写真家ドアノー/音楽/パリ
「写真家ドアノー/音楽/パリ」は、
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。
会期 2021年2月5日(金)~3月31日(水)
「特に作品を作ろうとは思っていなかった。
私が愛するこの小さな世界を思い出を単純に残したかっただけだった」
ロベルト・ドアノー
代表作《パリ市庁舎前のキス》はあまりにも有名で、一度は見たことがあると言う人も多いはず。
「ドアノーの写真展ちょっとマンネリ感ありかな?」なんて思いながらでかけましたが・・・
思いに反して大変楽しい時間を過ごすことができました。
本展は、ドアノーが写真で切り取ったパリの音楽シーンをテーマごとに8章に分けて構成、
日本初公開作品を含む約200点を展示しています。
美術館の学芸員や図書館の司書といった真面目な人たちが、私の危ない橋を渡りながら撮り集めたこれらの写真を高評価する様子を見る時、年老いた不良少年のような私の中に得も言われぬ喜びが湧きおこるのを感じる。
ロベルト・ドアノー
展覧会の構成は次のとおりです。
第1章 街角
《音楽好きの肉屋》1953年
アコーディオンを持つのは流しのヒエレッド・ドリオン
《パリ祭のラストワルツ》1949年
祭りの熱気の包まれたパリの写真を撮りつづけたドアノーが、この日一枚だけ残っていた最後のフィルムに収めたのがこの写真だった。
第2章歌手
《レクリューズのバルバラ》1957年12月
レクリューズは1951年創業のビストロで、バルバラはレクリューズと契約を交わし、夜の公演を飾る「真夜中の歌手」として活躍した。
写真はスターになる前夜である27歳のバルバラ。翌年レクリューズと契約を交わした。
《ポン・ド・クリメのジャック・プレヴェール》
夢、驚き、これらすべてはプレヴェールのおかげだ。
ロベルト・ドアノー
シャンソン「枯葉」の作詞家で映画「天井桟敷の人々」の脚本家として知られる詩人ジャック・プレヴェールとロベルト・ドアノーが初めてあったのは1947年のこと。以来2人は生涯の友人となった。
第三章ビストロ、キャバレー
《ル・プティ・サン=ブノアのマルグリット・デュラス》1955年
マルグリット・デュラスは、20世紀フランス文学を代表する女流作家。
デュラスが住むアパルトマンの前にあるビストロ、ル・プティ・サン=ブノアで毎日のように食事をしていたそう。
第4章ジャズとロマ音楽
《アーサ・キット、サン=ジェルマン=デ=プレ》1950年
アーサ・キットは米国の歌手、女優。
4言語に堪能で、7つの言葉で歌った。
《ジャンゴ・ラインハルト》1950年
ベルギー出身のジャズギタリスト。
両親は、ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィングの創始者として有名。
第5章スタジオ
《「トスカ」録音中のマリア・カラス、パテ・マルコーニレコードのスタジオにて》1963年
マリア・カラスはギリシャ系米国人のオペラ歌手。
20世紀最高のソプラノ歌手であるカラスの、パリのスタジオでの姿をとらえたポートレート。
《イブ・モンタン》1949年
第6章オペラ
《バレー「カルメン」の衣装合わせ、ジジ・ジャンメールとイブ・サンローラン》1959年
第7章モーリ・バケ
《雨の中のチェロ》1957年
パリ音楽院を主席で卒業したチェリスト、スキーヤー、登山家、俳優・・文字通りマルチな才能に溢れたモーリス・パケとドアノーが出会ったのは1944年秋、パリ開放直後のことだった。ドアノーと生涯の友人でした。
1981年に写真集「チェロと暗室のためのバラード」を発表。
第8章80-90年代
《レ・リタ・ミツコ》1988年10月13日
ギタリストであるフレッド・シシャンと歌手のカトリーヌ・ランジェによるフランスのポップ・ミュージック・デュオ。
―HPの解説ー
パリを愛し、パリに愛された写真家の
音楽をテーマにした約200点を紹介!
フランスの国民的写真家ロベール・ドアノーは、パリを舞台に多くの傑作を生みだし、世界で最も愛され続けている写真家のひとりです。本展は、パリの街角にあふれるシャンソンやジャズなど様々な音楽シーンを題材に1930年代から90年代にかけて撮影された、ドアノー独自の音楽的感覚に富んだ作品約200点で構成されます。2018年末から2019年春にかけて、フランス・パリ19区にある“フィルハーモニー・ド・パリ”内の音楽博物館で開催され大好評を博した展覧会を基に、日本向けに再構成した巡回展がやってきます。
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