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2020.10.08

サントリー美術館 リニューアル・オープン記念展 Ⅱ 日本美術の裏の裏

2001
リニューアル・オープン記念展 Ⅱ
日本美術の裏の裏

会期 2020年9月30日(水)~11月29日(日)

サントリー美術館

「日本美術の裏の裏」とは?
本展の解説から(HPから)の引用です。
古の人々の愉しみ方を知り、追体験することは、現代人にとって知られざる裏ワザ鑑賞と言えるかもしれません。
「裏」には、見えない部分だけでなく、奥深く、隠された内部という意味があります。日本美術をより深く愉しめるように、教科書では教えてくれない面白さの一端をご案内します。目に見えていない(=裏)ところにこそ、魅力が隠れている(=裏)かもしれません。

本展は撮影可能です。(条件あり)
以下の画像は、クリックすると拡大表示になります。

展覧会の構成は次の通りです。
第1章: 空間をつくる
襖で仕切られた3部屋の空間に掛け軸、絵巻、屏風が展示されています。
花鳥の部屋・武蔵野の部屋・洛中洛外(京都の市中と郊外)の部屋
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《青楓瀑布図》円山応挙 一幅 江戸時代天明7年(1787)

日本美術の定番のひとつ四季花鳥図はすべての四季が同時に存在するという現実にはあり得ない光景を描いています。
部屋の中に屏風を立てれば、異次元の別世界が出現します。
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(部分)
重要文化財《四季花鳥図屏風》伝 土佐広周 六曲一双 室町時代15世紀

次の部屋は武蔵野の風景です(現在の東京西部から埼玉南部にかけての地域)
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《武蔵野図屏風》 六曲一双 江戸時代17世紀

そして古の京都
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《洛中洛外図屏風》伝 土佐充高 六曲一双 江戸時代17世紀 

 

第2章: 小をめでる
小さいものは無条件にカワイイと思う、日本人が平安の昔より持ち続けている感性が刺激されるはずです。(小冊子サントリー美術館ニュースから)
江戸時代後期に上野池之端で栄えた高級人形展・七澤屋による、極小の雛道具の数々が展示されています。
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《雛道具》一式 江戸時代 19世紀 

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右《雛道具のうち牡丹唐草文蒔絵銚子 七澤屋 江戸時代19世紀
左《鈴虫蒔絵銚子》 江戸時代17世紀

第3章: 心でえがく
いわゆるヘタウマの世界
上手いとか下手とかを超越し、とにかく描きたい、伝えたい気持ちが溢れ、生き生きと筆が走っているような作品群です。(サントリー美術館ニュースから)
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《鼠草子絵巻》 五巻のうち 室町~桃山時代 16世紀
鼠の権頭は、子孫を畜生道から救いたいと人間との結婚を企て、清水寺のご利益によって見事人間の姫君と結ばれます。しかし夫の正体を知った妻は、鼠捕りを仕掛けて逃亡。破局に絶望した権頭は出家してしまいます。約500年前に、すでに鼠がキャラクター化されていたとは驚きです。(キャプションから)
 

第4章: 景色をさがす
ここでの「景色」とは焼き物を焼くときにできる偶然の効果に見つけた日本人の美意識を指します。
個々人がどんな景色に何を思うか異なるはずです。
信楽・美濃・伊賀・丹波・京焼の作品が展示されています。
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《黄瀬戸立鼓花入》美濃 一口 桃山時代16世紀

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《壺 銘野分》信楽 一口 室町時代15世紀 

第5章: 和歌でわかる
言葉(和歌)と絵画、工芸の結びつきを探ります。 212_20201008023901  《白泥染付金彩薄文蓋物》尾形乾山 一合 江戸時代18世紀
よみびとしらずの俗謡
武蔵野は 月の入るべき 山もなし
草より出でて 草にこそ入れ

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《白綸子地橘亀甲文字模様小袖》 一領 江戸時代18世紀
よく見ると橘の枝や岩の模様に混じり合うように文字が散りばめられています。

第6章: 風景にはいる
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《楼閣山水図》谷文晁 二幅 江戸時代 文政5年(1822)
右幅の左下、杖を持って楼閣を指さす老人と若い従者の目を借りれば、この地の風景はより一層険しく映ります。(キャプションから)

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《隅田川図屏風》鍬形蕙斎 八曲一隻 江戸時代 文政4年(1821)


―HPの解説ー
日本人にとって「美」は、生活を彩るものです。室内装飾をはじめ、身のまわりのあらゆる調度品を、美意識の表現の場としてきました。そのような「生活の中の美」を、ひとりでも多くの方に愉しんでいただきたい。それが、1961年の開館以来変わることのない、サントリー美術館の基本理念です。

一方で、美を生み出してきた日本人の「生活」そのものは大きく変化しています。障子や畳、床の間が住まいから姿を消し、古文も外国語のように感じられる今、古美術をどう愉しんだらよいか悩める方も少なくないでしょう。
そこで本展では、生活の中の美の“愉しみ方”に焦点をあて、個性ゆたかな収蔵品の中から、日本ならではの美意識に根ざした作品をご紹介します。古の人々の愉しみ方を知り、追体験することは、現代人にとって知られざる裏ワザ鑑賞と言えるかもしれません。
「裏」には、見えない部分だけでなく、奥深く、隠された内部という意味があります。日本美術をより深く愉しめるように、教科書では教えてくれない面白さの一端をご案内します。目に見えていない(=裏)ところにこそ、魅力が隠れている(=裏)かもしれません。

 

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