術集団)
・ハチ(毒針は卵を産む管の進化系!)
・前足がカマのような形の生き物(カマの形はハンターの証)
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ハブ

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第4章フォーエバー・大地のハンター 
 ヒトは残念なハンター(人の活動と生態系とのバランス)

 エピローグ 大地のあハンターと地球の未来

ーHPの解説ー
陸に上がって4億年のうちに多様化したハンター(捕食者)。
本展では、動物が生きていくために必要な営み「捕食(捕らえて食べる)」に注目し、ハンターの顎と歯の進化、ハンティングテクニックを紹介しながら生態系におけるその役割と重要性を解き明かします。

インターネットミュージアム
国立科学博物館「大地のハンター展」


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2021.06.10

クールベと海 展― フランス近代 自然へのまなざし

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クールベと海 展― フランス近代 自然へのまなざしは、
パナソニック汐留美術館で開催されています。

会期 2021年4月10日(土)~ 6月13日(日)

クールベは22歳の時に初めて見たノルマンディの海景を繰り返し描きました。
「ついに海を見た地平線のない海を。それはとても奇妙なものであった」
本展はクールベの連作「波」を中心に、クールベが1865年以降に集中的に描いた海景画のなかから11点を最終章で展示しています。

第1章では、故郷であるスイスの国境に近いオルナンの土地の風景を描いた作品を展示。同時代の風景画家の作品も併せて展示しています。

第2章は、故郷で狩猟もしていたクールベの自然の中の動物を描いた作品が展示されています。同時代のバルビゾン派が描いた動物の作品を合わせて展示してクールベの個性を見ていきます。

第3章は、クールベ以前の海景画として18世紀から19世紀にかけての自然への眼差しの転換期に描かれた作品を展示しています。

第4章は、クールベと同時代を生き互いに影響を受けた、また影響を与えたであろう画家の作品を展示しています。治療の一環として考えられるようになる海水浴、社交場としての海の風景(当時の水着など)も紹介しています。

全展示を通して、クールベの政治的、画家としての姿勢・活動も解説されています。

画家として社会的な地位を得た晩年。パリコミューンのさなかある事件の首謀者として投獄され、多額な賠償金を課せられます。
スイスに亡命した クールべは賠償金返済に追われながら描き続けますが58歳で人生を閉じます。


第1章 クールベと自然―地方の独立
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ギュスターヴ・クールベ 《フランシュ=コンテの谷、オルナン付近》 1865年頃 油彩・カンヴァス 茨城県近代美術館
本作は画家の生まれ故郷織るオルナン近郊の村を描いたものである。石灰石質の白っぽい岸壁を背景に、村の真ん中を流れるルー川に沿って並ぶ家々がそのまま描かれたいる。岩肌の表現にはパレットナイフが用いられており、この土地特有の岩のマティエールを見事に表現している。また、本作に見られる明るく軽やかな筆触は、この頃画家が交流を持った印象派の画家たちの影響によるものだろう。(キャプションから)


第2章 クールベと動物―抗う野生
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ギュスターヴ・クールベ 《狩の獲物》 1856-62年頃 油彩・カンヴァス 個人蔵
クールベが1857年のサロンに出品した狩猟画の唯一の縮小版。分け前として猟犬に獲物の一部を与える前の儀式を表したものだと思われる。この儀式では、仕留められる動物を讃えるための曲がホルンで演奏される。ここでは、野生の動物が獲物でありながらも敬意を示すべき存在として表されている。中央の木に寄りかかる狩人にはクールベの自画像との類似が指摘されている。(キャプションから)


第3章 クールベ以前の海―畏怖からピクチャレスクへ


第4章 クールベと同時代の海―身近な存在として
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クロード・モネ《アヴァルの門》油彩・カンヴァス 島根県立美術館

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ギュスターヴ・カイユボット《トュールーブルの別荘》1882年 東京富士美術館

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ウジェーヌ・ブーダン 《浜辺にて》 油彩・カンヴァス 個人蔵


第5章 クールベの海―「奇妙なもの」として
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ギュスターヴ・クールベ《波》1870年 オルレアン美術館
本作は、クールベが1870年のサロンに出品した《嵐の海(波)》(オルセー美術館)の縮小ヴァリエーションである。前景には岸辺に打ち上げられた小舟が観者の視線を集めるように置かれている。中景には、岸に打ち付けられて白く泡立つ波がパレットナイフによって質感豊かに描かれている。後景継には、鮮やかな青の空色が雲の合間から覗き見え、画面全体を明るく照らしている。(キャプションから)

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ギュスターヴ・クールベ《エトルタ海岸、夕日》1869年 新潟県立美術館・万世島美術館
1986年のエトルタ滞在時に描いた一連の「海の風景画」連作の中でも、クールベはこの地の特徴的な断崖をモティーフとした作品を8点ほど描いており、本作はそのうちのひとつ。本作で断崖は左端に、その先端部分のシルエットのみが描かれ、画面の中央には水平線に沈みゆく太陽が、陽光のオレンジやピンクに染まる水面や雲とともに描かれている。クールベの「海の風景画」連作は、モネにも大きな影響を与えた。(キャプションから)


ーHPの解説ー
9世紀フランスを代表するレアリスムの巨匠ギュスターヴ・クールベ(1819−1877)。あるがままの現実を描くことで、既存の政治や美術制度に敵対的な態度を表明した一方で、故郷フランシュ=コンテ地方の大自然や動物、22歳の時に初めて目にしたノルマンディーの海を繰り返し描き、その鋭い洞察力や高い技術力が評価されました。
本展では、こうしたクールベの風景画家としての側面に焦点をあて、とりわけ画家が1860年代以降に集中的に取り組んだ「波」連作を中心に紹介します。さらに、クールベ以前より表象されてきた畏怖の対象としての海、同時代の画家ブーダンやモネが描いたレジャーとしての海もあわせて展覧し、海との距離がより身近なものとなった当時において、レアリスムの巨匠クールベが捉えた海の風景画の特異性を探ります。
出品作品は、国内作品にフランスのオルレアン美術館が所蔵する《波》も加わった、約60点の作品によって構成されます。同時代の画家たちが描いた海景画の中でも、とりわけ「奇妙」に映るクールベの、迫力ある海の描写をご堪能ください。



Internet Museum
パナソニック汐留美術館「クールベと海展 -フランス近代 自然へのまなざし」

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2021.06.07

散歩道にある"花しょうぶ園" 2021年6月初旬

いつもの散歩道にある"花しょうぶ園"で写真・動画を撮ってきました。

この日は八分咲き程度で、満開までは数日要するようです。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

ジンバル+スマホの予定でしたが、この日はジンバルなし、スマホの手振れ補正機能が頼りの動画撮影です。



写真は野鳥撮影用に持ち歩いているミラーレス一眼で撮りました。
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2021.06.04

散歩の途中で野鳥を撮ってみました。 2021年5月

 5月は出会う野鳥も少なくなり、同じメンバーなので、
いつ行っても会えるカワセミの飛び立つ瞬間を狙って撮影したりしました。

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

キセキレイ、ハクセキレイに出会うのも久しぶり。
キセキレイ
サントリー愛鳥活動 鳥百科 キセキレイ
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ハクセキレイ
サントリー愛鳥活動 鳥百科 ハクセキレイ
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ガビチョウ
目に見える生き物図鑑 ガビチョウ
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シジュウカラ
サントリー愛鳥活動 鳥百科 シジュウカラ
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カワセミ
サントリー愛鳥活動 鳥百科 カワセミ
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蓮田で捕食するアオサギ。
サントリー愛鳥活動 鳥百科 アオサギ
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捕食するムクドリ。
サントリー愛鳥活動 鳥百科 ムクドリ
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今年生まれたカイツブリ、親鳥と同じくらいの体に成長しました。
サントリー愛鳥活動 鳥百科 カイツブリ
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ポーズが面白いと思って撮りました。
カルガモ
サントリー愛鳥活動 鳥百科 カルガモ
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2021.06.02

トーハク(博物館で動物めぐり)でカワセミの絵をみつけました。

トーハクのイベント博物館で動物めぐり
の展示でカワセミの絵をみつけました。

会期 2021年3月23日(火) ~ 2021年6月13日(日)
会場 本館、東洋館、平成館の総合文化展展示室

(以下の画像はクリックで拡大表示になります)

本館1階15室にカワセミが載った図譜が展示されていました。
禽譜 水禽2
堀田正敦(1758~1832)編
紙本着色 江戸時代・18~19世紀写 

『禽譜』は鳥を水・原・林・ 山禽の4門に大分類し、各々数帖ずつ編集されています。
鳥一種ごとの彩色図と解説文の貼り込みを基本とし、類似の種はほぼまとめて配置します。
同種の鳥は、雌雄、産地別など複数の図を入れ、解説文は古今 の情報をまとめています。(キャプションから)202105001
翡翠 そび(右上) 翡翠 そび(右下)
翡翠 薩摩 海翡翠 大しょうびん  大せみ??(左上) 翡翠 百?圖(左下)

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(右の頁)そび 古名
そみ かハい かハせみ仙臺方言・・・( に始まり、各地での呼び名が記載されていて、異称で漢字表記を列記しています)
(左の頁) 貝原篤信日大和木草魚狗大小ニ種アリ小ハカワセミト云多シ大ナルヲミゾコイト云五位鷺ニハ非ス是翡翠ナルヘシ云々トアレト・・・・(と続きます)

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みづこい鳥 雄(右上)  同 雌(右下)  南部候蔵圖

みずこいとりの各地方での呼び方か列記されていて、漢名翡翠、
異称山翠・・・・と続きます。 

みずこい鳥は「あかしょうびん(赤翡翠)」の異名で林のなかに棲む「カワセミ」の仲間だそうです。
サントリー愛鳥活動 鳥百科 アカショウビン 


本館2階に円山応挙の写生帖が展示されていてカワセミが載ってました。

写生帖(丁帖)
円山応挙(1733~95)筆 紙本着色・18世紀

応挙は、江戸時代中期、写生を重視した姿勢で作品を制作した画家です。本作 は、応挙の写生図を貼りこんだ画帖で、さまざまな鳥類が描かれています。形状 や色彩に関する記載もみられ、応挙がど のように被写体を捉えたのかを知る上で貴重な作品です。(キャプションから)202105011
魚狗 カハセミ(左下)
上の絵で体色について記されています。

キョロキョロすると発見があって楽しいですね。
古文書辞典を参考に、解説文を今一度読んでみようかと・・・・


拙ブログの関連投稿。
カワセミが描かれた明時代(16世紀)の絵画が展示されていました。 トーハク2021年3月

 

西洋の木版画 500年の物語
トマス・ビューイック 小口木版のカワセミが展示されていました。


写真歴史博物館 企画写真展 「100年前にカワセミを撮った男・下村兼史 -日本最初の野鳥生態写真家-」

 

 

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