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2020.12.02

ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代

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「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」は、

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2020年11月21日(土)~2021年1月24日(日)
※1/1(金・祝)のみ休館

1948年、若手画家の登竜門である「批評家賞」受賞で一躍脚光を浴びた時代の作品から、1999年に71歳で自死する晩年まで、
時系列で作品を紹介した回顧展です。
ビュフェは1997年パーキンソン病を発症します。
「絵画は私の命です。これを取り上げられてしまったら生きていけないでしょう」と・・・

展示作品は全て静岡にあるベルナール・ビュフェ美術館の所蔵品です。


展示構成は以下の通り。
画家ベルナール・ビュフェ誕生 1928-1949年
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《キリストの十字架降下》1948年、油彩・カンヴァス 
ビュフェはキリストの受難をテーマにした作品を多く制作している。ここでは人物の服装は現代風に表現され、ヨハネに寄り添う聖母マリアと思われる男女は、わき腹を突かれたイエスが運ばれている光景を見ず、顔には悲壮感が感じられる。為す術もなく立ち尽くす人々には、17歳のビュフェが遭遇した母の死という悲しい思い出が重なっていく。
本作は十字架降下という伝統的なテーマにオリジナリティーが発揮された初期の傑作である。(キャプションから)

プロヴァンス時代―新天地での変化 1950-1957年

激動と表現主義の時代 1958-1970年
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《ニューヨーク:ブロードウェイ》1958年、油彩・キャンバス
ビュフェは旅行で行ったニューヨークの巨大なビル群と都会の雰囲気に強い感銘を受け、この都市をテーマに連作に取り組んだ。「風景画のなかで僕が重んじるのは構図です」とビュフェは述べており、空を刺すような巨大な建造物を力強い黒い線を縦横無尽に使って立体的に、またダイナミックに表現している。ニューヨークの摩天楼は鋭い描線を特徴とする彼の作品を最大限に生かすことができるテーマであった。(キャプションから)

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《夜会服のアナベル》1959年、油彩・キャンバス
ビュフェがアナベルと出会ったのは、ニューヨークをテーマに制作していた1956年で、3ヶ月後に結婚した。両性具有的な雰囲気と美貌を持つアナベルは、画家の恰好のミューズとなっていく。(キャプションから)

ビュフェはアナベルと出会い、8年ものあいだ公私にわたるパートナーであったベルジェとの別れを選びます。
ピエール・ベルジェとの出会いはビュフェが20歳のとき、ベルジェは社交が苦手だったビュフェを様々な人に紹介し、実質的にマネージャーの役割をしてきました。
ベルジェはやがてデザイナーのイヴ・サン=ローランのパートナーとなり、ファッション界でも大きな影響力を持ちました。

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《ピエロの顔》1961年、油彩・キャンバス
ピエロはビュフェがキリストと同じく繰り返し描いたモチーフである。
ビュフェは自らにピエロのメイクをしたこともあり、本作は彼の自画像ともいえる。(キャプションから)

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《カルメン》1962年、油彩・キャンバス


ベルナール・ビュフェの自然博物館 1960年代
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《小さいミミズク》1963年、油彩・キャンバス

レアリスムの時代―名声と理想の狭間 1971-1979年
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《赤い花》1964年、油彩・キャンバス
花はキャンバス上に絵の具を連続的して絞り出して描かれているが、黒い輪郭線を使わないこのような描法は珍しく、新しい試みといえる。(キャプションから)

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《ぺロス=ギレック》1973年、油彩・キャンバス
穏やかな地上に比べ空は今にも雨が降りそうな曇り空で、ビュフェの精神状態が絵に描かれているかのようである。(キャプションから)

終焉―死の河を渡る 1980-1999年 

 

―HPの解説ー
 20世紀後半のフランスを代表する具象画家の一人ベルナール・ビュフェ(1928‐1999)。刺すような黒く鋭い描線によるクールな描写を特徴とする画風は、第二次世界大戦直後の不安と虚無感を原点とし、サルトルの実存主義やカミュの不条理の思想と呼応し一世を風靡しました。抽象絵画が主流となっていくなかで、人気作家となっていったビュフェは批判されながらも自らの道を貫きます。そして近年、パリ市立近代美術館で本格的な回顧展が開かれるなど、再評価が高まっています。疫病の不安が重くのしかかり、多くの自然災害に翻弄される今、本展は我々と共通点のある時代を生き抜いたこの画家の作品世界を、年代を追う形で「時代」という言葉をキーワードに、ベルナール・ビュフェ美術館(静岡県)が所蔵する油彩を中心とした約80作品で振り返ります。

 

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