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2021.03.06

テート美術館所蔵 コンスタンブル展

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テート美術館所蔵 コンスタンブル展は、
三菱一号館美術館で開催されています。

会期 2021年2月20日(土)~5月30日(日)

イギリスの風景画家というとターナーを思い浮かべる人が多いと思います。
展覧会には
たびたび海景を描いたダイナミックな作品が展示されてきました。

コンスタンブルは、ターナーの一歳年下の風景画家で、ともに自国の風景画を刷新し、その評価を引き上げたことで知られます。
コンスタブルは、
故郷サフォーク州の田園風景をはじめとして、家族や友人と過ごしたソールズベリー、ハムステッド、ブライトンなどの光景を描き続けました。(HPから)
本展には
両親、妻、親友、知人家族の肖像画も展示されていて、近年コンスタンブルの肖像画を再評価する向きもあるようです。

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ジョン・コンスタブル《自画像》1806年、グラファイト/紙 テート美術館蔵 ©Tate
コンスタンブルがロンドンで画家修業を始めてから7年後の1806年に制作された。

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《マライア・ビックネル、ジョン・コンスタブル夫人》1816年、油彩/カンヴァス テート美術館蔵 ©Tate
本作を描きサフォークに携えていったコンスタブルは彼女宛の手紙に「何があっても決してあなたの肖像画を手放したくありません。この絵を見ればあらゆる苦悩を負った私の心もすぐに落ち着きます」と書いています。(本展キャプションから)

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《雲の習作》1822年、油彩/厚紙に貼った紙 テート美術館蔵 ©Tate
コンスタンブルは1821年から1822年にかけて空の研究に精力を注ぎました。
コンスタンブルにとって、ハイステッドは理想的な場所となった。
コンスタンブルが描いた雲の習作の多くには、主だった天候状態に加えて、制作した日と時間の詳細が裏面に記されていました。

1821年に親友フィッシャー大執事に宛てた手紙の中で「空は自然界の『光の源』で、ありとあらゆるものを統べている」と記しています。


本展の目玉展示は以下の2点ですね。素晴らしい作品です。
二作品がそろうのは1832年の展示を除くと本展が3回目で、ロンドン以外では初めての展示だそうです。

二人の作品は、ロイヤル・アカデミー展において、並んで展示されました 。
ターナーは、コンスタブルの大型作品の隣に配されたことを知り、「ヴァーニシング・デー[最終仕上げの日]」と呼ばれる手直しの期間に、《ヘレヴーツリュイス》の右下方に鮮やかな赤色の塊を描き加えてブイの形に仕立て上げたそうです。一気に観客の視線を自作に引きつけようと画策したのです。(本展キャプションから)
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ジョン・コンスタブル《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、1817年6月18日)》
1832年発表、油彩/カンヴァス テート美術館蔵 ©Tate
1817年の夏、ロンドンのヴォータールー橋の開通式を見た画家は、現地で数点の簡略な鉛筆デッサンを残した。
しかし完成までには更に15年の歳月を要しました。

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J.M.W.ターナー《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》1832年、油彩/カンヴァス
東京富士美術館蔵©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

この作品のみ撮影可能です。(クリックで拡大表示になります)
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《虹が立つハムステッド・ヒース》1836年、油彩/カンヴァス テート美術館蔵 ©Tate
1820年代に、コンスタブルはハムステッド・ヒースでたびたびスケッチを描いた。
ハロウに向かって西の方向を見はるかすブランチ・ヒル池の眺めは、収集家の間できわめて人気の高い主題となったため、この構図を土台にした作品を何点も制作している。
本作品はこの主題を扱った最後の1点である。
初期のように自然主義にしたがって忠実に描くことはなく、本作品ではハムステッド・ヒースには存在したことのない風車が加えられている。虹もまた、コンスタブルの後期作品において際立った特徴となっている。(本展のキャプションから)


展覧会の構成は次の通りです。
1 イースト・バーゴルトのコンスタブル家
1.1 初期の影響と同時代の画家たち

2 自然にもとづく絵画制作
2.1 同時代の画家たちによる戸外制作

3 ロイヤル・アカデミーでの成功
3.1 ハムステッド、およびコンスタブルと同時代の画家による空の研究

4 ブライトンとソールズベリー

5 後期のピクチャレスクな風景画と没後の名声
5.1 ロイヤル・アカデミーでの競合

5.2 イングランドの風景

5.3 晩年


―HPの解説ー
19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブル(1776-1837年)は、一歳年長のJ. M. W. ターナーとともに自国の風景画を刷新し、その評価を引き上げたことで知られます。 ターナーが絶えず各地を旅して、国内外の景観を膨大な数の素描に収めたのとは対照的に、コンスタブルは、ひたすら自身の生活や家庭環境と密接に結びつく場所を描きました。 故郷サフォーク州の田園風景をはじめとして、家族や友人と過ごしたソールズベリー、ハムステッド、ブライトンなどの光景を写した生気あふれる作品の数々は、この画家が何を慈しみ、大切に育んだのかを雄弁に物語ってやみません。
日本では35年ぶりとなる本回顧展では、世界有数の良質なコンスタブルの作品群を収蔵するテート美術館から、ロイヤル・アカデミー展で発表された大型の風景画や再評価の進む肖像画などの油彩画、水彩画、素描およそ40点にくわえて、同時代の画家の作品約20点をご紹介します。 国内で所蔵される秀作を含む全85点を通じて、ひたむきな探求の末にコンスタブルが豊かに実らせた瑞々しい風景画の世界を展覧します。


寒桜でしょうか、コロナ禍の中、春の気配が・・・・
(クリックで拡大表示になります)
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