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2020.08.01

古典×現代2020―時空を超える日本のアート

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『 古典×現代2020―時空を超える日本のアート』は、
国立新美術館で開催されています。

会期 2020年6月24日(水)~8月24日(月) 変更された会期です。

この展覧会は時間予約制です。
国立新美術館内は人影もまばらで閑散としていました。
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本展会場の2階フロア

現代を生きる人気作家8人が、江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品と対話・対峙します。

展示構成は次の通りです。
仙厓×菅木志雄
出光美術館所蔵の《円相図》を繰り返し何度も拝見・・
もの派の菅木志雄作品は昨今良く展示されていますね。  
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菅木志雄《支空》 1985年 作家蔵 撮影:菅木志雄
仙厓義梵《円相図》 江戸時代・19世紀 福岡市美術館(石村コレクション)

花鳥画×川内倫子
あやふやな光に包まれた、ありふてた風景?が私の川内倫子作品に感じている個性です。
独特な個性を放つ作品は一度見たら忘れません。
今回の展示空間には、自然の摂理をも描きこんだ若冲の作品、 南蘋派や黄檗画の作品と展示して、川内倫子作品との対話を試みています。
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川内倫子《無題》、シリーズ〈AILA〉より 2004年 作家蔵 ©︎ Rinko Kawauchi
伊藤若冲《紫陽花白鶏図》 江戸時代・ 18 世紀 個人蔵


円空×棚田康司
円空仏には本当に癒される。
木そのものの存在感を大切にして掘り出した円空仏・・・
棚田康司の一木へのこだわり、共通点を探る展示空間です。
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円空《善財童子立像(自刻像)》江戸時代・17世紀 岐阜・神明神社 撮影:関市
棚田康司《曲線の少女》 2019年 作家蔵 撮影:宮島径 


刀剣×鴻池朋子
鴻池朋子の展示作品は、数年前に確か神奈川県民ホールギャラリーで鑑賞した気がしますが・・・・
刀剣博物館の展示に慣れているので、刀剣展示ケースの照明にちょっと違和感を持ちましたが、
「切る道具」としての日本刀に立ち返り、切り裂かれた動物の皮を咬合して作品を作り上げるという、ある種の緊張関係を想像させる展示かと。
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刀 銘 兼房 室町時代・16世紀 個人蔵
鴻池朋子《皮緞帳》 2015年 高橋龍太郎コレクション ©Tomoko Konoike

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この作品のみ指定場所からの撮影ができます。


仏像×田根剛
暗幕で覆われた空間に。滋賀県にある天台宗の古刹、 西明寺 の本尊である薬師如来像の 脇侍 として今日に伝わる日光菩薩・月光菩薩の二像が配置されていて、
数個の笠をかぶったほの暗い電球が上下に移動します。
神秘的で静謐な空間に佇むことになります。
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《月光菩薩》《日光菩薩》 いずれも鎌倉時代・13世紀 滋賀・西明寺
田根剛《エストニア国立博物館》 2006-16年 ©️ Takuji Shimmura | Image courtesy of DGT.


北斎×しりあがり寿
森羅万象を描き切った画狂北斎をオマージュした、
しりあがり寿の「ゆるめ~しょん」と呼ぶゆるいタッチの映像の新作を見ることができます。
さらに、〈冨嶽三十六景〉とともに、これに着想を得たパロディ、〈ちょっと可笑しなほぼ三十六景〉(2017年)が出品されています。05_20200725214401
葛飾北斎《富岳三十六景 尾州不二見原》江戸時代・19世紀
しり上がり寿《ちょっと可笑しなほぼ三十六景 メビウスの桶》 2017年

乾山×皆川明
現代のデザイナー皆川明、主宰するブランド「ミナ ペルホネン」の大規模な展覧会が昨年、東京都現代美術館で開催されました。
今回の展示空間は周囲に服を展示。
囲まれるように乾山作品の展示ケース、その上に皆川明のデザイン・模様の円筒があります。
乾山のフォルム・意匠と皆川明の作品のイメージの対比は驚くほどの見事さでした。08_20200731203901
尾形乾山《銹絵百合形向付》 江戸時代・18世紀 MIHO MUSEUM 
minä perhonen《ring flower》 2005-06年 秋冬コレクション

 

蕭白×横尾忠則
江戸の奇想画家蕭白と、
蕭白にオマージュを捧げてきた、
現代のある意味奇想、横尾忠則の奇想対決?
最近の横尾忠則いろいろな場面で健在のようで・・・
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曾我蕭白《群仙図屏風》(部分)江戸時代・18世紀 2曲1双 東京藝術大学
横尾忠則《戦場の昼食》 1990 / 2019年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)


―HPの解説ー
古い時代の美術と現代美術の対比を通して、日本美術の豊かな土壌を探り、その魅力を新しい視点から発信する展覧会を開催します。
展覧会は、江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、現代を生きる8人の作家の作品と対になるよう組み合わせ、一組ずつ8つの展示室で構成します。古典側は曾我蕭白、尾形乾山、円空、仙厓義梵、葛飾北斎ら誰もが知る巨匠の作品や、鎌倉時代の仏像、江戸時代の花鳥画、刀剣の名品を選出。現代側は、川内倫子、鴻池朋子、しりあがり寿、菅木志雄、棚田康司、田根剛、皆川明、横尾忠則ら、今の日本を代表するクリエイターたちの造形を選びました。
現代作家たちの仕事と過去の名品との関係はさまざまです。展覧会では、世界観や主題、造形、制作方法の類似を示すだけでなく、先達から得たインスピレーションや、誰もが知るイメージに基づくパロディ、古い作品を取り込んだインスタレーションなど、過去の偉業に積極的に関与していく現代の作家たちの姿にも焦点を当てます。今日の優れた表現と、今なお私たちを惹きつけてやまない古の名品の比較を通じて、単独では見えてこない新たな魅力を発見する機会になれば幸いです。


東京ミッドタウンのサントリー美術館から乃木坂の国立新美術館に移動してこの企画展を観ました。
 
サントリー美術館(東京ミッドタウン・ガレリア)~国立新美術館

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