サントリー美術館 リニューアル・オープン記念展 Ⅲ 美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語
リニューアル・オープン記念展 Ⅲ 美を結ぶ。美をひらく。
美の交流が生んだ6つの物語
会期 2020年12月16日(水)~2021年2月28日(日)
※本展は10月14日~12月20日の会期を変更しました。
会期中の展示替えがあります。
担当学芸員、ひとりの方のコメントです。(サントリー美術館ニュースから)
「古いものと新しいものが時代の枠組みを超えて結びつく。東洋と西洋、国や民族といった文化の境界を越えて結びつき、新しい美が生まれる。異なるものが結ばれ、開くことは美術の本質のひとつです。本展では、江戸時代から1900年代のパリ万博にかけての約300年間に、日本美術を軸として結ばれた様々な美を、当館の名品・優品を通じてお見せできればと思っています。
この展覧会は撮影可能です。
(以下の画像はクリックで拡大表示になります)
展示構成は次の通りです。
Story1: ヨーロッパも魅了された古伊万里
17世紀後半以降、長崎から古伊万里が輸出されるようになりました。
ヨーロッパの王侯貴族を魅了してきた中国磁器は政情不安から一時輸出が止まりました。
その代わりに古伊万里が本格的に輸出される様になりました。
TOPIC 1 歴史が育んだ美しい 形と結びつくー水注ー
展示風景(色絵水注、染付水注 有田 江戸時代 17世紀)
TOPIC 2 歴史が育んだ美しい形と結びつくー花形のうつわー
色絵花卉文輪花鉢 有田 江戸時代 17世紀
TOPIC 3 歴史が育んだ美しい形と結びつくー面取りの壺や瓶ー
展示風景(色絵瓶 有田 江戸時代 17~18世紀)
TOPIC 4 人間もよう
色絵女人形 有田 江戸時代 17世紀
Story2: 将軍家への献上で研ぎ澄まされた鍋島
鍋島藩窯で作られた高級磁器は、徳川将軍家への年ごとの献上品、また藩のさまざまな贈進の品、藩主の身の回りの品などでした。常に高い品質を維持しなければならないという使命が、鍋島を研ぎ澄まされた美しさを持つやきものへ成長させました。
色絵椿文皿 大川内・鍋島藩窯 江戸時代18世紀
TOPIC 2 ゴージャスな青 都から強さも、繊細さも、自由自在に染め付ける。
展示風景(染付花文皿 大川内・鍋島藩窯 江戸時代 17世紀)
TOPIC 3 墨弾きの美 手間のかたちであり、真心のかたちである。
青磁染付七壺文皿 大川内・鍋島藩窯 江戸時代 18世紀
Story3: 東アジア文化が溶け込んだ琉球の紅型
15世紀から19世紀にかけて繁栄した琉球王国では、海上交易を通じて、中国や日本、東南アジア諸国との文化を結び、独自の美が花開きました。中でも、型紙を用いて模様を染め出す紅型は、周辺各国の染色技術の影響を受けながら、首里王府の庇護のもと様々な技法が発展し、王国の人々を華やかに彩りました。(HPから)
TOPIC 1 型紙の秘密
松竹梅飛鳥散し模様染地型紙 19世紀
TOPIC 2 紅型のエッセンス ー夢幻なる琉球の染めー
展示風景(紅型裂地 19世紀)
Story4: 西洋への憧れが生んだ和ガラス
TOPIC 1「びいどろ」を味わう ー型吹きガラスを中心にー
黄色瓢形徳利 江戸時代 18世紀後半~19世紀前半
つまみ脚付杯 江戸時代 18世紀後半~19世紀前半
TOPIC 2 ダイヤモンドの輝きをめざして
切子文具揃 江戸~明治時代 19世紀
TOPIC 3 幕末に生まれた究極のカットグラス
薩摩切子 藍色被船形鉢 江戸時代 19世紀中頃
TOPIC 4 おしゃれやたしなみにも、きらめきをとりいれて
展示風景(薩摩切子 碗・杯・瓶 江戸時代 19世紀中頃)
Story5: 東西文化が結びついた江戸・明治の浮世絵
TOPIC 1 江戸に生きる
女織蚕手業草 喜多川歌麿 十二枚続のうち 江戸時代 寛政10~12年(1798~1800)頃
TOPIC 2 未知との遭遇 ー新たなる世界ー
婦有喜倶菜 水野年方 明治21年(1888)
Story6: 異文化を独自の表現に昇華したガレ
アール・ヌーヴォー期を代表するフランスの芸術家エミール・ガレ。
ガレのガラス作品は、自国の伝統にエジプト・イスラム・中国・日本など多くの異国の美術のエッセンスを取り入れて作られています。
TOPIC 1 ガレのトータル・デザイン ー陶器、家具、ランプ
展示風景(家具、ランプ)
TOPIC 2 ガレとジャポニスム
花器「バッタ」 エミール・ガレ 一口 1878年頃
TOPIC 3 わが根源は森の奥にあり
昼顔形花器「蛾」 エミール・ガレ 1900年
TOPIC 4 森を抜けて 新収蔵品壺「風景」
壺「風景」 エミール・ガレ 1900年頃
―HPの解説ー
サントリー美術館は、2007年3月、六本木の東京ミッドタウンに移転開館して以来「美を結ぶ。美をひらく。」をミュージアムメッセージに掲げ活動してきました。例えば、古いものと新しいものが時代の枠組みを越えて結びつく。東洋と西洋、国や民族といった文化の境界にとらわれず結びつき、新しい美が生まれる。このように異なるものが結び、ひらくことは美術の本質であり、絶えることのない交流の中で今なお魅力的な作品が生み出されています。
本展覧会は日本美術を軸に、江戸時代から1900年パリ万博の約300年間にちりばめられた「美を結ぶ物語」「美をひらく物語」を、サントリー美術館の珠玉のコレクションから選び取ってみました。欧州も魅了された古伊万里、将軍家献上の使命で研ぎ澄まされた鍋島、東アジア文化が溶け込んだ琉球の紅型、西洋への憧れが生んだ和ガラス、東西文化が結びついた江戸・明治の浮世絵、そして異文化を独自の表現に昇華したガレ。国・時代・素材を越えて結び、ひらいた6つの美の物語をお楽しみください。
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