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2021.02.18

トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション

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「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」は、
横浜美術館で開催されています。

会期 2020年11月14日(土)~2021年02月28日(日)

タイトル「トライアローグ」は、3者による話し合い(鼎談)を意味するそうです。
横浜、愛知県、富山県美術館の学芸員が話し合いを重ねて欧米の20世紀美術を概観するためのラインナップを紡ぎあげてきました。
本展では「3」という数字をキーワードとして、展示構成を「3章立て」「30年区切り」で展開します。


キュビズム、フォービズム、表現主義、構成主義、ダダ、シュルレアリスム、ネオダダ、ポップアート、ミニマルアート、コンセプチュアル・アート・・・
それぞれを代表する画家の作品が1~数点ずつ、総数約120点が展示してあります。

私の理解力では展覧会の展開には追いつけず・・・
チョットしたパニック状態でした。
丹念な解説が助けてはくれるのですが。

20世紀西洋美術の大きな流れを概観するにはいい企画展です。

展覧会の構成は以下の通りです。

第I章 1900sーー アートの地殻変動
印象主義、ポスト印象主義の表現を乗り超えるべく現れたキュビズム、フォービズム、表現主義を皮切りに、1910年代前半にヨーロッパで同時多発的に誕生した抽象主義、第一次世界大戦前後に隆盛した構成主義やダダに至るの20世紀初頭からの30年の動向を概観します。

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パブロ・ピカソ《青い肩かけけの女》1902年 愛知県立美術館蔵
初期の「青の時代」の典型作

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パブロ・ピカソ《ひじかけ椅子で眠る女》1927年 横浜美術館蔵
キュビズムの実験を経たのちの「新古典主義時代」の一作。

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パブロ・ピカソ《座る女》1960年 富山県美術館蔵
80歳代になったピカソの再婚相手であり、死去まで付き添ったジャックリーヌがモデル。

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アンリ・マティス《待つ》1921-22年 愛知県立美術館蔵
パリで激しい色彩と筆触を特徴とするフォービズムを展開したマティスが1921年にニースにアトリエを移したのちに描いた作品。

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パウル・クレー《女の館》1921年 愛知県立美術館蔵
ヴァイオリンの腕前がプロ並みだったといわれるパウル・クレー
「芸術は見えないものを見えるようにする」と言ってました。
絵画で音楽を奏でていたのかもしれません。

第II章 1930sーー アートの磁場転換
既成の価値観や理性を否定したダダの運動はほどなく、両大戦間のヨーロッパにおける一大潮流・シュルレアリスムへと展開します。

さらに第二次世界大戦中にヨーロッパの多くの芸術家がアメリカに亡命したことを一つの契機として、抽象表現主義のムーブメントがニューヨークで巻き起こります。
ヨーロッパ中心の勢力図から脱却し、世界各地の芸術家、芸術運動が相互に影響を与えあう時代に突入する20世紀半ばの30年の動向を俯瞰します。

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ジュアン・ミロ《パイプを吸う男》1925年 富山県立美術館
シュルレアリスム絵画の多くはオートマティスム(自動筆記)によってもたらされた偶然の形象を出発点としながらも、最終的な画面構成や仕上げの段においては、画家の意図的で慎重な作業が少なからず介在している。

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ルネ・マグリッド《王様の美術館》1966年 横浜美術館蔵
シュルレアリスムの画家たちは、人間の無意識や夢に意味を見出し、固定概念や秩序から人間を解放することを目指しました。マグリッドは無関係な物や人を組み合わせ、意外な場所に置いた幻想的な作品で知られています。

第III章 1960sーー アートの多元化
抽象表現主義で華々しく幕を開けた第二次世界大戦後の美術は、後続する芸術家たちによって次々と刷新されていきます。
ポップ・アート、コンセプチュアル・アート、行為性を全面に押し出した芸術表現。
アートの考え方が無数に分岐し、もはやいくつかの流派や傾向では包括し得ない時代へと至る、20世紀後半の芸術動向を振り返ります。

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サム・フランシス《消失点に向かう地点の青》1958年 愛知県美術館蔵

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クリスチャン・ボルタンスキー《シャス高校の祭壇》1987年 横浜美術館蔵

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ゲルハルト・リヒター《オランジェリー》1982年 富山県美術館蔵
様々な筆致と色彩が織りなす重層的な画面は筆とスクイージー(ヘラ状の道具)で絵具を幾重にも塗り重ねたり削ぎ取ったりすることで作り上げられている。


ーHPの解説からー
国内の各地方を代表する3つの公立美術館、横浜美術館、愛知県美術館、そして富山県美術館。この3館は、1980年前後の、いわゆる「美術館建設ラッシュ」の時期に開館した美術館です。それから約40年の間に、それぞれが多様性に富んだコレクションを築いてきましたが、いずれの美術館も近現代の西洋美術を収集の柱のひとつとし、またその分野に美術館の「顔」となる作品が多く含まれる点で共通しています。

本展覧会は、その3館が共同し、それぞれのコレクションを組み合わせて20世紀西洋美術の歴史を振り返るものです。 3館が誇る西洋美術コレクションから、ピカソ、クレー、ミロ、エルンスト、ダリ、マグリット、ポロック、ベーコン、ウォーホル、リヒターなど、20世紀美術史を彩った巨匠たちの作品を厳選し、絵画を中心に約120点の作品を紹介します。特定の作家をフォーカスして3館の所蔵作品を比較するコーナーなど、連携・共同企画ならではの趣向も織り交ぜながら、表現手法と概念の刷新が繰り返された前世紀の美術の軌跡をたどります。

3つの公立美術館のコレクションが競演する本展を通じて、欧米の近現代美術の粋をご堪能いただくと同時に、日本の美術館が競いあうように繰り広げてきた西洋美術収集の足跡と、その結果日本にもたらされた豊かな資産を再確認いただく機会となるでしょう。

横浜美術館「トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」
インターネットミュージアム

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