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2020.08.09

特別企画和巧絶佳展令和時代の超工芸

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特別企画 和巧絶佳展令和時代の超工芸は、
パナソニック汐留美術館
で開催されています

会期 2020年7月18日(土)~ 9月22日(火・祝)

新コロナ禍における展覧会は、どうなるのでしょうか?
感染対策としては、体温測定、マスク着用、会場での会話抑制依頼、手指の除菌は各館共通。
名前と連絡先(電話番号)を記録する美術館もあります。
入場予約制をとっている美術館も多くあります。

歴史的名作を海外から借りてきて、観客で大混雑の展覧会はもうあり得ないのかもしれません。

自粛後に再開の美術館の展覧会を見ていると、館蔵名品を紹介する企画が散見されます。
どのように運営していくのか?試行錯誤が続くのではないでしょうか。

今この時代に活躍する美術家の展覧会が今まで以上に増えるのかな?
そんな気もします。

本展覧会では、日本の美意識に根ざした工芸的な作品によって、いま最も注目されている1970年以降に生まれた12人の作家を紹介します。(HPから)
今活躍している美術家を紹介する美術館であるPOLAミュージアムアネックス、パルコミュージアムなどで過去に拝見してきた美術家の作品が展示されています。

日本の伝統文化の価値を問い直す「和」の美、手わざの極致に挑む「巧」の美、工芸素材の美の可能性を探る「絶佳」
それぞれの視点から選んだ作家の作品が展示されています。
(この展覧会は写真撮影ができます。)

第1章 日本の伝統文化の価値を問い直す「和」の美
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舘鼻則孝作品展示風景
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舘鼻則孝 Heel-less Shoes 
花魁の高下駄に着想を得た作品。 
レディ・ガガ愛用とも・・・  
舘鼻は花魁の高下駄や簪だけでなく、日本刀、木版画、香文化など、日本の伝統文化を再解釈して現代の表現として再生し、過去と現在をつなぐことを課題としている(会場内の解説から、以下同じ)

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桑田卓郎作品展示風景
桑田は色だけでなく、梅華皮や、土に含まれた石が焼成時にはじけて表面に露出する石爆といった伝統的な焼き物技法を再解釈して、形を大胆に構成することで、器の概念を覆す不思議な表情の作品を制作している。

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深堀隆介《四つの桶》2009年 毓繡美術館、台湾
Yu-Hsiu Museum of Art,台湾、台作品展示風景
透明エポキシ樹脂の表面にアクリル絵の具で金魚の体の部分をすっしづづ描き、それを層状に重ねて金魚の姿を描いている。
作家は積層絵画(2.5Ðペインティング)と呼んでいる。


第2章 手わざの極致に挑む「巧」の美
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(右)池田晃将《電光十進玉箱》2019年個人蔵 
螺鈿は漆芸の代表的な装飾技法の一つで、描きたい模様に合わせて貝殻を切り、漆で張り合わせることが一般的であるが、池田は貝殻にレーザーを当てて、数字を一つ一つ細かく切り出して張り付けている。

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見附正康作品展示風景
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1ミリ幅の中に何本もの線を描く卓越した技術によって生み出される正確で繊細な表現は、工芸のみならず現代アートの分野でも高く評価されている。

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山本茜
装飾技法である截金から「装飾」という役目を解き放ち、自由で純粋な芸術表現に出来ないかと模索して結果、ガラスとガラスの間に截金を施し、窯の中で融着させた「截金ガラス」の技法を確立した。
人間国宝江理佐代子に師事。
上村松園の仕事に憧れを持っていたと・・・
本展で私が最も注目した作家です。

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高橋賢悟作品展示風景
真空加圧鋳造の技術を駆使して作った作品。
アルミニュームを素材として、技術改良を重ね0.1ミリという前例のない驚異的な薄さの鋳造を実現した。


第3章 工芸素材の美の可能性を探る「絶佳」
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新里明士作品展示風景
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新里は光と磁器の関係性を問い続けている。〈光器〉は従来、装飾に一部として使われてきた蛍手を磁器の全面に配することで、磁器全体が光を帯びたような表現が特徴である。

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坂井直樹《湯のこもるカタチ》2010年作家蔵
「火を使い、金槌で叩き、思いどおりの形に近づけていくという長い作業の中で、重たく冷たくのしかかる金属の感触が、まるで正反対のものとして生まれ変わっていく瞬間があります。手の中でそれを感じる時が鍛金の仕事の最大の魅力です」と語り、鉄を素材に、現代の生活空間に調和する作品を制作している。

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安達大悟《つながる、とぎれる、くりかえす》部分 2020年作家蔵
安達がもちいるのは、奈良時代の夾纈にルーツをたどることができる板締め絞り。折りたたんだ布を四角や丸など様々な形状のいたに挟み染め上げる技法である。

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橋本千毅《花螺鈿蝶蒔絵箱》2018年個人蔵
漆の製作工程は多岐にわたるが、下地、塗り、蒔絵、平文、螺鈿などの一連の工程を全て自分の手で行っている。さらに、木工や金工の技術を習得しで素地や金具も自作しており、必要に応じて製作のための道具や材料も作っている。

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佐合道子《玉華蓋付飾壺》2017年 作家蔵
自然物をはじめとした身の回りの「いきもの」を子細に観察することをライフワークとしており、「いきものらしさ」をテーマに、土の可塑性を生かした動きのある作品を制作している。


―HPの解説ー
本展覧会では、日本の美意識に根ざした工芸的な作品によって、いま最も注目されている1970年以降に生まれた12人の作家を紹介します。

グローバル時代をむかえ、私たちを取り巻く物の均質化が進むなか、日本各地で育まれてきた工芸や手仕事が独自の表現を生み出す資源として見直されています。工芸というジャンルにとらわれることなく、工芸素材を用い、工芸技法を駆使して工芸美を探求する本展の出品作家の取り組みは、人と物との関係を問い直すとともに、手仕事の可能性の広がりを予感させます。

展覧会タイトル「和巧絶佳」は現在の日本における工芸的な作品の三つの傾向――日本の伝統文化の価値を問い直す「和」の美、手わざの極致に挑む「巧」の美、工芸素材の美の可能性を探る「絶佳」――を組み合わせた言葉です。この展覧会が現在の日本の工芸の新しい兆候を示すだけでなく、これまで受け継がれてきた日本の手仕事の可能性を考える機会となることでしょう。

東京メトロ新橋駅~パナソニック汐留美術館

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